【企業分析】東急の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
東急株式会社は東京都渋谷区に本社を置き、鉄道事業を中心に、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートなど幅広い事業を展開する大手企業グループです。
首都圏における交通網の整備を軸に、都市開発や商業施設運営まで手がけており、「街づくり」を通じて生活に密着したサービスを提供しています。
今回はそんな東急の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介します。
この記事では東急への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 東急の仕事内容が気になる
- 東急の就職難易度を知りたい
- 東急の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、鉄道・不動産業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、東急の就職難易度は総合的に見ると「やや高め」と評価できます。
鉄道事業を中核に、不動産開発や生活サービス、ホテル・リゾートなど多角的に事業を展開しているため、安定感とブランド力があり、就活生からの人気も高い企業です。
採用大学の実績を見ると、MARCHや関関同立をはじめとする中堅〜上位大学から、旧帝大や早慶といった難関大学まで幅広く内定者が出ています。
そのため「特定の学歴層しか採用されない」というわけではなく、しっかりと選考対策を行えば十分に内定獲得のチャンスがあります。
東急独自の選考フローとして特徴的なのは、グループワークや志望動機の深掘り面接です。
鉄道や不動産といった事業に直結する「街づくり」に関する考え方や、自分のキャリアビジョンと事業をどう結びつけるかが問われやすい傾向にあります。
志望者は、自分なりに「都市開発や生活インフラに携わる意義」を整理しておくことが重要です。
職種としては主に総合職での募集となり、配属先は鉄道・不動産・商業施設運営・ホテルなど多岐にわたります。現場経験を経て将来的に企画や事業開発に携わるキャリアパスが一般的です。
次の章からは、東急の事業別の特徴や業績、社員の働き方、そして就活に役立つ具体的な情報を詳しく紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください。
東急株式会社について

出典元:東急株式会社
会社概要
東急株式会社は、グループ全体で約220社を擁し、首都圏を中心に「街づくり」を軸とした事業を推進しています。
鉄道事業においては、東急東横線や田園都市線などの路線を運営し、日々数百万人規模の利用者を支えています。
交通インフラとしての安定収益を背景に、不動産分野では「渋谷再開発プロジェクト」をはじめとする都市開発を積極的に推進しており、交通と不動産を一体化した独自のビジネスモデルを確立しています。
また、東急百貨店や商業施設「東急スクエア」などのリテール事業、ホテルやリゾート施設の運営、さらにはシェアオフィスやシェアサイクルといった新しい生活サービスまで多角化を進めています。
これらの事業はすべて「住みたい街・働きたい街」を創造することを目的としており、鉄道沿線に暮らす人々の生活を豊かにする取り組みの一環です。
さらに、グローバル展開にも力を入れており、ベトナムやインドネシアなどのアジア市場で都市開発・鉄道関連プロジェクトに参画しています。
国内にとどまらず海外の成長市場においても「街づくり」のノウハウを活用することで、事業基盤の拡大と国際的な競争力強化を図っています。
各事業別の売上規模
東急株式会社の2024年度の連結売上高は約1兆549億円で、純利益は約796億円となりました。
収益は鉄道事業や不動産事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業などの多角的な事業から構成されています。
ここでは主要な事業ごとの売上規模を整理します。
- 交通事業(鉄道・バスなど)
- 不動産事業(都市開発・賃貸・分譲など)
- 生活サービス事業(百貨店・商業施設・リテールなど)
- ホテル・リゾート事業
交通事業
売上高は約2,206億円規模で、東急電鉄の運賃収入や関連サービスから構成されています。
コロナ禍からの回復により乗客数が増加し、収益も堅調に推移しました。
不動産事業
売上高は約2,537億円と全体の中で大きな割合を占めています。
渋谷駅周辺再開発をはじめとした都市開発や、賃貸ビル・住宅分譲事業の拡大が収益を押し上げています。
生活サービス事業
売上高は約5,273億円規模で、東急百貨店や「東急スクエア」などの商業施設の運営が中心です。
インバウンド需要の回復により、小売・サービス分野の収益も改善しています。
ホテル・リゾート事業
売上高は約1,268億円規模で、東急ホテルズやリゾート施設の運営から成り立っています。
観光需要の回復とインバウンドの増加により、稼働率が高水準で推移しています。
各事業セグメントの解説
東急株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 交通事業 | 東急電鉄を中心に、鉄道・バスなどの公共交通インフラを運営。首都圏の主要路線で1日数百万人規模の乗客を輸送し、地域交通の中核を担う。 |
| 不動産事業 | 渋谷駅周辺再開発をはじめとする大規模都市開発、オフィスビル・商業施設の賃貸、分譲住宅の開発・販売を展開。交通事業と連携した「沿線開発モデル」で安定収益を確保。 |
| 生活サービス事業 | 東急百貨店や「東急スクエア」などの商業施設運営に加え、リテール、エンターテインメント、シェアサービスなどを提供。沿線住民の生活を支えるサービス事業を展開。 |
| ホテル・リゾート事業 | 「東急ホテルズ」を中心に、都市型ホテルからリゾート施設まで幅広く運営。観光需要の回復やインバウンド拡大を背景に、宿泊・レジャー分野の収益が拡大。 |
| その他事業 | シェアオフィス事業、環境エネルギー関連事業、海外都市開発プロジェクトなど。アジア諸国での鉄道や都市開発への参画も進めており、グローバルな成長戦略の一環を担う。 |
普段イメージされる「鉄道会社」としての東急とは異なり、不動産開発やホテル運営、さらには海外都市開発まで幅広く事業を展開しているのが特徴です。
特に不動産事業は売上・利益の柱であり、交通事業と組み合わせることで街づくり全体をプロデュースする独自モデルを形成しています。
こうした多角的な事業構成は、人口動態や社会ニーズの変化に柔軟に対応しつつ、安定的な収益を確保するための東急の戦略的強みといえます。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
東急で働いている社員は?
平均勤続年数は?
東急株式会社の平均勤続年数は2025年3月期の有価証券報告書より約13年と確認できます。
鉄道や不動産など安定性の高いインフラ事業を手掛けているため、社員の定着率は比較的高い傾向にあります。
長期的にキャリアを築ける環境が整っており、新卒から定年まで勤め上げる社員も少なくありません。
平均年収は?
口コミによると、東急株式会社の平均年収は2025年3月期の有価証券報告書によると約880万円です。
鉄道事業単体ではなく、不動産やホテル事業など複数の事業を手掛けているため、総合インフラ・デベロッパー企業として比較的高水準の給与水準となっています。
平均残業時間は?
東急社員の就職サイトの口コミによる平均残業時間は月20時間前後といわれています。
鉄道の運行管理や不動産開発など部署ごとに差はありますが、働き方改革の推進により残業時間は抑制傾向にあります。
特に近年はフレックスタイム制やリモートワークの導入が進み、ワークライフバランスの改善に力を入れています。
平均ボーナス額は?
東急の賞与は業績連動型で、就職サイトの口コミによる平均額は年間200万円前後とされています。
そのため、不動産事業やホテル・リゾート事業の収益が伸びた年度には高めの支給となる傾向があります。
どんな文化なの?
東急は「沿線開発」を軸に鉄道・不動産・生活サービスを一体で展開しており、その企業文化は「街づくりへの誇り」と「安定志向」に根ざしています。
社員は「鉄道会社」という枠を超えて、都市計画・不動産開発・地域サービスに携わる意識が強く、長期的なプロジェクトに取り組む姿勢が特徴です。
また、渋谷再開発をはじめとする大規模プロジェクトに若手社員も関わる機会があり、挑戦を尊重する風土があります。
一方で老舗企業らしく落ち着いた雰囲気もあり、安定性と革新性のバランスが取れた社風といえます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
鉄道、不動産、生活サービスなど多岐にわたる事業を展開する東急は、総合インフラ・デベロッパー企業として独自のポジションを築いています。
就職市場においても人気が高く、難易度は「やや高め」と評価されます。
売上規模や事業領域を見ても、東急は鉄道業界のみならず都市開発のリーディングカンパニーの1つであることが分かります。
理由として以下の要因が挙げられます。
- 鉄道と不動産を中心とした多角的事業モデル
- 渋谷再開発など象徴的な都市開発プロジェクト
- 沿線価値を高める街づくり戦略
鉄道と不動産を中心とした多角的事業モデル
東急は鉄道事業で安定した収益を確保しつつ、不動産、ホテル・リゾート、生活サービス、エネルギー事業など幅広い分野を展開しています。
この多角経営によって、景気変動や人口動態の変化に強い事業体制を築いています。
渋谷再開発など象徴的な都市開発プロジェクト
「渋谷ヒカリエ」「渋谷スクランブルスクエア」に代表されるように、渋谷を中心とした大規模再開発を手掛けてきた東急は、都市開発の先導役として業界内で大きな存在感を持っています。
こうしたプロジェクトは就活生にとっても魅力的で、企業のブランド力を高めています。
沿線価値を高める街づくり戦略
東急は鉄道を「移動手段」として提供するだけでなく、沿線地域全体の暮らしを支えるサービスを展開しています。
商業施設・教育・福祉・エネルギー供給まで幅広く手掛け、沿線の生活基盤を形成することで地域の価値を高めています。
以上の要素から、東急は「安定性」と「成長性」を兼ね備えた企業として業界の中でも強固な地位を築いています。
参考までに、鉄道・不動産業界に属する競合4社の情報を以下にまとめました。
| 会社名 | 売上高(2024年度) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 東急株式会社(連結) | 1兆549億円 | 約880万円 | 60 | 都市開発を通じて挑戦を尊重する社風 |
| 小田急電鉄(連結) | 約4,227億円 | 約760万円 | 58 | 地域密着と安定志向の社風 |
| 京王電鉄(連結) | 約4,529億円 | 約720万円 | 57 | 穏やかで協調的な社風 |
| 東武鉄道(連結) | 約4,584億円 | 約690万円 | 56 | 安定性重視の堅実な社風 |
東急の新卒募集要項について
以下に東急の新卒募集要項についてまとめます。
初任給は大卒・大学院卒ともに首都圏基準でおおむね23万円前後とされ、住宅手当や通勤費全額支給など福利厚生も手厚いのが特徴です。
賞与は年2回支給され、業績に応じたインセンティブもあり安定感があります。
研修制度は新人導入研修をはじめ、配属後も階層別・専門別研修が用意され、成長を支援する仕組みが整っています。
企業としては「街づくり」を担う人材を重視しており、働きながら幅広いキャリア形成が可能です。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 総合職、鉄道エキスパート職 |
| 給与(2026年4月入社 初任給予定) |
|
| 賞与 | 業績連動型 |
| 研修制度 | 新入社員研修、職責別研修、公募型研修、自己啓発支援制度、その他 |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、独身寮(入居条件あり)、社宅、東急共済組合、社員預金、財形貯蓄、従業員持株会、グループ団体保険、WELBOX、カフェテリアプラン、その他 |
求める人材

東急では「美しい時代を創る」というグループ理念のもと、多様な事業を担う人材に求める姿勢を明確にしています。
グループ全体で共通しているのは、変化の大きい社会の中で自ら考え、行動し、新しい価値を創造できる人物です。
具体的には以下の要素が重視されています。
- 挑戦心
- 主体性
- 多様性への理解
- 社会貢献意識
- 協働力
挑戦心
既存の仕組みに満足せず、新しい都市づくりやサービス開発に挑み続ける姿勢が求められます。
主体性
自ら課題を見つけ、責任を持って解決に取り組む姿勢を大切にしています。
多様性への理解
異なる価値観や背景を持つ人々を尊重し、チームとして成果を生み出す力が不可欠です。
社会貢献意識
沿線開発や街づくりを担う企業として、地域や社会に貢献する姿勢が重視されます。
協働力
社内外の多様なステークホルダーと協力し、持続可能な社会を築いていく力が求められます。
これらは東急の採用メッセージ「次の時代をつくる仲間と挑戦したい」にもつながっており、エントリーシートや面接ではこうした資質を体現しているかどうかが評価のポイントとなります。
新卒採用のフロー
東急の選考は、下記の通りのフローで進みます。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄や協調性を確認する質問が多いのが特徴です。
特に入社意欲や将来のプランが明確であるかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、準備を整えて臨みましょう。
①新卒エントリー・会社説明会
東急の新卒採用ページから必要事項を登録し、エントリーを行います。
その後、会社説明会に参加し、事業内容や社風を理解する機会が設けられます。
説明会では社員との交流があり、東急グループが目指す都市開発やまちづくりの方向性を把握できます。
ここで得た情報を、後のエントリーシートに反映させると効果的です。
②エントリーシート・適性検査(SPI)
エントリーシートでは志望動機や自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、強み・弱みなどが問われます。質問事項は
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- 入社後に挑戦したいこと
- チームでの経験やリーダーシップを発揮したエピソード
といったように、基本的なことを聞かれるようです。
特に「東急のどの事業で活躍したいか」「なぜ鉄道や不動産を含む複合事業に魅力を感じるのか」がポイントです。
併せてSPIによる適性検査が行われ、基礎学力だけでなく性格面や論理的思考力も確認されます。事前に問題集で対策しておくことが必須です。
以下に参考になる記事を紹介します。
③グループディスカッション
SPIを通過すると、次はグループディスカッションが実施される場合があります。
例年、1グループ5〜7名程度で構成され、40〜60分程度で課題に取り組みます。
- 「沿線の街をより活性化させるための新しいサービスを提案せよ」
- 「観光需要を高めるために鉄道会社ができる施策を考えよ」
- 「渋谷をさらに魅力ある街にするには何が必要か」
東急グループの事業領域に関連したテーマが多く、鉄道・不動産・リテールを結びつけた視点があると高評価につながります。
④複数回面接
東急の面接は複数回行われ、一次面接では人事担当者との1対1や少人数形式で、志望理由や学生時代の経験を中心に確認されます。
二次面接以降は現場社員や管理職が加わり、キャリアプランや東急で実現したいことについて深く問われます。
最終面接では役員が参加し、入社意欲や将来ビジョンの一貫性、東急の理念との適合性が確認されます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 東急の事業の中で特に関心がある分野
- チームで困難を乗り越えた経験
- 入社後にどのように事業へ貢献したいか
- 街づくりや鉄道事業に対する自分の考え
- 他社の選考状況や志望度
- 東急を志望する決定的な理由
- 将来のキャリアプランと実現方法
- 社会人としてどのように成長していきたいか
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
東急の採用大学の実績を以下に掲載します。
難関大学から中堅校まで幅広い採用はありますが、実際には旧帝大や早慶といった上位大学出身者が多く、学歴を重視する傾向が見られます。
| <大学院> 東京大学、京都大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学 <大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、東京工業大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、立教大学、中央大学、法政大学、青山学院大学、同志社大学、立命館大学 |
上記のとおり難関大学の出身者が目立つため、学歴が評価に影響する可能性は否定できません。
しかし、選考では学歴以外にも人物面や志望動機、業界への理解度が重視されます。
エントリーシートや面接での自己PRを徹底的に準備することが、内定獲得への大きなカギとなります。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、東急の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は「やや高め」といえます。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 鉄道・不動産・都市開発など多角的な事業展開をしており、幅広い知識や理解が求められる
- 学歴や学びのバックグラウンドが重視される傾向がある
- 面接やグループワークで都市開発や街づくりに対する理解度・志望度を深く問われる
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」に加え、沿線開発や街づくりに関する自分の考えを整理しておけば、過度に難しい企業ではありません。
しっかりと対策を行い、内定獲得を目指しましょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
東急は鉄道事業を中核に、不動産開発や商業施設運営、ホテル・リゾート事業など多岐にわたる総合生活サービス企業です。
「沿線価値の向上」や「街づくり」を軸に、地域社会に貢献する事業を展開しており、社員には都市開発や生活サービスに関する幅広い知識と挑戦心が求められます。
就職難易度はやや高めですが、学歴だけで選考される企業ではなく、多様な学生にチャンスがあります。
企業研究や志望動機の整理、街づくりや沿線開発に関する理解を深めることが、選考突破のカギとなります。
この記事を参考に、しっかりと対策を行い、内定獲得を目指してください。










