【実回答5件を公開】学生時代に頑張ったことがない人の題材発見法|ESの書き方
2026/09/22更新
文部科学省の調査では、回答した大学生の79%が、授業でグループワークやディスカッションの機会が「よくあった」「ある程度あった」と答えています。(参考:文部科学省「令和6年度全国学生調査(第4回試行実施)の結果について」、2025年発表)
授業で話し合いに参加していても、ESの「学生時代に頑張ったこと」という欄を前にすると、書く内容が浮かばない場合があります。大会での受賞や大きな役職を基準にすると、資料を直した経験や、相手へ伝える方法を工夫した経験を候補から外してしまうためです。
必要なのは、経験の中から、困った場面と実際に取った行動を取り出す作業です。本記事では、就活ハンドブックに掲載された学生の実回答を手がかりに、日常から題材を探す方法とESへの書き方を示します。自己紹介や研究テーマなど元の設問も示し、ガクチカへ応用できる部分を読み分けます。特別な実績が思い浮かばない新卒就活生が、手元の記録から下書きを作るための記事です。
学生時代に頑張ったことがないと感じる理由
大会出場や留学の経験だけを候補にすると、授業の課題をやり直した経験や、アルバイト先で説明の仕方を変えた経験が抜け落ちるため、学生時代に頑張ったことを探すときは、実際に困った場面と、その場で選んだ行動に注目します。まずは、何に時間を使い、どこで手間をかけたかを書き出してください。成果の大小を決める前に、経験の中身を確かめる作業です。
実績の大きさと取り組みの中身の違い
受賞歴や役職は活動の背景を伝える情報であり、それだけでは本人の判断や工夫まで伝わりません。例えば、サークルの代表だった経験なら、担当を決める際にどんな意見の違いがあり、誰に何を聞いて役割を調整したかまで書くと、取り組みの中身を説明できます。肩書きがなかった場合も、担当した準備や引き継ぎが題材です。受付で参加者から同じ質問を受け、案内文の表現を変えた経験などを探してください。
ガクチカ・自己PR・志望動機の役割
ガクチカは学生時代の取り組み、自己PRは強み、志望動機は応募先を選ぶ理由を中心に答える欄です。同じ経験を使う場合も、設問に合わせて冒頭と説明の分量を変えてください。ガクチカの欄で企業への憧れだけを書けば、学生時代の行動が伝わりません。まず実際の設問を読み、聞かれている対象を丸で囲むと、下書きのどこから書き始めるか判断できます。欄の名前だけで決めない準備が必要です。
設問ごとの違いは、アルバイトの引き継ぎを題材にすると比べやすくなります。
| 記入欄 | 回答の中心 | 冒頭の作成例 |
| ガクチカ | 行動と変化 | 引き継ぎ方法の改善に力を入れました。 |
| 自己PR | 強み | 相手が迷う箇所を見つけ、説明する力が強みです。 |
| 志望動機 | 仕事と目指す姿の接点 | 現場の困りごとを聞き、業務を支える仕事を志望しています。 |
同じ経験を別の欄へ書く際は、ガクチカと自己PRの違いを読み、回答の中心を決めてください。
学生時代に頑張ったことの見つけ方
記憶だけで考えて行き詰まったら、授業のレポート、アルバイトのシフト、部活動の連絡履歴など、当時の行動が残るものを開き、繰り返した作業や、途中で方法を変えた場面を探してください。完成した成果物だけでなく、書き直した途中のファイルにも手がかりがあります。出来事を思い出してから、その行動を選んだ理由を言葉にすると、経験に沿った回答に近づきます。
提出物・写真・予定表からたどる行動
例えば、レポートの修正版が残っていれば、初稿と見比べて、何を指摘されてどこを書き直したかを記録できます。文章の長さより、主張の根拠を追加した箇所や、図を入れ替えた理由を探してください。「授業を頑張りました」だけだった候補に、読み手が理解できるまで説明を直した場面が加わります。写真なら撮影日だけでなく、準備中の様子や使った道具も、当時の役割を思い出す手がかりです。
記録を開く順番と、メモに残す内容をつなげた流れです。
| 提出物・予定表を開く | ▶ | 手間がかかった場面を選ぶ | ▶ | 変更前後と理由をメモする |
友人や家族への聞き方
「長所は何ですか」だけでは「まじめ」などの短い答えで終わり、ESに書ける行動まで届かないため、周囲に聞くときは性格の評価よりも、一緒に過ごした場面の記憶を尋ねます。ゼミの発表準備や旅行の計画など、相手が見ていた場面を指定してください。話を聞いた後に、本人の記憶や記録と照らし合わせれば、他者の感想と実際の出来事を区別できます。褒め言葉をそのまま成果に置き換える必要はありません。
答えが抽象的だった場合の聞き直し方を、場面別に示します。
| 相手が見ていた場面 | 質問の作成例 | 追加で確かめる内容 |
| ゼミの共同発表 | 準備中に助かった対応はありましたか。 | 資料の修正箇所と担当 |
| アルバイト | 以前と変わった仕事の進め方はありますか。 | 変化が表れた業務 |
| 家庭での生活 | 続けるために工夫していた場面はありますか。 | 習慣の目的と見直し方 |
質問を作れない場合は、他己分析の記事から相手との関係に合う聞き方を選んでください。
候補を選ぶための説明の具体性
題材が並んだら、話題の珍しさではなく、行動の理由を説明できるかで選びます。なぜその方法にしたのか、他の方法を試したのか、終わってから何が変わったのかを、資料や記憶に沿って答えられる経験が候補です。例えば、参加しただけの大きなイベントと、何度も練習方法を直した日常の活動なら、後者の方が本人の判断を書き込めます。ここで選ぶのは活動の優劣ではなく、現時点で説明できる経験です。
日常から探せるガクチカの題材
学業、アルバイト、趣味や生活の中にも、目的を持って手順を変えた経験があるため、題材を選ぶときは活動の種類で合否を予想せず、誰に対して、どの作業を、どんな理由で変えたかまで書けるかを確かめてください。例えば、勉強なら学習量だけでなく、理解できなかった問題への向き合い方も説明できます。所属団体がなくても、授業の課題や日々の習慣から回答の材料を探せます。
学業・資格学習・ゼミの題材
学業を題材にするときは、履修した科目の紹介だけで終わらせず、例題を解き直す、参考文献を比べる、発表資料を友人に読んでもらうなど、理解や提出物を改善するために行動を変えた場面を探してください。成績の上昇が記録に残っていなくても、説明できるようになった内容や、修正できた誤りが具体的な変化です。資格学習なら、受験結果と学習途中の工夫を分けて説明できます。
学業のどの場面を題材にするか迷った場合は、勉強を使ったガクチカの書き方を参照できます。
アルバイト・係の仕事・周囲への手助け
アルバイトは、担当業務の説明と、自分で工夫した対応を分けると書きやすくなります。「レジを担当していました」は仕事内容であり、「新人が迷う操作をメモにして、店長に内容を確かめてもらいました」は本人の行動です。係の仕事でも、配布物を作っただけで終えず、誰がどこで困ったために表記を変えたのかまで書いてください。役職の有無にかかわらず、日々の担当から伝えられる場面を探せます。
職場全体の成果を述べる場合は、他のスタッフの対応と、自分の担当を混ぜないようにします。売上の変化を確かめられなければ、説明書が使われた場面など、直接見聞きした変化を選んでください。小さな範囲でも、行動とのつながりを説明できる結果が必要です。
接客や引き継ぎを題材にする場合は、アルバイトのガクチカで伝える内容を比べてください。
趣味・家事・生活上の習慣
趣味や生活の習慣では、好きだった理由に加え、続けるための工夫を示します。例えば、料理なら、作った料理名を並べるだけでなく、授業やアルバイトと両立するために献立と買い物の順番をどう変えたかが題材です。読書なら、感想だけでなく、理解しにくいテーマを別の本と読み比べた過程を説明できます。活動名が同じでも、直面した課題と選んだ行動が違えば、回答に書く内容も変わります。
家族の手伝いを題材にする際は、家族の事情を詳しく説明する必要はありません。本人が担った役割や、予定を調整した方法に説明の中心を置いてください。話せる範囲の事実から組み立てれば、生活背景を必要以上に明かさずに、工夫した行動を伝えられます。
趣味をガクチカにする場合は、趣味の紹介と取り組みの説明を分ける書き方が役立ちます。
学生の実回答から学ぶ経験の伝え方
研究内容、自己紹介、働く目的では答える範囲が違い、文章をそのままガクチカへ移すと質問から外れてしまうため、就活ハンドブックに掲載された回答は、経験の内容と設問を一緒に読んでください。ここでは原文の一部を引用し、身近な経験を伝える際に参考になる書き方を示します。例えば、研究内容の回答からは、専門的な活動を相手に伝えるための説明の順番を学べます。
三菱電機のES回答にある研究の説明
三菱電機の「研究テーマ」に対する回答は、研究分野を示してから、調べる対象と目指す用途へ進む構成です。学業を頑張った経験があっても、専門用語の説明だけで記入欄を埋めると、何を調べたのかが読み手に伝わりません。まず研究の対象を短く示し、次に調査や実験の方法を書くと、専門外の相手にも内容を説明できます。研究の価値を述べる前に、具体的な作業が分かる文章になっているかを確かめてください。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、研究テーマへの回答には「具体的には、風向ごとに周辺の建物や地形の特徴を調べ、地域の実態に合った、より正確な風の評価方法を提案する。」という記述があります。
この抜粋では、風向と建物・地形を調べる対象として示しています。ガクチカへ応用する場合は、ここに研究中の難しさと、それに対して本人が行った工夫を加えてください。元の回答は研究テーマの説明であり、期待される用途を実現済みの成果として書き換えることはできません。
ニトリパブリックのES回答にある対人行動
ニトリパブリックの設問は、人と接する際に大切にしている姿勢を、具体的なエピソードとともに尋ねています。「協調性があります」と強みの名前だけを述べる文章とは異なり、イベント運営の場面に行動を結び付けている点が参考になります。相手の意見を聞いた経験を使う場合は、何のために聞き、その後の話し合いがどう変わったかまで記録してください。性格の説明から、実際の対応を示す文章へ変えられます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、対人姿勢への回答には「大学の◯◯イベント運営で企画係代表を務めた際に多様なアイデアを引き出すためメンバーの意見に耳を傾け共感を示した。その結果、発言が活発になりアイデアが生まれた。」と書かれています。
読む際に注目したいのは、「聞いた」という行動と「発言が活発になった」という変化のつながりです。元の抜粋には具体的な発言内容まで載っていません。下書きに取り入れるときは、実際に使った言葉や相手の反応を、経験した範囲で補ってください。
日立製作所の面接回答にある学びと活動
日立製作所の面接レポートでは、自己紹介への回答で、専攻と大学で取り組んだ活動を結び付けています。学部名だけでは何を学んだか伝わりにくいため、授業やゼミで実際に作成したものまで述べる方法が参考になります。ガクチカの題材探しでも、専攻名から考えるだけでなく、その授業で企画書、調査票、発表資料など何を作ったかを振り返ってください。提出物を起点にすると、担当した作業を具体化できます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、自己紹介では「大学ではマーケティングを専攻しており、これまで複数回、実際の企業のマーケティング戦略の立案を行ってきました。」と回答しています。
この回答は自己紹介であり、取り組みの全過程を説明したガクチカではありません。ガクチカとして書くなら、どの情報を調べ、提案のどこを担当したかを加える必要があります。専攻と活動の接点を参考にすると、学んだ内容を具体的な作業までつなげて説明できます。
ニトリホールディングスの面接回答にある役割
ニトリホールディングスの自己紹介では、部活動での役割と目標が言葉になっています。部活動を題材にする就活生は、競技名や大会名の紹介が長くなっていないか点検してください。役割を先に示せば、読み手はその立場でどんな対応をしたかを理解しやすくなります。主将などの役職がなかった場合も、練習相手の支援や道具の管理など、実際に受け持った仕事を具体的に説明できます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、自己紹介の中で「体育会の部活で現在女子主将として日本一をめざしてチームを牽引しております。」と述べています。
抜粋にあるのは、役割と目指す状態です。大会の結果が示された文章ではないため、目標を達成済みの実績へ変えて読むことはできません。ガクチカでは、その役割で実行した対応と、現在までに確かめられた変化を続けて書いてください。
ニトリの面接回答にある経験と価値観
ニトリの面接では、働く目的と、その目的を企業でどう実現したいかを尋ねた回答が掲載されています。ガクチカと志望動機が結び付かず困った際に参考になるのは、経験から何を大切にするようになったかを言葉にする部分です。出来事を強みの名前に置き換えるだけでなく、その出来事を通じて目指す状態がどう変わったかを考えてください。過去の取り組みと、働くうえで望む姿を分けて書き出すと、接点を探せます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、働く目的への回答には「社会人として働くうえで、自分の夢や目標に向かって頑張るための基盤を提供したいです。」という記述があります。
元の回答は、住環境の変化を経験した背景と、働く目的を結び付けています。この設問への答えを、そのまま学生時代の努力として提出することはできません。経験を通じて生まれた関心を参考にしながら、ガクチカには本人が実行した行動を書いてください。
ガクチカをESの文章に変える書き方
背景を詳しく説明するあまり、本人が動いた場面までたどり着かない下書きは活動の紹介が長すぎるため、題材を決めたら設問への答えを冒頭に置き、行動の理由と結果がつながる順番で文章を作ってください。例えば、アルバイトを始めた経緯を短くし、引き継ぎ方法を変えた理由へ進めると、努力の中身を伝えられます。作成例を使い、残す情報と削る情報を具体的に比べてください。
課題・行動・結果をつなぐ回答の型
文章を作る際は、何に取り組んだかを示してから、困っていた場面、自分の対応、その後の変化へ進めます。札幌新卒応援ハローワークのガクチカ作成資料も、結論から行動、成果・学びへつなぐ構成を示しています。回答の中心は、本人の判断が見える行動です。背景を書いた後に「そこで」を入れ、何を変えたかを続けると、課題とのつながりを点検できます。(参考:札幌新卒応援ハローワーク「ガクチカの書き方と例文」)
次の枠は、引き継ぎ方法の改善を題材にした作成例です。実際の学生の回答ではありません。
設問:学生時代に力を入れた経験
冒頭/取り組みと課題
アルバイト先で閉店作業の引き継ぎを改善しました。当初は進み具合が伝わらず、確認のやり直しが生じていました。
中盤/判断と行動
口頭では伝え漏れが起きるため、残作業を記す欄を作り、店長に相談しました。使うスタッフの意見を聞き、項目も直しました。
末尾/変化と学び
残作業を確かめやすくなりました。使う相手の意見を聞き、方法を直す姿勢を学びました。
作成例を使う際は、登場する行動を実際に行った経験へ置き換えてください。店長への相談やスタッフへの聞き取りをしていなければ、その部分を書くことはできません。読みやすい構成だけを参考にし、出来事は本人の記録から選びます。
題材はあるのに文章がつながらない場合は、ガクチカの基本構成と照らし合わせてください。
字数制限に合わせた情報の残し方
所属団体の説明と活動目的を何度も書くと、本人が工夫した場面に使える分量が減るため、字数を減らすときは、行動を削る前に活動紹介の重複や同じ意味の感想を削ります。「粘り強く頑張りました」を残すより、やり方を変えた実際の対応を残してください。読み手が知りたい場面を想像できるかどうかが判断の目安です。提出欄に貼り付けた後は、応募先の文字数表示で上限を確かめます。
下書きの状態に合わせた修正箇所を示します。
| 下書きの状態 | 先に直す箇所 | 残す情報 |
| 字数が上限を超える | 活動の長い紹介、重複した感想 | 行動を選んだ理由と実際の対応 |
| 字数に余裕がある | 行動の説明が抽象的な部分 | 使った資料、相談した相手、修正内容 |
| 結果だけが目立つ | 成果の列挙 | 本人の担当と成果までの過程 |
| 学びが抽象的 | 「成長しました」だけの結び | 次の活動で変えた行動 |
余白を埋めるために、新しい経験を付け足す必要はありません。例えば、資料を作ったと書いたなら、誰が読む資料で、どの表現を直したかを補います。同じ経験の説明を具体化すると、回答の途中で話題が変わるのを防げます。
面接でガクチカを具体的に話す準備
ESを書き終えたら、短い回答に収めるために省いた背景や、他の方法を選ばなかった理由を聞かれても実際の経験へ戻って話せるよう、文章に入れた行動の理由を、資料を見ずに説明できるか試してください。例えば、引き継ぎ用の欄を作った経験なら、どの作業で伝え漏れが起きたかを話せるようにしてください。暗記する文章を増やすより、出来事のつながりを確かめる準備が役立ちます。
追加質問から見つける説明不足
面接練習では、完成した文章を読み上げるだけでなく、聞き手に疑問が残った箇所を尋ねます。「工夫しました」と書いた部分で作業の様子が浮かばなければ、使った資料や対応の順番を補ってください。質問に答えられない箇所が見つかれば、経験そのものが足りないのか、思い出す材料が足りないのかを区別できます。元の記録へ戻ると、文章を飾るよりも具体的な回答へ近づきます。
先ほどの引き継ぎの作成例なら、次の質問で説明不足を探せます。
| 追加質問の例 | 答えに必要な事実 |
| どの作業で困っていましたか。 | 伝え漏れが起きた場面 |
| なぜ記入欄を作ったのですか。 | 口頭の説明で起きていた問題 |
| 誰と相談して決めましたか。 | 相談相手と本人の担当 |
| 改善は何で確かめましたか。 | 使用した場面や利用者の反応 |
面接で聞かれる内容を増やして練習する場合は、ガクチカの深掘り対策を参照してください。
本人の役割と事実の一致
ESと面接では、活動時期、担当、行動、結果を一致させます。チームで決めた対応を、本人だけで考えた提案として話すと、追加質問への説明がずれるためです。共同作業なら、提案した相手と、実行時に受け持った作業を区別してください。記録が残っていない成果を無理に数値化する必要はありません。例えば、作業時間を測っていなければ、短縮率を作らず、実際に見えた作業の変化を答えられます。
完成稿を第三者に読んでもらう際は、誤字だけでなく、本人の行動が伝わるかを尋ねてください。ES添削の依頼先と頼み方を知ると、相談時に必要な下書きを準備できます。

監修者からのアドバイス
三好 達也(キャリアアドバイザー)
上記の引き継ぎの例では、記入欄を作った理由と、スタッフの意見を受けて直した箇所まで話せるかを確かめてください。キャリアアドバイザーとの面談には、ESの下書きと当時のメモを持参すると、本人の役割が伝わりにくい箇所を具体的に相談できます。
今から経験を積むための身近な取り組み
過去の記録をたどっても行動を説明できる題材が見つからない場合は、就活のために活動名を増やす前に、現在の授業や生活で困っている場面から小さな改善を始め、途中で何を直したかを記録してください。例えば、提出前に慌てる課題があれば、着手のタイミングと作業の順番を変えてみてください。実施前の状態も残しておくと、後で変化を比べられます。
既存の活動に加える工夫と記録
取り組みを始める前に、何に困っているかと、どの状態を目指すかを短く書きます。授業の発表なら、聞き手に伝わらなかった説明を選び、図の入れ方や説明の順番を変えた後に、どこまで理解してもらえたかを尋ねてください。変更内容と反応を残せば、途中経過もガクチカの材料として振り返れます。始めたばかりの活動は、継続期間や成果を大きく見せず、現在までに実施した範囲を答える姿勢が必要です。
何から着手するか決められない場合は、過去の経験と関心をたどる自己分析の方法から選べます。
ガクチカの題材選びで迷いやすい疑問
高校時代の経験や、成果が出なかった経験を選んでよいか迷ったら、設問に書かれた活動時期と、実際に説明できる内容を確かめると、題材が質問に合っているか判断できます。例えば、「大学時代」と指定された欄へ高校の活動だけを書くと、期間の条件から外れてしまいます。過去の経験を無理に新しい話へ変えず、対象の期間と本人の行動を確かめてから、書く経験を選んでください。
高校時代の経験を使う際の条件
高校時代の経験を使う場合は、応募先が大学時代などの期間を指定していないかを先に読みます。立教大学のガクチカ作成シートでは、中高生時代の経験を一律に除外せず、大学時代の経験を望ましい題材として示しています。高校の話を選ぶなら、その経験から学んだ姿勢を大学の授業や活動でどう続けたかも振り返ってください。現在の行動までつなげると、過去の実績紹介だけで終わらずに説明できます。(参考:立教大学「学生時代に力を注いだこと(ガクチカ)シート」)
成果がない経験や途中でやめた活動の伝え方
目標を達成できなかった経験は、未達だった事実を伝えたうえで、試した方法と結果を振り返ります。途中でやめた活動なら、やめた理由と、その判断までに試した対応を書いてください。うまくいかなかった出来事を成功談へ変える必要はありません。例えば、企画の実施に至らなくても、提案への指摘を受けて資料を直した事実があれば、その対応と残った課題を具体的に説明できます。
目立つ成果だけに目が向いてしまう場合は、学生時代に打ち込んだ経験を振り返る記事が題材探しに役立ちます。
まとめ
学生時代に頑張ったことがないと感じたら、活動名や受賞歴から探す手を止め、授業の提出物、アルバイトの担当、生活の習慣に残る行動をたどってください。実際の学生の回答にも、研究で調べる対象や、相手の意見を聞いた対応など、経験を具体的に伝える記述があります。例えば、書き直した資料を開けば、困った場面と変更した箇所を思い出し、下書きに必要な事実を追加できます。
題材を選んだ後は、設問への答えを先に置き、自分の判断と行動、その後の変化をつなげます。目標と実績、チームの成果と本人の担当は区別が必要です。文章が完成したら、行動の理由を声に出して説明し、答えに詰まった部分を記録や第三者への相談で補ってください。今日の着手点は、実際に工夫した場面が残る資料を開くところです。

この記事の監修者三好 勝利(キャリアアドバイザー)
新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。






