就活は何社受けると安心?選考社数を決定するポイントとは
2023年5月25日更新
はじめに
就活を開始すると、何社選考を受けておくべきか、悩む人は多いのではないでしょうか。
早い段階で内定を獲得することができれば何の心配もいりませんが、万が一内定が獲得できない場合を想定し、リスクヘッジしておきたいと思う人がほとんどです。
とは言え、選考を受けすぎてしまうと、スケジュール管理が難しいといった難点もあります。
「何社受けておくと安心なの?」
「どういう理由で選考社数は決定するべきなの?」
内定獲得までの道のりが長いために、様々な不安が生じることでしょう。
そこで本記事では、就活では何社受けておくと安心なのかということに加え、選考社数を決定する際のポイントなどを詳しくご紹介します。
これから選考を受ける企業を決める人はもちろん、選考社数に悩みながら就活を行っている人も、ぜひ最後までお読みくださいね。
就活生は選考を何社受けるのが普通?
そうは言っても、世の中の就活生は何社程度選考を受けているのか気になるのではないでしょうか。
2023年卒就活生の平均エントリー数は16.2社となっています。
(参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 就職白書2023)
文理別で見ると、平均エントリー数は以下の通りです。
文系男子 | 23.1社 |
文系女子 | 22.2社 |
理系男子 | 13.6社 |
理系女子 | 14.7社 |
(参照:キャリタス就活 2023 学生モニター調査結果(2022 年 3 月発行)
毎年就活の早期化が進んでおり、就活生が企業情報を獲得できるシーンが多くなったために、エントリー以前に志望企業をある程度絞り込んでいる傾向が見られるようです。
平均エントリー数についてより詳細に確認したい場合は、下記記事もぜひ参照くださいね。
【就活】エントリー数の平均|メリットデメリット・適した数にするためには
平均選考通過率はどのくらい?
2023年卒の就活生の平均エントリー数が16.2社であることに対し、選考を受けている数は対面が4.64社、Webが9.09社となっています。すなわち、選考通過率は約84%と読み取ることができるでしょう。
(参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 就職白書2023 )
しかし、あくまでもこの数字は平均値に過ぎません。
自分も全く同じ数値で選考が通過するとは限らないことをきちんと理解し、就活における戦略を立てていくことが重要です。
安心できる社数は人によって異なる
「何社受けると安心なのか」という点は、人によって異なります。
人にはそれぞれ特徴があり、選考フェーズの中でも得意・不得意があるはずです。
例えば、コミュニケーション能力には自信があるため、面接には強みを持っているものの、ESが苦手で通りにくいということがあるでしょう。
そのため、安心できる社数を見つけるためには、自分の得意・不得意をある程度見極めておく必要があります。
「就活 社数」などで記事を検索すると、たくさんの情報を見つけることができますが、その情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、「自分の場合は当てはまるかな?」という視点で見ていくことが必要です。
選考社数を決定するポイント
では、選考社数を決定する際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
ポイントを3点ご紹介します。
志望企業の就職難易度を正しく把握する
選考を受ける企業の中には、就職難易度が高い会社と、そうではない会社があるはずです。
選考社数を決定するためには、企業ごとの就職難易度を正しく把握する必要があります。
就職難易度を検討する際に、有効な指標となるのが倍率です。
大人数を採用している企業であれば、たくさんの就活生がエントリーしていても倍率としてはそこまで高くない可能性があります。
しかし少人数しか採用しない企業の場合、採用倍率が極端に高くなっている可能性があります。
選考社数を決定する際は、就職難易度の強弱を見極めて選考を受ける企業を選出する必要があります。
企業の倍率を調べる際は、ぜひ下記記事も参考にしてくださいね。
志望企業の選考にかかる工数を大まかに把握する
選考を受ける際に、何も準備をせずに臨むということはありません。
企業について下調べをしたり、面接対策をするなどして何らかの準備の時間が一定時間かかります。
そのため、選考企業に応じてどの程度の時間が必要となるのか、エントリー前に工数を算出しておくことが必要です。
学校の授業やアルバイトがある場合、そちらの工数も考慮し、「現実的に自分は何社なら受けられるのか」ということを適切に把握しましょう。
それによって、自分にとって最適なエントリー数が見えてきます。
適切なエントリー数の導き方については、下記記事もぜひ参照くださいね。
【就活攻略】就活では平均何社落ちるの?適切なエントリー数も紹介!
内定獲得までのスケジュールを立ててみる
工数を算出することができたら、内定獲得までのスケジュールを立ててみましょう。
なぜなら、志望企業によっては選考タイミングが被ってしまい、日程面の理由から選考を受けることができなくなる可能性があるためです。
先行実施のタイミングは、企業規模や業種・業界によって異なります。
選考を受ける企業の中で選考実施時期をずらすなどして、無理なくスケジュール調整ができる状態をつくっておきましょう。
選考社数が多い場合のメリット
では、選考社数が多い場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
詳しくご紹介します。
内定獲得数が増える
選考社数が多くなることは、内定獲得機会が増えることだと言い換えることが可能です。
内定獲得機会が増えるほどに、内定を獲得できる可能性は高くなります。
1社でも多く内定を獲得したいと思うことは、何ら不思議ではありません。
就活を進める上での安心感という観点でも、内定数が増えることに損はないでしょう。
心に余裕を持って選考を受けることができる
また、選考社数分のES記入や面接実績を積むことができるため、スケジュールが後半になるほどに選考にも慣れ、落ち着いて対応できるでしょう。
「この企業に落ちてしまったら終わりだ…」といった意識を持たず、心に余裕を持って選考に臨める点は大きなメリットです。
同じ業界の企業を比較できる
多くの企業を受けることで、同じ業界の企業を受けることもあるでしょう。
その結果、同じ業界の企業を比較することが可能になります。
同業他社の比較を通じて、それまでは見えにくかった志望企業の強みなどに気付くことができるかもしれません。
これは多くの企業を受けているからこそのメリットだと言えるでしょう。
選考社数が多い場合のデメリット
では、選考社数が多い場合にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
こちらも詳しくご紹介します。
1社への対策量が減る
選考社数が多くなるほどに、対策量を増やす必要が生じます。
企業の下調べをきちんとしておかなければ、選考フェーズが進むほどに粗が出やすくなります。
また、適切な面接対策をできなかったために、本来であれば通過できるはずの選考を通過できないといった事態が生じる可能性があります。
本来であれば、自分を助けるために選考社数を多くしたはずなのに、結果としてそれが自分の首を締めることにもなりかねません。
スケジュール管理が難しくなる
選考社数を増やす際は、スケジュール管理をきちんと行うことが前提となります。
たくさんの企業を受けることで、面接日のコントロールが難しくなるのは言うまでもありません。
全ての選考を受けるためには、それ相応の時間がかかることを理解しておきましょう。
選考社数が少ない場合のメリット
では、選考社数が少ない場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
詳しくご紹介します。
下調べを入念に行うことができる
選考社数が少ないからこそ、選考を受ける企業それぞれの下調べを入念に行うことができる点は大きなメリットです。
企業研究や面接対策に慣れている場合を除き、きちんと対策しようとすると、自分の想像以上に時間がかかることは少なくありません。
自分で納得できる対策を行うために、しっかりと時間を確保できるのは選考社数が少ないゆえのメリットだと言えるでしょう。
選考社数が少ない場合のデメリット
では、選考社数が少ない場合にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
こちらも詳しくご紹介します。
内定を獲得できない可能性がある
選考社数を絞ることで、内定がひとつも獲得できない可能性があります。
もちろん選考社数に関わらず、内定がゼロになる可能性はあるものの、選考社数が少なければ少ないほど、その可能性が高まると理解しておくのが良いでしょう。
志望業界を変える際に手遅れになる可能性がある
選考社数を絞って選考を受けた結果、自分が目指すべき業種や業界ではないと気付いたときに手遅れになってしまう可能性があります。
選考を通じて見えてくる自分の指向性があることも、選考社数決定前に理解しておくことが重要です。
選考社数決定の際の注意点
では、選考社数を決定する際にはどのような点に注意するべきなのでしょうか。
特に注意するべきポイントに絞ってご紹介します。
無理のない社数を心がける
ここまで、平均エントリー数などをご紹介してきましたが、平均値はあくまで平均です。
自分が平均値と同じ社数のエントリーが必要になるのかは、自分自身で検討する必要があります。
自分自身の生活スタイルや生活を考慮し、無理なく選考を受けるためには何社が適切なのか、という視点で選考社数は決定しましょう。
「きっとなんとかなる」「この頃には慣れてきているだろうから、選考対策時間は短縮できるはず」など、現時点で確証がない情報で選考社数を決定するのは危険です。
現時点の自分が無理のない範囲を意識して、選考社数を決定しましょう。
スケジュール管理を徹底する
選考社数を決定したら、スケジュール管理を徹底しましょう。
エントリー期間はいつまでなのか、選考実施予定日はいつなのかを明確にしておくことで、余裕を持ってスケジュール調整をすることが可能になります。
頭の中で把握しておくのではなく、パソコンや携帯、スケジュール帳などに記入して管理するのがおすすめです。
就活はESや面接候補日の提出など、締め切りがあるものが多いことから、締め切りについてもしっかり記入しておくのがおすすめです。
スケジュール管理能力は社会人になっても必要になるため、今のうちから練習だと思って、しっかり管理するようにしましょう。
効率的なスケジュール管理法について、詳しく知りたい方は以下の記事も合わせて読んでください。
志望企業の優先度をあらかじめ決定しておく
どれだけ綿密にスケジュール管理をしていても、選考を受けている企業の面接実施日が重複してしまう可能性はゼロではありません。
その際、都度「どっちの企業を優先しよう…」と考えるのは時間の無駄です。
選考社数を決定し、選考を受ける企業を決定した際には、志望企業の優先度をつけておくようにしましょう。
事前に志望企業の優先度をつけておけば、万が一面接実施日が重複しても迷うことはありません。
選考を受ける中で志望度が変わるのはもちろん良いですが、いったん暫定的に優先度は決めておきましょう。
よくある質問
では、最後によくある質問にお答えします。
万が一全ての企業に落ちてしまったらどうしよう…
選考結果は誰にも保証されるものではない以上、全ての企業に落ちてしまう可能性はゼロではありません。
ここで重要なのは、「全ての企業に落ちたタイミング」です。
他の企業がエントリーを受け付けている段階の場合、エントリー可能な企業から再度選考を受けたい企業を選ぶのが良いでしょう。
すでに多くの企業がエントリーを締め切っている場合は、秋選考まで待つか、通年採用企業を探すなどの対応が必要になります。
選考を受ける企業の選考タイミングが遅いと感じる場合、選考社数を増やして早めに他の企業を受けておくのが良いかもしれません。
就活を開始する前に、きちんと万が一に備えた対策をとっておくことが重要です。
内定を獲得できない懸念がある場合は、以下の記事を参考にするのが良いでしょう。
身の丈に合った選考社数で就活に臨もう!
いかがでしたか?
本記事では、就活では何社受けておくと安心なのかということに加え、選考社数を決定する際のポイントなどを詳しくご紹介してきました。
「何社受けておけば必ず内定が取れる」ということが分かれば、苦労することはないものの、そうではないからこそ悩むのが就活です。
「これだけの企業の選考を受けていれば、内定が獲得できるはず」ということを判断するのは、自分自身でしかありません。
就活後半で後悔しないように、今できる準備をきちんと行い、自分に見合った選考社数で就活に臨んでみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。