【企業分析】AGCの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年11月26日更新
はじめに
AGCは、世界を代表するガラス、化学品、電子、セラミックスメーカーです。
1907年の創業以来、常に時代の最先端技術を追求し、社会の発展に貢献してきました。
「ガラス」のイメージが強いかもしれませんが、ディスプレイや半導体、医薬品など、幅広い分野で人々の生活を支えています。
今回は、そんなAGCの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では、AGCへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
- AGCの事業内容が気になる
- AGCの就職難易度を知りたい
- AGCの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、ガラス、化学品、電子、セラミックスメーカー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
この記事の結論からお伝えすると、AGCの就職難易度は非常に高いです。
その理由は、グローバルな事業展開と、常に新しい素材を創造し続ける技術力にあります。
同社は、モビリティやエレクトロニクス、ライフサイエンスといった成長分野で社会課題の解決を目指しており、そのビジョンに共感し、自ら探究心を持って挑戦できる人材を求めています。
選考では、単に専門知識を問うだけでなく、多様な人々と協働する「高いコミュニケーション能力」や、未知の分野にも臆することなく飛び込む「好奇心と探究心」が特に重視されます。
面接では、これらを裏付ける具体的な研究やアルバイト経験、そして困難な状況をどう乗り越えたかというエピソードが深く問われます。
徹底した企業研究と自己分析を通じて、自分の強みが同社の未来にどう貢献できるかを明確にすることが、内定獲得の鍵となります。
AGCについて
出典元：AGC
会社概要
AGCは、1907年に岩崎俊彌氏が日本で初めて板ガラスの国産化に成功したことを契機に、旭硝子として創業した企業です。
創業以来、常にガラス技術の最先端を追求し、日本のみならず世界の建築物や自動車に不可欠な素材を提供し続けてきました。
長年にわたり培ってきたモノづくりの精神と、高い技術力は、ガラスだけでなく、フッ素化学品やエレクトロニクス、セラミックスといった多様な分野へと応用されてきました。
これにより、AGCは単なるガラスメーカーではなく、幅広い産業の基盤を支える総合素材メーカーへと進化を遂げています。
同社は「AGCグループは、独自の素材とソリューションを通じて、社会課題を解決し、世界中の人々の生活を豊かにします」という企業理念を掲げ、グローバルな視点での事業展開を加速しています。
現在、世界30以上の国と地域に拠点を持ち、各地域特有のニーズに応じた製品開発と供給体制を確立しています。
近年では、モビリティ分野における次世代ディスプレイや、ライフサイエンス分野での新薬開発支援など、人々の暮らしをより豊かにする素材ソリューションの提供に力を入れています。
革新的な素材で「世の中を変える」ことを目指す、挑戦的な企業です。
各事業セグメントの解説
AGCは、ガラス、化学品、電子、セラミックスといった幅広い分野で事業を展開しています。
同社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業セグメント | 活動内容 |
| ガラス事業 | 建築用、自動車用、ディスプレイ用ガラスなどを製造・販売し、快適で安全な社会に貢献しています。 |
| 化学品事業 | フッ素や塩素、ウレタン関連製品などを提供し、産業や人々の生活を支えています。 |
| 電子事業 | 半導体・ディスプレイ製造に不可欠な部材を供給し、エレクトロニクス産業の発展に貢献しています。 |
| ライフサイエンス事業 | 医薬品・バイオ医薬品の受託開発・製造サービス（CDMO）を提供し、人々の健康に貢献しています。 |
| セラミックス・その他事業 | 窯業用製品や耐火物などを提供し、鉄鋼や窯業、自動車などの産業を支えています。 |
普段イメージするAGCとは違い、ガラスだけでなく、フッ素化学品や医薬品、電子部品など、多岐にわたる事業を通じて、社会のさまざまなニーズに応えています。
また、これらの事業セグメントは、AGCの多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、素材開発からソリューション提供まで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
AGCで働いている社員は？
平均勤続年数は？
AGCの平均勤続年数は、17.2年です。
これは、厚生労働省が発表した日本の平均勤続年数（12.3年）を大きく上回っており、社員が長期的にキャリアを築ける安定した環境であることを示しています。
平均年収は？
AGCの2024年度の平均年収は、有価証券報告書によると約888万円です。
これは、国税庁の民間給与実態統計調査による全国平均年収（約458万円）を大きく上回る高い水準です。高い技術力とグローバルな事業展開が、高水準の給与に反映されていると言えるでしょう。
平均ボーナス額は？
AGCの平均ボーナス額は、公式には公開されていません。
しかし、平均年収（約888万円）と国税庁の統計調査（平均給与に占める賞与の割合は約16%）を基に推測すると、年間で約142万円程度と考えることができます。
これはあくまで推測であり、個人の評価や会社の業績によって変動する点にご留意ください。
平均残業時間は？
AGCの平均残業時間は、1ヵ月あたり20時間です。
これは日本の平均残業時間（約22.2時間）を下回っており、ワークライフバランスを保ちながら働くことができる環境と言えます。
どんな文化なの？
AGCは、「多様性」を尊重する文化が根付いています。
国籍や文化、性別、年齢に関係なく、社員一人ひとりが個性を活かして活躍できる環境です。
また、「チャレンジ」を重視しており、新しい技術や事業に積極的に挑戦する風土があります。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
AGCは、ガラス業界のリーディングカンパニーでありながら、化学品、電子、セラミックスといった多角的な事業を展開しています。
単一事業に依存しない収益構造と、グローバルな市場での高いシェアが同社の強みです。
- 強固な技術力と研究開発体制
- 多角的な事業展開
- グローバルな競争力
強固な技術力と研究開発体制
長年の歴史で培った独自の技術と、世界中の研究拠点を活かした研究開発体制が、同社の成長を支えています。
多角的な事業展開
ガラス、化学品、電子など、複数の事業セグメントを持つことで、特定市場の変動リスクを分散しています。
グローバルな競争力
世界30以上の国と地域に拠点を持ち、各地域での市場ニーズに合わせた製品・サービスを提供しています。
参考までに、競合他社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高（2025年） | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| AGC | 約2.1兆円 | 約888万円 | 70 | 挑戦的で多様性を重んじる社風 |
| 日本板硝子 | 約6,000億円 | 約750万円 | 68 | 伝統的で安定志向の社風 |
| セントラル硝子 | 約2,400億円 | 約700万円 | 65 | 堅実でチームワークを重んじる社風 |
| 信越化学工業 | 約2.4兆円 | 約850万円 | 70 | 少数精鋭で実力主義の社風 |
AGCの新卒募集要項について
AGCは、2026年度の新卒採用において、技術系と事務系の総合職を募集しています。
技術系では、研究開発や製造エンジニアなど、専門性を活かした幅広い職種があります。
一方、事務系では、営業や経理など、グローバルなビジネスを支える職種が用意されています。
社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、コアタイムなしのフレックスタイム制を導入し、柔軟な働き方を推奨しています。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 技術系総合職（研究開発、製品開発など） 事務系総合職（営業・マーケティング、経理・財務など） |
| 応募資格 | 2026年6月～2027年3月に高専・大学・大学院を卒業・修了見込みの方。（既卒3年以内も可） |
| 初任給 | 博士了: 377,332円、修士了: 324,632円、学部卒: 293,012円 （2025年7月実績） |
| 賞与 | 年2回（時期は記載なし） |
| 勤務地 | 本社（東京）、研究所（横浜）、全国各事業所、海外など |
| 勤務時間 | 基準労働時間7時間45分（コアタイムなしのフレックスタイム制） |
| 休日休暇 | 完全週休2日制、祝日、年間休日127日（2025年度） （GW8連休、年末年始9連休） |
| 福利厚生 | 寮・社宅、通勤手当、家賃補助、育児・介護休職制度など |
求める人材
AGCは、グローバルな視点を持ち、変化を恐れず挑戦する人材を求めています。
そのビジョンに共感し、以下のような資質を持つ人材を歓迎します。
これらは、日々の業務で不可欠な要素です。
- 好奇心と探究心
- 高いコミュニケーション能力
- 論理的思考力と柔軟性
好奇心と探究心
未知の素材や技術にも臆することなく、自ら探求し、新しい価値を創造する姿勢が求められます。
高いコミュニケーション能力
研究開発から製造、営業まで、多様な部門や国籍の人々と協働し、課題を解決する力が不可欠です。
論理的思考力と柔軟性
複雑な技術課題や顧客のニーズを深く分析し、最適な解決策を提案するための論理的な思考力と、変化に対応する柔軟性が重要です。
これらの資質は、AGCが掲げる企業理念に深く根ざしており、社会に新たな価値を提供し続ける上で不可欠な要素です。
入社後もこれらの意識を高く持ち続けることが、同社でのキャリアを築く上で最も重要となります。
新卒採用のフロー
AGCの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では、志望動機や自己PRといった一般的な質問に加え、技術や研究に対する深い理解について問われるのが特徴です。
①エントリー
AGCの採用サイトから、新卒エントリーを行います。
エントリーシートでは、志望動機や学生時代に力を入れたこと（ガクチカ）、自己PRなどを回答し、AGCという企業への興味や理解度をアピールします。
このステップは、あなたの個性やAGCへの熱意を伝える最初の重要な機会となります。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は、以下の関連ページをご覧ください。
②適性検査・Webテスト
エントリーシート通過後、適性検査が実施されます。
この検査では、論理的思考力や、社員としての適性、行動特性などが測られます。
事前の対策をしっかり行うことで、検査結果が選考に与える影響を最大限に高めることができます。
以下のページもぜひ参考にしてください！
③複数回面接
AGCでは、学生一人ひとりの個性や潜在能力を深く見極めるため、複数回にわたる面接が実施されます。
面接官は、単なるスキルや経験だけでなく、あなたの人間性や、同社で働くことへの熱意を重視しています。
志望動機やキャリアプランに加え、専門分野への関心や、同社の事業に対する考え方について深く問われるため、しっかりと準備をしましょう。
以下に、口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- なぜ数ある素材メーカーの中で、AGCを志望するのか？
- 学生時代に最も困難だったことは何か？それをどう乗り越えたか？
- あなたの研究内容を、専門外の人にも分かりやすく説明してください。
- AGCが掲げる「社会課題の解決」という企業理念についてどう考えるか？
- あなたの強みと、それを入社後どう活かしたいか？
これらの質問を通じて、面接官はあなたのAGCで働くことへの強い熱意と、論理的な思考力を深く探ろうとします。
面接に臨む際は、これらの質問に対する回答を事前に準備し、自分の言葉で具体的なエピソードを交えながら伝えることが重要です。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
④内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
AGCの採用大学の実績を以下に掲載しますが、高い専門性が求められるため、学歴フィルターが存在する可能性が高いです。
| ＜大学院＞
東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、東北大学、北海道大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学 ＜大学＞ 東京大学、京都大学、一橋大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、同志社大学、立命館大学、関西大学 |
上記はあくまで一部の実績であり、必ずしも記載されている大学からの採用が保証されるわけではありません。
しかし、旧帝国大学や早慶上智など、トップクラスの大学からの採用が多い傾向があります。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、AGCの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は非常に高いといえるでしょう。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 圧倒的な技術力：ガラスだけでなく、化学や電子分野でも世界をリードする存在です。
- 多角的な事業構造：単一事業に依存しない安定した収益基盤を確立しています。
- 応募者数の多さ：安定した経営基盤と高い技術力に魅力を感じる優秀な学生が多数応募するため、競争率が非常に高くなります。
これらの要因から、AGCの内定を獲得するには、企業研究と自己分析を徹底的に行うことが不可欠です。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
AGCは、伝統的な素材メーカーの枠を超え、新しい価値を創造する、社会的意義の非常に高い企業です。
就職難易度は非常に高いですが、それだけやりがいのある仕事ができる環境と言えます。
徹底した企業研究と、当社の事業や使命に対する熱意をアピールすることが、内定への近道です。
特に、面接ではあなたの挑戦心や、技術への知的好奇心が深く問われます。
この記事を参考に、自分自身の言葉でその熱意を伝えられるよう準備を進めてください。
悔いのない就職活動となるよう応援しています。
