【企業分析】デロイト トーマツ コンサルティングの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社（DTC）は、東京都千代田区に本社を置く世界4大会計事務所グループ「BIG4」の一角を成すコンサルティング業界に属する企業です。
日本全国で約5,000名のコンサルタントが所属し、戦略立案から実行まで一貫したコンサルティングサービスを提供する総合ファームとして、幅広い事業を展開しています。
今回はそんなDTCの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事ではデロイト トーマツ コンサルティングへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- DTCの仕事内容が気になる
- DTCの就職難易度を知りたい
- DTCの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、コンサル以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、DTCの就職難易度は、非常に高い難易度と考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、最高難易度といえるでしょう。
また、採用大学も難関国立大学・早慶上智が中心となっていますが、MARCH以上であれば採用実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として、独特なものが「ケース面接」と「論理的思考力の重視」になります。
特にケース面接に関しては他の企業でもメジャーですが、DTCでは特に高いレベルが求められるので、事前準備を進めたうえで説明会や面接に参加するようにしましょう。
また職種としては、コンサルタントとなっており、業務内容としては主にクライアント企業への課題解決支援に従事することになります。
商材は配属される部門によって異なりますが、戦略、IT、人事組織などの幅広い領域の取り扱いがメインになります。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
デロイト トーマツ コンサルティングについて
会社概要
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は、企業戦略・事業戦略策定、デジタルトランスフォーメーション（DX）、オペレーション改革を主な事業内容としている企業です。
DTCは、IoT時代におけるデジタル変革の実現を目指し、顧客のニーズに合わせた課題解決の提案を重視する「戦略から実行まで一貫したコンサルティングサービス」を採用しています。
総合コンサルティングファームとして、自社コンサルタントによる業界・機能に依存しない戦略を実施しており、顧客の事業成長を実現するための「価値創造」を目指しています。
DTCのビジネスモデルは、戦略コンサルティングに加え、デロイト トーマツ グループの監査・税務・ファイナンシャルアドバイザリーサービスと連携したワンストップソリューションにも力を入れています。
これらの事業は、顧客の多様なニーズに応えるための総合力戦略の一環として展開されており、国内市場における競争力を高めています。
さらに、DTCは海外市場にも進出しており、特に世界150ヵ国以上のデロイトネットワークを活用しています。
グローバル案件では年間約30％のプロジェクトを手がけており、グローバル市場での事業拡大を目指しています。
各事業別の売上規模
デロイト トーマツ グループ全体の2024年度の総業務収入は約3,627億円で、このうちDTCとデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー（DTFA）の合計業務収入は約1,932億円でした。
この売上は戦略コンサルティング事業、ITコンサルティング事業、人事組織コンサルティング事業、およびM&A支援事業からの収益によって構成されています。
各事業セグメントの解説
デロイト トーマツ コンサルティングの主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
|---|---|
| 戦略コンサルティング事業 | 企業戦略・事業戦略策定、新規事業開発、M&A戦略立案、組織改革支援、デジタル戦略の策定・実行支援 |
| ITコンサルティング事業 | デジタルトランスフォーメーション推進、システム導入支援、業務プロセス改善、データ分析・活用支援 |
| 人事組織コンサルティング事業 | 組織設計・人事制度改革、働き方改革推進、タレントマネジメント、リーダーシップ開発、企業文化変革 |
| リスク・ファイナンスコンサルティング事業 | リスクマネジメント、内部統制構築、CFOサービス、財務改革支援 |
普段イメージする経営コンサルとしてのDTCとは違い、IT・デジタル事業や人事組織事業など幅広く事業を展開していました。
またこれらのメイン事業セグメントは、DTCの多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、戦略コンサルティングから実行支援、デジタル変革、さらには海外市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
DTCで働いている社員は？
平均勤続年数は？
DTCの平均勤続年数は約5年です。
コンサルティング業界の平均勤続年数は約6年であることから、業界平均よりもやや短い職場といえるでしょう。
平均年収は？
2024年度のDTCの平均年収は、956万円でした。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均より大幅に高い水準となっています。
また、同じ「コンサルティング業」の上場企業平均年収は約800万円でした。
平均残業時間は？
DTCの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり59時間でした。
コンサルティング業で働く従業員の平均残業時間は約50時間のため、業界内では平均よりもやや多い残業時間といえます。
平均ボーナス額は？
DTCの平均ボーナス額は約200万円程度と推測できます。
理由は、コンサルティング業界では年収に占める賞与額の割合が約20-25%程度が一般的だからです。
あくまで参考程度にしておいてください。
また、DTCでは年1回（業績連動型）でボーナスが支給されます。
どんな文化なの？
DTCは、その独自の社風「メンバーファースト経営」を掲げています。
戦略コンサルティングを主軸に据えつつも、ITから人事組織、M&A支援に至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。
DTCは、個人の成長を会社の発展と捉え、自らの手で価値を創造し、成長の機会を無限に広げることを奨励しています。
ここでは、自分自身が主役となり、限界なく成長を遂げることができる環境が整っているので、主体的に仕事を進めたい人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しいコンサルティング業界の中でのDTCの立ち位置をご紹介します。
年収を参照し他社と比較してみても、DTCはトップクラスの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 戦略から実行まで一貫したサービス提供力
- BIG4ブランドによる信頼性
- グローバルネットワークの活用
戦略から実行まで一貫したサービス提供力
DTCは戦略立案に限定せず、デジタル変革支援、人事組織改革、M&A支援など多様なサービスラインを展開しています。
これにより、市場の変化に柔軟に対応し、付加価値の高いサービス提供を実現しています。
BIG4ブランドによる信頼性
DTCは世界4大会計事務所グループの一角として、グローバルスタンダードの品質とブランド力を持っています。
これにより、大企業からの信頼獲得と高単価案件の受注に寄与しています。
グローバルネットワークの活用
DTCは150ヵ国以上のデロイトネットワークを活用した国際的なプロジェクト展開が可能です。
特にグローバル案件は全体の約30％を占め、付加価値の高いサービス提供を実現しています。
以上の要素によりDTCはコンサルティング業界の中でもトップクラスの年収水準を生み出していると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
|---|---|---|---|
| DTC | 956万円 | 72 | 戦略的思考重視・成長志向 |
| PwCコンサルティング | 961万円 | 71 | チームワーク重視・長期視点 |
| KPMGコンサルティング | 865万円 | 69 | 少数精鋭・挑戦的環境 |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 812万円 | 68 | ベンチャー的・若手裁量大 |
DTCの新卒募集要項について
以下にDTCの新卒募集要項についてまとめました。
新卒1年目から580万円超の年収が設定されている点や、福利厚生がかなり整っている点は非常に魅力的です。
また研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、年次毎や役職毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実していると言えます。
転勤については、グローバル案件への参画機会があるため可能性はあります。気になる方は面接や説明会などの際に確認をしましょう。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 給与（2025年入社初任給実績） |
|
| 賞与 | 年1回（業績連動型）個人・プロジェクト・全社業績に基づく評価 |
| 研修制度 | 新入社員研修、新入社員フォロー研修、各種スキルアップ研修、グローバル研修、MBA支援制度など |
| 福利厚生 | 各種保険完備（雇用・労災・健康・厚生年金）、従業員持株会制度、産休・育休制度、学業支援金制度（子供の学業費支援）、育児・介護支援制度、シッター費補助制度、その他 |
求める人材
DTCでは求める人材として下記のものを公表しています。グローバルファームの1つであるため、他のBIG4でも共通になっている可能性が高いです。
- 論理的思考力
- 英語力（実用レベル）
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ経験
- 継続的学習意欲
論理的思考力
複雑な課題を構造化して整理し、MECE（漏れなく重複なく）な思考で根拠に基づいた論理的な結論を導く能力で、長期にわたる信頼関係を築きます。
英語力（実用レベル）
TOEIC800点以上を目標水準とし、グローバル案件への参画意欲を持ち、国際的な環境での協働を実現するための手助けをします。
コミュニケーション能力
多様なステークホルダーとの建設的な議論を通じて、あらゆる業務における「質・コスト・時間」の改善と、組織・個人の成長にリスクを恐れず挑戦します。
リーダーシップ経験
チームを率いて具体的な成果を創出し、常に正しい行動かどうか考え、行動・結果に責任をもちます。
継続的学習意欲
多様性を重視し、お互いに感謝と敬意の気持ちを忘れずに、働きがいのある職場環境をつくります。
以上の5つはDTCの採用メッセージの『戦略的思考力と英語力を兼ね備え、長期的なキャリア成長を最優先に考える学生』につながっていきます。
エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
DTCの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、ケース面接や論理的思考力をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①エントリーシート提出
マイナビ経由でのWeb提出で、基本的な設問（志望動機、学生時代に力を入れたこと、長所・短所等）について回答し、Web上で入力し送信して終了です。
②Webテスト（SPI）
DTCのWebテストではSPIが実施されます。
選考参加を希望される方は事前にしっかりと対策を行い、DTCとミスマッチがないのかを深掘りをしていきます。
- 言語・非言語・英語
- 性格診断
といったように、基本的なSPIの内容が実施されるようです。
Webテストを受験することになりますので、参加する前に準備して臨んでください。
以下に参考になる記事を紹介します。
③一次面接
DTCでは一人ひとりを深く知るため、最初の面接から学生1：社員2で実施されます。
面接では自己紹介や志望理由、コンサルティング業界を選んだ理由などが聞かれますので、自分の答えを見つけておきましょう。
一次面接は20～30分程度Web面接で行われます。
和やかな雰囲気の中、キャリアプランやエントリーシートに記載した事項とその他についての回答が求められます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 志望動機の深掘り
- 学生時代に力を入れたこと
- 長所・短所について
- なぜコンサルティング業界なのか
- 10年後のキャリアビジョン
④二次面接＋ケース面接
DTCでは、新卒社員にとって「論理的思考力があるか」を最も重要視して面接を実施します。
二次面接ではケース面接が含まれ、5分程度の考える時間が与えられた後、面接官との議論形式で進行されます。
二次面接は30分程度Web面接で行われます。行動面接と併せて、ケース面接での論理的思考力や構造化能力について深く確認がされます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度はどのくらいか
- 売上向上の施策立案（ケース面接）
- 業界分析・市場規模推定（ケース面接）
- 困難を乗り越えた経験
⑤最終面接
最終面接では、学生1人とパートナークラスの面接官1人で30～40分程度Web面接で行われます。志望動機の深掘りや将来のキャリアビジョン、入社意欲について深く確認がされます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機の最終確認
- 入社後の貢献方法
- 将来のキャリアビジョン
- DTCで実現したいこと
- 最終的な入社意欲
最終になるにつれて質問が深掘りされたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際にコンサルタントとして働いている姿を想定したり、実際にDTCの案件について調べるなどしてイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑥内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
DTCの採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターは存在するものの絶対的なものではないと考えます。
| ＜大学院＞ 東京大学、神戸大学、法政大学 ＜大学＞ 慶應義塾大学、早稲田大学、東京大学、一橋大学、京都大学、青山学院大学、上智大学、中央大学、明治大学、立教大学、法政大学、北海道大学 |
上記には偏差値が高い大学が多く採用大学にありますが、DTCは難関大学からの就活生を中心に採用しています。
よって学歴が選考に影響する可能性は高いですが、MARCH以上であれば採用実績があります。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、DTCの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は非常に高いといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローとしてケース面接など高度なスキルが必要
- 採用大学を見る範囲では学歴フィルターが存在する
- 新卒初年度から580万円超の高年収である
よって、頻出質問である「ケース面接対策」や「論理的思考力の向上」など専門的な事項をしっかりと対策をしていれば、内定獲得の可能性は十分にあります。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください！
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
DTCは、コンサルティング業界に属する企業で、戦略立案から実行まで一貫したサービス提供を主事業としており、顧客ニーズに合わせた「価値創造」や「成長支援」を目指しています。
DTCはコンサルティング業界の中でもレベルが高い企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
しかし学歴を絶対視する企業ではないので、適切な対策により内定獲得のチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。
