【企業分析】INPEXの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/6/22更新
はじめに
株式会社INPEXは、東京都港区に本社を置くエネルギー業界のリーディングカンパニーです。
石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を主な事業とし、世界約20カ国でプロジェクトを展開しています。
また、近年では再生可能エネルギーやネットゼロカーボン事業にも注力しています。
今回は、INPEXの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介します。
この記事では、INPEXへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- INPEXの仕事内容が気になる
- INPEXの就職難易度を知りたい
- INPEXの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、石油・天然ガス開発以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、INPEXの就職難易度は非常に高いと考えられます。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、INPEXの就職難易度は高く、有名企業427社の中で16位にランクインしています。
また、採用大学も東京大学をはじめとする有名大学が多いですが、全国各地の大学からも採用実績があるため、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります
次の章から各内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
INPEXについて
出典元:INPEX
会社概要
INPEXは、2006年に国際石油開発と帝国石油が統合して設立されました。
本社は東京都港区赤坂に位置し、資本金は2,908億円です。
従業員数は単体で1,384人、連結で3,531人です。
INPEXの主な事業は、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売です。特にオーストラリアのイクシスLNGプロジェクトやアブダビの油田プロジェクトなど、大型プロジェクトを推進しています。
また、再生可能エネルギーやネットゼロカーボン事業にも力を入れており、クリーンエネルギー技術の開発やCCS/CCUS(水素事業)などの先進技術の研究開発を行っています
各事業別の売上規模
株式会社INPEXの2023年度第2四半期の総売上高は1兆787億円で、親会社株主に帰属する純利益は2,542億円でした。
この売上は石油・天然ガス事業およびネットゼロ事業からの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- 石油・天然ガス事業
売上高は1兆787億円で、前年同期比1.8%減。経常利益は696,485百万円で、11.2%増となりました。 - ネットゼロ事業
240億1400万円で、前年同期比18.4%増。経常利益は9億2500万円で、12.2%増となりました。
各事業セグメントの解説
INPEXの主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
石油・天然ガス事業業 | 石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を行い、エネルギーの安定供給を実現しています。主なプロジェクトには、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトやアブダビの油田プロジェクトが含まれます。 |
ネットゼロ事業 | 再生可能エネルギーの開発や炭素回収・利用・貯蔵(CCUS)技術への投資を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献しています。具体的には、新潟県柏崎市でのブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験や、豪州Enel Green Power Australiaの株式取得などが含まれます。 |
普段イメージするエネルギー企業としてのINPEXとは違い、ネットゼロ事業などの新興事業セグメントは、INPEXの多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、石油・天然ガスから再生可能エネルギー、CCUS技術、さらには海外市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
INPEXで働いている社員は?
平均勤続年数は?
INPEXの平均勤続年数は13.1年です。
エネルギー業界の平均勤続年数は15.2年であることから、業界平均といえるでしょう。
平均年収は?
2023年度のINPEXの平均年収は、1,117万円でした。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均よりも非常に高い水準となっています。
また、同じ「エネルギー業界」の上場企業平均年収は約800万円でした。
平均残業時間は?
INPEXの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり22.9時間でした。
エネルギー業界で働く従業員の平均残業時間は20時間のため、業界内では平均よりもやや多い残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
インターネット上の情報だけでは分かりませんでした。
しかし、INPEXの平均年収から、INPEXの平均ボーナス額は約179万円程度と推測可能です。
理由は、国税庁の民間給与実態統計調査によると、平均給与に占める賞与額の割合は約16%だからです。
あくまで参考程度にしておいてください。
また、INPEXは年に6月と12月の合計2回ボーナスが支給されます。
どんな文化なの?
INPEXは、その独自の社風「挑戦と成長」を掲げています。
エネルギーの開発を主軸に据えつつも、再生可能エネルギーやネットゼロ事業など、多岐にわたるキャリアパスを実現できるでしょう。
INPEXは、個人の成長を会社の発展と捉え、自らの手で仕事を創造し、成長の機会を無限に広げることを奨励しています。
ここでは、自分自身が主役となり、限界なく成長を遂げることができる環境が整っているので、主体的に仕事を進めたい人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しいエネルギー業界の中でのINPEXの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、INPEXは売上が低い企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 石油精製・販売事業を持たない
ENEOSや出光興産、コスモエネルギーホールディングスは石油精製・販売事業を持ち、川下の事業で安定的な収益を上げています。一方、INPEXは上流の探鉱・開発・生産に特化しているため、原油価格の変動の影響を大きく受けやすい構造になっています。 - 再生可能エネルギー事業への取り組みが遅れている
ENEOSは風力発電で国内3位のシェアを持ち、コスモエネルギーホールディングスも風力発電に力を入れています。一方、INPEXの再生可能エネルギー事業はまだ小規模にとどまっています。 - 石油化学事業を持たない
出光興産は石油化学事業を持ち、高機能材料などの分野で競争力を持っています。INPEXにはこうした石油化学部門がなく、事業の多角化という点で劣後しています。
以上の要素によりINPEXはエネルギー業界の中でも低い売上と考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2022年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
INPEX | 2兆3246億円 | 1,117万円 | 63 | 挑戦と成長を重視する社風 |
ENEOS (JXTGホールディングス) | 15兆166億円 | 993万円 | 60 | 安定と革新を両立する社風 |
出光興産 | 9兆4563億円 | 850万円 | 58 | 協調性とチームワークを重視する社風 |
コスモエネルギーホールディングス | 3兆円 | 800万円 | 57 | 挑戦と革新を重視する社風 |
INPEXの新卒募集要項について
以下にINPEXの新卒募集要項についてまとめました。INPEXはエネルギー業界のリーディングカンパニーとして、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を行っています。
福利厚生や研修制度も充実しており、社員の成長と働きやすさを重視しています。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 技術総合職 ビジネス総合職 |
給与(2023年4月入社 初任給実績) | 修士卒:256,921円 大卒:237,691円 備考:残業手当、交通費、各種役職手当等別途支給 |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
研修制度 | 新入社員研修新入社員フォロー研修、リーダー候補者研修、マネージャー研修、海外研修 |
福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)従業員持株会制度、産休育休制度、在宅勤務制度、保育所代等補助、、ジョブリターン制度 |
求める人材
INPEXでは、以下のような人材を求めています。
多様性の尊重
INPEXは、グローバル企業として多様な価値観を持つ人材の確保に取り組んでいます。多様性を重視し、お互いを尊重し合える人材を求めています。
主体性と挑戦心
現状に満足することなく、常に改善を心がけ、新しいことにも果敢に挑戦する姿勢を持つ人材を求めています。主体的に考え、行動し、結果に責任を持てる人材が望ましいとされています。
スピード感
エネルギー業界は変化が激しいため、スピード感を持って対応できる人材が求められています。ニーズを的確に捉え、迅速に対応できる能力が重要視されています。
持続可能な社会への貢献意識
INPEXは、エネルギーの安定供給と環境への配慮の両立を目指しています。持続可能な社会の実現に向けて、貢献意識を持つ人材が求められています
敬意
多様性を重視し、お互いに感謝と敬意の気持ちを忘れずに、働きがいのある職場環境をつくります
競合他社であるJAPEX(石油資源開発)も、国内外での事業展開を行う総合エネルギー企業として、グローバルな視点と多様性の尊重、主体性と挑戦心、スピード感のある人材を求めていると考えられます。
両社とも、エネルギー安全保障と環境問題への対応が課題となっており、それらに取り組む人材が重要視されています。
新卒採用のフロー
INPEXの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されています。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
INPEX公式サイトの新卒エントリーボタンより必要事項を入力し登録を行います。エントリーシートでは志望動機や自己PR、長所と短所などの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。
②会社説明会、エントリーシート(ES)
INPEXのイメージを具体的に理解するための会社説明会です。
選考参加を希望される方はエントリーシートに取り組み、INPEXとミスマッチがないのかを深堀をしていきます。
また、同じタイミングでESを指定の用紙に手で記入します。
質問事項は以下の通りです
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- INPEXに興味を持ったところ
会社説明会で書くことになりますので、参加する前に準備して臨んでください。
③一次面接+性格診断(SPI)
INPEXでは一人ひとりを深く知るため、最初の面接から学生1:社員1で実施されます。
面接では自己紹介や志望理由、エネルギー業界を選んだ理由などが聞かれますので自分の答えを見つけておきましょう。
一次面接は30分程度オンラインで行われます。
和やかな雰囲気の中、キャリアプランやESに記載した事項とその他についての回答が求められます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 会社説明会に参加してどう思ったか
- 他人に自分のことをどういわれるか
- 自分を何色に例えますか?
- 10年後何になりたいですか?
以下のページもぜひ参考にしてください!
④複数回面接(2次面接)
INPEXでは、新卒社員にとって「成長できる場になり得るのか」を最も重要視して面接を実施します。
個々に合わせて選考を行うため、回数はその方によって異なります。
最終面接は、学生1人と人事部長の面接官1人で40分程度オンラインで行われます。自己PRなどの一般的な質問の他に、入社に対する理由や熱意について深く確認がされます。
以下に口コミのあった質問事項を紹介します
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度はどのくらいか
- ガクチカ
- 入社後にどんな風に貢献できるか
- なぜこの業界、この会社なのか
最終になるにつれて質問が深堀されたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際に現場で働いている姿を想定したり、実際に店舗にいくなどしてイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
INPEXの採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えます。
<大学院> 東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、北海道大学、慶應義塾大学、早稲田大学 <大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、北海道大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京工業大学、一橋大学、神戸大学、筑波大学、横浜国立大学、千葉大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、、法政大学 |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、INPEXは多様な学生層からの応募者を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、INPEXの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は非常に高いといえるでしょう。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローが厳しい
INPEXの採用フローは、エントリーシート、各種セミナー、職種登録、適性検査、複数回の面接といった複数のステップを含む厳しいプロセスです - 採用大学のレベルが高い
INPEXの採用大学には、東京大学や京都大学などの難関大学が多く含まれており、学歴フィルターが存在する可能性があります - 給与や福利厚生が非常に良い
INPEXの平均年収は約926万円と非常に高く、福利厚生も充実しているため、競争が激しいです
就職偏差値も高いため企業研究や自己分析、面接対策など、どれも徹底して対策を練る必要があります。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
INPEXは、エネルギー業界の中では売上の低い企業でありますが、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を中心に、再生可能エネルギーやCCUS技術の開発にも注力しています。
競合他社であるENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングスも同様にエネルギー分野での事業を展開しており、それぞれの企業が持つ強みを活かして市場での競争力を高めています。
INPEXへの就職を目指す場合、企業研究をしっかり行い、エントリーシートや面接対策を万全にして臨むことが重要です。
特に、志望動機や将来のキャリアプランを明確にし、企業の求める人材像に合致することをアピールすることが求められます。