【企業分析】阪急阪神ホールディングスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/4/19更新
はじめに
阪急阪神ホールディングス株式会社(以下:阪急阪神HD)は、大阪府池田市に本社を置く持株会社です。
阪急電鉄、阪神電気鉄道、阪急阪神不動産、阪急交通社、阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社とし、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送の6つの事業領域を展開しています。
関西地域を中心に、鉄道事業をベースとした住宅・商業施設等の開発から、阪神タイガースや宝塚歌劇など多岐にわたるサービスを提供しています。
今回は、そんな阪急阪神HDの企業研究を行うための基礎知識や特徴、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では、阪急阪神HDへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- 阪急阪神HDの仕事内容が気になる
- 阪急阪神HDの就職難易度を知りたい
- 阪急阪神HDの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、陸運業以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、阪急阪神HDの就職難易度は、高難易度と言えるでしょう。
採用大学も高偏差値大学の実績が多いので、選考対策を入念に行う必要があります。
選考対策として、独特なものが「グループディスカッション」になります。
グループディスカッションに関しては、リーダーシップを発揮しつつ、他者の意見も尊重する姿勢が必要です。
また職種としては、総合職となっており、業務内容としては主に事業企画や管理部門になります。
配属先は本人の適性と会社の人材ニーズによって決定されますが、将来的には管理職への昇進も期待されるでしょう。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
阪急阪神HDについて
出典元：阪急阪神HD株式会社
会社概要
阪急阪神HD株式会社は、1907年に設立された持株会社で本社は大阪市北区芝田に所在し、資本金は約994億円です。
阪急電鉄、阪神電気鉄道、阪急阪神不動産、阪急交通社、阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社とし、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送の6つの事業領域を展開しています。
阪急阪神HDグループは、関西地域を中心に、鉄道事業をベースとした住宅・商業施設等の開発から、阪神タイガースや宝塚歌劇など多岐にわたるサービスを提供しています。
グループ理念として、「『安心・快適』、そして『夢・感動』をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献する」ことを掲げています。
今後も、時代を超えて豊かなライフスタイルを提案し、沿線地域のまちづくりに貢献を目指していくでしょう。
各事業別の売上規模
阪急阪神HDの2022年度の総売上高は7,462億円、営業利益は392億円でした。
この売上は都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業、国際輸送事業からの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での2022年度の売上高は以下の通りです。
| 事業 | 売上高 | 前年度比 | 営業利益 |
| 都市交通事業 | 1,856億円 | 239億円増 | 224億円 |
| 不動産事業 | 2,820億円 | 355億円増 | 279億円 |
| エンタテインメント事業 | 723億円 | 196億円増 | 108億円 |
| 情報・通信事業 | 249億円 | 5億円増 | 37億円 |
| 旅行事業 | 51億円 | 30億円減 | 9億円 |
| 国際輸送事業 | 51億円 | 30億円減 | 18億円 |
売上が上がった要因としては、以下の4つが挙げられます。
- コロナ禍からの回復：2021年度はコロナ禍の影響で、鉄道事業や商業施設事業を中心に大きな影響を受けましたが、2022年度は社会経済活動の正常化に伴い、需要が回復したことが売上高の増加に寄与したと考えられます。
- 不動産事業の好調：同社の主力事業の一つである不動産事業において、オフィスビルの高稼働率維持やマンション分譲の好調など、安定した収益を上げたことが売上高の増加に貢献したと推測されます。
- エンタテインメント事業の回復：コロナ禍で大きな影響を受けた阪神タイガースの興行収入や、宝塚歌劇の公演収入などが、社会経済活動の正常化に伴い回復したことが、売上高の増加に寄与したと考えられます。
- 情報・通信事業の拡大：インターネットサービスプロバイダー事業や、ケーブルテレビ事業などが、社会のデジタル化の進展に伴い、順調に収益を拡大したことが売上高の増加に貢献したと推測されます。
参照ページ:
各事業セグメントの解説
阪急阪神HDの主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 都市交通事業 | 鉄道事業として、阪急電鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄などの鉄道路線を運営しています。 また、自動車事業として、阪急バス、阪神バス、阪急タクシー、阪神タクシーなどのバス・タクシー事業を展開しています。 |
| 不動産事業 | 賃貸事業として、梅田・沿線エリアを中心に、オフィスビル、商業施設、住宅などの賃貸事業を行っています。 分譲事業として、マンション・戸建住宅の分譲や宅地開発などを手掛けています。 また、不動産ファンド・リート事業や海外不動産事業にも進出しています。 |
| エンタテインメント事業 | スポーツ事業として、プロ野球チーム「阪神タイガース」の運営や、阪神甲子園球場の経営を行っています。 ステージ事業として、宝塚歌劇の運営や、各種演劇・コンサートの企画制作を手掛けています。 |
| 情報・通信事業 | ケーブルテレビ事業や、情報サービス事業などを展開しています |
| 旅行事業 | 国内外の個人・団体旅行の企画販売や、ビジネス渡航の手配などを行っています。 |
| 国際輸送事業 | 航空貨物輸送や、ロジスティクス事業などを国内外で展開しています。 各事業セグメントは、相互に連携・協働しながら、グループ全体の企業価値向上に取り組んでいます。 特に、都市交通事業と不動産事業は、沿線のまちづくりにおいて中核的な役割を担っています。 |
このように、阪急阪神HDの各事業セグメントは、グループの総合力を活かした多角的な事業展開を示しており、交通インフラを起点に、不動産、エンタメ、情報通信など、幅広い分野に事業領域を拡げています。
各事業間の連携を通じて、沿線価値の向上とグループ全体のシナジー創出を図っているのが特徴と言えるでしょう。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
参照ページ:
阪急阪神HDで働いている社員は？
平均勤続年数は？
阪急阪神HDの平均勤続年数は約20年です。
これは、同業他社と比較しても長く、社員の定着率が高い企業だと言えます。
平均年収は？
2023年度の阪急阪神HDの平均年収は、約860万円でした。
全国平均の年収が約440万円であることを考えると、かなり高い水準となっています。
また、同じ「陸運業」の上場企業平均年収は約630万円であり、業界内でも高い水準にあります。
平均残業時間は？
阪急阪神HDの従業員の平均残業時間は、公表されていないため不明です。
ただ、「ワーク・ライフ・バランス」を重視しており、長時間労働の削減に取り組んでいます。
平均ボーナス額は？
阪急阪神HDの平均ボーナス額は、公表されていないため正確な金額は不明です。
どんな文化なの？
阪急阪神HDは、「お客様原点」「誠実」「先見性・創造性」「人の尊重」の4つの価値観を大切にしています。
社員一人ひとりの個性や能力を尊重し、チャレンジ精神を奨励する風土があります。
また、「阪急阪神 未来のゆめ・まち基金」を通じた社会貢献活動など、CSRにも積極的に取り組んでいます。
長期的視点に立った経営や、社員を大切にする姿勢が、同社の強みと言えるでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
阪急阪神HDの就職難易度は高く、就職偏差値は55程度と考えられ、MARCH関関同立レベルの大学であれば就職しやすいことを示しています。
また、採用倍率は約141倍と高倍率であり、採用大学も高偏差値大学の実績が多いことから、選考難易度は高いと言えるでしょう。
陸運業界における阪急阪神HDの立ち位置を見ると、売上高や平均年収の面で上位に位置しています。
2022年度の売上高は7,462億円であり、平均年収は約860万円と業界平均の630万円を大きく上回りました。
阪急阪神HDの強みとしては、鉄道事業を中心に、不動産、エンタテインメント、情報通信など多岐にわたる事業を展開している点が挙げられます。
特に、都市交通事業と不動産事業は、沿線のまちづくりにおいて重要な役割を担っており、グループの中核を成しています。
このように、阪急阪神HDは高い就職難易度と業界内での確固たる地位を有しており、陸運業界を代表する優良企業の一つと言えるでしょう。
| 会社名 | 売上高(2022年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 阪急阪神HD | 9,750億円 | 860 | 55 | アットホーム |
| 京阪HD | 2,757億円 | 819万円 | 55 | 社員の相互尊重を重視 |
| 西日本旅客鉄道（JR西日本） | 12,133億円 | 742万円 | 60 | 法令順守意識が高い |
| 東武鉄道 | 4,637億円 | 742万円 | 50 | 安定志向の社風 |
阪急阪神HDの新卒募集要項について
以下に阪急阪神HDの新卒募集要項についてまとめました。
2025年新卒から年俸を40万円増額した点や、福利厚生が充実している点は魅力的です。
また、勤務地が本社(大阪・梅田)および京阪神地区・首都圏や海外など幅広いのも特徴の一つと言えるでしょう。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 総合職：阪急阪神HDグループにおける将来の幹部候補 |
| 給与（2023年4月入社 初任給実績） | 大学院了：300,000円 大学卒：275,000円 通勤手当、基準外手当等 |
| 休日休暇 | 完全週休2日制・祝日、年末年始、有給休暇、慶弔休暇など(配属先による) |
| 福利厚生 | 保険：健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 制度：家賃補助制度、住宅貸付金制度、社員持株会、カフェテリアプラン(選択式福利厚生制度)、仕事と育児の両立支援制度 施設：診療所、社員食堂など |
求める人材
阪急阪神HDでは、求める人材像として以下の3つを掲げています。
- 誠実に、向かい合う
多くのステークホルダーと誠実に向き合い、信頼を勝ち取れる人材を求めています。
100年以上にわたり培ってきたブランドやノウハウを活かし、沿線地域とともに歩み、発展し続けることが、当社グループの使命だと考えています。
- 360度、働きかける
幅広い事業フィールドを持つ阪急阪神HDを支えているのは、数多くのリアルな「場」とそこで働く「人」です。
総合職として、高い専門性を有する人々と協業し、主体的に周囲に働きかけることで、力強くプロジェクトを推進できる人材を求めています。
- 志をもち、挑み続ける
創業の精神と同じように、「世のため、人のため」に、志を持って困難に挑み続けられる人材を求めています。
阪急電鉄創業者の小林一三や阪神電気鉄道創業者の外山脩造のように、時代の変化に合わせて新しい事業に挑戦し続ける姿勢を大切にしています。
これらの人材像は、阪急阪神HDの企業理念や価値観とも深く結びついています。
求める人材像をしっかりと理解し、自身の経験やエピソードと結びつけてアピールできるよう、準備を進めることが大切です。
①新卒エントリー
阪急阪神HDの新卒採用への応募方法は以下の通りです。
- リクナビよりプレエントリーする。プレエントリーすると、阪急阪神HDの専用マイページのID・パスワードが発行される。
- 専用マイページ上で本エントリー募集ページが開設されるので、期日までにエントリーシートを提出する。
- 本エントリーの選考結果合格者のみ、適性検査や面接へと進む。
②会社説明会・ES・適性検査
阪急阪神HDの会社説明会では、グループ各社の事業内容や経営方針、求める人材像などが説明されます。
また、先輩社員との座談会や個別相談会なども開催され、より具体的な仕事内容や社風を知ることができます。
説明会への参加は必須ではありませんが、選考を有利に進めるためにも積極的に参加がおすすめです。
なお、阪急阪神HDでは自分史ワークシートの提出は求められていないようです。
ESについては、本エントリー時に指定のフォーマットに入力して提出します。
主な質問項目は以下の通りです。
- 志望動機
- 学生時代に力を入れたこと
- 自己PR
- 将来のキャリアプラン
など、一般的な質問が中心となっています。
ESは選考の重要な要素となるため、しっかりと準備して臨むことが大切です。
自分の経験やエピソードを具体的に述べ、阪急阪神HDでどのように活躍したいかをアピールしましょう。
また、ESの内容は面接でも掘り下げて聞かれることが多いため、整合性のある内容にすることも重要です。
以下に、ESの書き方に関する参考記事を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
【就活】自分史とは？書き方・ポイント・3つの作成メリットを解説
③グループディスカッション (GD)＋一次面接
阪急阪神HDの選考では、グループディスカッション(GD)も行われることが多いようです。
GDでは4〜6人程度の学生が1つのグループとなり、与えられたテーマについて議論します。
テーマは「梅田の活性化策」「関西の観光振興」など、同社の事業に関連したものが出題されるようです。
制限時間は30分程度で、最後に1人1分程度の発表時間が設けられることもあります。
GDでは、自分の意見を論理的に主張しつつ、他者の意見も踏まえて議論を深められるかがポイントとなります。
一次面接は学生1名に対し面接官2名の形式で、30分〜1時間程度行われます。
面接では、志望動機や自己PRに加え、ESの内容を掘り下げた質問がなされるようです。
また、「阪急阪神HDが今後力を入れるべき事業は何か」といった同社の事業戦略に関する質問や、「10年後の自分の姿」を問われることもあります。
面接対策としては、自身の経験やESの内容を整理し、具体的なエピソードを交えて説明できるよう準備しておくことが大切です。
加えて、同社の各事業の現状や課題について理解を深め、自身の考えを述べられるようにしておくことも重要でしょう。
GD・面接ともに、阪急阪神HDで働くことへの熱意と、自身のキャリアビジョンを丁寧に伝えることを心がけましょう。
④複数回面接（2次面接）
阪急阪神HDの2次面接は、1次面接を通過した学生を対象に行われます。
面接は対面形式で、学生1名に対し面接官が2名という構成が一般的のようです。
所要時間は30分〜1時間程度で、会場は主に大阪の本社や貸し会議室などが使用されます。
2次面接では、1次面接よりも掘り下げた質問がなされるのが特徴です。
志望動機や自己PRはもちろんのこと、ESの内容を深堀りする質問や、同社の事業に対する理解度を確認する質問などが出題されるようです。
また、「10年後にどのようなキャリアを描いているか」といった、より長期的な視点での質問もあるようです。
面接官は人事部の役職者クラスが担当することが多く、学生の適性や入社意欲を多角的に評価しようとする姿勢がうかがえます。
対策としては、1次面接と同様に自身の経験を整理し、具体的なエピソードを交えて説明できるよう準備することが重要です。
加えて、阪急阪神HDの事業や経営方針について深く理解したうえで、自身のキャリアビジョンを明確に語れるようにしておくことが求められるでしょう。
2次面接では、阪急阪神HDで長く働く意欲と適性を存分にアピールすることを心がけましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
阪急阪神HDの採用大学は多岐にわたり、幅広い学生層から人材を採用しています。
主な採用大学は以下の通りです。
| ＜大学院＞ 京都大学、神戸大学、東京大学、同志社大学、立命館大学、早稲田大学など ＜大学＞ 大阪大学、関西学院大学、関西大学、京都産業大学、京都大学、近畿大学、神戸大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学など |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、ノジマは多様な学生層からの応募者を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
就職偏差値・難易度
阪急阪神HDの就職偏差値・難易度は55程度、難易度は高めと言えるでしょう。
その理由として、以下の3点が挙げられます。
- 採用倍率が141倍と高倍率である
- 選考プロセスが複数回の面接やグループディスカッションなど、複雑で競争率が高い
- 採用大学を見ると、京都大学や早稲田大学など偏差値の高い大学が多数含まれている
一方で、阪急阪神HDは「学歴よりも人物重視」の採用方針を掲げており、学生の個性や能力を多面的に評価しています。
したがって、出身大学のブランドや偏差値のみで選考結果が左右されるわけではありません。
重要なのは、自身の経験やスキルを活かして、同社でどのように活躍したいかを明確に伝えることです。
エントリーシートや面接では、自分の強みや価値観を具体的にアピールし、同社の企業理念や事業内容への理解を深めておくことが求められます。
特に、「主体性」「実行力」「コミュニケーション能力」などは、阪急阪神HDが重視する能力と言われています。
自身の経験を振り返り、これらの能力をアピールできるよう準備しておくことが大切です。
難易度は高めですが、しっかりと対策を行えば、内定獲得は十分に可能でしょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
阪急阪神HDは、都市交通や不動産を中心に多岐にわたる事業を展開し、沿線地域の発展と人々の豊かな暮らしの実現に貢献している企業グループです。
採用では学生の個性や能力を多面的に評価しており、難易度は高めですが、自身の経験やスキルを活かせる分野でアピールすることが重要です。
多様な事業領域で活躍できるフィールドと、長期的なキャリア形成の機会を提供してくれる魅力的な企業であり、しっかりと企業研究と選考対策に励むことが求められます。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね！
