【企業研究】ユニ・チャームの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年8月12日更新
はじめに
ユニ・チャーム(ユニ・チャーム株式会社)は、日本を代表する大手衛生用品メーカーです。生理用品の取り扱いからスタートし、現在は消費者の生活をさまざまな角度からケア・サポートするための事業を展開しています。取り扱っている商品ラインナップが非常に豊富であるため、ユニ・チャームの製品を実際使用したことがある人も多いでしょう。
今回は、そんな身近な企業であるユニ・チャームについての企業研究です。ユニ・チャームが属する業界や事業、業界内での立ち位置など基本的な内容から、新卒選考フローや求める人材、就職難易度、採用大学など、選考対策に役立つ内容まで網羅します。
トイレタリー業界
ユニ・チャームの属するトイレタリー業界は、トイレタリー製品の開発・製造・販売などを行う業界です。トイレタリー製品は、清潔や身だしなみなどを保つためのアイテムのことであり、具体的には、石けん・ボディソープ・シャンプー・洗剤(キッチン用・洗濯用)・入浴剤・歯ブラシ・おむつ・生理用品・消臭芳香剤などが挙げられます。
トイレタリー業界を含むさまざまなメーカー業界の概要について、詳しく知りたい場合はこちらの記事も要チェックです。
【10分で分かる】メーカー業界の概要と人気業界|食品・化粧品・自動車・製薬
トイレタリー業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
事業内容
ユニ・チャームでは、主に次の5つの分野ごとに事業を展開しています。それぞれの分野の概要を見ていきましょう。
ウェルネスケア
より豊かにより快適に生活するウェルネスの言葉の元に行われる事業分野で、具体的には排泄ケアやマスクなどの製品を取り扱っています。排泄ケア製品としては、高齢者向けのおむつ、尿漏れ用の吸水ライナーなどがラインナップしています。また、この事業で取り扱っている家庭用マスクは、近年の花粉症人口の増加や、世界的な感染症の流行などの影響を受け、需要が高まっている状況です。
ペットケア
ペットの生活を快適にサポートするペットケア製品を取り扱う分野です。日本国内では人の少子高齢化だけでなく、犬・猫などペットの飼育数や室内飼育の増加に伴い、ペットの高齢化も進んでいる状況があります。そのような現状を鑑み、ペットの介護などをサポートし、飼い主とペット、どちらの生活も豊かにすることを目指し、行われてる事業です。ペットフード・ペット用排泄シート・吸水ウェア・ペット用紙おむつ・システムトイレなど、
多彩な商品がラインナップされています。
フェミニンケア
生理を始めとした女性ならではの現象をサポートする製品を取り扱う分野です。「ソフィ」「Center-in」など、女性にとってお馴染みの製品の開発・製造・販売も、こちらの事業で行っています。日本の人口減少や高齢化に伴い、生理対象人口も減少の傾向にありますが、その一方で、女性特有の生理現象に関する不快感を取り除くアイテムの需要が高まっており、今後さらにフェミニンケアの重要性も注目を集めると予想されます。
ベビーケア
赤ちゃんの排泄ケア製品を主に取り扱う事業分野です。新生児から幼児まで使える紙おむつ、夜間の排泄をサポートする夜用おむつ、排泄トレーニングをサポートするトレーニング用パンツなど、子どもの成長段階に合わせた、さまざまな製品がラインナップされています。また、育児支援として、子育てに役立つ情報の発信やお得なポイントキャンペーンなどのサービスも展開しています。
Kireiケア
汚れを拭いたり、化粧品を塗布したり、さまざまなきれいを叶えるための製品を取り扱うのがこちらの事業です。具体的にはコットン・ウェットティッシュ・赤ちゃん用おしり拭き・手口拭き・掃除用シート・キッチンクロスなどの製品の開発・製造・販売を行っています。見た目や内面、印象などのきれいを重視する日本特有の文化に基づいた分野です。
参考:ユニ・チャーム 事業分野
新卒選考フロー
続いて、ユニ・チャームの基本的な新卒選考フローを解説します。
1.マイページの登録
まずは、ユニ・チャームの採用情報ページから、マイページの新規登録を行います。選考フローは募集する職種などによって異なり、詳しい内容はすべてマイページ内でお知らせされるので、早めに登録を済ませた方がよいでしょう。
2.エントリーシートの提出
応募する職種を決め、エントリーシートを提出します。ユニ・チャームの選考はコースごと(営業・マーケティング・パーソナルケア商品開発・設備開発・購買・法務など多数あり)に区別して行われます。エントリーシートでは、自分の長所・短所や、希望する職種でどのようなキャリアを描いていきたいか、希望職種の志望理由などを問われるようです。なお、適性検査の受検も必要となります(形式は玉手箱です)。
3.グループディスカッションへの参加
エントリーシートの選考を通過した応募者を対象に、グループディスカッションが実施されます。会場は本社または支社、30~40名ほどのグループでディスカッションを行います。ディスカッションのテーマは年によって異なり、商品企画やコンサルティングのアイディアなど、実際の業務に関わるような内容が取り上げられるようです。ディスカッションにおいては、自分の主張をしっかりできているか、独自の視点やアイディアが含まれているかなどが重視されます。
4.面接実施
グループディスカッションも通過した人は、面接に進みます。面接は、人事面接・1次面接・2次面接・最終面接など複数行われ、応募している職種や人によって回数が異なります。面接では、エントリーシートの内容を深堀りする質問などが中心です。なお、採用されたらどのような自己実現を描くか、何がしたいか、自分のどこを業務に活かせるかなど、入社後のビジョンに関する質問も多いようです。
社風
ここからは、ユニ・チャームの社風に見られる主な特徴を紹介します。
体育会系ながら縦割り感が少なく風通しがよい
ユニ・チャームは体育会系の雰囲気が強いという口コミが多く見られます。熱意や意欲にあふれた社員が多く、活発な社風です。ただし、体育会系によくある上下関係の厳しさや縦割り感などは少ないこともユニ・チャームの特徴です。役職に関係なくコミュニケーションをとりやすい空気があるため、風通しがよい社風と言えるでしょう。
シビアな部分もあるが成長しやすい土台が整っている
ユニ・チャームは特に営業に強みがあるとも言われています。そのためか、数字に関して非常にシビアなところがあり、職場の緊張感が増すこともあります。ただし、意欲がある社員やチャレンジ精神がある社員を後押ししてくれる環境もあり、どんどん成長していきたい人にとっては働きがいのある会社です。
求める人材
ユニ・チャームは採用メッセージの中で、自社の志を理解し、自社の一員として商品・サービスの提供に努められる人材を求めていると示しています。ユニ・チャームが持つポリシーは、社会の中でなくてはならないものを取り扱う企業として、世界中の生活者を対象に、世界一品質のよい商品・サービスを届けることです。このポリシーに共感し、世界第一級の商品・サービスを提供する使命を胸に、熱意や成長意欲をもって働ける人物、それがユニ・チャームの欲している人材です。
また、グローバルな働き方ができる人材も求められています。入社後、一定期間勤続した社員は、海外の拠点などに赴任を命じられる場合があります。ただし、英語など語学力の高さより、英語を使ってどのような業務ができるかというビジネススキルの方が重要視されるようです。
参考:ユニ・チャーム 採用情報 採用メッセージ、ユニ・チャーム 採用情報 FAQ
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
ユニ・チャーム | 7,142億円 | 700~850万円 | 64 | 風通しがよく活発 |
花王 | 1兆5,510億円 | 800万円 | 66 | 自由と保守的な部分が混在 |
ライオン | 3,311億円 | 600~700万円 | 62 | 人柄が良い社員が多い |
財務情報の比較(売上)
今回挙げた3社はユニ・チャームを含め、トイレタリー業界の日本国内の大手企業です。なお、花王・ライオンは創業から100年以上、ユニ・チャームは創業60年以上であり、業界の中では新しい方の企業に入ります。売上高は、業界トップの花王が飛び抜けている状態であり、ユニ・チャームは業界2位の位置にいます。
社風の比較
比較の3社に共通する社風としては、人柄のよい社員が多く、コミュニケーションがとりやすい環境が挙げられます。企業の姿勢として、チャレンジングか保守的かという点は各社それぞれ異なります。どんどん挑戦をしていきたい人は、ユニ・チャームがマッチしそうです。既存の業務に着実に取り組みたいタイプなら、ライオンの社風が適しているかもしれません。
就職偏差値
就職偏差値は3社とも非常に高めです。例年採用倍率が数百倍とかなり高く、狭き門であることに間違いありません。採用人数は各社50~100名ほどです。なお、花王などは近年採用人数の減少傾向も見られます。
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採用大学
ユニ・チャームで採用実績のある大学の例は次の通りです。
青山学院大学、大阪工業大学、関西学院大学、九州大学、京都工業繊維大学、慶應義塾大学、神戸大学、埼玉工業大学、創価大学、高崎経済大学、中央大学、東京大学、東京農工大学、同志社大学、日本獣医生命科学大学、兵庫県立大学、福岡工業大学、法政大学、名城大学、武蔵野美術大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学 など(五十音順)
採用大学の例を見ると、国内の難関大学や有名私大だけでなく、中堅レベルの大学も数多く見られます。また、採用している大学のエリアにも特に偏りは見られません。
したがって、ユニ・チャームには学歴フィルターは存在しない可能性が高いでしょう。難関以外の地方大学出身であっても、選考対策の仕方によっては、採用獲得は実現可能と考えられます。
健康経営や子育て支援に注力
就職を目指す上で、その企業が働きやすい職場環境を整えているかは、多くの人が気になる部分でしょう。ユニ・チャームは、2023年7月に「健康アライアンス」への参画を決定しました。これは、社員の健康を通じて日本企業の活性化や健康保険組合の持続を叶えるための組織です。ユニ・チャームは社員の健康を守る取り組みとして、健康情報の配信や体力・体組成測定の実施、メンタルヘルス対策などに注力しています。
また、同月にはこども家庭庁の「こどもまんなか宣言」に賛同する企業として、「こどもまんなか応援サポーター」に参画することも発表しています。これは、子どもや育児を行う人に寄り添い、できることから取り組もうという主旨の活動です。
ユニ・チャームは、共生社会の実現をビジョンに掲げており、このビジョンを叶えるため、自社製品のユーザーが快適な生活を送れるよう、そして自社を支える社員が働きやすい環境を整えることを目指し、このような活動への参画を進めています。
参考:ユニ・チャーム、「健康経営アライアンス」に参画~業界を超えた健康経営の実践に取り組む148社・団体が集結~、こども家庭庁の「こどもまんなか応援サポーター」に参画
~こどもや子育て世帯を支援する「#こどもまんなかやってみた」~
まとめ
ユニ・チャームは創業から60余年、トイレタリー業界においては若手の企業でありながら、国内トップクラスの売上高・事業規模を誇っています。ユーザーの快適な生活を追い求めるだけでなく、自社で働く社員にも手厚い姿勢なので、働きやすい企業だと言えそうです。
また、活発でコミュニケーションがとりやすく、意欲を持った仕事には応えてくれる職場環境でもあるので、業界に高い関心を持っている人や、ユニ・チャームの企業理念に深く共感できる人であれば、充実した社会人生活とともに、大きく成長できるかもしれません。ぜひ今回紹介した内容を参考に、さらにユニ・チャームについて研究を進め、採用を目指すか具体的に検討してみてください。