【企業分析】村田製作所の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2024/5/24更新

はじめに

村田製作所は、革新的な技術とソリューションの創出を通じて、エレクトロニクス社会の発展に寄与している企業です。

京都府に本社を置き、材料から製品までの一貫生産体制を維持しており、小型、高機能、薄型化を推進し、エレクトロニクス業界のトレンドをリードしています。

また、製品の90%以上が海外で販売されており、グローバル市場においても広くその技術、製品、サービスを提供している企業です。

この記事では、村田製作所の企業分析を行い、事業内容、社風、選考対策について詳しく紹介します。

村田製作所に就職に興味がある就活生に向けて、以下のような情報を提供しています。

ぜひ最後までご覧ください。

  • 村田製作所の事業内容が気になる
  • 村田製作所の就職難易度を知りたい
  • 村田製作所の選考対策として何をすれば良いかわからない

また、その他の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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この記事の結論

先にこの記事の結論からお伝えすると、村田製作所の就職難易度は高いです。

ただし、採用大学はさまざまな偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば、内定を獲得できる可能性は十分にあるでしょう。

選考対策ではまず、事前準備を進めたうえで説明会に参加してください。

募集職種は営業やシステム、技術職など幅広い職種があります。

商材は配属される開発部門によって異なりますが、電子部品や関連製品の開発がメインです。

次の章からは、各内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

村田製作所について

村田製作所の本社ビル

出典元:村田製作所 本社ビル

会社概要

村田製作所は、京都府長岡京市に本社を置く電子部品を専門に扱うメーカーです。

ファンクショナルセラミックスを基にした電子デバイスの研究、開発、生産、販売を行い、スマートフォン、家電、自動車関連、ヘルスケアといった多岐にわたる分野に製品を供給しています。

特に、コンデンサやショックセンサなどの部品で世界シェアのトップを誇り、積層セラミックコンデンサ(MLCC)においては、世界シェアが40%を超えるほどです。

独自の材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、そしてソフトウェアや分析・評価といった技術基盤を駆使し、エレクトロニクス社会の進展に貢献しています。

 

各事業別の売上規模

村田製作所の各事業別の売上規模グラフ

出典元:村田製作所 公式HP

 

2023年3月期における村田製作所の売上高は、為替の変動や各製品カテゴリの動向により影響を受けました。

全体的に売上高は1兆6,868億円で、前年度比で6.9%の減少を記録しました。

具体的な事業別の売上の動向は以下の通りです。

  • 樹脂多層基板 – スマートフォン向けの需要増により売上が増加。スマートフォンの高機能化や新モデルの発売が影響。
  • リチウムイオン二次電池 – パワーツール向けの需要増により売上が増加。DIY市場の拡大やプロ用ツールの需要増が貢献。
  • 積層セラミックコンデンサ (MLCC) – コンピュータやスマートフォン向けで売上が減少。市場の飽和や競争の激化によるもので、特に大手スマートフォンメーカーの需要変動が影響。
  • 表面波フィルタおよび高周波モジュール – スマートフォン向けで売上が減少。スマートフォン市場の一時的な需給バランスの変化や、技術の進化による代替製品の影響。

これらの事業別売上の動向は、村田製作所が直面する市場の変動や技術進化の影響を反映しています。

為替の変動やコストダウンの効果が一部の増益要因として機能しているものの、操業度の低下や固定費の増加が全体の利益を圧迫している状況です。

 

各事業セグメントの解説

村田製作所の主な事業セグメントは以下の通りです。

事業部門 活動内容
商品開発 商品開発・設計、回路設計(高周波、アナログ、デジタル)、ソフトウェア・ファームウェア技術開発・設計。
生産技術・工法開発(モノづくり系) 生産技術(開発系、製造系)。
生産ライン設計・改善 生産ライン設計、改善(IE、インダストリアルエンジニアリング)。
製造 製造技術、製造管理、生産管理。
品質 品質保証・品質管理、分析・解析評価。
情報システム・DX推進 情報システム、DX推進(データサイエンティスト・データアナリスト)。
商品企画 商品企画、事業企画。
商品技術・営業・マーケティング 商品技術・セールスエンジニア、営業、マーケティング。
その他 経営企画、環境経営企画、法務、技術管理、知的財産・特許、経理財務、広報、総務、防災・安全衛生管理、工場建設・施設管理、人事、アシスタント。

 

村田製作所は、基盤事業の深化とビジネスモデルの進化を図りながら、4つの経営変革を実行しています。

4つの経営改革とは、社会と経済価値の好循環、自律分散型組織の運営、仮説思考に基づく変化対応型経営、デジタルトランスフォーメーションの推進です。

また、M&Aを活用した事業拡大、環境投資、技術獲得、リスク対策により、持続可能な成長を目指しています。

 

村田製作所で働いている社員は?

村田製作所で働いている社員像

平均勤続年数は?

村田製作所の平均勤続年数は14.1年です。

平均年齢は40.1歳であることから、同業他社と比べても比較的長く人が多い会社と言えるでしょう。

平均年収は?

2023年3月期の株式会社村田製作所の平均年収は約803万円です。

これは、国税庁が公表している日本人の平均年収(461万円)や、精密機器メーカー全体の平均年収(472万円)よりも高い水準と言えます。

平均残業時間は?

村田製作所の平均残業時間は月18時間です。

社内での管理基準は月35時間(事業所による)としており、残業時間が増えると産業医との面談が実施されるなど、社員のケアが充実しています。

部署によっては残業がほとんどないところもあれば、月平均残業時間が50を超えるところもあります。

平均ボーナス額は?

村田製作所の平均ボーナスは、2023年9月時点で128万円で、同業種の業界平均107万円より21万円高くなっています。

年齢別の平均ボーナスは、20代が89.4万円、30代が123.7万円、40代が153.8万円、50代が181.9万円です。

ボーナスは6ヶ月分前後支給されており、同業種のボーナスが厚労省の調べによると3~4カ月分なので、高い水準と言えるでしょう。

どんな文化なの?

村田製作所の企業文化は、真面目で堅実な仕事ぶりと技術への高いこだわりに基づいています。

社内には優秀な人材が多く、社員間の協力とサポートの精神が根付き、新人も含めて大きなプロジェクトを任されることが一般的です。

これは社員に対する信頼と、自主性を重んじる社風を反映しています。

社内でのコミュニケーションは活発で、部門間の垣根が少ないため業務はスムーズに進みます。

技術開発においては、自社での原材料や設備の開発を徹底しており、「世界初」や「日本初」の技術を生み出すことに非常に意欲的なのが特徴です。

常に新しい挑戦を求める風土があり、積極的なチャレンジを奨励しているため、何も行動しない人にとってはプレッシャーを感じる可能性があるでしょう。

村田製作所の文化は、個々の成長を奨励し、常に革新を求める企業の姿勢を示しています。

 

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

村田製作所は、電子部品業界で日本国内で第5位の地位を占めると同時に、コンデンサ分野では世界トップクラスの企業です。

村田製作所の業界での立ち位置は、以下の独自の強みによって支えられています。

  1. 内製化による差別化:
    材料から生産設備に至るまでを内製化しており、他社との差別化を図りながら先駆的な事業運営が可能です。
  2. 強固な財務基盤:
    自己資本比率が高く、十分なキャッシュを保有しているため、機動的な設備投資ができます。これにより、迅速に市場の変化に対応し、技術革新をリードできるのです。
  3. 強力な製造能力:
    製造現場の力が強く、自律的な運営が可能です。このため、生産効率と品質の向上が図られ、競争力が強化されています。
  4. グローバルなネットワーク:
    海外売上高が90%を超えており、世界中どこでもサービスと製品を提供できる広範なネットワークを持っています。また、59社の関連会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
  5. 技術と供給のリーダーシップ:
    技術開発力においても供給力においても業界内で高い評価を受けています。特に高機能で高品質な製品の開発・生産において、一貫生産体制が強みです。
  6. 大胆な先行投資:
    新しい製品や技術の開発に向けて、大胆な先行投資を実施しており、これにより技術革新と市場での優位性を確保しています。

 

これらの強みにより、村田製作所は電子部品業界において非常に強い競争力を持ち、世界市場でリーダーシップを取る立場にあります。

参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。

会社名 売上高(2022年) 平均年収 就職偏差値・難易度 社風
村田製作所 1兆8,125億円 803万円 59 真面目で堅実、お互い助け合う風土
京セラ 2兆253億円 723万円 55 失敗を恐れず積極的にチャレンジできる社風
TDK 2兆1,808億円 789万円 63 対等に意見を言い合えるざっくばらんな働きやすい社風
二デック 2兆2,428億円 686万円 62 風通しが良い社風

 

村田製作所の新卒募集要項について

村田製作所の新卒採用では、技術系総合職と事務系総合職を募集しています。

入社2年目までを新入社員の教育期間としており、段階に応じた研修を用意しているのが特徴です。

入社時集合研修は約2日間で、WEB学習を通して会社の仕組みや事業内容を学ぶことになるでしょう。

総合職に配属された場合、約5か月間の工場実習を受けます。

各項目 詳細
職種 技術系総合職

事務系総合職

給与(2024年4月入社 初任給実績) 大学卒 260,000円

修士了 281,000円

博士了 319,500円

賞与 年2回 (6・12月)
研修制度 新入社員教育(講義、グループワーク、工場実習)/OJT教育、階層別・職能別研修、次世代リーダー教育、海外研修制度、社内講演会、社外セミナー、通信教育、国内留学等の社外派遣ほか
福利厚生 制度/従業員持株会、慶弔慰金、賃貸住宅補助(支給要件あり)、クラブ活動など

施設/独身寮、社宅、契約会員制レジャークラブ、レクリエーション、クラブハウス、テニスコート、社員食堂(営業所除く)など

 

求める人材

村田製作所の求める人材

村田製作所は、求める人材として下記のものを公表しています。

  1. 自主性とリーダーシップ:
    自ら目標を設定し、それを達成するために主体的に行動できる人材を求めています。グローバル市場での成功には、自分をプロデュースし、マネジメント能力を発揮することが必要です。
  2. 適応力とコミュニケーション能力:
    多様な環境や文化に対して開かれた姿勢で、勇気を持って飛び込むことができる人材を求めています。異文化間の理解と共感を深め、新しい価値観やニーズに対応できる能力が重要です。
  3. 共感とチームワーク:
    村田製作所の理念に共感し、チームとして協働する精神を持つ人材を求めています。大きな目標に向かって多くの仲間と力を合わせ、共同で成果を出すことができる人が理想的です。

 

これらの特性を持つ人材は、村田製作所がグローバルな市場で競争力を持続させるために不可欠であり、企業としてのさらなる発展を支える鍵となるでしょう。

エントリーシートや面接中に、これらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨んでください。

 

新卒採用のフロー

村田製作所の新卒採用フロー

村田製作所の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。

面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄をチェックする質問も多いです。

選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。

今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。

①会社説明会(仕事研究セミナー・学内セミナーなど)・WEBセミナー

会社説明会に参加またはWEBセミナーを視聴してください。

②SPI試験・WEBエントリーシート・応募書類提出

自由応募で応募する旨をマイページから申告し、応募締切までに応募してください。

※村田製作所には学校推薦もあります。

エントリーシートの書き方については、下記の参照ページを確認してください。

③プレマッチング(WEB個人面談)

村田製作所ではまず、WEBにて「プレマッチング」と呼ばれるWEBでの個人面談が実施されます。

以下のページもぜひ参考にしてください!

④ファイナルマッチング(対面個人面談)

最終面接に当たる「ファイナルマッチング」では、対面での個人面談となります。

以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。

⑤内定

複数回の面接を突破して内定が決まります。

 

採用大学

村田製作所の採用大学の実績は以下の通りです。

難関大学以上の採用実績となっており、いわゆる学歴フィルターは存在していると考えられます。

<大学>

同志社大学、関西大学、立命館大学、大阪大学、東京工業大学、北海道大学、東北大学、東京理科大学、京都工芸繊維大学、神戸大学など

 

村田製作所は学歴を重視する採用方針を持っており、特に国公立大学卒業生に対する採用意欲が強いです。

本社が位置する京都府長岡京市の地理的な利点を活かし、地元の京都大学、大阪大学、神戸大学、京都工芸繊維大学などの地方国立大学の卒業生を積極的に採用する傾向が見られます。

ただし、多くの採用枠があるため、異なる大学の卒業生にもチャンスがあります。

厳格な学歴フィルターは採用されていないと言えるでしょう。

したがって、学歴に限らず、個々の能力や特性をアピールすることが採用選考において重要です。

就職偏差値・難易度

村田製作所は、自ら目標を設定し、その達成に向けて主体的に行動できる人材、多様な環境や文化に適応できる強いコミュニケーション能力を持つ人材、企業の理念に共感しチームワークを重視する人材を求めています。

求められる能力や資質は高く、特にグローバル市場で競争力を維持するために多岐にわたるスキルと適応力が必要です。

したがって、村田製作所の就職難易度は高いと言えるでしょう。

就活生は、高い技術的知識や専門性、柔軟な思考力、コミュニケーション能力を持っている必要があります。

また、自己管理と自己プロデュースができる能力も求められるため、単に技術が優れているだけでなく、人間性やチームでの働き方においても高いレベルが求められるでしょう。

そのため、村田製作所での就職には、これらの多面的なスキルを身につけ、自己成長を続けることが必要です。

村田製作所での勤務は多くのチャレンジを伴いますが、それに見合うだけのやりがいや達成感を得られるでしょう。

就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。

まとめ

村田製作所は電子部品業界に属し、スマートフォンや家電、自動車などへの部品提供が主な事業内容です。

積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの高シェア製品を有し、材料の自社開発から生産まで一貫して行なっているため、技術的な差別化が可能です。

村田製作所は、独自の技術力と高品質な製品を通じて、グローバル市場で競争力を維持しており、就職活動においても企業研究が重要です。

高い技術力と企業理念への共感を持つ人材を求めており、多様なスキルと適応力を持つ人には多くの機会があります。

選考に臨む際にはしっかりと準備を行い、自身のアピールポイントをしっかりと伝えることが重要です。

この記事が就職活動の参考になれば幸いです。

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キャリアアドバイザーが自己分析する方法を徹底解説

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