【企業分析】デンソーの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業分析】デンソーの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2024/5/24更新

はじめに

デンソーは、愛知県刈谷市に本社を置くグローバルな自動車部品メーカーです。

自動車技術、システム、製品を提供し、世界初の製品や技術を通じて企業の社会的責任を果たしています。

1949年12月16日に設立されたデンソーは、幅広い自動車関連製品で世界の市場をリードしています。

今回は、そんなデンソーの企業研究のための基礎知識や社風、選考対策などを紹介します。

この記事ではデンソーへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行なっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

  • デンソーの仕事内容が気になる
  • デンソーの就職難易度を知りたい
  • デンソーの選考対策として何をすれば良いかわからない

 

また、他の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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この記事の結論

桜

先にこの記事の結論からお伝えしますが、デンソーの就職難易度は比較的高いです。

技術職の採用が多く、事務系の倍率は30~50倍程度と推定できます。

しかし、全国各地の大学から幅広く採用しているため、選考対策をしっかり行えば、学歴に関係なく内定を獲得できるでしょう。

選考対策として重要なのは、7つのコア事業を理解し、求める人物像に合致したエントリーシートや、Webテストの準備をすることです。

特にエントリーシートについては、他社では一般的でない内容を求められる場合があるので適切な準備をしておきましょう。

職種は主に技術職が中心ですが、配属される部門によっては営業や事務職も含まれます。

この記事でデンソーの各事業内容やその他、就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

デンソーについて

デンソーの建物外観

出典元:デンソー 外観

会社概要

デンソーは、自動車部品やシステム、製品の開発・製造・販売を手掛けるグローバルな自動車部品メーカーです。

1949年にトヨタ自動車工業の電装工場を前身として、「日本電装」が設立され、1996年に社名をデンソーに変更しました。

本社は愛知県刈谷市に位置し、2009年以降、日本国内で最大手の地位を確立しています。

自動車関連部品の売上高で世界第3位、独ボッシュに次ぐ第2位の事業規模を誇ります。

主要な取引先としてトヨタがあり、売上収益の約半分がトヨタグループによって占められているのが特徴です。

デンソーは自動車業界に留まらず、住宅向けエネルギー監視システム、産業・医療用ロボット、農業支援といった多様な分野にも事業を拡大しています。

これらはすべて、会社の使命「世界と未来を見つめ、新しい価値の創造を通じて人々の幸福に貢献する」という理念に基づいていると言えるでしょう。

経営の方針においては、「魅力ある製品でお客様に満足を提供する」ことが基本です。

常に「変化を先取りし世界の市場で発展する」ための戦略を追求しています。

また、「自然を大切にし社会と共生する」という姿勢で環境への配慮を行い、多様な個性を尊重し「活力ある企業をつくる」ことを目指しています。

これらの方針がデンソーが持続可能で社会に貢献する企業として成長を続けるための基盤です。

 

各事業別の売上規模

デンソーの各事業別の売上規模グラフ

出典元:デンソー 2023年3月期決算資料

 

デンソーの製品別売上規模は多様な事業群にわたり、合計で64,013億円の売上を記録しました。

この中で特に成長が目立つのはサーマルシステム事業で、15,850億円の売上を達成し、前年比で23.6%の増加を見せています。

モビリティエレクトロニクス事業も16,156億円と高い売上を維持し、19.1%の増加率を記録しています。

また、エレクトリフィケーションシステム事業は10,421億円で19.2%増、パワートレインシステム事業は14,893億円で12.4%の成長を達成しました。

先進デバイス事業は比較的小規模ながらも、3,617億円の売上で微増を続けています。

これらの事業を通じて、デンソーは自動車部品市場での競争力を強化していると言えるでしょう。

 

各事業セグメントの解説

デンソーの主な事業セグメントは以下の通りです。

事業部門活動内容
営業・技術営業販売拡大のための計画立案、受注/納入管理。
企画長短期の事業計画立案・実績管理、ビジネスモデル構築・新製品企画、原価企画、原価低減活動、投資案件に対する事業化立案・実績管理。
開発・設計グローバルでの連携、先進技術の取り込み、製品・サービスの開発・設計、エンドユーザのUX向上に向けた機能開発、製品の改良、コストダウン、販売拡大。
生産技術生産ライン・ロボットの開発・設計、生産に関わる技術の研究開発・実用化、国内・海外グループ全体の技術水準の向上活動、生産・工場立ち上げのリード。
調達製造に必要な部品の調達、サプライヤーマネジメント、コスト競争力の強化活動、外部への業務委託や資材設備の調達まで、幅広い全社調達活動の推進。
品質管理商品の検査、品質保証、スムーズな量産立ち上げ支援、初期流動管理、品質不具合の未然防止、市場品質問題のリサーチ、フィードバックによる再発防止・未然防止。
生産管理・物流生産計画・日程計画の立案、生産体制の改善、在庫最適化、物流の円滑化、コストダウン。
カスタマーサービス修理・整備含むトータルサービス、お客様のリサーチ・情報収集、修理技術・サービスメニュー開発。
事業・サービス・商品の企画・開発調査分析(ニーズ・トレンド分析)、UX・商品コンセプトの企画、PoCを通じた要件定義、アジャイル開発、ユーザ視点検証(PoB)、事業化推進、販売計画。

 

デンソーは自動車部品の製造だけでなく、多様な事業を展開しています。

主に自動車部品製造を中心にしていますが、その他にもエネルギー監視システム、産業用ロボット、医療支援、さらには農業技術など、幅広い分野に事業を広げています。

多角的な事業戦略は、市場の変化への適応能力を示していると言えるでしょう。

国内外のさまざまな市場におけるニーズに応える形で事業を展開しています。

 

デンソーで働いている社員は?

デンソーで働いている社員像

平均勤続年数は?

デンソーの平均勤続年数は22.3年です。

業界内の他社と比べても、平均勤続年数は長い企業と言えるでしょう。

平均年収は?

株式会社デンソーの平均年収は約811万円です。

自動車業グループ(全138社)内の第4位、機械・電気機器メーカー全体の平均年収(479万円)と比較すると、332万円高い水準と言えます。

平均残業時間は?

株式会社デンソーの平均残業時間は、2022年度は18時間です。

一部の部署では、通常の平日の残業時間は20時から21時までであり、一部の場所では22時までの残業が普通です。

そのため、部署によっては残業時間が多くなる可能性があります。

平均ボーナス額は?

デンソーのボーナスは、7月と12月に年2回支給され、基本給の約6か月分、合計すると基本給の約10か月分程度です。

半期ごとの面談での評価によってある程度上下しますが、ほぼ年功序列で支給されます。

どんな文化なの?

デンソーの企業文化は1949年の創業以来、社員に共有されている「デンソースピリット」に根ざしています。

この精神は、「先進」「信頼」「総智・総力の精神」の三つの柱を掲げ、クルマ社会と人々への貢献を動力とする行動指針として機能しているのです。

デンソーでは、この指針を通じて競争力を高め、技術革新を進めています。

人事では、「人を大切にする経営の実践」が理念です。

具体的には、社員一人ひとりのモチベーションを高め、成長の機会を提供する「人材育成」、対話と全員参加を促す自由な職場環境の構築、「環境整備」により、安全で健康的な職場を実現しています。

基本理念は、「魅力ある製品でお客様に満足を提供する」「変化を先取りし世界の市場で発展する」「自然を大切にし社会と共生する」「個性を尊重し活力ある企業をつくる」などです。

これらは、デンソーが持続可能で社会的に責任ある企業としての役割を果たすための指針です。

スローガンである「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」は、デンソーの全活動を通じて、持続可能でより良い未来を目指す企業姿勢を表しています。

このように、デンソーの文化は、革新的で信頼される技術と、人と自然を重んじる持続可能な経営哲学が特徴です。

 

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

デンソーは、自動車業界において「Tier1」サプライヤーとして位置付けられています。

これは、自動車メーカーに直接部品を供給するトップレベルの企業であることを指しているのです。

そのため、デンソーの就職難易度は高いと言えるでしょう。

技術力と革新的な研究開発に注力している点も、就活生にとっては高いハードルです。

デンソーの研究開発への投資は巨額で、2021年度には約4,976億円を投じています。

このような積極的な投資は、デンソーが新技術の開発と製品革新に力を入れていることを示しており、技術者としてのスキルや革新への貢献が必要です。

また、ファブレス生産体制を採用し、外部の製造リソースを効率的に利用しているため、高い営業利益を確保しています。

業界での立ち位置は、デンソーは自動車産業だけでなく、車載半導体産業においても重要な役割を担っています。

これにより、自動車だけでなく広範なモビリティ社会の発展に貢献し、その技術力と市場での影響力は業界内でも際立っていると言えるでしょう。

以上の要素により、デンソーは業界の中でもトップクラスの売上高を生み出していると考えられます。

参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご参考にしてください。

会社名売上高(2022年)平均年収就職偏差値・難易度社風
デンソー6兆4,013億円811万円63基本的に真面目で堅い社風
アイシン4兆4,028億2,300万円688万円57堅く、何でも承認文化の社風
住友電装1兆6,423億円666万円59若手の意見も出しやすい社風
アドヴィックス7,518億円573万円52風通しが良く、社員一人ひとりの意見が尊重される社風

 

デンソーの新卒募集要項について

デンソーは新卒採用において、高い給与と充実した福利厚生を提供しています。

また、従業員のキャリア成長をサポートするために、階層別教育や技術者向けの専門性習得研修、新市場や新製品開発に関する研修など、多岐にわたる研修制度を設けているのも特徴です。

入社後も、従業員が必要なスキルや知識を継続して習得できる環境が整っていると言えるでしょう。

福利厚生も非常に充実しており、従業員の生活を支援する多様なプログラムがあり、働きやすい環境です。

デンソーの新卒採用における魅力的な点は、給与体系、教育研修、福利厚生など、各面で新卒者をサポートし、長期的なキャリアを築くための基盤が整っていることです。

各項目詳細
職種研究・開発職
給与大学院卒:238,900円/月

大学・高専(専攻科)・専門(4年制)卒:218,500円/月

高専(本科)専門(2年制)・短期卒:213,100円/月

賞与年2回(7月、12月)
研修制度各段階で期待される能力・責任・役割に応じて必要な心構え・知識・スキルを習得するための階層別教育、技術者に向けた専門性習得のための研修、新市場開拓・新製品開発の際の研修
福利厚生デンソー持ち株制度、企業年金制度、寮・社宅、保養所、カフェテリアプラン、Welbox(福利厚生パッケージ)、育児支援制度、介護支援制度 他

 

求める人材

デンソーの求める人材

デンソーでは求める人材として下記のものを公表しています。

  • 自己主導での学びと成長:
    新たな価値の創造に向けて、自ら学び、考え、挑戦し続ける意欲
  • 目標への情熱:
    仕事を通じて実現したい夢や志を持ち、高い目標に挑戦し続ける姿勢
  • 好奇心と柔軟性:
    強い好奇心を持ち、広く物事を学びつつ、前提や常識にとらわれない柔軟な発想力
  • コミュニケーション能力:
    周囲と一歩踏み込んだコミュニケーションをおこない、互いの個性を高め合う能力

これらの特性は、デンソーが革新的な製品やサービスを提供し続ける上で重要な要素であり、企業の持続的な成長と競争力の向上に寄与します。

 

新卒採用のフロー

デンソーの新卒採用のフロー

デンソーの選考は、下記の通りの選考フローです。

面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。

選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されるでしょう。

後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておいてください。

①MYPAGE登録

MYPAGEに登録すれば、会員限定の動画配信やイベント案内を利用できます。

詳しい募集情報のチェック、エントリーもここから行ってください。

②コース選択

デンソーは、技術系総合職と事務系総合職のコース別採用を実施しています。

希望する事業領域や専門性に合わせて適したコースを選びましょう。

コースの詳細は、採用イベントでの説明やMYPAGEで確認できます。

③採用イベント参加

定期的に開催される採用イベントで、デンソーの事業内容や職種の詳細を深く理解できるでしょう。

先輩社員の話を聞く機会もあります。

④OB・OG訪問

就活生は、MYPAGEを通じてOB・OG訪問を申し込めます。

予約が必要なのでお気を付けください。

⑤必要資料提出・エントリーシート・適性検査

就活生は、職種に応じたエントリーシートの提出や適性検査が求められるでしょう。

選考の詳細やスケジュールはMYPAGEで確認できます。

エントリーシートの書き方は、下記の参照ページを確認してください。

 

以下のページもぜひ参考にしてください!

⑥複数回面接

複数回の面談を経て評価されます。

以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。

⑦内定

面談や選考を通じてデンソーとのマッチングが成立した場合、内定が出ます。

 

採用大学

デンソーの採用大学の実績は以下の通りです。

<大学>

愛知県立大学、青山学院大学、秋田大学、茨城大学、宇都宮大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学、岡山大学、香川大学、金沢大学、金沢工業大学、関西学院大学、北見工業大学、九州大学、九州工業大学、京都大学、京都工芸繊維大学

 

デンソーの採用においては、学歴フィルターは存在していないと言えるでしょう。

中堅大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の卒業生も積極的に採用しており、それが学歴フィルターがないことを裏付けているからです。

学歴よりも、能力や適性を重視した採用を行なっていることがわかります。

就職偏差値・難易度

それでは、ここまでの内容を踏まえて、デンソーの就職偏差値・難易度を見てみましょう。

結論としては、偏差値・難易度は高いと言えます。

その理由は以下の3点です。

  • 技術力と革新性に対する要求が高いから
  • グローバルな競争力が求められるから
  • 総合的な人物評価が重視されるから

しかし、企業分析をしっかり行なって選考フローを理解して対策を進めれば、難しすぎることはないでしょう。

しっかりと対策を行い、内定を獲得してください!

就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみましょう。

まとめ

デンソーの主な事業は、自動車部品の開発、製造、販売です。

環境技術や先進安全技術など、自動車業界の未来を見据えた技術開発にも力を入れており、顧客ニーズに応じた「先進の技術提供」と「信頼される製品」を目指しています。

デンソーは自動車部品業界の中でもトップクラスの企業であり、企業研究の有無は就職活動の結果に大きく影響してくるでしょう。

ただし、デンソーは学歴重視の採用方針をとっていないため、多様なバックグラウンドを持つ就活生全員に平等にチャンスがあります。

そのためしっかり対策をおこなって選考に臨みましょう。

この記事を参考に、積極的に挑戦してください。

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