
【10分で分かる】メーカー業界の概要と人気業界|食品・化粧品・自動車・製薬
2020年8月8日更新
はじめに
就活生であるなら「メーカー」という言葉を一度は耳にしているはず。
しかし、詳しく説明を求められると、
困ってしまう方も多いのではないでしょうか?
言わずもがな、物を作る業界である「メーカー業界」は、
言葉を変えれば製造業とも言われており、
物で溢れる21世紀には欠かせない業界となっています。
今回は「メーカー業界」を一から詳しく説明し、
就活までに把握しておきたい情報についてご紹介します。
業界研究の上では欠かせないメーカー業界。
あとあと恥をかかないためにも、
今のうちにしっかりと把握しておきましょう。
(そもそも業界研究の仕方は?って方はこちら)
1.メーカー業界とは
モノを作る業界であるメーカー業界は、
作っている製品の分野ごとに
・自動車メーカー
・鉄鋼メーカー
・食品メーカー
など、様々な種類に分けられています。
製造業は日本のGDP(国内総生産)の二割を占める基幹産業であり、
日本の優れたモノづくりの技術が、日本の産業や文化の発展を支えてきました。
今現在も、このような伝統を後世に伝えるべく、
政府手動で様々な政策や制度を通し、
“モノづくり日本”のさらなる復興を目指しています。
製造現場では、生産工場の海外展開が増える一方、
本部機能は国内拠点に集約するなど、
海外拠点と国内拠点の役割の明確を進める企業も多いです。
また「メーカー業界」全体がIoTやAI、デジタル化によって大きな変革期を迎えており、この後もさらなる事業の拡大が予測されています。
2.メーカーの仕組みと分類
モノを作るには様々な過程が発生します。
良い例として自動車が挙げられ、例えば
素材である鉄を作るメーカー、
鉄でボディやパーツを作るメーカー、
それを組み立てるメーカーなど、
自動車と一口に言っても、様々なメーカーが製造して従事することにより、
自動車という一つの製品が出来上がります。
そのため、
自分が目指したいメーカー業界は、製造の流れにおけるどの部分に該当するのか、しっかり把握しておかないと、あとあと
「あれ、想像していたのと何か違う」
なんて事態になりかねません。
「メーカー業界」を大きく構成する
「製造」と「顧客」の2つに焦点を絞り、さらに細かく分類していきます。
2-1.製造
◯素材メーカー
素材メーカーは加工メーカーよりも自社製品そのものが注目されることが多くないため、一般の人々にはあまり馴染みがないかもしれません。
しかし多様な産業を支えることができるのが素材メーカーで、
質の高い素材があってこそ、加工メーカーが便利な製品を作り出すことができます。
主な種類は鉄鋼、非鉄金属、紙・パルブ、繊維、無機材質、化学などのメーカーが挙げられます。
◯加工組立メーカー
加工組立メーカーはライン作業によってそれぞれの部品を組み立てたり、
加工したりして一つの製品を完成させます。
加工作業や部品の組み立て作業はモノづくりにおいてかかせない仕事です。
業種は非常に多く、
車やモーターの輸送用機械器具、携帯電話やパソコンの情報通信機械器具、
電子部品・デバイス、食料、飲料、アパレルなどが挙げられます。
◯自社生産・加工メーカー
自社生産・加工メーカーは素材となる原料の開発や研究から、
加工して商品にするまでを全て自社で一貫して行うメーカーです。
最近では上記に加えて、小売りまで一貫して生産を行う企業も多く出てきました。
化粧品や医薬品が挙げられます。
2-2.顧客
さらに、製造された製品は
企業向け(B to B)なのか、一般消費者向け(B to C)なのか、
対象とする顧客によって2つに大別されます。
この二つにも特徴があり、
一般的に就活生からの応募が集まりやすいと言われるのは
BtoC製品を扱うメーカーであると言われています。
これは学生への認知度の高さに由来しているものですが、
日本にはBtoBにも優れた企業があるという事実も、
把握しておいて損はないでしょう。
◯BtoB
鉄鋼、非鉄金属、ガラス、セメント、繊維科学、電線、精密機器、工作機械、産業用ロボット、建設機械、半導体、電子部品
◯BtoC
食品、清涼飲料・アルコール、化粧品、トイレタリー、自動車、アパレル、家具・家電・生活雑貨、文具、おもちゃ、ペット用品、スポーツ関連、育児関連
3.人気のメーカー業界① 食品メーカー
実はこの「メーカー業界」は、
就活生の志望先として大人気です。
「とりあえず聞いたことあるし、志望してみようかな」
と考える就活生も多いのではないでしょうか。
この章では業界の中でも特に人気の高い食品・化粧品・自動車・製薬に絞り、業界内の概要、特徴、主要企業、求められる能力を
就活生にわかりやすく説明していきます。
まずは、食品メーカーから見ていきます。
[概要]
生鮮物などの原材料を購入し、工場などでそれらを用いて食品・飲料の製造を行い、製造した製品を販売することで収益を得るものをいいます。
[特徴]
原材料・半製品・製品が生ものであるという点が最大の特徴。
これを踏まえてさらに特徴を挙げると、生産数量が原料の豊凶に左右されることや安全性が厳密に求められることが挙げられます。
[主要企業]
日本ハム、明治ホールディング、味の素など
[食品メーカーに向いている人]
まずは食が好きであること。幅広い食への興味は、新商品の企画やマーケティングなど仕事を進めるうえで重要な要素となります。
そして、ただ食が好きというだけではなく「食を人々に届けたい」という想いがあることが何より大切です。
なぜなら、食品メーカーは「おいしい食を安全に届けること」を使命としているからです。
食への情熱はもちろんですが、何よりもそれらを受け取る消費者への想いを持てる人であることも重要でしょう。
また、誠実な人物であることも重要です。
食品業界は一回の不祥事だけでも大きく信頼を損ねてしまう業界です。
だからこそ、安心や安全を常に意識し真摯に仕事に向き合える誠実な人が食品メーカーには向いているといえるでしょう。
4.人気のメーカー業界② 化粧品メーカー
化粧品の開発、製造、販売などを手掛ける企業を指します。
化粧品の種類はスキンケア化粧品からボディケア化粧品まで様々です。
[特徴]
化粧品メーカーは大手企業であれば、
材料の研究や開発から商品企画、工場での製造、
ブランドイメージの確立、販路の開拓までといったすべての工程を
自社で手がける点が最大の特徴です。
また、海外進出やECへ積極的な動きを見せていることも特徴として挙げられます。
[主要企業]
資生堂、花王、コーセーなど
[化粧品メーカーに向いている人]
化粧品メーカーに向いている人は、
まず大前提として化粧品やメイク、美容が好きだという人でしょう。
そしてその中でも、自社製品だけではなく
世の中の様々な化粧品やメイクなど、トレンドに対して
高いアンテナを張れる人が化粧品メーカーには求められています。
また、化粧品メーカー社員には
「人の美に貢献したい」という気持ちも求められます。
こうした想いを持っているからこそ、消費者側の目線に立つことができ、
そのニーズに敏感に気づくことができます。
そして、強い責任感と使命感を持てる人も重要です。
食品と同様に、安心と安全が強く求められる化粧品業界においては、
日頃から業務に対して責任をもって向き合うことが求められます。
一見華やかに見える化粧品業界ですが、
求められるのは誠実な人柄と真摯に物事に取り組む姿勢だといえます。
5.人気のメーカー業界③ 自動車メーカー
自動車メーカーは、自動車の新規開発とエンジンなどの中核パーツを製造を行います。
一方で、多くの下請け業者からの部品供給を受けて、
自動車を組み立てることが主な内容になります。
[特徴]
素材メーカーから販売・サービス、金融まで関連する業界が多く、
グローバル展開もしていることから、各国の景気に大きな影響を及ぼす業界であることが特徴です。
[主要企業]
トヨタ、日産、松田など
[自動車メーカーに向いている人]
自動車業界は日本が誇る「ものづくり」の頂点ともいえる業界です。
その中心である自動車メーカーでは社員として、
人々の暮らしや社会を変える「ものづくり」への使命感や誇りを持つことが
求められます。
「ものづくり」にとことん携わりたいという人は自動車メーカーに向いているといえます。
また、自動車メーカーにはマーケティングから経理まで
様々な仕事があるのが特徴です。
理系で入社する人は専門職となるのが一般ですが、
文系の場合だと数年間で幾つもの部署を経験するケースがほとんど。
そのため自動車メーカーの社員には、自動車メーカー自体に興味を持ち、
様々な業務に対して積極的に取り組めることが重要になります。
さらに自動車メーカーに求められるのは、
チームで協力して目標に取り組める人でもあります。
自動車メーカーのほとんどは大企業であり、
社内では企画から生産に至るまで様々な人と連携してプロジェクトを進める必要があります。
チームプレイが得意な人は自動車メーカーに向いているでしょう。
6.人気のメーカー業界④ 製薬メーカー
製薬メーカーは医薬品の製造・販売が主な内容になります。
[特徴]
製薬メーカーは潰れる可能性がほとんどない、
安定した企業であることが最大の特徴です。
一方で近年の製薬業界は合併や統合、買収などの業界再編が顕著になっており、
就職活動の際は企業の財務状況や市場動向のチェックは重要だと考えられます。
[主要企業]
武田、アステラス、第一三共など
[製薬メーカーに向いている人]
まず、製薬メーカーでは医薬品に関する知識は必ず必要になります。
そして研究職・開発職は理系の出身でなければ採用されません。
製品の情報提供や販売をするMRの場合は文系採用もありますが、
出身学部に関係なく入社後に医薬品の勉強は必須となります。
「医学」「薬学」や「農学」の分野との結びつきが強いので、
こちらの分野に興味がある人にはやりがいのある仕事だといえます。
そして製薬メーカーは何よりも人の命に関わるので、
真面目さといった面を強く求められます。
一つのミスが重大な問題に繋がる製薬メーカーでは、
何よりもまず確実に仕事を行うことができ、
かつ高い責任感を持てる人が向いているといえるでしょう。
さらに製薬メーカーは高い倫理観を持つことが求められます。
利益ではなく、社会の幸福や患者の健康を常に優先できる人が
この業界で理想的な人物となるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「メーカー業界」について研究していきました。
まずはモノを作る過程とその完成したモノの行く先で分類したあとに、
人気である業種をピックアップし、就活に必要なことを解説していきました。
「メーカー業界」がつくるモノは、
食品や生活用品といった身近なものである故に、
安全性を顧客から求められます。
この安全性を求められる中で、
企業が必要としている人材は真面目さや誠実さに加え、
顧客と向き合う情熱を持ち合わせている人です。
そして全体的にその業界に詳しくあるべきであり、
そのモノが好きである人が「メーカー業界」の就職に向いているでしょう。
何か自分もモノを作ってみたい、携わってみたいと思うなら
「メーカー業界」も視野に入れることをおすすめします。
そのモノに対する情熱や真面目さがあれば、
就活は苦にならず対策も上手くいくのではないでしょうか。
応援しています!
(その他業界研究)