【企業分析】川崎汽船の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
川崎汽船株式会社(“K” LINE)は東京都千代田区に本社を置く海運業界に属する企業です。
世界各国を結ぶ国際物流を担い、ドライバルク船・自動車船・エネルギー輸送船(LNG船など)といった幅広い船隊を保有し、多様な事業を展開しています。
今回はそんな川崎汽船の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では川崎汽船への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 川崎汽船の仕事内容が気になる
- 川崎汽船の就職難易度を知りたい
- 川崎汽船の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、海運・物流以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、川崎汽船の就職難易度は、平均的な難易度と考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準難易度といえるでしょう。
また、採用大学も様々な偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として特徴的なものは、海運業界ならではの「国際物流や船舶に関する知識」と「語学力のアピール」になります。
特に英語力に関しては業務で必須となるため、事前に強みとして準備しておくとよいでしょう。
また職種としては、営業職や企画職、船員職などがあり、業務内容としては主に国際輸送に関連する営業活動や運航管理に従事することになります。
配属先によって担当貨物(自動車・資源・エネルギーなど)が異なりますが、グローバルなスケールでの物流に関わるのが大きな特徴です。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
川崎汽船株式会社について

出典元:川崎汽船株式会社
会社概要
川崎汽船株式会社(“K” LINE)は、ドライバルク貨物、エネルギー資源、自動車輸送を中心とする海運事業を主な事業内容としている企業です。
川崎汽船グループは、国際物流の分野において、安全で環境負荷の少ない輸送の実現を目指し、顧客の多様なニーズに応える高品質な輸送サービスを提供しています。
船舶運航においては、自社船員の育成を重視し、輸送品質と安全性を高める独自の運航体制を実施しており、世界規模での物流網を支える「信頼性の高い輸送」を目指しています。
川崎汽船のビジネスモデルは、ドライバルクやエネルギー輸送、自動車船といった基幹事業に加え、港湾・物流施設の運営や新たな環境対応船の導入を通じて、持続可能な海運を推進しています。
これらの取り組みは、顧客の幅広い物流ニーズに応えるための多角化戦略の一環として展開されており、グローバル市場における競争力を高めています。
さらに、川崎汽船は国際市場に積極的に進出しており、特にアジア・欧米を中心に強固なネットワークを築いています。
近年ではLNG燃料船や次世代環境対応技術を導入することで、世界的な脱炭素の潮流に対応し、持続可能な成長を目指しています。
各事業別の売上規模

川崎汽船株式会社の2024年度の連結売上高は 1兆9,143億円 で、純利益は 1,944億円 となりました。
この売上はドライバルク船事業、自動車船事業、エネルギー資源輸送事業、コンテナ船・物流事業などから構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- ドライバルク船事業
- エネルギー資源輸送事業(LNG・原油・製品輸送など)
- コンテナ船・物流事業
ドライバルク船事業
鉄鉱石や石炭、穀物などを輸送するドライバルク船の売上高は、資源需要の回復により前年同期比で増加しました。資源価格の上昇が収益改善を支えています。
エネルギー資源事業
売上高は 1,019億円 で、前年同期比 3.5%減。経常利益は 49億円 で、前年同期比 33.5%減となりました。
製品物流事業
売上高は 6,128億円 で、前年同期比 11.7%増。経常利益は 2,943億円 で、前年同期比 128.8%増となりました。
その他事業
売上高は 108億円 で、前年同期比 7.2%増。経常利益は 9.68億円 で、前年同期比 −32.4%減となりました。
各事業セグメントの解説
川崎汽船株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| ドライバルク船事業 | 鉄鉱石、石炭、穀物などのバルク貨物を輸送。資源・エネルギー産業を支える基幹輸送サービスを提供。 |
| エネルギー資源輸送事業(LNG・原油・製品タンカー等) | 液化天然ガス(LNG)、原油、石油製品などのエネルギーを安定的に輸送。長期契約を中心に安定収益を確保。 |
| コンテナ船・物流事業 | 国際コンテナ船による輸送サービスや、港湾ターミナルの運営、倉庫・陸上輸送を含む総合物流ソリューションを展開。 |
| その他事業 | 船舶管理事業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理など。主力事業を補完する役割を担う。 |
普段イメージする「海運会社」としての川崎汽船とは違い、同社は自動車船やドライバルク船だけでなく、LNG船やタンカー、さらには港湾・物流・不動産関連など幅広く事業を展開しています。
また、自動車船やドライバルクといったメイン事業セグメントは、川崎汽船の多角的な事業戦略と国際市場への適応能力を示しており、資源輸送からエネルギー輸送、さらには総合物流ソリューションに至るまで、多様な分野にわたるサービスを展開しています。
以下参照ページを紹介するので、ぜひ確認してみてください。
川崎汽船で働いている社員は?
平均勤続年数は?
川崎汽船の平均勤続年数は 14.9年 です。
全産業平均(12.3年程度)と比較するとやや長めであり、安定した職場環境と長期的に働ける風土があるといえるでしょう。
平均年収は?
2024年度の川崎汽船の平均年収は 1,328万円 でした。
全国平均(458万円)を大きく上回っており、また同じ「海運業」の上場企業平均よりも高水準です。大手海運会社の中でも給与水準はトップクラスといえます。
平均残業時間は?
川崎汽船の従業員の平均残業時間は、公開情報では明確に確認できませんでした。
ただし口コミや外部調査によると、月20~30時間程度が一般的とされ、グローバル対応やプロジェクトによって増減があるようです。
平均ボーナス額は?
公式には公表されていませんが、平均年収1,328万円をもとに推測すると、年間ボーナスは 約200〜250万円程度 と考えられます。
国税庁の統計によると平均給与に占める賞与割合は約16%であるため、この推測値は妥当といえるでしょう。川崎汽船は業績連動で賞与額が変動するため、市況が良い時期にはさらに高額となるケースもあります。
どんな文化なの?
川崎汽船は「誠実」「革新」「環境への責任」を重視した社風を掲げています。
伝統ある大手海運会社でありながら、新技術導入や環境対応にも積極的で、グローバルな舞台で働けるキャリアパスが整っています。
また、国際物流を担う企業として、多様な人材と協働しながら挑戦を続ける文化が根付いています。主体的に動き、グローバルな視点でキャリアを築きたい人には最適な環境といえるでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい海運業界の中での川崎汽船の立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、川崎汽船は「日本の三大海運会社」の一角として確かな存在感を示しています。
理由として以下の要因があると考えています。
- 多角的な事業戦略
- グローバルネットワークの強み
- 環境対応への積極投資
多角的な事業戦略
川崎汽船は、自動車船やドライバルク船に加え、LNG船やタンカー、さらに港湾・物流事業まで幅広いビジネスモデルを展開しています。
これにより、市況の変動に柔軟に対応し、収益の安定化と事業の多角化を実現しています。
グローバルネットワークの強み
世界各地に拠点とグループ会社を展開し、国際物流ネットワークを確立しています。
これにより、海外市場でのプレゼンスを高め、顧客からの信頼を獲得しています。
環境対応への積極投資
川崎汽船はLNG燃料船や次世代環境対応船を積極的に導入し、IMO(国際海事機関)の環境規制に先駆けた取り組みを行っています。
この姿勢は業界内での差別化要因となり、持続可能な成長に直結しています。
以上の要素により川崎汽船は、海運業界において日本郵船・商船三井と並ぶトップクラスの売上高を誇る企業だといえます。
参考までに競合3社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2024年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 川崎汽船 | 1兆9143億円 | 1328万円 | 60 | 誠実でグローバル、挑戦を応援する社風 |
| 日本郵船 | 2兆9322億円 | 1280万円 | 62 | 安定志向と挑戦の両立を叶える社風 |
| 商船三井 | 2兆4779億円 | 1240万円 | 61 | グローバルな挑戦を歓迎する社風 |
川崎汽船の新卒募集要項について
以下に川崎汽船の新卒募集要項についてまとめました。
海運業界のグローバル企業らしく、福利厚生や研修制度が充実しており、長期的に働ける環境が整っています。
特に海外勤務や留学制度など、国際的なキャリア形成を支援する仕組みが整っている点は、他社と比較しても大きな特徴です。
また、勤務地については「本社(東京)」や国内外拠点が基本となりますが、初期配属は国内中心で、将来的には海外勤務の可能性もあると明記されています。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 給与(2025年4月入社 初任給実績) |
|
| 賞与 | 年2回(6月、12月)業績・個人評価に応じて決定 |
| 研修制度 | 新入社員研修、階層別研修(若手・中堅・管理職)、海外留学制度・語学研修、海外現地法人での実務研修 |
| 福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、財形貯蓄制度、従業員持株会、住宅補助制度、社宅・寮制度、産休・育休制度、介護休暇、健康診断、福利厚生施設(保養所、運動施設 等) |
求める人材

川崎汽船では求める人材像として、グローバルな舞台で活躍できる資質や挑戦心を掲げています。海運業という国際的かつ変化の大きいフィールドにおいて、主体性と柔軟性を持って取り組めることが重視されています。
- チャレンジ精神
- 主体性
- 協調性
- グローバル志向
- 誠実さ
チャレンジ精神
現状に満足せず、新しい環境や課題に果敢に挑戦し続ける姿勢を求めています。
主体性
自ら考え、行動し、責任をもって結果を出せる人材が評価されます。
協調性
多様なバックグラウンドを持つ人々と協力し、チームで成果を出せる力が必要です。
グローバル志向
海外拠点や国際的なプロジェクトに関わる機会が多いため、異文化への理解や語学力を活かし、世界で活躍できる志向が重視されます。
誠実さ
安全・品質を最優先にし、誠実な行動を積み重ねることで顧客や社会からの信頼を築きます。
これらの要素は、川崎汽船の採用メッセージ「世界の物流を動かすのは人の力。その原動力になれるあなたを待っています」につながっています。
エントリーシートや面接では、これらを体現するエピソードを交えてアピールできると効果的です。
新卒採用のフロー
川崎汽船の選考は、下記の通りのフローとなっています。
面接では志望動機やガクチカなどスタンダードな質問のほか、国際物流に関わる志向性や語学力を確認する質問も多いのが特徴です。
選考対策としては、将来のキャリアプランを明確に語れること、海外での挑戦意欲を持っていること が重要視されます。
①新卒エントリー
川崎汽船公式サイトの新卒エントリーページから必要事項を入力し登録します。
エントリーシートでは 志望動機・自己PR・ガクチカ・強みと弱み など基本的な質問に回答し、Web上で送信します。
②会社説明会、エントリーシート提出
川崎汽船の事業や社風を理解するための会社説明会が行われます。
ここでエントリーシートの提出が求められ、質問項目は以下の通りです。
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- 川崎汽船に興味を持った理由
といったように、基本的な質問が中心となるようです。
会社説明会やエントリーシート提出の場で記入することになりますので、事前にしっかり準備して臨んでください。
以下に参考になる記事を紹介します。
エントリーシートや志望動機の書き方は、下記に記載した関連ページを確認してください。
③一次面接+適正検査(SPI)
一次面接は学生1人に対して社員1人の形式で行われ、所要時間は30分程度です。
和やかな雰囲気の中で、キャリアプランやエントリーシートの内容について深掘りされます。
同時にWeb適性検査(SPI)が課され、基礎学力や性格特性も確認されます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 会社説明会に参加してどう思ったか
- 他人からどのような人物だと言われるか
- 自分を色に例えると何色か
- 10年後にどうなっていたいか
以下のページもぜひ参考にしてください!
④複数回面接(2次面接・最終面接)
その後、複数回の面接が行われます。学生によって回数は異なりますが、最終面接は 学生1人対人事部長1人 の形式で40分程度。
ここでは志望度や入社後のキャリア意欲を深く確認されます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度はどの程度か
- 海運業界を志望する理由
- クレームやトラブル対応の経験
- 入社後にどのように貢献できるか
最終面接では、グローバルに働く姿を具体的にイメージできているか が重要です。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破し、内定が決まります。
採用大学
川崎汽船の採用大学の実績は幅広く、最難関大学から標準的な大学まで採用されています。いわゆる「学歴フィルター」は存在しないと考えられます。
| <大学院> 東京大学、京都大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、神戸大学 <大学> 一橋大学、横浜国立大学、東北大学、九州大学、名古屋大学、北海道大学、中央大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、同志社大学、関西学院大学 など |
上記には偏差値が高い大学も採用実績としてありますが、川崎汽船は幅広い大学から就活生を積極的に採用しています。
そのため、学歴のみを理由に不採用になることは考えにくいでしょう。
大切なのは、エントリーシートや面接で「なぜ海運業界なのか」「なぜ川崎汽船なのか」を明確に伝えることです。しっかりと対策をして、内定獲得を目指しましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、川崎汽船の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は 標準的からやや高め といえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローとして特別なステップがない
- 採用大学を見る範囲では学歴フィルターがあまりない
- 給与や福利厚生が海運業界内でも高水準で安定している
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」、さらに「グローバル志向」などの基本的な事項をしっかりと対策していれば、難しすぎることはないでしょう。
しっかりと準備を行い、内定を勝ち取ってください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
川崎汽船は、日本を代表する海運会社のひとつであり、自動車船・ドライバルク・エネルギー輸送・物流といった幅広い事業を展開しています。
グローバル市場で活躍できるチャンスが多く、福利厚生や給与水準も高いのが特徴です。
一方で、学歴を重視するというよりも、主体性や挑戦心、国際的な視野を持った人材を求めています。
そのため、誰にでも平等にチャンスがあり、しっかりと企業研究と選考対策をすれば十分に内定を獲得できる可能性があります。
ぜひこの記事を参考に準備を進めてくださいね。











