【企業分析】コクヨの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2025年11月26日更新

はじめに

株式会社コクヨは大阪府大阪市に本社を置く文具・オフィス用品業界に属する企業です。

「キャンパスノート」で親しまれる文房具事業をはじめ、オフィス家具、空間デザイン、通信販売事業まで幅広く展開しており、企業理念である「人の創造力を高め、個性が輝く世の中を支えていく」のもと、「WORK & LIFE STYLE Company」として「働く」「学ぶ・暮らす」の領域で豊かな生き方を創造する企業となることを目指しています。

今回はそんなコクヨの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。

この記事では株式会社コクヨへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。

ぜひ最後までご覧ください。

対象
  • コクヨの仕事内容が気になる
  • コクヨの就職難易度を知りたい
  • コクヨの選考対策として何をすれば良いかわからない

また、文具・オフィス用品以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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この記事の結論

先にこの記事の結論からお伝えすると、コクヨの就職難易度は、高い難易度だと考えています。

以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、高めの難易度といえるでしょう。

また、採用大学も幅広い偏差値帯や種類の学校の実績があり、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。

選考対策として、独特なものが「4つのコース別選考制度」と「問いを持って創造し続ける力を重視した人材選考」です。

特に「問い」から始まるプロジェクトを重視する企業文化があるため、自分なりの課題意識や創造性をアピールできるよう準備することが重要です。

また職種としては、事務系、技術系、建築系、デジタル系の4つのコースに分かれており、業務内容としては主にワークプレイス事業本部、グローバルステーショナリー事業本部、ビジネスサプライ事業本部などへの配属となります。

次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

コクヨ株式会社について

コクヨ株式会社

出典元:コクヨ

会社概要

コクヨ株式会社は、文具・オフィス用品の製造・販売を主な事業内容としている企業です。

コクヨグループは、長期ビジョンCCC2030の達成に向けて、自らの社会における役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と再定義し、文具や家具といったカテゴリにとらわれない、豊かな生き方を創造する企業となることを目指しています。

「WORK & LIFE STYLE Company」として、顧客一人ひとりの創造性を刺激し、個性を発揮できる商品・サービスの提供を重視する「問いを持って創造しつづける力」を企業文化の核としています。

コクヨのビジネスモデルは、ワークスタイル領域とライフスタイル領域の2つの事業領域で構成されており、ファニチャー事業、ビジネスサプライ流通事業、ステーショナリー事業、インテリアリテール事業の4つの主要事業を展開しています。

これらの事業は、働き方の変化や生活空間への新たなニーズに応えるための戦略の一環として展開されており、国内外での競争力を高めています。

さらに、コクヨは海外市場にも進出しており、特にアジア地域に注力。

中国・マレーシア・ベトナム・タイ・インドネシア・インドなどの複数拠点でグローバルに事業を展開し、国際市場での事業拡大を目指しています。

各事業別の売上規模

コクヨ株式会社の2024年12月期の総売上高は3382億2700万円で、純利益は217億8700万円でした。

この売上はワークスタイル領域とライフスタイル領域の2つの事業領域からの収益によって構成されています。それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。

売上高
  • ファニチャー事業
  • ビジネスサプライ流通事業
  • ステーショナリー事業
  • インテリアリテール事業

ファニチャー事業

売上高は1618億円で、前年同期比4.7%増。営業利益は229億円で、前年同期比2.2%増となりました。

ビジネスサプライ流通事業

売上高は989億円で、前年同期比1.1%増。営業利益は44億円で、前年同期比14.9%増となりました。

ステーショナリー事業

売上高は835億円で、前年同期比0.4%減。営業利益は59億円で、前年同期比11.9%減となりました。

インテリアリテール事業

売上高は212億円で、前年同期比4.4%増。営業利益は5億円で、前年同期比25.3%減となりました。

各事業セグメントの解説

コクヨ株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。

事業部門 活動内容
ファニチャー事業 オフィス家具・空間デザインの企画、製造、販売。ワークスタイル提案の強化及び業務プロセスの効率化等に取り組むことで、業績拡大や収益改善が進捗。
ビジネスサプライ流通事業 プラットフォーム型購買管理サービスであるカウネットを基盤として、テクノロジーの活用により顧客パーソナライズで最適化された購買体験の実現を目指す。
ステーショナリー事業 提供価値の中心を「まなびかた」に据えたCampusブランドにより、グローバルで、前向きなまなびのチャレンジをする機運を盛り上げる事業への転換を目指す。
インテリアリテール事業 既存事業において接客力と提案力を活用した店舗及びECでの成長を推進するとともに、パートナーとの連携強化による法人事業の領域拡張で事業ポートフォリオの変革を進める。

 

普段イメージする文具メーカーとしてのコクヨとは違い、オフィス空間デザインやデジタル購買体験など幅広く事業を展開していました。

またファニチャー事業などのメイン事業セグメントは、コクヨの多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、文具から家具、空間デザイン、さらには海外市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。

以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。

コクヨで働いている社員は?

平均勤続年数は?

コクヨの平均勤続年数は16.4年です。

文具・オフィス用品業界の平均勤続年数は約15.4年(目安)であることから、業界平均と比較して安定した雇用環境を提供している企業といえるでしょう。

平均年収は?

2024年度のコクヨの平均年収は、782万円でした。

全国平均の年収が460万円であることを考えると、全国平均よりもかなり高い水準となっています。

また、同じ「文具・オフィス用品業界」の上場企業平均年収は730万円でした。

平均残業時間は?

インターネット上の公開情報だけでは具体的な残業時間は確認できませんでした。

就職情報サイトの口コミによると、月20時間程度との声が多く、比較的ワークライフバランスが取りやすい環境だとされています。

コクヨではコアタイムの無いフレックスタイム制度を導入し、社員一人ひとりが業務生産性を高めるために自分らしい働き方を選べる環境を整備。自律的な働き方を促進していることが公式サイトで確認できます。

平均ボーナス額は?

インターネット上の情報だけでは分かりませんでした。

具体的な金額は公開されていませんが、コクヨの平均年収から、コクヨの平均ボーナス額は125万円程度と推測できます。

理由は、国税庁の民間給与実態統計調査によると、平均給与に占める賞与額の割合は約16%だからです。

あくまで参考程度にしておいてください。

また、コクヨは年に7月と12月の合計2回ボーナスが支給されます。

どんな文化なの?

コクヨは、その独自の社風「問いを持って、創造しつづける力」を掲げています。文具・オフィス用品の製造・販売を主軸に据えつつも、事業企画から商品開発、空間デザインに至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。

コクヨは、個人の成長を会社の発展と捉え、自らを実験場としてさまざまなチャレンジを続けており、社員が「問い」を持ちながら創造性を発揮できる環境を整備しています。

ここでは、自分自身が主役となり、実験カルチャーの中で成長を遂げることができる環境が整っているので、創造的に仕事を進めたい人には向いています。

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

競争が激しい文具・オフィス用品業界の中でのコクヨの立ち位置をご紹介します。

売上高を参照し他社と比較してみても、コクヨは業界トップクラスの企業だと分かります。

理由として以下の要因があると考えています。

要因
  • WORK & LIFE STYLE Companyとしての戦略転換
  • 高収益性を実現する事業ポートフォリオ
  • グローバル展開の推進

WORK & LIFE STYLE Companyとしての戦略転換

コクヨは単なる文具メーカーから「WORK & LIFE STYLE Company」として事業を再定義し、「働く」「学ぶ・暮らす」の領域で包括的なソリューションを提供しています。

これにより、市場の変化に柔軟に対応し、売上の多角化を実現しています。

高収益性を実現する事業ポートフォリオ

コクヨは2024年12月期において営業利益220億円、営業利益率6.5%の高い収益性を実現。

これにより、効率的な事業運営と安定した収益基盤を確保し、業界内での競争力を高めています。

グローバル展開の推進

コクヨは中国、マレーシア、ベトナム、タイ、インドネシア、インドの6か国で現地法人や生産・販売拠点を展開しています。

これにより、国内市場の成熟化に対応し、新たな成長機会を確保しています。

以上の要素によりコクヨは文具・オフィス用品業界の中でもトップクラスの売上高を生み出していると考えられます。

参考までに競合3社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。

会社名 売上高(2024年度) 平均年収 就職偏差値・難易度 社風
コクヨ 3382億円 782万円 65 問いを持って創造し続ける実験カルチャー
プラス 2,366億円 約520万円(推定) 55 グループ展開による多角化戦略
パイロット 1261億円 730万円 67 海外展開重視の収益追求型
三菱鉛筆 888億円 824万円 67 専門性特化型超高収益モデル

コクヨの新卒募集要項について

以下にコクヨの新卒募集要項についてまとめました。

初任給については大学院卒267,500円、大学卒257,500円となっている点や、コアタイムの無いフレックスタイム制度が導入されている点は嬉しい点です。

また賞与に関しても年2回(7月、12月)支給なのも他社と比較すると一般的です。

研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、コクヨマーケティング大学/大学院や社内複業制度「20%チャレンジ」、キャリアメンター制度など独自のカリキュラムがあり、かなり充実しているといえます。

勤務地については東京(品川/霞が関)、大阪(梅田/本社)、芝山工場(千葉県)、三重工場(三重県)などのコクヨグループ拠点での勤務となります。

ただし将来的には海外勤務の可能性もあるため、年次が上がるにつれて転勤の可能性はあるので、気になる方は面接や説明会などの際に確認をしましょう。

各項目 詳細
職種
  • 企画販売コンサルタント
  • 業務内容:各店舗での対面営業
給与(2026年4月入社 初任給予定)
  • 大学院了:267,500円
  • 大学卒:257,500円
  • 高専卒:232,000円
  • 備考:残業手当、交通費、各種役職手当等別途支給
賞与 年2回(7月、12月)
研修制度 新入社員研修、コクヨマーケティング大学、20%チャレンジ、階層別研修、職種別専門研修など
福利厚生 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、従業員持株会制度、ワークプレイスポートフォリオ(出社/在宅/バランス型選択制)、育児休業(子どもが満2歳まで)、自己都合退職者再雇用制度、PLAY WORKマイレージ制度、フレックスタイム制度(コアタイムなし)など

求める人材

コクヨ株式会社が求める人材

コクヨ株式会社では求める人材として下記のものを公表しています。WORK & LIFE STYLE Companyとして事業を展開するコクヨグループ共通の人材像となっている可能性が高いです。

求める人材
  • こだわる・工夫する
  • 楽しむ・面白がる
  • 誠実である・チームで協業していく

こだわる・工夫する

個性のあるアイデアにこだわり抜き、誰も取り組まないことに没頭します。

楽しむ・面白がる

こころざしを高くもち、意欲的な目標に向かって進み続けると同時に、周囲の想いを実現するための手助けをします。

誠実である・チームで協業していく

人としてのあり方、原理原則は崩さず、皆で力を合わせ、新たな取り組みに挑みます。

 

以上の3つはコクヨの採用メッセージの『「問い」を持って創造し続ける力』につながっていきます。

エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。

新卒採用のフロー

コクヨの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。

面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、「問い」を持って創造し続ける力をチェックする質問も多いのが特徴です。

選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。

今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。

①新卒エントリー

コクヨ公式採用サイトより4つのコース別にエントリーを行います。

エントリーシートでは志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたことなどの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。

各コースによって締切日が異なるため、事前に公式サイトで確認しておきましょう。

②書類選考・適性検査

適性検査は「SPI」が採用されており、他の企業でも多く採用されているため、対策本なども多く対策しやすいテストです。

実際の受検者の口コミによると、SPI:言語、非言語、性格の3科目で構成されており、言語・非言語で35分、性格で30分の計1時間程度となっています。

テスト形式はWebテスティング(自宅受検)またはテストセンター形式で実施され、一般的なSPIと同様の内容が出題されます。

エントリーシートと適性検査の結果をもとに書類選考が行われます。

以下に参考になる記事を紹介します。

③一次面接

コクヨでは一人ひとりを深く知るため、個人面接形式で行われることが一般的です。

面接では自己紹介や志望動機、コクヨを選んだ理由などが聞かれますので、自分の答えを見つけておきましょう。

一次面接は30分程度オンラインまたは対面で行われます。和やかな雰囲気の中、キャリアプランやエントリーシートに記載した事項とその深掘りについての回答が求められます。

以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。

質問事項
  • 自己紹介
  • 学生時代に力を入れたこと、その深掘り
  • なぜ始めたのか
  • 進める中で困難だったこと、乗り越え方
  • 集団の中での自分の役割
  • なぜ上手くいったと思うのか
  • なぜコクヨなのか
  • コクヨのどんなところに魅力を感じているのか
  • 将来どんなことをしたいのか
  • 異文化コミュニケーションで気を付けていること

④複数回面接(2次面接・最終面接)

コクヨでは複数回の面接を通じて、学生一人ひとりの「問い」を立てる力や創造性を見極めます。

エントリーシートをもとに価値観や思考プロセスを深掘りし、最終面接では管理職や役員クラスが参加して経営的な視点から質問が投げかけられます。

面接では、コクヨの「実験カルチャー」にフィットする人材かどうかも重視されます。

失敗を恐れず新しいことにチャレンジする姿勢や、課題に対して独自の視点で「問い」を立てられるかといった点をアピールし、コクヨの実験カルチャーにどう貢献できるかをイメージできるようにしましょう。

※選考ステップは変更する場合がございます。

予めご了承ください。

以下に口コミにあった質問事項を紹介します。

口コミにあった質問事項
  • 学生時代力を入れたこと+その深掘り
  • 何故その経験をしたか
  • その中で最も苦戦したこと+その深掘り
  • 周囲の反応、学んだことをこれからどう活かしていくか
  • コクヨの志望動機
  • コクヨで実現したいことは何か
  • コクヨの企業理念についてどう思うか
  • 入社後のキャリアプランについて
  • コクヨの商品・サービスについての提案
  • 困難な状況での対処法

最終になるにつれて質問が深掘りされたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。

二次面接では、コクヨの「実験カルチャー」にフィットする人材かどうかも重視されます。失敗を恐れず新しいことにチャレンジする姿勢や、課題に対して独自の視点で「問い」を立てられるかといった点をアピールできるよう準備しておきましょう。

以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。

⑤内定

複数回の面接を突破して内定が決まります。

採用大学

コクヨの採用大学の実績を以下に掲載しますが、全国のさまざまな最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えます。

<大学院>

九州大学、名古屋大学、神戸大学、横浜国立大学、大阪府立大学、東京農工大学、筑波大学、京都大学、大阪大学、お茶の水女子大学、京都工芸繊維大学、法政大学、明治大学、同志社大学、他

<大学>

愛知大学、青山学院大学、岩手大学、愛媛大学、関西大学、岐阜大学、京都産業大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、駒澤大学、芝浦工業大学、上智大学、多摩美術大学、東京大学、東京理科大学、日本大学、福岡大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学、他

 

上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、コクヨは多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。

よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。

採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。

就職偏差値・難易度

それでは、ここまでの内容を踏まえて、コクヨの就職偏差値・難易度を見てみましょう。

結論としては、偏差値・難易度は高めといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。

理由
  • 採用フローとして複数回面接があり選考ステップが多い
  • 人気企業のため応募者が多く競争が激しい
  • 「問い」を立てる力など独自の評価基準がある

よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項に加えて、コクヨの「実験カルチャー」に合った独自性や創造性をアピールする必要があります。

しっかりと対策を行い内定を獲得してください!

就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。

さいごに

コクヨは、文具・オフィス家具業界に属する企業です。

「キャンパスノート」をはじめとする文具事業と、オフィス空間構築を手がけるファニチャー事業を主軸としています。

また、「問い」を立てて創造し続ける「実験カルチャー」を大切にしています。

コクヨは文具業界の中でもトップクラスの企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。

学歴フィルターはないものの競争率が高いため、全員に等しくチャンスがある一方で、しっかりとした対策が必要です。対策を十分に行って選考に臨んでください。

ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。

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