
【例題付き】就活の一般常識テストとは?対策やSPIとの違いを解説
2023年3月23日更新
はじめに
就活には数種類の「テスト」がありますよね。
その中でも、今回見ていくのは「一般常識テスト」について。
一般常識テストにはジャンルは大きく分けて3つあり、
- 時事問題(政治・経済、国際情勢、科学・技術、自然環境、日常生活、文化・芸能、スポーツ)
- 5教科(国語・数学・英語・理科・社会)
- 文化問題(文学、文化、美術、音楽、スポーツ、芸能)
このようになっています。
業種によっては、
足切りとしても用いられている一般常識テスト。
選考がある程度進んだ段階で落ちるのならまだしも、
書類選考というスタート地点で落ちたくはありませんよね。
本記事を最後まで読むことによって、
就活で課せられる「一般常識テスト」の全体像を探り、就活に活用しましょう。
今回は
- 一般常識テストの例題
- 一般常識テストとSPIとの違い
- 一般常識テストの対策方法
について、見ていきます。
「筆記試験は、他にはどんな種類があるのだろう」
と気になった方は、
こちらの記事も参考にしてみてくださいね!
もくじ
1.一般常識テストの内容① 時事問題
過去1年間で新卒採用経験のある人事担当者243人を対象に実施した調査によると、
最も多く出題されたのは「時事問題」となり、全体の7割近くを占めています。

どんなジャンルの一般常識の問題を出題しましたか?(n=243、複数回答)
(出典:リクナビ 就活準備ガイド)
時事問題に次いで多かったのは「国語」(54.7%)、「算数」(50.6%)と、
5教科に関する設問が並びます。
つまり、
一般常識テスト対策において最も注力すべきは「時事問題」であり、
日頃からニュースや日常の出来事に関心を払い、
自分の意見を持っておくことが大切であるということですね。
それでは早速、内容について
時事問題・5教科・文化問題の順に見ていきましょう。
時事問題は最も出題される確率が高く、
新聞やニュース、TVなどメディアに取り上げられるトピックが中心です。
具体的な内容については
日本の政治や外交、社会問題など多岐にわたっているため、予測は困難ですが
企業のビジネスモデルや経営体制と密接に関係のある話題は、
出題されると見て間違いありません。
例えば、航空業界であれば「LCCの今後の動向」を問う問題であったり、
商社であれば「貿易摩擦」についての問題であったり、
といった具合です。
例えば2020年でのホットトピックとしては
以下のようなテーマが考えられるでしょう。
- 環境問題
- 働き方改革
- 在宅ワーク
- 新型コロナウイルス
- 黒人差別問題
- 香港の現状
- 北朝鮮の動き
- アメリカの政策
- 東京都知事選挙
2022年前半期では、
- 円高などの為替に関わる問題
- 新たな罰則に関する問題(ネット上の誹謗中傷)
- 経済連携に関する問題
- EU圏内の大統領選挙
- ウクライナ問題
などが挙げられます。
もちろん、これらが必ずしも出題されるとは限りませんし、
中には昨年ニュースによく取り上げられたものが出るかもしれません。
「ニュースや社会にあまり関心がない、、」
と困っている方は、
書店の店頭などに並んでいる「時事問題まとめ」などを購入するのも手かもしれませんね。
2.一般常識テストの内容② 5教科
こちらは、本などを活用することにより事前に対策が可能ですので、
就活生は是非ともここで点数を稼ぎたいところですね。
広範囲の対策が必要に思われますが、実は企業によって様々であり、
5教科全てからまんべんなく出題される場合もあれば、
数科目のみ厳選して出題される場合もあるそうです。
いずれの場合も、
レベルはあくまで小学校から高校程度。
範囲は広く感じるかもしれませんが、基本的な問題が中心となるため、
しっかりと対策しておけば難しいものではありません。
5教科の中で、最も出題頻度の高い国語から順に
詳しく見ていきましょう。
2-1.国語
5教科の中では、最も注力すべきである教科です。
どんな仕事でも、日本語力やコミュニケーション能力は必要不可欠のため、
基礎的な学力がどの程度あるのかを図るために
多くの企業では重視しています。
言語能力を問う問題が中心に出題される傾向にあり、
例としては漢字を扱う問題や四字熟語、同音異義語や対義語、
ことわざ、慣用句、敬語の使い方などが挙げられます。
また、例題としては
以下のような設問が考えられます。
「時、人、物などが来ることを今か今かと楽しみに待つこと」を表す四字熟語を選べ。」
① 一日千秋
② 一日片時
③ 一字千金
④ 一合一離
⑤ 一業所感
答え ①
「次の動詞を尊敬語・謙譲語に書き換えよ。」
① 見る(尊敬語)
② 聞く(謙譲語)
③ 来る(尊敬語)
答え
① ご覧になる
② 伺う
③ いらっしゃる
どうでしょうか?
「常識」があれば、
特に支障なくスラスラと回答できるはずです。
アルバイトの経験があると、
こういう場面で役に立ちますね。
2-2.数学
国語の次に出題されることの多い数学。
従来は、四則演算や平方根の計算、方程式や関数といった
計算問題が多く出題される傾向にありましたが、
最近では文章題も多く問われるようになってきています。
一般に、数学は得意・不得意がハッキリ分かれる項目ですが、
しっかりと対策しておけば怖いものではありません。
SPIとも被る部分ですので、
しっかりと対策をしておきましょう。
(例題1)
「四角に当てはまる数字を記せ。」
7+10÷□=9
(答え)
5
(例題2)
「100キロはグラムに換算すると何グラムか?」
(答え)
100,000グラム(g)
2-3.英語
英語も国語同様、
難しい問題が出されることはありません。
中学・高校でしっかりと基礎を身につけていれば解けるような、
日常会話や作文などが中心です。
問題としては、単語や熟語の選択問題や、
文法・時制を問う問題、時事英語(スピーチなど)が出される傾向にあります。
(例題)
「次の()内の語を並び替えて、日本語に合う英文を完成させよ。」
この机はあまりに重すぎて彼女は持ち上げることが出来ない。
This desk ( too / heavy / is / lift / her / for / to ).
答え
This desk is too heavy for her to lift.
2-4.社会
社会に関しては、
扱う分野がかなり多岐にわたります。
というのも、
例えば政治と経済では全く違いますし、
他には地理、歴史、国際情勢なども範囲に入ってくるためです。
国際情勢に関しては、
場合によっては国際会議や、国際機関の報道、
世界経済に関する問題も近年では多く出題されており、
一部時事問題と重複する傾向が強くなっています。
いずれにせよ、
中学レベルの地理・歴史・政治経済は最低限抑えておき、
その上で先述のように、時事問題に気を配っておく必要があるでしょう。
(例題1)経済
「経済連携協定」を示すものはどれか。
① TPP
② FTA
③ EPA
④ EPS
答え ③
(例題2)地理
「日本の四大工業地帯(域)」の組み合わせとして正しいものはどれか。
① 瀬戸内工業地域 東海工業地域 八代臨海工業地域 京葉工業地域
② 北九州工業地帯 東海工業地域 北陸工業地域 阪神工業地帯
③ 京浜工業地帯 阪神工業地帯 中京工業地帯 北九州工業地帯
④ 瀬戸内工業地域 阪神工業地帯 八代臨海工業地域 北九州工業地帯
答え ③
2-5.理科
理科も、それぞれの分野の基礎的な知識が必要です。
ex.)科学・生物・地学・物理、等
企業や志望業界によっても異なりますが、
○○の元素記号は?のような義務教育で習う範囲は最低限抑えておくことが無難です。
3.一般常識テストの内容③ 文化問題
内容が広範囲であるという特徴があります。
例としては、
絵画や宗教、世界遺産に関連するものや、
オリンピック、作曲家、映画祭、文学賞など、
広く文化に関わる問題が出題されます。
(例題)
次の作品の作者を以下の選択肢から選べ。
① 伊豆の踊子
② 老人と海
③ 枕草子
④ 舞姫
⑤ 智恵子抄
ア 森鴎外
イ 高村光太郎
ウ ヘミングウェイ
エ 清少納言
オ 川端康成
答え
① オ
② ウ
③ エ
④ ア
⑤ イ
どうでしょう?
一般常識テストのイメージが少しついてきたのではないでしょうか。
問題の難易度としてはそこまで難しくなく、
しっかりと日頃から意識しておけば、解けるはずの問題ばかり。
次章では、SPIとの違いに加え、
普段から意識できる「一般常識テストへの対策」についてご紹介します。
4.一般常識テストとSPIとの違いとは?
企業が新卒選考の一環として行うテストの一つである、一般常識テスト。
テストとしては、他にもSPIや玉手箱など様々な種類がありますが、
それぞれ実施する目的が異なります。
SPIや玉手箱といったテストは、
応募学生のスキルや性格を図るために実施されます。
「この人物は、本当にうちで入ってもやっていけるのだろうか」
「配属先に適した素質が備わっているのだろうか」
といったことを、客観的に判断するためのツールとなります。
対して、一般常識テストは、
応募学生の一般的な教養や社会常識を図るために実施されます。
社会・時事・経済について聞くことで、その人が
- 社会にしっかりと目を向けているのかどうか
- いろいろなことへアンテナを張ることができているのか?
といったことを図るツールとなります。
また、専門の企業によって開発されるSPIや玉手箱とは違い
就活において実施されるテストの中でも、一般常識テストは
「企業が独自に」準備することが多い傾向にあります。
つまり、「これだけは知っておいてほしい」とされる知識、
いわゆる “一般常識” の範囲は業界・企業によっても僅かに変わってくるため、
出題される問題も企業によって大きく異なってくるのです。
このように、企業は能力面だけでなく様々な観点から、
応募学生を振り分けて見ているのです。
思わぬところで足をすくわれてしまうことのないよう、
日頃から出来る対策はしっかりと行いたいものですね。
5.日頃から出来る一般常識テストの対策方法3選!
5-1.新聞などの情報収集
一般常識テストでは、
就活生の基本的な知識を聞いてくることが多くあります。
したがって、常日頃から情報を集められる環境を作り出すことが重要です。
なかでも「時事問題」に関しては、
「新聞」や「ニュース」などをチェックすることがいちばんの対策になります!
毎日、新聞にひと通り目を通すことがベストです!
毎日メディアを確認していると、
「この用語すごい見るなぁ……」
と気づくことがあるかもしれません。
それが「時事用語」として出題されることもあるので、
気になったことはその都度調べられるといいですね!
また、日米・日中・日韓・北朝鮮問題、沖縄基地問題は
いつでも取り上げられやすい話題なので、注意して見ておきましょう!
5-2.アプリの活用
「新聞を利用しようと思っても、
毎日見るのは時間的にも、金銭的にも難しい……」
こんな風に考えている人も、いるのではないでしょうか。
今は便利な時代ですから、【アプリ】があります!
ということで、ここでは一般常識テストの対策に役立つアプリを5つご紹介します。
【スマートニュース】(ニュースアプリ)
・ネット上のニュース記事をまとめてカテゴリ別に発信する
・ネット回線が不安定な場所でも素早くニュースを確認できる
【就活NEWS】(ニュース・就活情報アプリ)
・就活関係に特化しており、人気企業400社、30業界のニュースが見られる
・企業・業界研究にも役立つ!
【就活対策 200問 一般常識・SPI】(テスト対策アプリ)
・60~90秒で答えが出るようになっている
・無音なので電車やバスの中でも使用可能
【日本経済新聞 電子版】(ニュースアプリ)
・内容は日本・海外の経済関係に特化。普通の新聞には乗っていない情報も。
・月額料金(税込4,277円)がかかるが、企業・業界の情報量は段違い!
【News Picks】(ニュースアプリ)
・国内外のビジネスニュースを厳選
・専門家によるニュース解説がある
・プレミアムプラン(学割 月額500円)で読める記事が面白い!
他にも様々な就活アプリが存在しており、
就活生にとって活用しない手はありません。
詳しくは下記の記事で紹介しています。
5-3.問題集
【問題集】も、テスト対策の方法として挙げられます。
一般常識テストに特化した問題集は、さまざま販売されています。
ここでは、オススメの問題集の紹介はしませんが、
伝えたいことはただ一つ!
問題集を何冊も勝って次々と解くよりも、
「1冊に何度も」取り組みましょう。
そうすることによって、自分の得意分野・不得意分野を理解し、
最適な対策をすることができるようになります!
6.一般常識テスト対策に最適なオススメの問題集4選!
6-1.『最新最強の一般常識 ’23年版』
(出典:amazon)
まずは1冊押さえておきたいのが、
成美堂出版編集部から刊行されている、「最新最強の一般常識」シリーズです。
同社からは、同じデザインの表紙で「SPIクリア問題集」も出版されているので、見たことがある方も多いのではないでしょうか?
問題に対する傾向や、解き方のポイントなど非常に丁寧に解説されているので、
まずはこの1冊を押さえておけば大丈夫でしょう。
6-2.『カンタン総まとめ 就活の一般常識&時事 2023年度』
(出典:amazon)
ハンディサイズである点と、
要点まとめ→一問一答形式で進められるため、
頭に入りやすく復習が手軽に出来る点が魅力です。
また、頻出問題に関しては動画も公開しているようなので、
ある程度問題に慣れてきたら、腕試しがてらにチャレンジしてみるのもありかもしれませんね。
カラーページも多く、視覚的にも見やすいです。
6-3.『一般常識&最新時事[一問一答]頻出1500問 2023年度版』
(出典:amazon)
これ1冊で時事問題についても勉強できるため、
一般常識関連の問題を、網羅的に学習できる点が魅力です。
各問題について、「学生の平均正答率」も記載されているので、
自分の常識レベルについても把握することができます。
6-4. 「2023最新版 史上最強 一般常識+時事 一問一答問題集 (史上最強 就職シリーズ)」
(出典:amazon)
最近の一般常識テストに頻出している
・政治・経済関連の時事問題
・国語問題
を特に充実させている問題集です。
赤シートもついているので、電車の隙間時間などを活用し、
暗記に当てましょう。
まとめ
「日頃からの興味・関心」が一般常識テストのいちばんの対策!
いかがでしたでしょうか?
例題を見ても分かるとおり、
就活の「一般常識テスト」は基本的な問題がほとんどです!
企業は
「基本的なことがちゃんと分かっているのかな?」
「常識として、この教養が身についているのかな?」
「社会に興味・関心がどのくらいあるかな?」
という観点で就活生を見ています。
簡単に思えますが、一朝一夕で得られるものではないので
日頃からニュースなどに興味を持つと同時に、
自分の意見を持つ練習をしておきましょう!
今回ご紹介したのは「一般常識」についてですが、
他にも「SPI」の対策についても知りたい!という方は、
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。