【企業分析】味の素の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
味の素株式会社は、東京都中央区に本社を構える日本を代表する総合食品メーカーです。
うま味調味料「味の素」をはじめ、冷凍食品、加工食品、アミノ酸関連製品など幅広い事業を展開し、国内外で高いブランド力を誇る企業です。
グローバルに展開する食品事業だけでなく、アミノサイエンスを応用した医薬・ヘルスケア分野や飼料用アミノ酸事業なども展開しており、世界各国の食文化と健康を支える存在となっています。
今回はそんな味の素の企業概要や事業内容、就職難易度や採用大学、さらには選考対策のポイントをご紹介します。
食品業界やグローバルメーカーに関心のある就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 味の素の仕事内容が気になる
- 味の素の就職難易度を知りたい
- 味の素の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、総合食品メーカー以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、味の素の就職難易度は食品業界の中でも難易度が高いと考えられます。
採用人数は一定数あるものの、その知名度の高さや人気度から毎年多くの応募が集まり、競争率も高くなっています。
また採用大学も幅広く、旧帝大・早慶といった難関大学から、地方国公立大学や有名私大まで多岐にわたっています。
多様なバックグラウンドを持つ人材が選考対象となるため、しっかりとした準備を整えれば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策としては、味の素独自の強みやグローバル事業への理解を深めたうえで、自身の志望動機やキャリアプランを明確に語れることが重要です。
さらに「食と健康への貢献」に関するエピソードを盛り込むことで、企業の価値観に合致したアピールができます。
次の章では、味の素の事業内容や採用動向などを詳しく解説していきます。
味の素株式会社について

出典元:味の素株式会社
会社概要
味の素株式会社は1909年に世界初のうま味調味料「味の素」を発売して以来、110年以上にわたり「食と健康」をテーマに事業を拡大してきました。
現在では「食料事業」と「アミノサイエンス事業」の2本柱を持ち、世界各国で幅広いニーズに対応した製品を提供しています。
食品分野では冷凍ギョーザやクノールブランドなど家庭向け商品に加え、業務用食品も多数展開。
アミノ酸分野では、スポーツ栄養、医療・ヘルスケア、飼料用アミノ酸といった多様な用途に対応しています。
味の素グループは「食と健康、そして豊かな生活の実現」をビジョンに掲げ、2030年に向けてサステナビリティ経営を強化。特に「栄養課題の解決」と「環境負荷低減」の両立を目指し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
国内市場における強固なブランド基盤を持つだけでなく、世界約130の国・地域に製品を展開しており、グローバル食品企業として確固たる地位を築いています。
各事業セグメントの解説
味の素株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 食品事業 | うま味調味料「味の素」をはじめとする調味料、加工食品、冷凍食品、即席スープ、コーヒー・飲料などを国内外で販売。家庭用だけでなく業務用食品にも幅広く対応。クノールやCook Doといったブランドも展開。 |
| アミノサイエンス事業 | アミノ酸の研究開発を基盤に、医薬・ヘルスケア用途、スポーツ栄養、化粧品原料、飼料用アミノ酸などを提供。ライフサイエンス分野における応用研究も進めており、グローバル市場で成長。 |
| ヘルスケア事業 | 医薬品原料や臨床栄養製品を提供。病院・医療機関向け製品のほか、高齢化社会に対応した健康維持・予防分野にも注力。 |
| その他事業 | パッケージング関連や物流、研究開発支援、持株会社としてのグループ経営管理機能を担う。 |
味の素は創業以来培ってきたアミノ酸研究を軸に、食品事業をはじめ医薬・ライフサイエンス領域へと事業を拡大してきました。
食品メーカーでありながら、研究開発型企業としての性格も強く、幅広い分野で独自の価値を提供しています。
国外への進出にも積極的であり、現在では海外売上比率が60%を超え、特にアジアや南米を中心にグローバル市場で成長を続けています。
また「栄養改善」と「環境負荷低減」を両立する新規事業にも注力しています。
味の素で働いている社員は?
平均勤続年数は?
味の素の平均勤続年数は19.9年(2023年度実績) です。
全国平均(約12年)や食品業界の一般的な水準と比べても長く、社員が腰を据えて働きやすい環境が整っていることを示しています。
研究開発型の企業であることから専門性を活かした長期キャリア形成が可能であり、福利厚生や働き方改革の推進によって定着率が高い点が特徴です。
平均年収は?
2025年3月期の味の素の平均年収は 1,037万円 です。
全国平均年収(約458万円)と比べると2倍以上の水準にあり、食品業界の中でもトップクラスの高待遇といえます。
安定した収入と専門性を兼ね備えたキャリア形成が可能な環境といえるでしょう。
平均残業時間は?
味の素の平均残業時間は 月23.9時間(2024年度) です。
一般的な大手メーカーの残業時間(20〜25時間程度)とほぼ同水準であり、極端に多いわけではありません。
平均ボーナス額は?
味の素のボーナス(賞与)は年2回(6月・12月)支給されており、平均支給月数は年間7.5〜8ヶ月分と高い水準です。食品業界の中でもトップクラスの水準であり、年収に占める賞与の割合は約40%前後。業績や個人評価によって変動する仕組みですが、近年は業績が好調なため高い支給率を維持しています。
安定した給与に加えて、ボーナスによる収入の厚みも味の素で働く大きな魅力の1つでしょう。
どんな文化なの?
味の素は創業以来「食と健康、そして豊かな生活」を掲げてきたこともあり、社員の働き方にも「人を大切にする文化」が根付いています。
新しい挑戦を歓迎する風土があり、若手であっても積極的に提案できる環境が整っています。
またグローバル展開を進めているため、語学力や異文化理解を活かしながら働ける点も特徴です。
さらにダイバーシティ推進にも注力しており、女性の管理職登用や育児・介護と両立できる制度が充実。社員一人ひとりが自分らしく働き続けられる仕組みが整備されています。
「長期的にキャリアを築きたい」「社会や人々の健康に貢献したい」と考える人にとって、働きやすく誇りを持てる企業文化となっています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
味の素は食品業界の中でも国内外で強い影響力を持ち、就職先として人気があります。平均年収は1,000万円を超えており、研究開発・海外事業・ブランド力のいずれも安定しているため、就職難易度は高いといえます。
味の素の強さの理由としては以下の要因があると考えています。
- 強固なブランド力と市場シェア
- 研究開発力とグローバル展開
- サステナビリティ経営への注力
強固なブランド力と市場シェア
「味の素」をはじめとする調味料や冷凍食品で国内外に高い認知度を持ち、確かなシェアを確立しています。
研究開発力とグローバル展開
アミノ酸事業や食品科学の研究を基盤に、世界130以上の国・地域で事業を拡大しています。
サステナビリティ経営への注力
栄養課題の解決や環境負荷低減を経営方針に掲げ、持続可能な社会への貢献を重視しています。
以上の要素により味の素は食品業界の中でもトップクラスの売上高を生み出していると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2024年度) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 味の素 | 約1兆5,305億円 | 約1,037万円 | 74 | 研究開発型で挑戦を歓迎する社風 |
| キッコーマン | 約7,090億円 | 約823万円 | 68 | 穏やかで国際色豊かな社風 |
| 明治ホールディングス | 約1兆1,540億円 | 約1,015万円 | 69 | 伝統を重んじつつ革新を目指す社風 |
| 森永製菓 | 約2,289億円 | 約815万円 | 67 | アットホームで商品愛の強い社風 |
味の素の新卒募集要項について
味の素の新卒採用は「総合職」が中心で、研究開発・生産・営業・管理など幅広い部門で募集があります。
給与面は食品業界でも高水準であり、年2回の賞与や各種手当も整備されています。
研修制度は新入社員研修に加え、語学研修や海外トレーニー制度、階層別研修などを用意。若手からグローバルに活躍できる環境が整っています。
福利厚生では住宅補助や財形制度、カフェテリアプランのほか、育児休業や在宅勤務制度も充実。ワークライフバランスを意識した制度が整備されています。
全体として、高待遇と手厚い教育制度が魅力の就職先といえます。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 総合職(研究開発、生産、営業、管理など) |
| 給与(2025年4月入社 初任給実績) | 【R&D・生産・セールス/ビジネス・財務経理・法務・デジタル 情報システム・サステナビリティ情報開示・新事業開発】
【エリア限定】
|
| 賞与 | 年2回(6月・12月) |
| 研修制度 | 新入社員研修、語学研修、海外トレーニー制度、階層別研修など |
| 福利厚生 |
|
求める人材

世界各国に拠点を持つ味の素株式会社では、多様な価値観を尊重しつつ新たな挑戦を続けています。そのため、以下のような資質を持つ人材を求めています。
- スピード
- 挑戦心
- 主体性
- チームワーク
- グローバル視点
スピード
変化の激しい食品業界において、顧客や社会のニーズに迅速に対応できる力が求められます。
挑戦心
現状に満足せず、新しい技術や市場に果敢に挑む姿勢が必要です。
主体性
自ら考え行動し、結果に責任を持って取り組む力が求められます。
チームワーク
多様なバックグラウンドを持つ仲間と協働し、成果を最大化する姿勢が必要です。
グローバル視点
世界中の市場や人々の暮らしを見据え、広い視野で活躍できる柔軟性が求められます。
以上の5つは、「食と健康の課題解決を通じて社会に貢献する」という味の素の企業理念にもつながっています。
エントリーシートや面接においても、これらの姿勢や考え方を意識して表現できれば、高い評価につながる可能性があります。
新卒採用のフロー
味の素の新卒採用は、下記のように多段階のプロセスを通じて行われます。
エントリーシートやWEBテストに加え、グループディスカッションや複数回の面接を経て、学生の主体性・協働力・将来のキャリアビジョンが丁寧に見極められるのが特徴です。
①エントリーシート
味の素の新卒採用では、まずエントリーシートの提出から始まります。
設問内容は志望動機や自己PRに加え、チャレンジ経験や価値観を問うものが中心で、同社の理念である「味の素グループWay(新しい価値の創造、開拓者精神、社会貢献、人を大切にする)」を意識した回答が求められます。
質問事項は
- 人を動かし、成果を創出した経験(200字以内)
- 入社して実現したいこと
- 最も熱意を持った活動や挑戦のエピソード
- 周囲を巻き込みながら行動したテーマについて
- 希望する職種・フィールドを志望する理由
といったように、自分の経験をベースにしたことを聞かれるようです。
学生時代の経験を「成果」や「学び」と結び付けて具体的に表現していきましょう。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は下記に記載した関連ページを確認してください。
②WEBテスト(玉手箱)
エントリーシート提出後はWEBテストが実施されます。形式は「玉手箱」で、適性検査や一般教養、論理的思考力を問う内容が中心です。食品業界においては基礎学力に加え、数値処理や論理的な分析力が業務で必要となるため、十分な準備が求められます。
玉手箱はSPIと同様に基礎能力を測るテストですが、出題形式や解答スピードに独特の特徴があります。短時間で正確に解答する練習を重ねることが、突破のカギとなるでしょう。
以下のページもぜひ参考にしてください!
③一次面接(オンライン)
一次面接では人事担当や若手社員との個人面接が中心です。所要時間は約30分程度で、学生1人に対して社員1人という形式が多い傾向にあります。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 自己紹介
- 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
- 志望動機
- 失敗体験と、その対応方法
- チーム活動における役割や協調性
- 逆質問
面接の特徴として「味の素グループWay」(「新しい価値の創造」、「開拓者精神」、「社会への貢献」、「人を大切にする」という4つの行動指針)との親和性や、論理的に自分の経験を語れるかが重視されます。エントリーシートに記載した内容を基に深掘りされるため、自分の言葉で一貫性をもって答えましょう。
④二次面接(オンライン)
一次面接を通過すると、次は二次面接に進みます。
この段階では、自己PRや学生時代の経験に対してさらに詳しく掘り下げられる質問が多くなり、受験者の価値観や志望動機の一貫性が厳しくチェックされます。
- ガクチカ
- なぜこの業界、この会社なのか
- 困難の乗り越え方
- チーム活動における役割やリーダーシップの発揮経験
- 企業選びのポイント
二次面接はオンラインで行われるケースが多く、社員1名と30分程度の個人面接を2回行う形式が一般的です。質問は一次よりも深掘りされるため、具体的かつ論理的に答えられるようエピソードを整理しておきましょう。
⑤三次面接
味の素の三次面接は、二次面接と同じく入れ替わり制で30分の個人面接を2回行う形式です。ここで最終的な合否の判断が下されるため、深い自己分析と将来展望の一貫性が重要になります。
- ガクチカ
- 幼少期から現在に至るまでの価値観や人生の振り返り
- 入社後にやりたいこと、キャリアプラン
- どのように会社に貢献できるか
- 味の素グループWayへの共感や、社会貢献への意識
以上のように三次面接では、幼少期から現在に至るまでの人生観や価値観、入社後の展望について深く問われます。過去から未来への一貫したストーリーを持って語れるかどうかが重要で、自己分析を丁寧に行い、味の素の理念と重ね合わせて準備しておきましょう。
⑥最終面接(役員面接)
味の素の最終面接は、役員クラスが担当する個人面接で、1回あたり30分前後を2回実施する形式です。これまでの面接内容を踏まえたうえで、人柄や価値観の一貫性、そして企業理念「味の素グループWay」とのマッチ度が最重要視されます。
- ガクチカ
- 夢や人生の目標
- 入社後にやりたいこと、キャリアプラン
- 価値観や行動原理が会社にどのように貢献するか
- 雑談的な質問
最終面接は能力面というより「人物面の最終確認」と位置付けられています。これまで語ってきた内容と矛盾がないか、自分の言葉で一貫して説明できるかが合否の分かれ目です。
味の素で働きたいという強い意思を誠実に伝え、価値観の一致を示すことで合格への道が開けるでしょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑦内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
味の素の採用実績は難関国公立から有名私立まで幅広く、全国の大学から多様な人材が集まっています。公式でも「学歴で選考を落とすことはない」と明言されています。しかし実質的には高学歴層が圧倒的に多数を占めているので、「学歴フィルターはある」と認識するのが現実的です。
| <大学院> 東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学、名古屋大学、九州大学、北海道大学、東北大学、筑波大学 <大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、北海道大学、東北大学、九州大学、名古屋大学、筑波大学、神戸大学、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、関西大学 |
採用実績としては旧帝大や早慶といった難関大学が有利ですが、MARCH・関関同立といった人気私大からも幅広く採用実績があります。
文系・理系ともにチャンスがあり、人物面や志望動機の明確さが重視される傾向です。
エントリーシートや面接で、キャリアプランや価値観をしっかり示せるよう準備を進めましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それではここまでの内容を踏まえて、味の素の就職偏差値・難易度を確認してみましょう。
結論としては味の素の就職難易度は高いといえます。
その理由は以下の3点です。
- 採用人数が少なく、知名度の高さから毎年多くの応募が集まる
- 食品業界を代表する企業としてブランド力が強く、就活生からの志望度が高い
- 人物重視の選考が行われ、志望動機やキャリアビジョンの明確さが求められる
よって、基礎的な事前準備(適性検査や自己分析)はもちろんのこと、「なぜ食品メーカーの中で味の素なのか」を具体的に答えられるようにすることが重要です。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
味の素は、食品業界を代表するグローバルメーカーであり、安定した経営基盤と豊富なキャリアの可能性を備えています。
一方で選考では人物面が重視されるため、入念な準備が欠かせません。
特に「なぜ食品メーカーの中で味の素なのか」「入社後にどのように貢献したいのか」といった問いに、自分の経験をもとに具体的に答えられるかどうかが合否の分かれ目です。
徹底した自己分析と企業研究を行い、自分なりの強みやビジョンをしっかり伝えられるように準備を進めましょう。
ぜひこの記事を参考にして励んでください。











