ボーナスが高い企業ランキングと平均支給額について解説
2024年8月15日更新
この記事の監修者
奥田恵(キャリアアドバイザー)
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
はじめに
ボーナスの支給額は就職先を決める際の大切な要素となります。
しかし、どういった業界や企業のボーナスが高いのかを把握できていない人も多いのではないでしょうか。
ボーナスの支給額が高い企業であれば、経済的に余裕が持てるでしょう。
この記事では
- ボーナスの平均支給額
- ボーナスが高い企業・業界ランキング
といった内容を分かりやすく解説しています。
就職先選びにボーナス額を重視する人にとって参考になる情報をご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
4
5
ボーナスの平均支給額
ボーナスは、法律などで支給が定められたものではなく、あくまでも会社側の都合で設定されている制度です。
会社によってはボーナス制度そのものがない場合や、ボーナスを毎年支給している会社であっても、その年の業績次第で大幅な増額や減額が行われるなど、非常に流動的なものとなっています。
夏・冬それぞれのボーナス平均支給額
ボーナスの金額は企業などによって違いますが、一般的には基本給×月数×評価係数となっています。
評価係数とは、成績が良い社員など、会社への貢献度に基づいて算出されるものです。
つまり、会社に貢献するほど、ボーナスが増えるといえます。
一年間に支給されるボーナスの平均は80万円前後で、これは、夏・冬それぞれのボーナスを合わせた金額です。
ただし、これはあくまで平均値であり、実際の支給額は企業や個人の成績によって異なります。
年代別のボーナス平均支給額
年代別のボーナス平均支給額は以下の通りとなっています。
20代:70.4万円(夏のボーナス33.5万円、冬のボーナス31.8万円、その他のボーナス5.1万円)
30代:99.8万円(夏のボーナス47.5万円、冬のボーナス46.4万円、その他のボーナス5.9万円)
40代:109.7万円(夏のボーナス52.1万円、冬のボーナス52万円、その他のボーナス5.6万円)
50代:126.2万円(夏のボーナス60.5万円、冬のボーナス61万円、その他のボーナス4.7万円)
年代別のボーナス平均支給額は、年齢が上がるにつれて増加していますが、職種や業界、個人の実績によっても異なります。
20代の社員のボーナスが低い理由として、経験が浅く実績が劣る点が挙げられます。
新卒で入社した社員はまだキャリアの初めであり、業務経験や実績を積み重ねる時間が限られています。
一方、30代以降は経験と実績が増えていくため、ボーナス額も徐々に増加します。
例えば、営業職の場合、売上目標の達成度や顧客からの評価などがボーナスに影響を与えることがあります。
しかし、50代前半を過ぎるとボーナスの増加ペースが鈍化し、50代後半からは減少に転じる傾向があります。
これは、昇進や昇給の機会が減少し、定年が近づくためです。
新卒のボーナス
大卒の新入社員の夏のボーナス平均支給額は約9万円程度です。
査定期間が足りないため、入社して数か月の新卒は金額が低くなり、冬のボーナスは多くても月給の2か月分程度で、平均支給額は約40万円となっています。
ただし、企業によっては入社一年目の夏・冬のボーナスがもらえないケースもあるようです。
入社2年目以降のボーナス平均支給額は約64万円程度となっています。
ボーナスは月給の何か月分?
ボーナスは月給の何か月分なのかは、会社によって異なりますが、大企業では概ね基本給の2.5ヶ月分、中小企業では概ね基本給の1ヶ月分が一回のボーナス額となっています。
例えば、大企業で基本給が20万円だった場合、ボーナス額は50万円となります。
中小企業では1ヶ月分の給料=ボーナス額となります。
ただし、業績が好調な企業ではボーナス額が増えたり、逆に業績が不調な企業ではボーナス額が減ったりする傾向があります。
ボーナスのランキング
ボーナスが高い企業ランキング
Yahoo!しごとカタログに登録されている企業のボーナスランキング上位20社は以下の通りとなっています。
順位 | 会社名 | 平均ボーナス額 | 平均年収 | 平均昇給頻度 |
1位 | 東京エレクトロン株式会社 | 516万円/年 | 861万円 | 1年に1回 |
2位 | 三菱商事株式会社 | 463万円/年 | 1411万円 | 2年に1回 |
3位 | 株式会社キーエンス | 402万円/年 | 1567万円 | 1年に1回 |
4位 | 三井物産株式会社 | 350万円/年 | 1289万円 | 2年に1回 |
5位 | 丸紅株式会社 | 337万円/年 | 1150万円 | 2年に1回 |
6位 | 中外製薬株式会社 | 322万円/年 | 931万円 | 2年に1回 |
7位 | 伊藤忠商事株式会社 | 318万円/年 | 1211万円 | 1年に1回 |
8位 | 住友商事株式会社 | 316万円/年 | 1234万円 | 2年に1回 |
9位 | 株式会社野村総合研究所 | 312万円/年 | 1060万円 | 2年に1回 |
10位 | 武田薬品工業株式会社 | 308万円/年 | 947万円 | 2年に1回 |
11位 | 取締役事務株式会社 | 305万円/年 | 1045万円 | 2年に1回 |
12位 | プルデンシャル生命保険株式会社 | 299万円/年 | 1092万円 | 2年に1回 |
13位 | アステラス製薬株式会社 | 298万円/年 | 977万円 | 2年に1回 |
14位 | 日本オラクル株式会社 | 297万円/年 | 994万円 | 3年に1回 |
15位 | グラクソ・スミスクライン株式会社 | 292万円/年 | 889万円 | 1年に1回 |
16位 | 豊田通商株式会社 | 284万円/年 | 969万円 | 2年に1回 |
17位 | エーザイ株式会社 | 268万円/年 | 995万円 | 2年に1回 |
18位 | 住友化学株式会社 | 262万円/年 | 757万円 | 2年に1回 |
19位 | 味の素株式会社 | 257万円/年 | 926万円 | 1年に1回 |
20位 | ファイザー株式会社 | 256万円/年 | 953万円 | 2年に1回 |
上位は総合商社や一度は名前を聞いたことがあるような一流企業で占められています。
このランキングからボーナス額が大きい企業は平均年収も高いことが分かります。
ボーナスが高い職種ランキング
dodaが15,000人に調査した結果によるとボーナスが高い職種ランキングは以下の通りです。
順位 | 職種名(職種分類名) | 1年間のボーナス平均支給額 |
1位 | 内部監査(企画/管理) | 189.9万円 |
2位 | MR(営業) | 181.5万円 |
3位 | 融資審査/契約審査(金融系専門職) | 170.1万円 |
4位 | 製品企画(モノづくり系エンジニア) | 167.7万円 |
5位 | 法務/知的財産/特許(企画/管理) | 167.1万円 |
6位 | 基礎研究(モノづくり系エンジニア) | 165.6万円 |
7位 | リサーチ/市場調査(企画/管理) | 165.5万円 |
8位 | 経営企画/事業企画(企画/管理) | 159.3万円 |
9位 | 研究/開発(素材/科学/食品系エンジニア) | 157.7万円 |
10位 | 電気/機械メーカーの営業(営業) | 154.9万円 |
11位 | 運用/投資銀行業務(金融系専門職) | 150.4万円 |
12位 | 研究開発/R&D(IT/通信) | 149.3万円 |
13位 | 品質管理(IT/通信) | 145.1万円 |
14位 | 金融業界の法人営業(営業) | 144.8万円 |
15位 | 設計監理/コンストラクションマネジメント(建築/土木系エンジニア) | 142.0万円 |
16位 | 回路設計(モノづくり系エンジニア) | 139.9万円 |
16位 | 評価/実験/デバッグ(モノづくり系エンジニア) | 139.9万円 |
18位 | ネットワークエンジニア(IT/通信系エンジニア) | 137.6万円 |
19位 | インフラコンサルタント(IT/通信系エンジニア) | 137.4万円 |
20位 | 人事(企画/管理) | 137.3万円 |
1位の「内部監査」は不正や誤りをチェックした上で業務・経営の効率化や最適化を図る仕事です。
また「企画/管理」や「モノづくり系エンジニア」も多数ランクインしています。
ランキング上位には高い専門性やスキルが必要とされる職種が並んでいます。
ここで比較されている「職種」についてですが、そもそもどんな種類があるかご存知でしょうか。以下の記事も参考にしてみてくださいね。
ボーナスがある企業は何割?
dodaの調査によると、89.3%の企業が「ボーナスがある」と回答しています。
ここから日本の労働市場では、ボーナスが一般的な報酬構造の一部であることが分かります。
ボーナスを支給することで、従業員は自分の頑張りが評価されていることを実感し、仕事への意欲を高めることができます。
また、ボーナスは従業員の生活を支え、社員の定着率を向上させる効果もあります。
さらに、「ボーナスは年2回(主に夏と冬)ある」と回答したのは77.6%です。
これは、夏休みや年末年始など社員の出費が予想される時期に追加の収入を得られるように配慮されているためです。
他には、「ボーナスの支給は年3回以上」が5.4%、「ボーナスの支給は年1回」が3.9%、「回数は決まっていない」が2.4%となっています。
ボーナスの支給日
ボーナスの支給日は民間企業と公務員で異なります。
夏のボーナスは民間企業では6月下旬から7月上旬に支給されることが多く、国家公務員では法律により6月30日と定められています。
地方公務員は自治体によって異なりますが、多くの自治体が国家公務員に準じた支給日を設けています。
冬のボーナスは民間企業では12月中に支給されることが一般的であり、国家公務員では法律により12月10日と定められています。
地方公務員も夏のボーナスと同様に国家公務員に準じた支給日を設ける自治体が多くなっています。
企業規模別のボーナス支給額
大企業のボーナス支給額
日本経済団体連合会の「2023年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」によると、大手企業のボーナスの平均額は95万6027円です。
2022年の平均額は92万76円であり、3万円以上増加しています。
製造業の平均額は94万9186円、非製造業の平均額は100万1251円となっています。
また、日本経済団体連合会の「2022年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均)最終集計」によると、大企業の冬のボーナスの平均額は89万4179万円です。
夏と冬のボーナスを合わせると、180万円以上となっています。
このように、大手企業のボーナス支給額は増加傾向にあり、製造業と非製造業でも差がありますが、どちらも高い水準にあるといえるでしょう。
中小企業のボーナス支給額
中小企業のボーナス支給額は、一般的に大企業に比べて少なめに設定されている傾向が見受けられます。
その理由として、中小企業の資本力や規模の大小が影響しているからです。
例えば、製造業であれば、資本金または出資の総額が3億円以下、または常時使用する従業員数が300人以下の会社が中小企業に該当します。
このような中小企業は、経営基盤が大企業より脆弱である傾向が見られるため、ボーナスの支給額にもその影響が出ます。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」によると、2021年の夏季賞与(夏のボーナス)と年末賞与(冬のボーナス)の平均額は以下の通りとなっています。
【夏季賞与】
事業所規模 | 平均賞与額 |
100~499人 | 41万7,894円 |
30~99人 | 33万8,240円 |
5~29人 | 26万5,204円 |
【年末賞与】
事業所規模 | 平均賞与額 |
100~499人 | 42万4,899円 |
30~99人 | 34万4,921円 |
5~29人 | 27万3,064円 |
大企業が夏と冬のボーナスを合わせて平均180万程度支給されるのに対して、中小企業としては比較的事業規模の多い従業員数100〜499人の会社でも、夏と冬のボーナスを合わせて80万円程度となっています。
公務員のボーナス支給額
国家公務員の給与やボーナスは、民間企業の実績と比較して決定されます。
具体的には2023年の夏、管理職を除く国家公務員の平均ボーナス支給額は約63万7,000円でした。
一方、前年の冬の支給額は平均でおよそ65万2,100円となっており、この差から見ても、公務員のボーナスはその年の経済状況や予算、民間企業の給与水準などにより変動することが分かります。
国家公務員のボーナスは、日本の全体的な労働市場の状況を反映するように設計されています。
民間企業の給与水準が上がれば公務員のボーナスも上がり、民間企業の給与水準が下がれば公務員のボーナスも下がります。
公務員のボーナスは、民間企業の給与水準と国家の予算状況によって決定される仕組みであり、一定の公平性が保たれているといえるでしょう。
まとめ:一流企業や高い専門性が必要な職種はボーナスが高い
この記事では、ボーナスの平均支給額、企業や職種ごとのランキングについて解説しました。
ボーナスは法律で定められているものではなく、会社側の業績や都合によって設定されており、いつも支給されるとは限りません。
基本的には、年齢が上がるにつれボーナス額も上がりますが、50代後半からは減少傾向にあります。
また、一流企業や、高い専門性やスキルが必要とされる職種はボーナスも高くなります。
ボーナスを重要視する人は、今回紹介した内容を参考に就活を進めるとよいでしょう。
本記事で名前の挙がった企業の企業研究記事をいくつか掲載しています。こちらもぜひご確認ください。