【企業分析】キヤノンの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
キヤノン株式会社は東京都大田区に本社を置く精密機器メーカー業界・電機業界に属する企業です。
カメラ・プリンター・複合機といった事務機器、半導体露光装置や医療機器まで幅広く手掛け、2024年12月期の連結売上高約4.7兆円(前期比5.0%増)と過去最高を記録し、連結従業員数約17万人を擁するグローバル企業として成長しました。
今回はそんなキヤノンの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事ではキヤノン株式会社への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。 ぜひ最後までご覧ください。
- キヤノンの仕事内容が気になる
- キヤノンの就職難易度を知りたい
- キヤノンの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、精密機器・電機以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、キヤノンの就職難易度は、高い難易度と考えています。
平均年収865万円という高い水準や、売上高4.7兆円という業界トップクラスの規模、さらに海外売上比率78.6%を誇るグローバル企業としての地位から、多くの優秀な学生が志望する企業となっているためです。
また、採用大学も難関大学から中堅大学まで幅広い偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として、独特なものが「学校名不問での面接」と「三自の精神(自発・自治・自覚)への深い理解」になります。
特に三自の精神に関しては他の企業でメジャーなものではないので、事前準備を進めたうえで説明会に参加するようにしましょう。
また職種としては、総合職(技術系・事務系)となっており、業務内容としては主に研究開発・生産技術・企画・営業などに従事することになります。
商材は配属される事業部門によって異なりますが、プリンター・カメラ・医療機器・産業機器の取り扱いがメインになります。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
キヤノン株式会社について

会社概要
キヤノン株式会社は、カメラ・プリンター・複合機・医療機器・半導体露光装置などを主な事業内容としている企業です。
キヤノンは、IoT時代における技術革新の実現を目指し、顧客のニーズに合わせた商品の提案を重視する高品質な製品開発を採用しています。
精密機器メーカーとして、自社従業員による高い技術力に依存しない企業戦略を実施しており、顧客の生活を豊かにするための「世界一の技術」を目指しています。
キヤノンのビジネスモデルは、プリンティング事業に加え、医療機器のキヤノンメディカルシステムズや、ネットワークカメラなどの産業機器事業にも力を入れています。
これらの事業は、顧客の多様なニーズに応えるための多角化戦略の一環として展開されており、国内市場における競争力を高めています。
さらに、キヤノンは海外市場にも進出しており、特にグローバル展開に注力しています。海外売上比率は78.6%に達し、アジア・欧米での事業拡大を目指しています。現在は連結ベースの売上高全体に占める海外売上の割合は80%に上り、米州・アジア・欧州地域で安定した収益構造を確立しました。
各事業別の売上規模
キヤノン株式会社の2024年12月期の連結売上高は4兆7,360億円(前期比5.0%増)と過去最高を記録しました。
この売上はプリンティング事業、イメージング事業、メディカル事業、インダストリアル事業からの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- プリンティング事業
- イメージング事業
- メディカル事業
- インダストリアル事業
プリンティング事業
売上高は2兆7,000億円程度で、全体の約57%を占める主力事業です。複合機分野で世界トップクラスのシェアを持ち、安定した収益基盤となっています。
イメージング事業
売上高は9,500億円程度で、約20%を占めます。デジタルカメラの世界シェアで首位を維持しています。
メディカル事業
売上高は6,200億円程度で、約13%を占めます。2016年の東芝メディカル買収により本格参入した成長事業です。
インダストリアル事業
売上高は4,300億円程度で、約9%を占めます。半導体・ディスプレイ製造装置を手掛ける技術集約型事業です。
各事業セグメントの解説
キヤノン株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
|---|---|
| プリンティング事業 | 複合機・レーザープリンター・インクジェットプリンターの販売。オフィス機器から家庭用まで幅広い製品ラインナップ。 |
| イメージング事業 | デジタルカメラ・レンズ・ビデオカメラの開発・製造・販売。世界シェア首位を維持。 |
| メディカル事業 | CT・MRI・超音波診断装置などの医療機器。東芝メディカル買収により本格参入。 |
| インダストリアル事業 | 半導体露光装置・FPD(液晶・有機ELパネル)露光装置・真空薄膜装置などの産業機器。 |
普段イメージするカメラメーカーとしてのキヤノンとは違い医療機器事業や産業機器事業など幅広く事業を展開していました。
またプリンティング事業などのメイン事業セグメントは、キヤノンの多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、カメラから医療機器、産業機器、さらには海外市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
キヤノンで働いている社員は?
平均勤続年数は?
キヤノンの平均勤続年数は約19.8年です。
製造業の平均勤続年数は約15.8年であることから、業界平均よりも長期勤続の傾向があり、安定した職場環境といえるでしょう。
平均年収は?
2024年12月期のキヤノンの平均年収は、865万円でした。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、 全国平均よりもかなり高い水準となっています。
また、同じ「製造業」の上場企業平均年収は約614万円でした。
平均残業時間は?
キヤノンの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり約16.0時間でした。
製造業で働く従業員の平均残業時間は18.2時間のため、業界内では平均よりもやや少ない残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
インターネット上の情報だけでは分かりませんでした。
しかし、キヤノンの平均年収から、キヤノンの平均ボーナス額は140万円程度と推測できます。
理由は、国税庁の民間給与実態統計調査によると、平均給与に占める賞与額の割合は約16%だからです。
あくまで参考程度にしておいてください。
また、キヤノンは年に6月と12月の合計2回ボーナスが支給されます。
どんな文化なの?
キヤノンは、創業時から受け継がれる「三自の精神」(自発・自治・自覚)という行動指針を掲げています。
研究開発から生産技術、企画・営業まで、多岐にわたるキャリアパスを提供しています。
キヤノンは、個人の成長と会社の発展を結び付け、主体的に業務に取り組む人材を重視する企業文化があります。
ここでは、自分自身が主役となり、限界なく成長を遂げることができる環境が整っているので、主体的に仕事を進めたい人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい製造業界の中でのキヤノンの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、キヤノンはトップクラスの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 光学技術を核とした総合力
- プリンター事業による安定収益基盤
- グローバル展開による成長機会
光学技術を核とした総合力
キヤノンはカメラで培った光学技術を基盤に、プリンター、医療機器、産業機器まで多様なビジネスモデルを展開しています。
これにより、市場の変化に柔軟に対応し、売上の多角化を実現しています。
プリンター事業による安定収益基盤
キヤノンは世界トップクラスのプリンター・複合機事業により、安定した収益基盤を確保しています。
これにより、新規事業への投資原資を確保し、企業の持続的成長を支えています。
グローバル展開による成長機会
キヤノンは海外売上比率78.6%を誇るグローバル企業として、世界市場での成長機会を確保しています。
特に新興国市場での事業拡大により、さらなる成長が期待されています。
以上の要素によりキヤノンは製造業界の中でもトップクラスの売上高を生み出していると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2024年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
|---|---|---|---|---|
| キヤノン | 4.7兆円 | 865万円 | 65 | 三自の精神を重視する社風 |
| ソニー | 13.6兆円 | 1,085万円 | 68 | 革新性を重視する社風 |
| 富士フイルム | 2.9兆円 | 971万円 | 63 | 変革にチャレンジする社風 |
| ニコン | 0.7兆円 | 790万円 | 58 | 職人気質を大切にする社風 |
キヤノンの新卒募集要項について
以下にキヤノンの新卒募集要項についてまとめました。
平均年収865万円という高い水準や、福利厚生がかなり整っている点は非常に嬉しい点です。
また賞与に関しても2分割制なのも他社と比較すると標準的です。
研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、年次毎や役職毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実していると言えます。
転勤については、全国・海外への転勤可能性があります。ただし個別の事情については面接や説明会などの際に確認をしましょう。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 給与(2025年4月入社 初任給実績) |
|
| 賞与 | 年2回(6月・12月)業績と評価に応じて支給 |
| 研修制度 | 新入社員研修、新入社員フォロー研修、階層別研修、専門研修、海外研修、メンター制度など |
| 福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、従業員持株会制度、財形貯蓄、カフェテリアプラン、育児・介護支援制度、その他 |
求める人材

キヤノン株式会社では求める人材として下記のものを公表しています。グループ会社の1つでもあるため、他のグループ会社でも共通になっている可能性が高いです。
- 挑戦精神
- 三自の精神
- 創造性
- 協調性
- グローバルマインド
挑戦精神
変化に立ち向かい、粘り強く挑戦を続けられる人材を求めています。困難な目標に対して最後まで取り組む意欲が重要です。
三自の精神
キヤノンの行動指針「自発・自治・自覚」を体現できる人材を求めています。自ら考え、行動し、責任を持って業務に取り組むことが求められます。
創造性
新しい価値を生み出すための発想力と、それを実現する実行力を兼ね備えた人材を求めています。
協調性
チームワークを活かしたリーダーシップを発揮し、周囲と協力して大きな成果を上げられる人材を求めています。
グローバルマインド
海外売上比率78.6%のグローバル企業として、多様性への適応力と語学力を持った人材を求めています。
以上の5つはキヤノンの採用メッセージの『変化に立ち向かい、粘り強く挑戦を続けられる人』につながっていきます。
エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
キヤノンの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
キヤノン公式サイトの新卒エントリーボタンより必要事項を入力し登録を行います。
エントリーシートでは志望動機や自己PR、学生時代の取り組みなどの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。
②会社説明会
キヤノンのイメージを具体的に理解するための会社説明会です。
事業内容の詳細説明や社員との座談会を通じて、企業理解を深める機会となります。
③筆記試験・適性検査(SPI)
キヤノンでは一人ひとりを深く知るため、SPI試験(言語・非言語・性格診断)が実施されます。
一般的な学力・適性を測定する内容となっており、事前に対策本で練習しておくことをお勧めします。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は下記に記載した関連ページを確認してください。
④一次面接
キヤノンでは一人ひとりを深く知るため、学生1:面接官1で実施されます。
面接では自己紹介や志望理由、研究内容などが聞かれますので、自分の答えを見つけておきましょう。
一次面接は30分程度オンラインで行われます。
選考の難関ポイント
一次面接の通過率は約21%と最も厳しい選考段階です。エントリーシート通過率が約81%と高い分、面接での競争が激化します。
和やかな雰囲気の中、キャリアプランやエントリーシートに記載した事項とその他についての回答が求められます。
以下によく聞かれる質問事項を紹介します。
- なぜキヤノンを志望するのか
- 学生時代に最も力を入れたこと
- 研究内容について(技術系)
- 10年後のキャリアビジョン
以下のページもぜひ参考にしてください!
⑤複数回面接(2~3次面接)
キヤノンでは、新卒社員にとって「成長できる場になり得るのか」を最も重要視して面接を実施します。
個々に合わせて選考を行うため、回数はその方によって異なります。
最終面接は、学生1人と役員クラスの面接官1人で40分程度オンラインで行われます。自己PRなどの一般的な質問の他に、入社に対する理由や熱意について深く確認がされます。
選考通過率
二次面接を通過した学生のうち、最終面接では約75%の高い通過率となっています。しかし書類選考から最終的に内定を獲得できるのは全体の約9%という狭き門です。
以下によく聞かれる質問事項を紹介します。
- 志望動機の深掘り
- 他社の選考状況
- 志望度はどのくらいか
- キヤノンで成し遂げたいこと
- 入社後どんな風に貢献できるか
- なぜこの業界、この会社なのか
最終になるにつれて質問が深掘りされたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際に現場で働いている姿を想定したり、実際に企業研究を深めるなどしてイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑥内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
- 書類選考から最終的に内定を獲得できるのは全体の約9%
- 技術系は「300人以上」の募集に対し、事務系は「若干名」のため、事務系の競争はさらに激化
- 一次面接が最大の関門となっており、ここでの対策が特に重要
採用大学
キヤノンの採用大学の実績を以下に掲載しますが、難関大学から中堅大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えます。
| <大学院> 大阪大学、京都大学、慶應義塾大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学 <大学> 早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、東京理科大学、立命館大学、青山学院大学、中央大学、明治大学、法政大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、東京都市大学、東京電機大学、横浜国立大学、筑波大学、東京農工大学、新潟大学、その他多数 |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、キヤノンは多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、キヤノンの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は高いといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 大手メーカーとしての企業知名度とブランド力が高い
- 高い待遇水準(平均年収865万円)による競争激化
- グローバル企業として多くの優秀な学生が志望する企業
よって、頻出質問である「志望動機」や「学生時代の取り組み」など基本的な事項をしっかりと対策をしていれば、難しすぎることはないでしょう。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
キヤノンは、精密機器メーカー業界および電機業界に属する企業で、カメラ・プリンター・医療機器・産業機器を主事業としており、顧客ニーズに合わせた「高品質な技術開発」や「三自の精神」を目指しています。
キヤノンは製造業界の中でもレベルが高い企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
しかし学歴重視をする企業ではないので、全員に等しくチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。











