【企業分析】日立製作所の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
株式会社日立製作所は東京都千代田区に本社を置く総合電機メーカーであり、社会インフラ・ITサービス・エネルギー・モビリティなど幅広い事業を展開するグローバル企業です。
国内外に数十万規模の従業員を有し、Lumadaを中心としたデジタルソリューションや再生可能エネルギー関連事業など、社会課題解決に直結するサービスを強みとしています。
今回はそんな日立製作所の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では株式会社日立製作所への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 日立製作所の仕事内容が気になる
- 日立製作所の就職難易度を知りたい
- 日立製作所の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、総合電機メーカー・インフラ系企業以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、日立製作所の就職難易度は、平均〜やや高めの難易度と考えられます。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準から上位難易度といえるでしょう。
また、採用大学も様々な偏差値帯や学部から実績があるため、十分な選考対策を行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として特徴的なのは、技術系と事務系でプロセスが分かれる点と、グループワーク・専門的な技術面接の比重が大きい点です。
特に技術系志望者は研究内容やプロジェクト経験について深掘りされることが多いため、事前準備を進めておく必要があります。
また職種としては、システムエンジニア、研究開発、設計、営業など幅広く、配属先の事業部門によって扱う領域は大きく異なりますが、社会インフラやデジタル分野に携わる機会が多いのが特徴です。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
株式会社日立製作所について

出典元:株式会社日立製作所
会社概要
株式会社日立製作所は、情報通信システム、社会・産業インフラ、エネルギー、モビリティ、家電製品など幅広い事業を展開する総合電機メーカーです。
日立グループは、「社会イノベーション事業」を掲げ、IT(情報技術)、OT(制御・運用技術)、プロダクトを融合させることで、顧客や社会の課題解決に貢献することを目指しています。
同社の事業モデルは、デジタルソリューションを中核とした「Lumada」を軸に、社会インフラや製造業向けサービスを展開するほか、エネルギーシステムや鉄道・エレベーターといった生活基盤に直結する事業を幅広く手掛けています。
これらの事業は、脱炭素やDX推進といった社会的ニーズに対応するための多角化戦略の一環であり、国内外での競争力を高めています。
さらに、日立はグローバル展開にも注力しており、欧州や北米、アジアを中心に100カ国以上で事業を展開しています。特に鉄道事業では英国の大規模案件、エネルギー分野では再生可能エネルギーや送配電システムを通じ、国際市場での存在感を拡大しています。
各事業別の売上規模
株式会社日立製作所の2024年度(2025年3月期)の連結売上収益は9兆7,833億円で、純利益は7,562億円となりました。
この売上は「デジタルシステム&サービス事業」「グリーンエナジー&モビリティ事業」「コネクティブインダストリーズ事業」から構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- デジタルシステム&サービス事業
- グリーンエナジー&モビリティ事業
- コネクティブインダストリーズ事業
デジタルシステム&サービス事業
売上高は2兆8,325億円で、前年同期比9%増。調整後営業利益は3,171億円で、6%増となりました。
グリーンエナジー&モビリティ事業
売上高は3兆9,155億円で、前年同期比28%増。調整後営業利益は3,065億円で、57%増となりました。
コネクティブインダストリーズ事業
売上高は3兆1,631億円で、前年同期比3%増。調整後営業利益は2,518億円で、1%減となりました。
各事業セグメントの解説
株式会社日立製作所の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| デジタルシステム&サービス事業 | ITサービス、システムインテグレーション、クラウド、AI・データ分析、IoTプラットフォーム「Lumada」を活用したソリューション提供。金融、公共、製造、流通分野など幅広い業界のDXを支援。 |
| グリーンエナジー&モビリティ事業 | 発電システム(再生可能エネルギー、送配電設備)、鉄道システム(車両、信号、運行管理)、都市インフラ関連サービス。カーボンニュートラルに貢献するエネルギー・交通ソリューションを展開。 |
| コネクティブインダストリーズ事業 | 産業機械、工場向け制御システム、エレベーター・エスカレーターなどを提供。IoTやAIと組み合わせたスマートファクトリーや産業自動化ソリューションに注力。 |
| ヘルスケア事業 | 医療機器(MRI、CT、超音波診断装置など)や診断・治療ソリューションの提供。AIやビッグデータを活用した次世代ヘルスケアの研究開発も進める。 |
| その他事業 | 金融サービス、ロジスティクス、研究開発分野など。社会課題解決に向けた新規事業創出を進めている。 |
普段イメージする家電メーカーとしての日立製作所とは違い、同社は社会インフラやエネルギー、ITサービスなど幅広い事業を展開しています。
またデジタルシステム&サービス事業などのメイン事業セグメントは、日立の多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、IT・デジタルから鉄道・エネルギー、さらにはグローバル市場での社会インフラ事業に至るまで、多様な分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
日立製作所で働いている社員は?
平均勤続年数は?
日立製作所の平均勤続年数は 約18.5年(2023年度・単体ベース)です。
これは国内の大手電機メーカーとしてはかなり長めで、「安定して勤められる企業」というイメージを裏付けています。
平均年収は?
2024年3月期における日立製作所の平均年収は 約936万円 です。
近年は上昇傾向にあり、前年期よりも年収が上がってきているとの報告があります。
平均残業時間は?
日立製作所の残業時間は公表データだけでは把握しきれませんが、複数の情報によると月平均22時間程度との見方がある一方で、30〜40時間前後とする口コミもあり、部署やプロジェクトによって差があるとされています。
平均ボーナス額は?
インターネット上の公開情報だけでは正確な金額は分かりませんでした。
しかし、日立製作所の平均年収(約936万円)から推測すると、平均ボーナス額は約150万円程度と考えられます。
理由は、国税庁の民間給与実態統計調査によれば、平均給与に占める賞与額の割合は約16%であるためです。
あくまで参考値として捉えてください。
また、日立製作所では年2回(6月・12月)の賞与支給が一般的とされています。
どんな文化なの?
日立製作所は「優れた自主性を尊重し、調和を重んじる」企業文化を掲げています。
創業以来「和・誠・開拓者精神」を大切にしており、社会インフラやデジタル分野など幅広い領域で社会課題の解決に取り組んでいます。
社員一人ひとりが主体的に挑戦し、専門性を活かして新しい価値を創出できる環境が整っているのが特徴です。
また、グローバルに事業を展開していることから、多様なバックグラウンドを持つ人材との協働を重視しており、安定した働き方とキャリア形成の両立が可能です。
社会的な意義のある仕事に関わりたい人や、長期的に成長し続けたい人に向いてる企業といえるでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい総合電機・インフラ業界の中での日立製作所の立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、日立は日本を代表するトップクラスの企業であることがわかります。
理由として以下の要因があると考えられます。
- 多角的な事業戦略
- グローバル展開力
- デジタルと社会インフラの統合
多角的な事業戦略
日立はエネルギー、鉄道、産業機械、ITサービス、ヘルスケアなど幅広い事業を展開しています。
これにより、特定市場の景気変動に左右されにくく、安定的な売上を確保しています。
グローバル展開力
欧州や北米を中心にグローバル展開を進めており、売上の半分以上を海外市場から得ています。
海外での鉄道・電力インフラ案件など、国際競争力を持つ点も特徴です。
デジタルと社会インフラの融合
Lumadaを中心に、IoT・AI・クラウドを社会インフラに統合する事業モデルを構築。
DX需要と脱炭素の両面で成長機会を捉えています。
以上の要素により日立製作所は電機・インフラ業界の中でもトップクラスの売上規模を誇り、安定した就職先といえます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 売上高(2024年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 | |
| 日立製作所 | 9兆7866億円 | 936万円 | 65 | 調和と挑戦を重視する社風 |
| 三菱電機 | 5兆円超 | 830万円 | 63 | 技術志向・安定重視の社風 |
| 東芝 | 3.4兆円 | 770万円 | 62 | 再建フェーズ・変革志向の社風 |
| 富士通 | 3.7兆円 | 820万円 | 61 | DX推進・柔軟性重視の社風 |
日立製作所の新卒募集要項について
以下に日立製作所の新卒募集要項についてまとめました。
総合電機メーカーとして幅広い職種を募集しており、福利厚生や研修制度が整備されている点は大きな魅力です。
賞与は年2回の支給が一般的であり、教育研修も新入社員研修から階層別研修まで体系的に整っています。
転勤については、国内外に拠点を持つため将来的には可能性があり、グローバルに活躍できる環境が用意されています。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 給与(2025年4月入社 初任給実績) |
|
| 賞与 | 年2回(6月、12月)業績および人事評価に応じて支給 |
| 研修制度 | 新入社員研修(導入・配属前教育)、OJT研修、階層別研修(若手・中堅・管理職向け)、グローバル人材育成プログラム、技術系向け専門研修、語学研修 |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、独身寮・社宅制度、財形貯蓄、従業員持株会制度、休暇制度(産休・育休・介護休暇、リフレッシュ休暇など)、健康診断・保養所利用、カフェテリアプラン制度 |
求める人材

株式会社日立製作所では求める人材像として以下を掲げています。グローバルに事業を展開する企業であるため、多様な人材を尊重しつつ、共通して求められる資質が定められています。
- 誠実さ
- 調和
- 開拓精神
- 主体性
- 多様性の尊重
誠実さ
誠実さを持ち、社会や顧客に対して責任を果たす姿勢を大切にします。
調和
多様な価値観を受け入れ、協力しながら大きな成果を生み出す力を重視します。
開拓精神
現状に満足せず、新しい分野や課題に挑み続ける意欲を持ちます。
主体性
自ら考え、判断し、行動する主体性を発揮し、結果に責任を持ちます。
多様性の尊重
グローバルで多様な人々と協働し、相互に尊敬し合いながら成長できる人材を求めています。
これらは日立製作所の企業理念「和・誠・開拓者精神」にもつながっており、エントリーシートや面接でも重視されるポイントです。
選考に臨む際は、自分の経験の中から「誠実さ・挑戦・協働性」を示すエピソードを意識すると良いでしょう。
新卒採用のフロー
日立製作所の選考は、下記の通りの流れとなっています。
面接では志望動機やガクチカといったスタンダードな質問に加え、研究内容や将来のキャリアビジョンを確認されるのが特徴です。
選考対策としては、自分の専攻分野と日立の事業をどう結びつけるか、また社会課題解決にどう貢献したいかを明確にしておくことが重要です。
①新卒エントリー
日立製作所の新卒採用サイトから必要事項を入力し、エントリーを行います。
エントリーシートでは志望動機、研究内容、自己PR、強み・弱みなどの基本的な質問に回答し、Web上で提出します。
②会社説明会・エントリーシート
会社説明会を通じて日立の事業内容や社風を理解します。
このタイミングでエントリーシートの提出が求められ、志望理由やキャリアビジョンについて具体的に記載します。
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- 日立の事業にに興味を持った理由
といったように、日立製作所の選考でもスタンダードな質問が中心となっています。
特に研究内容や志望動機は深掘りされる傾向にあるため、事前に整理しておくことが大切です。
会社説明会やエントリーシート提出の場で問われることになりますので、参加する前に十分準備して臨んでください。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は下記に記載した関連ページを確認してください。
③一次面接+適性検査(SPI)
最初の面接は学生1:社員1で実施されることが多く、オンライン形式が主流です。
研究テーマや自己紹介、日立で挑戦したいことなどが聞かれます。SPIによる性格診断・基礎学力テストも実施されます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 大学での研究内容をどう活かせるか
- 他人からどのような評価を受けているか
- 10年後にどんな仕事をしていたいか
以下のページもぜひ参考にしてください!
④複数回面接(2次・最終)
日立では、学生の適性や将来性を重視して面接を行います。回数は人によって異なりますが、2〜3回が一般的です。
最終面接は役員・人事部長クラスと行われ、志望度や社会課題解決に対する考え方を深掘りされます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 自分が社会インフラにどう貢献できるか
- チームで困難に直面した際の対応方法
- 日立の強みをどう評価しているか
最終になるにつれて質問が深掘りされ、研究内容や社会課題への取り組みに適性があるかを確かめるような質問が多くなされることが分かります。
自分が実際にプロジェクトに携わっている姿を想定したり、日立の事業領域に関連する技術やインフラを調べておくなどして、具体的なイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破し、内定が決まります。
その後、配属予定部門に関する説明やフォロー面談などが行われます。
採用大学
日立製作所の採用大学の実績を以下にまとめます。理系・文系問わず幅広い大学からの採用があり、いわゆる「学歴フィルター」はないと考えられます。
| <大学院> 東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学、東北大学、筑波大学、九州大学、北海道大学、早稲田大学、慶應義塾大学 <大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、九州大学、北海道大学、東京工業大学、東京理科大学、名古屋大学、神戸大学、横浜国立大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学 ほか |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、日立製作所は理系・文系を問わず多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいでしょう。しっかりとエントリーシートや面接対策を行い、自分の研究内容や強みを事業と結びつけてアピールすることで、内定獲得の可能性を高めることができます。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、日立製作所の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は やや高め といえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローとして特別に複雑なステップがない
- 採用大学の幅が広く、学歴フィルターは限定的
- 一方で給与や福利厚生は高水準で安定している
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」、さらに研究内容をどう活かすかといった基本的事項をしっかりと対策していれば、内定獲得は十分可能です。
しっかりと事前準備を行い、将来のキャリアプランを具体的に示すことで評価を高められるでしょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
日立製作所は、総合電機メーカーとしてIT・デジタル事業、エネルギー、モビリティ、社会インフラなど幅広い分野を手掛けています。
社会イノベーション事業を通じて、社会課題解決に取り組む姿勢が強く、志望する就活生にとってはやりがいと安定を両立できる環境といえるでしょう。
難易度は高めですが、学歴だけで判断される企業ではなく、研究内容・主体性・挑戦意欲をアピールできれば全員にチャンスがあります。
企業研究を深め、万全の対策を整えて選考に臨んでください。ぜひこの記事を参考にして就職活動に励んでくださいね。











