【企業分析】キーエンスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
株式会社キーエンスは大阪府大阪市東淀川区に本社を置く、ファクトリーオートメーション(FA)関連の精密機器メーカーです。
1974年創業のファブレス企業として、センサ・測定器・画像処理機器など「今まで世の中になかった」高付加価値製品の開発・販売を手がけ、現在では世界46ヵ国250拠点から35万社のものづくりに貢献しています。
今回はそんなキーエンスの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では株式会社キーエンスへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- キーエンスの事業内容が気になる
- キーエンスの就職難易度を知りたい
- キーエンスの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、精密機器・FA以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、キーエンスの就職難易度は、最高レベルの難易度と考えています。
高年収で知られるキーエンスは毎年大変な人気を集める企業です。年間300~400名規模の新卒採用を実施しており、競争は激しいものの門戸が極端に狭いわけではありません。
また、採用大学も幅広い偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として、独特なものが「説得面接」と「20秒自己PR」になります。
特に説得面接に関しては他の企業でメジャーなものではないので、事前準備を進めたうえで説明会に参加するようにしましょう。
また職種としては、営業職が中心となっており、業務内容としては主に顧客への提案営業に従事することになります。
商材はFA関連機器の取り扱いがメインになります。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
株式会社キーエンスについて

会社概要
株式会社キーエンスは、センサ、測定器、画像処理機器、制御・計測機器、研究・開発用解析機器、ビジネス情報機器の開発・製造・販売を主な事業内容としている企業です。
キーエンスグループは、付加価値の創造を企業の存在意義とし、今まで世の中になかった商品の提供を通じて顧客の課題を解決することにこだわり続けています。
精密機器メーカーとして、ファブレス経営によるメーカーや代理店に依存しない直販戦略を実施しており、顧客の生産性向上のための「課題解決型営業」を目指しています。
キーエンスのビジネスモデルは、FA(ファクトリーオートメーション)関連機器の開発・販売事業に加え、世界46ヵ国250拠点からのグローバル展開により、35万社のものづくり企業に革新的なソリューションを提供しています。
これらの事業は、製造業の自動化・効率化ニーズに応えるための戦略の一環として展開されており、国内外市場における競争力を高めています。
さらに、キーエンスは技術革新にも力を入れており、特に新商品の約7割が「世界初」「業界初」として市場投入されています。
各事業別の売上規模
株式会社キーエンスの2025年3月期の総売上高は1兆591億円で、純利益は3,986億円でした。
この売上は主にFA関連機器の開発・販売事業からの収益によって構成されています。
地域別の売上高は以下の通りです。
- 国内売上:3,727億円(35.2%)
- 海外売上:6,863億円(64.8%)
各事業セグメントの解説
株式会社キーエンスの主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
|---|---|
| センサ事業 | 光電センサ、近接センサ、圧力センサなど各種センサの開発・製造・販売 |
| 測定器事業 | 三次元測定器、画像寸法測定システム、表面粗さ・輪郭形状測定機など |
| 画像処理機器事業 | 画像処理システム、バーコードリーダ、レーザマーカなど |
| 制御・計測機器事業 | プログラマブルロジックコントローラ、タッチパネル、データロガーなど |
| 研究・開発用解析機器事業 | デジタルマイクロスコープ、X線透視装置、表面分析装置など |
| ビジネス情報機器事業 | ハンディターミナル、モバイルプリンタなど |
これらの幅広い製品ラインナップにより、キーエンスは製造業のあらゆる工程における自動化・効率化ニーズに対応しています。
特に、ファブレス経営と直販体制により、営業利益率約52%という異例の高収益を実現しており、これが同社の強力な競争優位性となっています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
キーエンスで働いている社員は?
平均勤続年数は?
キーエンスの平均勤続年数は12.1年です。
精密機器業界の平均勤続年数は15.8年であることから、業界平均よりもやや社員の出入りが多い職場といえるでしょう。
平均年収は?
2025年3月期のキーエンスの平均年収は、2,039万円でした。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均よりも大幅に高い水準となっています。
また、同じ「精密機器業」の上場企業平均年収は約850万円でした。
平均残業時間は?
キーエンスの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり約30時間でした。
製造業で働く従業員の平均残業時間は16.4時間のため、業界内では平均よりも多い残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
インターネット上の情報だけでは分かりませんでした。
しかし、キーエンスの平均年収から、キーエンスの平均ボーナス額は800万円程度と推測できます。
理由は、国税庁の民間給与実態統計調査によると、平均給与に占める賞与額の割合は約16%だからです。
あくまで参考程度にしておいてください。
また、キーエンスは年に3月と6月と9月と12月の合計4回ボーナスが支給されます。
どんな文化なの?
キーエンスは、その独自の社風「成果主義」を掲げています。
FA機器の販売を主軸に据えつつも、営業から開発、マーケティング、本部でのサポート業務に至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。
キーエンスは、個人の成果を会社の発展と捉え、高い目標設定を受け入れ、継続的に結果を出すことを奨励しています。
ここでは、成果に応じた報酬を重視し、継続的な学習と成長を遂げることができる環境が整っているので、高い成果目標に挑戦することにやりがいを感じる人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい精密機器業界の中でのキーエンスの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、キーエンスはトップクラスの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- ファブレス経営による高収益構造
- 直販体制による顧客密着営業
- 世界初・業界初商品の継続的投入
ファブレス経営による高収益構造
キーエンスは工場を持たない「ファブレス経営」により、巨額の製造設備投資を回避し、開発・販売に経営資源を集中投下しています。
これにより、変動費化により景気変動リスクを最小化し、営業利益率約52%という異例の高収益を実現しています。
直販体制による顧客密着営業
キーエンスは代理店を介さず営業担当者が直接販売することで、販売手数料削減以上に重要な「顧客の生の声を即座に製品開発に反映する仕組み」を構築しています。
これにより、新しい市場への進出や既存事業の拡大を図り、売上の増加に寄与しています。
世界初・業界初商品の継続的投入
キーエンスは新商品の約7割が「世界初」「業界初」として市場投入されており、先行者利益の確保により高価格戦略を実現しています。
特に、技術的優位性による競合不在市場での価格主導権が、高収益の源泉となっています。
以上の要素によりキーエンスは精密機器業界の中でもトップクラスの売上高を生み出していると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2025年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
|---|---|---|---|---|
| キーエンス | 1兆591億円 | 2,039万円 | 70 | 成果主義の社風 |
| ファナック | 7,971億円 | 1,238万円 | 65 | 技術重視の社風 |
| オムロン | 8,017億円 | 874万円 | 60 | チャレンジ志向の社風 |
| 横河電機 | 5,624億円 | 927万円 | 58 | グローバル志向の社風 |
キーエンスの新卒募集要項について
以下にキーエンスの新卒募集要項についてまとめました。
基本給については大阪勤務の場合、学部卒で月28万円、修士了で月30万円(地域住宅補助3万円含む)となっており、業界内では高水準です。
また賞与に関しても毎月の業績賞与に加え、年4回の四半期賞与という独特な制度となっています。
研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、継続的な成長支援プログラムがあり、かなり充実していると言えます。
転勤については、全国・海外の可能性があるため、グローバルな環境での成長を望む方には適した環境と言えるでしょう。
ただし成果主義の厳しい環境でもあるので、高いモチベーションと継続的な学習意欲が求められます。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 営業職 業務内容:FA関連機器の提案営業 |
| 給与(2025年4月入社 初任給実績) | 学部卒:280,000円・修士了:300,000円(大阪勤務・独身の場合、地域住宅補助30,000円含む) 備考:残業手当、交通費、各種業績手当等別途支給 |
| 賞与 | 毎月の業績賞与+年4回(3月、6月、9月、12月)四半期業績に基づき支給 |
| 研修制度 | 新入社員研修、継続的な成長支援プログラム、マネジメント研修など |
| 福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、社員持株会、地域住宅補助、借上社宅制度、産休育休制度、その他 |
求める人材

株式会社キーエンスでは求める人材として下記のものを公表しています。ただし、具体的な人物像や選考基準については「皆さんのありのままの姿を見せていただきたい」として詳細を公開していません。
- 論理的思考力
- 課題解決能力
- 高い成果志向
- コミュニケーション能力
- 継続的学習意欲
論理的思考力
限られた時間で筋道立てた説得を展開する構成力や、相手の固定観念を覆すほどの論理的思考力を築きます。
課題解決能力
顧客の潜在課題を発見し、革新的な解決策を提示する営業力を実現するための手助けをします。
高い成果志向
高い目標設定を受け入れ、継続的に結果を出す意欲と、プレッシャーを活力に変える精神的強さでリスクを恐れず挑戦します。
コミュニケーション能力
相手の価値観に合わせて最適な切り口を選択する戦略的思考力と、限られた時間で相手の行動変容を促す説得技術をもちます。
継続的学習意欲
多様性を重視し、お互いに感謝と敬意の気持ちを忘れずに、働きがいのある職場環境をつくります。
以上の5つはキーエンスの採用方針の『ありのままの姿を見せていただきたい』につながっていきます。
エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
キーエンスの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、営業適性をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①説明会参加・20秒自己PR
キーエンス公式サイトより説明会に申し込み参加を行います。
説明会終了後、人事担当者の前で20秒間の自己PRを実施します。通過者には数日後に電話連絡があります。
②一次面接(説得面接含む)
キーエンスでは営業適性を測るため、通常面接に加えて「説得面接」が実施されます。
通常面接では自己紹介や志望理由、学生時代の経験などが聞かれますので、自分の答えを見つけておきましょう。
説得面接では約3分間で指定されたテーマについて面接官を説得することが求められます。これはキーエンス独自の選考手法で、営業職に不可欠な能力を評価します。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 「私はパン派ですが、お米派に変えてください」
- 「私は数字が苦手ですが、克服法を提示してください」
- 「私はミーティングが嫌いです。好きになるよう説得してください」
- 自己紹介、志望理由について
③Webテスト
キーエンスの選考に進むためのWebテストです。
一般的なSPI形式の適性検査に取り組みます。基本的な対策で十分ですが、確実に通過するための準備は必要です。
- 言語問題
- 非言語問題
- 性格検査
- 一般常識
といったように、基本的なことを問われるようです。
以下のページもぜひ参考にしてください!
④二次面接
キーエンスでは、新卒社員にとって「成長できる場になり得るのか」を最も重要視して面接を実施します。
別日に詳細な説明会への参加が必要です。性格・言語・非言語の筆記試験も実施されます。
面接では人柄や価値観について深掘りされ、入社に対する理由や熱意について深く確認がされます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機について詳しく
- 他社の選考状況について
- キーエンスでやりたいこと
- 成果主義についてどう思うか
- 困難を乗り越えた経験
- 将来のキャリアプラン
⑤最終面接
人事担当者との1対1の面接です。他社の選考状況や志望理由について詳しく質問されます。入社意思の強さも重要な評価ポイントとなります。
最終面接では、学生1人と人事部長の面接官1人で40分程度実施されます。入社に対する理由や熱意について深く確認がされます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度はどのくらいか
- キーエンスで実現したいこと
- 成果主義への適応性
- 入社後にどんな貢献ができるか
- なぜこの業界、この会社なのか
最終になるにつれて質問が深掘りされたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際に営業として働いている姿を想定したり、実際に顧客企業について調べるなどしてイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑥内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
キーエンスの採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えます。
| <大学院> 大阪大学、九州大学、京都大学、筑波大学、東北大学、東京大学、北海道大学 <大学> 青山学院大学、大阪大学、九州大学、京都大学、慶應義塾大学、甲南大学、駒澤大学、近畿大学、専修大学、同志社大学、東京理科大学、東洋大学、北海道大学、立命館大学、早稲田大学、関西学院大学、関西大学、神戸大学、広島大学 |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、キーエンスは多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、キーエンスの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は最高レベルといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 平均年収2,039万円という圧倒的な高年収による人気
- 説得面接という独特な選考プロセス
- 高い成果目標が求められる厳しい環境
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策をしていれば、十分に内定を狙えるでしょう。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
キーエンスは、精密機器業界・FA業界に属する企業で、センサや測定器の開発・販売を主事業としており、顧客ニーズに合わせた「課題解決型営業」や「成果主義」を目指しています。
キーエンスは精密機器業界の中でもレベルが高い企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
しかし学歴重視をする企業ではないので、全員に等しくチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。









