【企業分析】楽天グループの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
楽天グループ株式会社は東京都世田谷区に本社を置き、インターネットサービス業界・フィンテック業界に属する企業です。
国内外でEC(楽天市場)を中心に、金融、モバイル、デジタルコンテンツ、スポーツなど70以上のサービスを展開しています。日本国内だけでなく世界30カ国以上に拠点を持ち、会員基盤とポイントを軸にした「楽天経済圏」を築いているのが特徴です。
今回はそんな楽天グループの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では楽天グループへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- 楽天グループの仕事内容が気になる
- 楽天グループの就職難易度を知りたい
- 楽天グループの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、インターネットサービス・フィンテック以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、楽天グループの就職難易度は、平均的な難易度と考えられます。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準難易度といえるでしょう。
また、採用大学も幅広く、国公立から私立、難関から中堅まで多様な学校の実績があるため、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として特徴的なのが、「英語でのコミュニケーション力」と「チームワークを重視した課題選考」です。楽天はグローバル志向の強い企業文化を持ち、社内公用語が英語となっているため、語学力や異文化理解が重要な評価ポイントとなります。
また、職種としては総合職採用が中心で、配属によってEC事業、金融、モバイル、マーケティングなど幅広い分野で活躍することが可能です。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
楽天グループについて

出典元:楽天グループ株式会社
会社概要
楽天グループ株式会社は、インターネットサービスを中核に、フィンテック、モバイル、スポーツ・デジタルコンテンツなど幅広い事業を展開している企業です。
「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という理念のもと、ショッピング、金融、通信、旅行、広告といった多様な分野を相互に結びつけた「楽天エコシステム(経済圏)」を形成しています。
楽天のビジネスモデルは、1997年にスタートした「楽天市場」を起点に、クレジットカードや銀行、証券、電子マネーといったフィンテック領域、さらに自社の携帯通信事業「楽天モバイル」へと拡大。オンラインとオフラインを融合させたサービスを提供し、ユーザーの生活全体を支える仕組みを築いています。
これらの事業は、共通の楽天IDと「楽天ポイント」によって有機的に連携しており、顧客の利便性とロイヤルティを高める戦略の一環として機能しています。さらに、楽天はスポーツやエンターテインメント事業にも注力しており、プロ野球球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」や、Jリーグ「ヴィッセル神戸」を運営するなど、社会的なプレゼンスを拡大しています。
グローバル展開にも積極的で、北米、欧州、アジアなど30以上の国と地域に拠点を構えています。電子書籍サービス「Kobo」、メッセージアプリ「Viber」などを通じて海外市場にも進出し、多様なニーズに応えるプラットフォームを構築。今後も「楽天エコシステム」の拡大を軸に、世界規模での事業成長を目指しています。
各事業別の売上規模

楽天グループ株式会社の2025年度第2四半期(1月~6月)の連結売上収益(売上高)は5,964億円と、前年同期比で11.0%増加し、四半期として過去最高を更新しました。全セグメント(インターネットサービス、フィンテック、モバイル)が増収を達成し、非GAAPベースの営業利益は201億円(前年同期比319億円の改善)と、2019年度以来初の四半期黒字化となりました。
- インターネットサービス事業
- フィンテック事業
- モバイル事業
- その他事業
インターネットサービス事業
売上高は3,245億円で、前年同期比6.8%増。主力の楽天市場を中心にECや旅行サービスが堅調に推移し、物流費用の最適化も利益改善に寄与しました。
フィンテック事業
売上高は2,327億円で、前年同期比14.8%増。楽天カード、楽天銀行、楽天証券が引き続き好調で、キャッシュレス決済「楽天ペイ」も利用拡大により収益を伸ばしました。
モバイル事業
売上高は1,121億円で、前年同期比18.1%増。契約回線数の増加と平均収益(ARPU)の改善が進み、赤字幅縮小により収益性が改善しました。
その他事業
売上高は271億円で、前年同期比4.5%増。スポーツ・デジタルコンテンツ領域を中心に堅調に推移し、グループ全体の多角化戦略を支えています。
各事業セグメントの解説
楽天グループ株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| インターネットサービス事業 | 楽天市場をはじめとするEC、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天チケットなど、オンラインショッピング・旅行・デジタルコンテンツ・広告サービスの提供。物流やマーケティングソリューションも展開。 |
| フィンテック事業 | 楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天生命、楽天損保などを中心に、決済・融資・保険・証券取引といった幅広い金融サービスを提供。楽天ペイや楽天ポイントとの連携でキャッシュレス推進。 |
| モバイル事業 | 自社通信サービス「楽天モバイル」を運営。オープンRANを活用した次世代型ネットワークの構築を進め、料金プランの拡充や通信品質の改善を図っている。 |
| その他事業 | プロ野球球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」やサッカークラブ「ヴィッセル神戸」の運営、電子書籍「Kobo」、メッセージアプリ「Viber」など、スポーツ・エンタメ・海外事業を展開。 |
普段イメージするECサイト運営会社としての楽天とは違い、金融事業や通信事業、さらにはスポーツ・エンタメ事業まで幅広く展開していました。
またインターネットサービス事業を中心としたメイン事業セグメントは、楽天グループの多角的な事業戦略と市場への適応力を示しており、オンラインショッピングから金融サービス、モバイル通信、さらにはグローバル市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
楽天グループで働いている社員は?
平均勤続年数は?
楽天グループの平均勤続年数は7.7年です。
全産業の平均勤続年数が12.4年(厚生労働省「雇用動向調査」)であることから、やや短めであり、IT・サービス業界特有の人材流動性が反映されているといえます。
平均年収は?
2024年度の楽天グループの平均年収は789万円でした。
これは全国平均年収458万円を大きく上回っており、同じインターネットサービス関連企業の平均と比べても高水準です。特に金融・IT部門を含む総合職採用では、成果に応じた報酬制度が整っています。
平均残業時間は?
楽天グループ社員の平均残業時間は月20時間程度とされています。
これは情報通信業の平均残業時間(約24時間)と比べるとやや少なく、ワークライフバランスを意識した働き方が進められているといえます。加えて、フレックスタイム制やリモートワーク制度も活用されており、柔軟な働き方が可能です。
平均ボーナス額は?
公開されている資料から正確な平均ボーナス額は確認できませんでした。
ただし平均年収と国税庁「民間給与実態統計調査」に基づく賞与比率16%を考慮すると、おおよそ120〜130万円程度と推測できます。楽天グループは年2回(6月・12月)の賞与に加え、業績に応じたインセンティブ制度も導入されています。
どんな文化なの?
楽天グループは「Empowerment(人々と社会をエンパワーメントする)」を企業理念に掲げています。
社内公用語を英語とする「Englishnization」に象徴されるように、グローバルかつ挑戦的な文化を持つ企業です。社員には主体性とスピード感が求められ、年次や役職に関係なく意見を発信しやすい環境が整っています。
また、キャリアの幅は広く、EC、金融、モバイル、スポーツなど多様な領域で活躍できるため、自分の強みを活かしながらキャリア形成を進めることができます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しいインターネットサービス・フィンテック業界の中での楽天グループの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、楽天グループは国内外でトップクラスの規模を誇る企業であることがわかります。
理由として以下の要因があると考えられます。
- 多角的な事業戦略
- M&Aによるグローバル展開
- エコシステム(経済圏)による顧客囲い込み
多角的な事業戦略
楽天グループはECにとどまらず、金融(カード・銀行・証券・保険)、モバイル通信、スポーツ・デジタルコンテンツなど多様なビジネスモデルを展開しています。
これにより、景気や市場環境の変化に柔軟に対応し、売上と収益の多角化を実現しています。
M&Aによるグローバル展開
楽天は積極的なM&A戦略を進めてきました。
電子書籍の「Kobo」やメッセージアプリ「Viber」などの海外企業を買収し、グローバル市場での事業拡大を図っています。これにより海外でも存在感を高めています。
エコシステム(経済圏)による顧客囲い込み
楽天は「楽天市場」を中心に、楽天カード、楽天ポイント、楽天銀行、楽天モバイルといったサービスを連携させた「楽天経済圏」を形成しています。
このエコシステムはユーザーのロイヤルティを高め、長期的な競争力につながっています。
以上の要素により、楽天グループは国内外で大手企業と並ぶ規模を持ち、業界においてトップクラスの立ち位置を築いていると考えられます。
参考までに、競合4社の情報もまとめてみました。
| 会社名 | 売上高(2024年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 楽天グループ | 1兆9,888億円 円 | 789万円 | 60 | チャレンジと多様性を重視する社風 |
| アマゾンジャパン | 非公開(世界全体で約51兆円)円 | 推定800万円超 | 65 | 成果主義・グローバル志向の社風 |
| ヤフー(Zホールディングス) | 1兆5,000億 円 | 720万円 | 58 | 自由度の高い社風 |
| リクルート | 3兆3,000億円 | 930万円 | 62 | 挑戦を後押しする社風 |
楽天グループの新卒募集要項について
以下に楽天グループの新卒募集要項についてまとめました。
楽天はグローバル企業としての多様な働き方を推進しており、英語を公用語とするユニークな企業文化や、幅広い研修制度・福利厚生が整っている点が特徴です。
またキャリア形成の自由度も高く、職種や事業領域を超えたキャリアチェンジも可能です。
配属は本人の希望や適性を考慮したうえで行われますが、グローバル展開企業であるため、将来的に海外勤務や他部門での経験の可能性もあります。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 給与(2025年4月入社 初任給実績) |
|
| 賞与 |
|
| 研修制度 | 新入社員研修(オンボーディングプログラム)、年次別・職種別研修、マネジメント研修、リーダーシップ研修、グローバル研修(海外拠点でのトレーニング機会あり)、社内公用語である英語習得を支援するプログラム |
| 福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、社員持株会制度、社員食堂(朝昼夕の3食無料)、カフェ・フィットネスジムなど社内施利用可、産休・育休制度、在宅勤務制度、キャリア開発支援(資格取得支援、海外派遣プログラム) |
求める人材

楽天グループでは求める人材として以下の価値観を掲げています。グローバルに展開する企業であるため、この考え方は全社共通で浸透していると言えます。
- Professionalism(プロフェッショナリズム)
- Empowerment(エンパワーメント)
- Innovation(イノベーション)
- Integrity(誠実さ)
- Diversity & Inclusion(多様性と包摂性)
Professionalism(プロフェッショナリズム)
高い専門性と責任感を持ち、自らの役割を深く理解した上で、成果を出すことに全力を尽くします。
Empowerment(エンパワーメント)
自分自身や仲間、社会全体を前向きに変えていく意欲を持ち、人や組織に力を与える存在となります。
Innovation(イノベーション)
現状に満足せず、新しいアイデアや仕組みを考え、挑戦を通じて未来を切り拓いていきます。
Integrity(誠実さ)
常に正しい判断と行動を心がけ、信頼される人材であることを大切にします。
Diversity & Inclusion(多様性と包摂性)
多様な文化や価値観を尊重し、誰もが活躍できる環境を共に創り上げます。
これらの価値観は、楽天グループの採用メッセージである「イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントする」という理念につながっています。
エントリーシートや面接においても、こうした価値観を体現しているかどうかが重視されるため、自分の経験や目標を結びつけてアピールすると良いでしょう。
新卒採用のフロー
楽天グループの選考は、下記の通りのフローで進められます。
面接では志望動機やキャリア観といったスタンダードな質問に加え、楽天のバリュー(挑戦・多様性・誠実さなど)を体現しているかどうかを確認する質問が多いのが特徴です。
選考対策としては、楽天経済圏における自身の役割や、将来的なキャリアの展望を明確にしておくことが重要です。
①新卒エントリー
楽天グループ公式サイトの新卒エントリーページから必要事項を入力して登録を行います。
エントリーシート(ES)では志望動機や自己PR、強み・弱み、楽天を志望する理由などの一般的な質問に回答し、Web上で提出します。
②会社説明会、エントリーシート提出
楽天グループの事業内容やカルチャーを理解するための会社説明会が開催されます。
選考参加を希望する場合はエントリーシートを提出。質問内容は以下の通りです。
- ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)
- 志望動機
- 自分の強み・弱み
- 楽天に興味を持った理由
説明会や事前準備の段階で、楽天の経営理念「イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントする」と結びつけて考えておくと効果的です。
③一次面接+Webテスト(SPI相当)
一次面接はオンラインで行われ、学生1名に対し面接官1名の形式です。
内容は自己紹介や志望理由、インターネットサービス業界を選んだ理由、将来のキャリア観など。
以下のような質問が確認されています。
- 説明会に参加してどう感じたか
- 周囲からどのような人物だと言われるか
- 自分を何色に例えると何色か
- 10年後どのように成長していたいか
SPI相当のWebテストも同時期に実施され、論理的思考力や性格面を確認されます。
以下のページもぜひ参考にしてください!
④複数回面接(2次以降)
楽天グループでは、学生が「楽天でどのように成長できるのか」を重要視して面接を実施します。
面接回数は学生ごとに異なりますが、2〜3回の面接を経るケースが多いです。
最終面接は人事責任者や役員クラスと行われ、熱意や楽天でのキャリアビジョンが深掘りされます。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度の高さ(第一志望かどうか)
- 楽天のサービスを実際に使った感想と改善提案
- チームで困難を乗り越えた経験
- 入社後どのように楽天経済圏に貢献できるか
最終になるにつれて質問が深掘りされ、楽天の事業や価値観に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際に楽天の各事業(EC、金融、モバイルなど)で働く姿を想定したり、楽天市場や楽天カードといったサービスを実際に利用して改善点を考えるなど、具体的なイメージを持って臨むと効果的です。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破すると内定が決まります。
楽天グループは人材の多様性を重視しているため、個性やキャリア志向をしっかり伝えることが内定獲得のカギとなります。
採用大学
楽天グループの採用大学の実績を以下に掲載します。最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えられます。
| <大学院> 東京大学、京都大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学、筑波大学 <大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、北海道大学、九州大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、立教大学、青山学院大学、中央大学、法政大学、学習院大学、東京理科大学、千葉大学、横浜国立大学、神戸大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、関西大学 ほか |
上記には偏差値が高い大学も含まれていますが、楽天グループは幅広い層からの採用を行っています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくく、しっかりとエントリーシートや面接対策を行えば内定獲得のチャンスは十分にあります。
採用大学のランクに関しては以下の記事も参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、楽天グループの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度はやや高め〜標準的といえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローとして特別なステップはなく、一般的なES・面接・Webテストが中心
- 採用大学を見ても幅広いため、学歴フィルターはあまり見られない
- グローバル志向の社風や英語力重視など、特徴的な選考基準はあるが、給与や福利厚生が突出して高いわけではない
よって、頻出質問である「ガクチカ」「志望動機」「キャリア観」などの基本的な事項をしっかり対策していれば、過度に難しい企業ではありません。
ただし、楽天グループならではの挑戦・多様性・英語力といった要素をアピールできるかが内定獲得のポイントとなります。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
楽天グループは、インターネットサービス業界およびフィンテック業界を代表する企業で、EC(楽天市場)をはじめ、金融、モバイル、スポーツ・エンタメなど幅広い事業を展開しています。共通のIDとポイントを活用した「楽天経済圏」を軸に、多様な分野で人々の暮らしを支える存在です。
楽天は挑戦を歓迎する社風を持ち、学歴や専攻に関わらず多様な人材を採用しています。そのため、誰にでも平等にチャンスがあり、自己分析と選考対策をしっかり行えば内定獲得の可能性は十分にあります。
この記事を参考に、楽天グループへの理解を深め、自信を持って就職活動に臨んでください。











