【企業分析】農林中央金庫の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
農林中央金庫は、JAバンク、JFマリンバンク、JFフォレストの各系統組織の最上位に位置する、ユニークな金融機関です。
農林水産業に従事する方々や地域社会からお預かりした資金を、国内外の金融市場で運用し、その収益を系統組織に還元するという重要な役割を担っています。
その運用資産残高は、国内トップクラスを誇り、世界でも有数の機関投資家として知られています。
今回は、そんな農林中央金庫の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では、農林中央金庫への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 農林中央金庫の事業内容が気になる
- 農林中央金庫の就職難易度を知りたい
- 農林中央金庫の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、金融以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、農林中央金庫の就職難易度は非常に高いです。
その理由は、同金庫が持つ独自のビジネスモデルと、それによって求められる高度な人材像にあります。
農林中央金庫は、全国のJA・JFから集められた資金を、国内外の金融市場で大規模に運用するという、メガバンクとは一線を画す役割を担っています。
この「協同組織の金融機関」という公共性と、「世界有数の機関投資家」という収益性を両立させる独自のビジネスモデルは、多くの優秀な学生を惹きつけ、特に総合職では熾烈な競争が生まれています。
選考では、単に金融知識が豊富なだけでなく、日本の農林水産業への貢献という同金庫の使命に対する深い理解と共感が求められます。
また、複雑な金融商品を扱うための論理的思考力、グローバルなビジネスを展開するための語学力や多様な関係者と協働するためのコミュニケーション能力も不可欠です。
面接では、これらの資質を裏付ける具体的なエピソードや、将来のビジョンを明確に語れるかが問われます。
内定獲得のためには、徹底した企業研究と自己分析に加え、同金庫が求める人物像を深く理解した上で、自身の強みを具体的にアピールする準備が鍵となります。
農林中央金庫について

出典元:農林中央金庫
会社概要
農林中央金庫は、日本の農林水産業の発展に貢献するという設立理念のもと、全国のJA(農業協同組合)やJF(漁業協同組合)、信漁連、そしてそれらの組合員の方々からお預かりした資金を、国内外の多岐にわたる金融市場で運用する金融機関です。
その運用資産残高は約107兆円に上り、これは日本の銀行業界でもトップクラスの規模です。
当金庫は、メガバンクや地方銀行と異なり、一般の個人や法人から直接預金を受け入れるのではなく、系統組織から集めた資金を効率的かつ安定的に運用することに特化しています。
この独自のビジネスモデルにより、国内の金融業界における「ファンドマネージャー」として、高度な専門性を追求しています。
近年では、国内外の株式や債券といった伝統的な資産に加え、プライベートエクイティやインフラファンド、不動産投資など、より多様で高度な運用戦略にも積極的に取り組んでいます。
また、「日本の農林水産業と食と地域のくらしに貢献する」という経営理念のもと、協同組織金融機関としての社会的使命を果たしながら、国際的な競争力を備えたプロフェッショナルな金融ビジネスを追求しています。
この独自の立ち位置と、安定した経営基盤が、多くの就活生に魅力として映っています。
各事業セグメントの解説
農林中央金庫は、以下に挙げる3つのビジネス領域と、それを支える「コーポレート」を基盤に事業を展開しています。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 食農ビジネス | 食品・農業関連企業へのファイナンスやコンサルティングを通じて、サプライチェーン全体の価値向上をサポート。 |
| リテールビジネス | JAバンクなどの系統組織と連携し、リテール分野における円滑な資金供給や金融サービスの提供を支援。 |
| 投資ビジネス | 世界有数の機関投資家として、国内外の株式、債券、オルタナティブ投資など、多様な資産への大規模な運用。 |
| コーポレート | 組織全体を支える経営企画、人事、法務、経理、広報、IT、リスク管理などの業務。 |
これらの事業は、農林中央金庫が日本の農林水産業の発展に貢献するというミッションを果たすための根幹をなすものです。
特に、投資ビジネスは、当金庫の収益の大部分を占めており、高度な専門性とグローバルな視点が求められます。
農林中央金庫で働いている社員は?
平均勤続年数は?
農林中央金庫の平均勤続年数は、16.5年です。
これは、厚生労働省が発表した日本の平均勤続年数(12.3年)を大きく上回っており、社員が長期的にキャリアを築ける安定した環境であることを示しています。
平均年収は?
農林中央金庫の2024年度の平均年収は、統合報告書2025によると約1,030万円です。
これは、国税庁の民間給与実態統計調査による全国平均年収(約458万円)を大きく上回る高い水準です。専門性の高い金融業務と、安定した事業基盤が、高水準の給与に反映されていると言えるでしょう。
平均残業時間は?
農林中央金庫の平均残業時間は、1か月あたり20時間以内です。
これは日本の平均残業時間(約22.2時間)を下回っており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能な環境です。
平均ボーナス額は?
農林中央金庫の平均ボーナス額は、公式には公開されていません。
しかし、平均年収(約1,030万円)と国税庁の統計調査(平均給与に占める賞与の割合は約16%)を基に推測すると、年間で約165万円程度と考えることができます。
これはあくまで推測であり、個人の評価や会社の業績によって変動する点にご留意ください。
どんな文化なの?
農林中央金庫は、「公共性」と「プロフェッショナリズム」を両立させる文化が根付いています。
農林水産業という日本の基幹産業を支えるという使命感を持ちながら、グローバルな金融市場で活躍するプロフェッショナル集団として、高い専門性を追求しています。
また、真面目で堅実な社風でありながら、若手にも裁量を与える風土があり、主体的に業務に取り組むことが求められます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
金融業界は、メガバンクや証券会社、保険会社など、多岐にわたる企業がひしめく巨大な業界です。
その中で農林中央金庫は、「協同組織の金融機関」という独自の立ち位置を確立しています。
- 圧倒的な運用資産規模
- 公共性と収益性の両立
- 専門性の高さ
圧倒的な運用資産規模
農林水産業に関わる全国の組織から集められた資金は、国内有数の規模を誇ります。
この巨大な資金を運用することで、世界中の市場に影響を与える存在となっています。
公共性と収益性の両立
日本の食と地域を支えるという公共的な使命を果たす一方で、グローバルな金融市場での高度な運用を通じて収益を追求しています。
専門性の高さ
預金業務を主体とするメガバンクとは異なり、資産運用に特化しているため、高度な金融知識や専門性が求められます。
参考までに、競合他社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 総資産(2025年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 農林中央金庫 | 約108兆円 | 約1,030万円 | 70 | 堅実さとプロ意識を両立する社風 |
| 三菱UFJ銀行 | 約350兆円 | 約850万円 | 68 | 伝統的で堅実、チームワークを重んじる社風 |
| 三井住友銀行 | 約280兆円 | 約800万円 | 68 | 挑戦的でスピード感のある社風 |
| 日本政策投資銀行 | 約30兆円 | 約950万円 | 70 | 公共性と高い専門性を両立する社風 |
農林中央金庫の新卒募集要項について
以下に農林中央金庫の新卒募集要項についてまとめました。
農林中央金庫では、高度な専門性を持ち、将来的に組織の中核を担う「総合職」のほか、「支店総合職」や「ビジネスエキスパート職」を募集しています。
入社後には、多様な事業部門での業務を通じてキャリアを形成し、各分野のプロフェッショナルとして成長することが期待されます。
初任給は高水準であり、2026年4月入社予定者向けには、大学卒で275,000円、大学院卒で290,000円と設定されています。
研修制度や福利厚生も充実しており、新入職員研修からOJT、海外研修制度まで、社員の長期的な成長を支援する環境です。勤務地は、職種やコースによって異なります。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 総合職(オープンコース、グローバルインベストメンツコース、クオンツコース、事務・ITコース)、支店総合職、ビジネスエキスパート職 |
| 業務内容 |
|
| 給与 | 大学卒:275,000円、大学院卒:290,000円 (2026年4月入社予定者) |
| 賞与 | 年2回(6月、12月) |
| 研修制度 | 新入職員研修、OJT、専門職別研修、海外研修制度など |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、住宅手当、財形貯蓄、社員持株会、独身寮など |
求める人材

農林中央金庫では、「農林水産業の発展に貢献する」という使命に共感し、以下のような資質を持つ人材を求めています。
これらは、日々の業務で不可欠な要素です。
- 使命感と公共性への理解
- 知的好奇心と探求心
- グローバルな視点とコミュニケーション能力
使命感と公共性への理解
農林中央金庫は、単なる利益追求の企業ではありません。
日本の食と地域を支えるという公共的な使命に共感し、その達成に貢献したいという強い意志が不可欠です。
知的好奇心と探求心
複雑で変化の激しい金融市場で活躍するためには、常に学び続ける知的好奇心や、課題を深く掘り下げる探求心が重要です。
グローバルな視点とコミュニケーション能力
運用資産の多くが海外に投資されており、海外の金融機関や企業と連携する機会も多くあります。
多様な文化や価値観を持つ人々と協働できるグローバルな視点と高いコミュニケーション能力が求められます。
これらの資質は、農林中央金庫が掲げる企業理念に深く根ざしており、社会に新たな価値を提供し続ける上で不可欠な要素です。
入社後もこれらの意識を高く持ち続けることが、農林中央金庫でのキャリアを築く上で最も重要となります。
新卒採用のフロー
農林中央金庫の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では、志望動機や自己PRといった一般的な質問に加え、当金庫の事業内容や公共性に対する深い理解について問われるのが特徴です。
①エントリー
農林中央金庫の採用サイトから、新卒エントリーを行います。
エントリーシートでは、志望動機や学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)、自己PRなどを回答し、農林中央金庫という企業への興味や理解度をアピールします。
このステップは、あなたの個性や農林中央金庫への熱意を伝える最初の重要な機会となります。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は、以下の関連ページをご確認ください。
②適性検査・Webテスト
エントリーシート通過後、適性検査が実施されます。
この検査では、論理的思考力や、社員としての適性、行動特性などが測られます。
事前の対策をしっかり行うことで、検査結果が選考に与える影響を最大限に高めることができます。
以下のページもぜひ参考にしてください!
③複数回面接
農林中央金庫では、学生一人ひとりの個性や潜在能力を深く見極めるため、複数回にわたる面接が実施されます。
面接官は、単なるスキルや経験だけでなく、あなたの人間性や、農林中央金庫で働くことへの熱意を重視しています。
志望動機やキャリアプランに加え、食と農林水産業、そして金融への関心について深く問われるため、しっかりと準備をしましょう。
以下に、口コミで確認できた質問例を紹介します。
- なぜメガバンクではなく、農林中央金庫を志望するのか?
- 農林中央金庫が日本の農林水産業に貢献できることは何か?
- 学生時代に最も困難だったことは何か?それをどう乗り越えたか?
- グローバルな金融市場で働くことについて、どう考えているか?
- あなたの強みと、それを入社後どう活かしたいか?
これらの質問を通じて、面接官はあなたの農林中央金庫で働くことへの強い熱意と、論理的な思考力を深く探ろうとします。
面接に臨む際は、これらの質問に対する回答を事前に準備し、自分の言葉で具体的なエピソードを交えながら伝えることが重要です。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
④内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
農林中央金庫の採用大学の実績を以下に掲載しますが、高い専門性が求められるため、学歴フィルターが存在する可能性が高いです。
| <大学院>
東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、東北大学、北海道大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学 <大学> 東京大学、京都大学、一橋大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、同志社大学、立命館大学、関西大学 |
上記はあくまで一部の実績であり、必ずしも記載されている大学からの採用が保証されるわけではありません。
しかし、旧帝国大学や早慶上智など、トップクラスの大学からの採用が多い傾向があります。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、農林中央金庫の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は非常に高いといえるでしょう。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 圧倒的な社会的役割:日本の農林水産業を支えるという公共性の高い使命を担っています。
- 高い専門性:預金業務を行わず、機関投資家としての専門性に特化しているため、高度な知識が求められます。
- 応募者数の多さ:安定した経営基盤と高待遇、そして社会的使命に共感する優秀な学生が多数応募するため、競争率が非常に高くなります。
これらの要因から、農林中央金庫の内定を獲得するには、企業研究と自己分析を徹底的に行うことが不可欠です。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
農林中央金庫は、日本の農林水産業と地域社会を支え、人々の食と暮らしに貢献する、社会的意義の非常に高い企業です。
就職難易度は非常に高いですが、それだけやりがいのある仕事ができる環境と言えます。
徹底した企業研究と、当金庫の事業や使命に対する熱意をアピールすることが、内定への近道です。
特に、面接ではあなたの使命感や、金融への知的好奇心が深く問われます。
この記事を参考に、自分自身の言葉でその熱意を伝えられるよう準備を進めてください。
悔いのない就職活動となるよう応援しています。












