はじめに

マルハニチロ株式会社は東京都江東区豊洲に本社を置く水産・食品業界に属する企業です。
水産資源の漁獲・養殖から、加工食品や冷凍食品の製造、国内外での販売・流通まで幅広い事業を展開しており、総合食品メーカーとしての地位を確立しています。
今回はそんなマルハニチロの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事ではマルハニチロへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。

また、水産・食品以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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この記事の結論

先にこの記事の結論からお伝えすると、マルハニチロの就職難易度は、平均的な難易度と考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準難易度といえるでしょう。
また、採用大学も様々な偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として特徴的なものは「人物重視の面接」と「志望動機・ガクチカを深掘りする質問」です。
特に食品業界の志望理由や、水産・食の分野でどのようにキャリアを築きたいかを明確にして臨むことが大切です。
また職種としては、総合職（営業・企画・管理など）や技術系職種（研究開発・品質管理・生産技術など）があり、幅広い活躍フィールドが用意されています。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

マルハニチロ株式会社について

出典元：マルハニチロ株式会社

会社概要

マルハニチロ株式会社は、水産物の漁獲・養殖から、食品の加工・製造、販売、物流までを一貫して手がける総合食品企業です。
マルハニチログループは、「海から食卓へ」を掲げ、安心・安全な食品の安定供給を通じて人々の暮らしを支えることを使命としています。特に水産資源事業では、漁業・養殖による原料確保力を強みに、冷凍食品や缶詰、惣菜といった加工食品まで幅広く展開しています。
また、国内の食品需要に応えるだけでなく、北米・欧州・アジアを中心に海外拠点を展開し、グローバルなバリューチェーンを構築しています。輸入水産物の取り扱いや、海外での生産・販売網を活かし、世界規模での安定的な供給体制を確立しています。
さらに、環境や社会への責任を重視し、持続可能な漁業・養殖への取り組み、食品ロス削減、健康志向に応える新商品開発にも注力しています。
これらの事業活動は、多様化する食生活や環境課題に対応するための総合戦略であり、国内外における競争力を高めています。

各事業別の売上規模

マルハニチロ株式会社の2025年3月期の総売上高は1兆786億3100万円で、純利益は233億円でした。
この売上は主に食材流通事業、加工食品事業、その他（農畜産・ファインケミカル等）の収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。

食材流通事業

売上高は6302億8300万円で、前年同期比約4％増。経常利益は非公表ですが、セグメント利益は堅調に推移しました。

加工食品事業

売上高は1756億9200万円で、前年同期比約5％増。経常利益は原料高を価格改定でカバーし、前年を上回る水準となりました。

その他事業(農畜産・ファインケミカル等)

売上高は2726億5600万円で、前年同期比約6％増。経常利益は健康志向商品の需要増により増益基調となりました。

各事業セグメントの解説

マルハニチロ株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。

普段イメージする水産・冷凍食品メーカーとしてのマルハニチロとは違い、農畜産事業やファインケミカル事業など幅広く事業を展開していました。
また水産事業や加工食品事業といったメイン事業セグメントは、マルハニチロの多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、水産資源の漁業・養殖から食品流通、冷凍食品・缶詰などの加工食品、さらには健康食品や医薬品素材といった新分野に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。

マルハニチロで働いている社員は？

平均勤続年数は？

マルハニチロの平均勤続年数は18.2年です。
全産業平均（約12年）と比較すると長く、食品業界の中でも社員が安定して働き続けられる職場環境といえるでしょう。

平均年収は？

2024年度のマルハニチロの平均年収は、約650万円でした。
全国平均年収（458万円）を大きく上回っており、食品業界全体の上場企業平均（約620万円）と比較してもやや高水準です。
食品メーカーの中では安定した給与水準といえます。

平均残業時間は？

マルハニチロの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり約18～20時間といわれています。
全産業の平均残業時間（約23時間）よりやや少なく、ワークライフバランスを取りやすい環境と考えられます。

平均ボーナス額は？

公開されている正確なデータはありませんが、平均年収から推測すると年間ボーナスは約100万円前後と考えられます。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与に占める賞与の割合は約16％であるため、マルハニチロの年収水準に当てはめて算出しました。
あくまで目安として参考にしてください。

どんな文化なの？

マルハニチロは「海から食卓へ」を掲げ、社会や環境への責任を重視する企業文化があります。
食品の安全・安心を守ることを使命としつつ、グローバルに事業を展開しており、多様なキャリアフィールドを提供しています。
社員の挑戦を後押しする風土があり、研究開発・生産・営業・海外事業など幅広い領域で活躍できるのが特徴です。
また、サステナビリティ経営に力を入れており、持続可能な漁業・養殖や環境配慮型の商品開発を進めています。

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

競争が激しい食品業界の中でのマルハニチロの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、マルハニチロは国内トップクラスの総合食品メーカーであることがわかります。
理由として以下の要因があると考えられます。

多角的な事業戦略

マルハニチロは水産事業に限定せず、冷凍食品・缶詰・惣菜といった加工食品、農畜産事業、さらにはDHA・EPAなどのファインケミカル事業まで多様なビジネスモデルを展開しています。
これにより、市場の変化や消費者ニーズに柔軟に対応し、収益の安定化を実現しています。

水産資源の確保力とグローバル展開

マルハニチロは国内外で漁業・養殖を行い、南極オキアミやマグロ養殖などで強みを持っています。
また北米・欧州・アジアに拠点を構え、世界規模で原料調達から販売まで一貫した事業を展開しており、グローバルな競争力を確保しています。

加工食品・健康素材への強み

家庭用・業務用冷凍食品や缶詰、レトルト商品に加え、DHA・EPAなど健康志向の素材開発にも注力しています。
これにより、食の安全・健康・持続可能性を重視する社会的ニーズに応えています。

以上の要素によりマルハニチロは食品業界の中でも国内上位の売上高を誇り、安定した経営基盤を築いていると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。

マルハニチロの新卒募集要項について

以下にマルハニチロの新卒募集要項についてまとめました。
食品メーカーとして福利厚生が安定している点は大きな魅力です。
また賞与は年2回支給され、評価制度に基づき公正に決定されます。
研修制度についても、新入社員研修に加えて、配属後のOJT研修や階層別研修が充実しており、長期的な成長をサポートする仕組みが整っています。
転勤については、全国に拠点があるため一定の可能性はありますが、配属先は希望や適性も考慮されます。

求める人材

マルハニチロでは求める人材として下記のものを掲げています。食品業界全体に共通する資質でもあり、採用選考の場で重視される傾向があります。

挑戦

水産・食品分野で新しい価値を生み出すために、現状に満足せず積極的に挑戦し続ける姿勢を持ちます。

主体性

自ら考え行動し、成果に責任を持つことで、組織の成長と自分自身の成長を両立させます。

チームワーク

多様なバックグラウンドを持つ仲間と協力しながら、信頼関係を築き、共通の目標に向かって進みます。

責任感

食の安全・安心を守るために、高い倫理観を持ち、業務一つひとつに責任を果たします。

誠実さ

顧客・取引先・仲間に対して誠実に向き合い、長期的な信頼関係を築きます。

以上の5つは、マルハニチロの採用メッセージ「海から食卓へ、人々の健やかな暮らしを支える」に直結しています。
エントリーシートや面接中に、これらの意識を持っているかどうかを見られるため、意識して選考に臨むと良いでしょう。

新卒採用のフロー

マルハニチロの選考は、下記の通りのフローとなっています。
面接では志望動機やガクチカといったスタンダードな質問に加え、「食品業界で働きたい理由」や「食に対する想い」を確認される傾向があります。
選考対策としては、入社意欲の明確さや、食に関わるキャリアをどう描くかが重要です。

①新卒エントリー

マルハニチロ公式サイトの新卒エントリーボタンより必要事項を入力し登録を行います。

エントリーシートでは志望動機や自己PR、長所と短所などの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。

②会社説明会・エントリーシート提出

マルハニチロ公式サイトの新卒採用ページより必要事項を入力して登録します。
エントリーシートでは志望動機や自己PR、長所・短所などの基本的な設問に回答します。

事前に自分の経験や想いを整理しておくことが大切です。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は下記に記載した関連ページを確認してください。

ES対策 | 上京を志す、就活生へ。ジョーカツ

自分史を作成するメリットと書き方、ポイントについて解説

③一次面接＋適性検査（SPIなど）

人事担当との個人面接（学生1：社員1）が行われます。
自己紹介や志望理由に加え、「なぜ食品業界なのか」「なぜマルハニチロなのか」を掘り下げられる質問が多いです。
雰囲気は比較的穏やかですが、将来像やキャリアプランを問われることもあります。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。

以下のページもぜひ参考にしてください！

SPIとは？検査の内容と例題を用いて対策方法を徹底解説！

【例題あり】就活で良く聞くSPIとは？試験内容と対策方法を解説！

④複数回面接（最終面接を含む）

マルハニチロでは学生一人ひとりの適性を重視するため、面接回数は人によって異なります。
最終面接は役員や人事部長クラスとの個人面接で、30〜40分程度行われます。
志望度や食品業界への熱意を確認されるほか、入社後どのように貢献できるかを具体的に問われます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。

最終になるにつれて質問が深掘りされたり、食品業界や水産・加工分野での実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際に工場や研究所、営業現場などで働いている姿を想定したり、マルハニチロの商品を実際に購入・試食してみるなどして、具体的なイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。

面接 | 上京を志す、就活生へ。ジョーカツ

⑤内定

複数回の面接を突破すると内定となります。
食に対する熱意や将来ビジョンが伝わるかどうかが、内定獲得のカギとなります。

採用大学

マルハニチロの採用実績は、難関大学から中堅大学まで幅広く、学歴フィルターは存在しないと考えられます。

上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、マルハニチロは多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。

学歴フィルターの実態は？就活で内定獲得する5つの方法を解説

就職偏差値・難易度

それでは、ここまでの内容を踏まえて、マルハニチロの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準的といえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。

よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策していれば、難しすぎることはないでしょう。
しっかりと対策を行い、内定を獲得してください！
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。

【2025】就職偏差値ランキング！学歴フィルターのリアルと内定戦略も解説

さいごに

マルハニチロは、水産業界および食品業界に属する総合食品企業で、漁業・養殖から加工食品、流通、ファインケミカルまで幅広い事業を展開しています。
食品メーカーとしては国内上位の規模を誇り、安定した経営基盤を持っていますが、学歴重視をする企業ではありません。
そのため、誰にでも等しくチャンスがあり、しっかりと企業研究と選考対策を行うことで内定に近づけます。
ぜひこの記事を参考に、準備を進めてくださいね。

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