【実回答で質問作成】OB訪問のやり方は?依頼メール・マナーとESへの活かし方
2026.09.22 更新
2024年度の内閣府調査では、大学4年生の23.7%が、今後もっと増やすべき就職・採用活動としてOB・OG訪問を挙げています。社員と話す機会を求める学生がいる一方、初めて訪問を頼む段階では、連絡先の探し方や質問の作り方で手が止まりやすいものです。(参考:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」、2024年発表)
採用サイトを読んでも仕事のイメージが湧かず、依頼メールを書き始めても「何を聞きたいのか」を説明できないまま、下書きだけが残っていませんか。訪問の目的を「先輩に会う」から「応募職種で取り組みたい仕事を確かめる」へ変えると、相手選びと質問を結びつけることができます。
本記事では、依頼から訪問後のお礼までを図表にし、就活ハンドブックに掲載された学生のES・面接回答を手がかりに、仕事の進め方を聞く質問へ書き換えます。初めてOB訪問をする新卒就活生や、聞いた話を志望動機に活かせず困っている就活生が、準備と下書きの修正に取り組める内容です。
OB訪問の目的と就活で得られる情報
OB訪問は、企業や業界で働く卒業生などに話を聞き、仕事内容や職場への理解を深める活動です。OG訪問も含め、働く社員がどの場面で判断し、誰と協力して仕事を進めるのかを聞くと、採用サイトの職種紹介を実際の行動に置き換えて理解できます。例えば、「営業に興味がある」という段階なら、顧客から相談を受けて提案するまでの担当範囲を尋ねてください。訪問の目的は、応募先を選ぶ理由と、入社後に取り組みたい仕事を具体化することです。
企業説明会との違いと質問の自由度
企業説明会は、事業や募集職種を共通の資料で知る入口です。OB訪問では、その説明を踏まえて疑問を伝え、相手が経験した仕事の場面まで聞くことができます。同じ企業でも部署や担当によって経験は違うため、社員の話を会社全体の実態として受け取る前に、所属と業務の範囲を聞いてください。職場の雰囲気を知りたい場面でも、「相談しやすいですか」と聞くだけでは、具体的な場面が見えません。
情報源ごとの役割を分けると、社員との面談で尋ねる内容を絞れます。
| 情報源 | 主に確かめる内容 | 次に取る行動 |
| 公式採用サイト | 募集職種・応募条件・選考案内 | 応募するコースを選びます |
| 企業説明会 | 事業の特徴・職種の説明 | 分からなかった業務をメモします |
| OB訪問 | 社員が経験した判断・連携・困難 | 自分の希望との共通点を探します |
制度の存在は公式資料、制度を使った経験は社員への質問で確かめるという分担です。訪問のメリットを目的別に捉えたい方は、基本の説明も参考にしてください。
志望動機の具体化と選考上の位置づけ
OB訪問で得た情報は、企業を志望する理由を具体化するための材料です。先輩の仕事を聞き、自分の経験や関心と接点を見つければ、社名を入れ替えただけの志望動機から離れることができます。ただし、訪問した事実と選考結果を直接結びつける根拠にはなりません。面談が選考に関係するか、応募に必要かは、企業が発信する案内を優先してください。
一橋大学の案内でも、訪問人数を増やすことより、志望動機を具体的にする目的が示されています。面談の終わりに「営業職のどの業務に興味が強まったか」を自分の言葉で説明できれば、次に調べる仕事内容も明確です。(参考:一橋大学「OB・OG訪問の進め方」)
OB訪問を始める時期と準備の順番
OB訪問の予定は、ESに仕事への関心を書くなら提出前、面接で仕事内容を説明したいなら面接前というように、情報を使う場面と応募先の締切から逆算して組むと準備しやすくなります。例えば、志望動機が書けない理由が職種理解の不足なら、締切直前に添削だけを頼むより、担当業務を聞く面談を先に設定できます。相手の日程に加え、聞いた内容を文章へ反映する時間も予定に含めてください。
応募前・面接前で変わる訪問目的
応募前は、仕事への関心が実際の業務と合うかを確かめる時期です。面接前なら、ESに書いた入社後の目標を実現するために、どの部署と関わり、どのような力を身につける必要があるかを聞けます。すでに選考が始まっている方も、訪問そのものを諦める必要はありません。ただし、訪問の返事を待つために提出が遅れないよう、手元の公式情報で下書きを進めてください。
就活の進み具合に合わせて、面談後に残す答えを決めるための表です。
| 時期 | 訪問の目的 | 持ち帰りたい答え |
| 応募先を探す段階 | 職種への関心を確かめます | 興味を持った具体的な業務です |
| ESを作る段階 | 志望理由の根拠を補います | 経験と仕事がつながる場面です |
| 面接を控える段階 | 入社後の目標を具体化します | 最初に学ぶ業務や必要な姿勢です |
| 入社先を検討する段階 | 希望条件との一致を確かめます | 配属や働き方について残る疑問です |
授業・研究と両立する準備の進め方
面談の準備は、企業研究から一度に仕上げようとせず、知らない業務を見つける作業と、依頼文を書く作業に分けると着手できます。研究発表や試験が重なる方は、返事をすぐ確認できる時期に依頼を送ってください。面談当日だけを空けても、質問の事前共有や日程変更に対応できなければ調整が止まります。移動が難しい場合は、依頼の段階でオンラインの希望を伝えてください。
準備から活用までのつながりを図にすると、面談後の作業も忘れず予定に入れられます。
| 知りたい業務の特定 ▶ 訪問相手の選定 ▶ 依頼・日程調整 ▶ 質問の共有 ▶ 面談 ▶ お礼・記録 ▶ ESの修正 |
OB訪問先の探し方と相手選び
訪問相手は、知名度のある企業に勤めているかだけでなく、聞きたい業務を経験しているかで選ぶと質問がかみ合います。例えば、研究開発の仕事を知りたい学生が営業担当の先輩へ依頼する場合、答えられる範囲を先に尋ね、別の担当者の紹介が可能か相談できます。最初の相談先は大学のキャリアセンターや所属するゼミなどです。紹介を受ける際は、先輩が学生からの連絡を承諾しているかも確かめてください。
大学のキャリアセンター・ゼミからの紹介
キャリアセンターへ相談するときは、企業名に加えて希望職種と質問したい内容を伝えると、紹介してほしい相手を説明できます。卒業生の連絡先を閲覧できる制度があるか、職員を通して依頼する方式かは、所属大学の案内に従ってください。名簿で見つけた連絡先を友人へ渡したり、別の目的の連絡へ使ったりする必要はありません。紹介者にも、相談したい理由を短く伝える準備が必要です。
ゼミの教員に頼むなら、研究テーマとの接点を添えると依頼の背景が伝わります。「メーカー志望です」だけで終えず、「実験で得た知見が製品開発でどう使われるかを聞きたいです」と伝えてください。紹介する側が、研究職と設計職のどちらの卒業生に声をかけるか判断できます。
社員交流の機会と訪問サービスの利用
大学で紹介先が見つからない場合は、企業が案内する社員座談会や、学生との面談を受け付けるサービスも探せるため、対象者や利用条件、相談できる範囲を募集ページで読んでください。個人のプロフィールから探す場合は、企業名に加え、現在の担当業務や相談テーマまで見るのが基準です。面談を受け付けている表示だけでは、希望職種の質問に答えられるか分かりません。
紹介経路ごとに、依頼前の確認事項を比べた表です。
| 探す場所 | 依頼前に確かめる内容 |
| 大学の窓口 | 閲覧・紹介制度と卒業生の連絡承諾です |
| ゼミ・部活動 | 紹介者との関係と相談できる業務です |
| 企業の採用ページ | 社員交流の対象者と申込方法です |
| 訪問サービス | 本人確認、相談分野、連絡上のルールです |
サービスを使う際は、登録から面談までの流れを知ると、自分で準備する範囲が分かります。
OB訪問の依頼メールと日程調整
依頼メールは、大学名・氏名、連絡先を知った経緯、聞きたい内容、候補日を読めば、相手が面談を引き受けられるか判断できる形にします。例えば、商品開発への関心があるなら、企業への憧れを長く書くより、開発のどの工程を聞きたいか示すと依頼の目的が明確です。面談形式や所要時間について希望がある場合は、相手の都合を優先する一文を添えてください。紹介を受けた直後でも、訪問の承諾と日時の確定は別です。
依頼文に必要な情報と記入例
件名には訪問のお願いと大学名・氏名を入れ、本文では相手を選んだ理由を具体的に書くと、受信者が用件を把握できます。連絡先の入手経路は、大学の紹介なのか説明会で案内されたのかを正確に記してください。「就活全般を教えてください」という依頼より、担当する仕事に関する質問が伝わる文章が適切です。候補日は授業や研究の予定を踏まえて、実際に参加できる時間帯だけを挙げます。
記入欄の役割と、書き換えて使う依頼文の作成例です。
件名
OB・OG訪問のお願い(○○大学・氏名)
冒頭:名乗りと連絡の経緯
○○株式会社 ○○部 ○○様
突然のご連絡失礼いたします。○○大学○○学部の○○と申します。大学のキャリアセンターよりご紹介いただき、ご連絡いたしました。
中盤:相手に聞きたい内容
貴社の○○職に関心があり、顧客の要望を提案に反映する際の工夫についてお話を伺いたく存じます。面談の機会をいただけますと幸いです。候補日は○月○日○時以降、○月○日○時から○時です。
末尾:調整の意思と署名
形式や時間は、ご都合に合わせて調整いたします。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
氏名/大学・学部/メールアドレス
例文の紹介経路は、実際の経緯に置き換えてください。面談を了承される前に資料を大量に添付せず、相談したいテーマを伝えるところから始めると負担を抑えられます。アポイントを取る際の連絡手段や調整方法は、訪問の依頼に絞った記事でも確認できます。
送信前には、宛名や件名だけでなく、返信先と署名も点検してください。
返信がない場合と予定変更への対応
返事がないときは、送信済みフォルダと宛先、迷惑メールフォルダを確かめ、返答期限の案内があればその期間を待ってから、元の件名や送信日が分かる形で再連絡してください。返事がない理由を不採用や拒否と決めつける必要はありません。紹介経由なら、先輩が現在も学生からの相談を受け付けているか、連絡先に誤りがないかを紹介者に尋ねる方法もあります。
日時が決まった後の変更は、変更が必要になった時点で理由と代替候補を伝える対応です。別の授業や選考と重なった場合も、黙って欠席せず連絡してください。相手から日程変更の依頼が来たときは、対応可能な候補を返すと調整を再開できます。
再送文の書き方で迷う方は、返信がない場面に絞った対処法を参考にしてください。
OB訪問の質問例と学生の実回答からの作り方
質問は、学生自身が選考で説明する経験や働く目的と、社員の担当業務をつなげて作ると具体的になります。例えば、チームを動かした経験を自己PRにするなら、仕事で意見が分かれた際の調整方法を聞くと、学生時代の経験をどの場面で活かせるか検討できます。ここで引用するのは、就活ハンドブックに掲載されたES・面接での学生の回答です。訪問用の質問例は回答を手がかりに作成しているため、応募する職種に合わせて言葉を変えてください。
味の素のES回答を起点にした顧客理解の質問
味の素のESでは、人の心を動かし、行動の変化や成果につなげた経験を問う設問が掲載されているため、回答を読む際は、活動の華やかさより、相手の気持ちを知る場面と、その後に取った行動に注目してください。食品に関わる仕事に関心がある学生なら、相手への理解が提案や商品にどう反映されるか、職種に合わせて質問できます。自分が誰に何を届けたいかを考える出発点です。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、味の素のES回答では、タイの青少年更生施設でのボランティアを振り返り、「思いに寄り添い、小さなきっかけを与えることの大切さを学んだ。」と記されています。
この回答から着目できるのは、相手に働きかけた理由と、その反応を捉える視点です。自分の経験を振り返るなら、相手の希望をどう聞き取り、行動の何を変えたかを書き出してください。社員には顧客の声を聞いた後の判断を尋ねると、共感だけで終わらない仕事の進め方を知ることができます。
相手への理解を業務の質問へ変える作成例です。
| 確かめたい内容 | OB訪問の質問例 |
| 顧客の要望の把握 | 顧客の言葉だけでは分からない課題を、どのように確かめていますか。 |
| 提案の判断 | 顧客の希望と実現できる条件が合わない際、何を基準に提案を調整しますか。 |
富士通の面接回答を起点にしたチームの質問
富士通の面接レポートには、学生時代に力を入れた経験として、サマーセミナーでの活動を伝えた回答が掲載されています。チームで成果を出した経験を書く学生は、職場でも同じように動けるかを考えるために、仕事の分担や相談の場面を聞けます。「チームワークがよい職場ですか」という質問だけでは、働く様子を想像するには不足です。立場の違うメンバーが協力する場面へ質問を絞ってください。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、富士通の面接では「サマーセミナーに参加した際の経験を答えました。チームで成し遂げた、チームを牽引したことを強調しました。」という回答が寄せられています。
この回答だけでは、担当した作業や意見調整の方法までは読み取れません。そこを自分のESで補うためにも、授業の共同課題やゼミの活動で、誰とどのような判断をしたか振り返ってください。OB訪問では、社員が他の専門分野の担当者と話す際の工夫を聞くと、入社後に必要な協力の仕方を想像できます。
チームで働く場面を尋ねる質問の作成例です。
| 確かめたい内容 | OB訪問の質問例 |
| 意見の調整 | 専門分野が違うメンバーと意見が分かれた際、どのように認識を合わせていますか。 |
| 若手の役割 | 若手社員が担当する作業と、上司へ相談する判断の境目を教えてください。 |
ニトリの面接回答を起点にした働く目的の質問
ニトリの面接レポートには、働く目的と、その企業で実現する方法を問う設問が掲載されています。回答にある原体験を読むと、志望動機を商品への好みだけで書くのではなく、生活のどの場面を支えたいかまで考えるきっかけになります。OB訪問の前には、自分が生活の中で不便に感じた場面を書き出してください。具体的な困りごとがあれば、仕事を通じて解決できる範囲を社員に質問できます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、ニトリの選考を受けた学生は、避難生活などの経験を踏まえ、「社会人として働くうえで、自分の夢や目標に向かって頑張るための基盤を提供したいです。」と回答しています。
この回答では、生活環境への実感が働く目的につながっています。参考にする際は、他者の原体験を借りず、住まいや買い物で感じた自分自身の課題から考えてください。社員には、顧客の困りごとを聞いて提案した経験を尋ねると、「暮らしをよくしたい」という目的を実際の業務に結びつけることができます。
働く目的と日々の業務の接点を探すための質問例です。
| 確かめたい内容 | OB訪問の質問例 |
| 顧客への提案 | 顧客の生活上の困りごとを知り、提案を変えた経験を教えてください。 |
| 仕事のやりがい | 担当業務を通じて、顧客の暮らしを支えられたと感じた場面はありますか。 |
三菱電機のES回答を起点にした研究と仕事の質問
三菱電機のES回答には、建築分野の風工学に関する研究テーマが掲載されています。研究内容を企業に説明するときは、専門用語を並べるだけでなく、どの課題を解く研究かを伝えると、専門が違う相手にも目的が届きます。OB訪問でも、研究テーマと配属先の技術が一致するかだけでなく、実験や評価で身につけた考え方をどの業務で活かせるかまで質問できます。研究職や技術職を目指す学生に役立つ視点です。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、三菱電機のESには「具体的には、風向ごとに周辺の建物や地形の特徴を調べ、地域の実態に合った、より正確な風の評価方法を提案する。」という研究内容が記されています。
この抜粋は、調べる対象と提案する内容を短く示しています。自分の研究も、対象・方法・解決したい課題に分けて説明を準備してください。研究室独自の略語を省き、社員が質問を返せる説明にしておくと、大学での学びと仕事の接点を会話の中で確かめられます。
専門が完全には一致しない社員にも尋ねられる質問の作成例です。
| 確かめたい内容 | OB訪問の質問例 |
| 学びとの接点 | 大学で身につけた仮説検証の進め方が、現在の仕事で役立った場面を教えてください。 |
| 技術の評価 | 技術的な性能と、使う人の要望をどのように両立して評価していますか。 |
味の素冷凍食品の面接回答を起点にした役割の質問
味の素冷凍食品の面接レポートには、国際交流イベントの企画で担った立ち位置を尋ねる設問があります。企画を担当した経験を伝えるなら、アイデアを出した担当と、意見をまとめた担当では説明する行動が違います。OB訪問の相手に学生時代の活動を伝える際も、肩書きより担当作業を先に話すと、仕事との共通点を相談できます。味の素の回答と混同せず、掲載先の企業名に沿って読むことが必要です。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、味の素冷凍食品の面接では、イベント企画での立ち位置について「主に企画の考案や、多数の意見を取りまとめる立ち位置でした。」と回答しています。
役割が分かる回答を手がかりに、自分の活動でも、提案から実施までのどこを受け持ったか書き出してください。社員へは企画の実現までに関わる担当者を聞くと、アイデアを考える仕事だけでなく、条件を調整する仕事にも目を向けられます。企画職への関心を、憧れから仕事内容の理解へ進める質問です。
担当範囲と調整の工夫を聞くための質問例です。
| 確かめたい内容 | OB訪問の質問例 |
| 企画の担当範囲 | 企画を形にするまでに、担当部署はどの工程を受け持ちますか。 |
| 他部署との調整 | 関係部署の要望が食い違った際、どのように判断材料を集めていますか。 |
OB訪問当日の進め方と対面・オンラインのマナー
当日は、挨拶と相談目的を短く伝えた後、用意した質問を全部読み上げるより、説明を受けて分かった点を返し、まだ不明な業務を聞くほうが、相手との理解のずれを修正できます。例えば、「顧客との調整を担当する」と聞いたら、調整する内容と判断に迷った場面を尋ねてください。対面でもオンラインでも、予定していた終了時刻を守り、メモや録音は相手の了承を得る対応です。
服装・持ち物とオンライン接続の準備
服装は企業や面談相手からの指定を優先し、指定がない場合は会う場所に合う清潔な服装を選んでください。持ち物は、質問を記したノートや筆記具、訪問先の案内など、面談を進めるために必要なものが中心です。オンラインなら、案内された接続先、表示名、音声とカメラを事前に点検できます。画面の背景や周囲の音も、相手が会話に集中できる状態に調整します。
形式に合わせた準備を比べるための表です。
| 形式 | 面談前の準備 | 起きやすい問題への備え |
| 対面 | 経路・受付方法・連絡先を確認します | 遅延が分かった時点で到着見込みを伝えます |
| オンライン | マイク・カメラ・画面表示を点検します | 接続が切れた際の連絡方法を共有します |
服装に迷う方は、訪問場所に合わせた選び方を参考にしてください。
出発前に忘れ物を減らすには、持ち物に絞ったリストで照合できます。
相づち・追加質問と話題への配慮
社員の説明に分からない言葉があったら、分かったふりをせず、その場で意味を尋ねてください。聞き直す際に「顧客への説明資料を作成する業務、という理解で合っていますか」と理解した内容を返せば、相手もどこを補足するか判断できます。答えを急いでESの表現に当てはめない姿勢が必要です。面談中は、まず担当業務と行動を正確に捉えます。
給与や働き方が気になる場面では、個人の収入を尋ねるより、公式制度を踏まえて担当部署の働き方を質問してください。守秘義務に関わる取引先や未公開の製品について、回答を求め続ける必要はありません。「答えられる範囲で」と添え、難しい話題なら別の質問へ移ると会話を続けられます。
OB訪問後のお礼とES・面接への活かし方
訪問後は、感謝の連絡と、聞いた内容を応募書類へ反映する作業を続けて行うと学びが残ります。例えば、若手が顧客への提案を担当する話を聞いたなら、担当する顧客や提案の範囲など、業務として確認できた事実と、その仕事に惹かれた理由を分けて記録してください。社員の発言と自分の解釈を混ぜると、面接で会社の制度を誤って説明する原因です。お礼の文面には印象に残った話を具体的に入れ、ESには自身の経験とつながる情報を選べます。
お礼メールの内容と送信前の点検
お礼は記憶が鮮明なうちに送り、時間をもらった感謝と、話を聞いて理解が進んだ内容を伝えます。「参考になりました」だけより、担当業務のどの説明が役立ったか書いたほうが相手に伝わる文面です。面談中に聞いた情報を長く再現したり、新たな質問を大量に追加したりする必要はありません。文章を短く整え、相手に再度の回答を求める内容になっていないか点検してください。
訪問で聞いた内容に合わせて書き換える、お礼メールの作成例です。
件名
OB・OG訪問のお礼(○○大学・氏名)
本文
○○様
本日はお忙しい中、お話を伺う機会をいただき、ありがとうございました。
特に、顧客の要望を聞き、関係部署と調整しながら提案を作る過程が印象に残りました。提案内容を考えるだけでなく、実現する条件を確かめる役割への理解が深まりました。
伺った内容を踏まえ、希望職種の業務をさらに調べてまいります。貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
氏名/大学・学部
例文の業務内容は、実際に聞いた話へ置き換えてください。お礼の言葉と訪問後の振り返りをあわせて学びたい方は、メール例文を含む関連記事が参考になります。
発言・解釈・行動を分ける訪問メモ
メモには、相手が話した担当業務と、それを聞いて感じた魅力を分けて残してください。社員が特定の部署で経験した仕事を聞いても、同じ仕事へ必ず配属されると確認できたわけではありません。応募書類へ移す前に、募集コースや配属に関する公式案内と照合すると、会社の制度についての誤記を減らせます。面談日や所属部署も残しておくと、情報の前提を後から確かめられます。
訪問後に書くメモの項目と、仮の記入例を示した表です。
| 項目 | 記入例 |
| 社員から聞いた内容 | 顧客の要望を聞き、他部署と調整して提案を作る担当です |
| 自分が惹かれた理由 | 意見の違いを調整した学内活動と接点を感じました |
| まだ分からない点 | 応募する職種で、その工程に関わる範囲は未確認です |
| 次の行動 | 公式の職種紹介を読み、志望理由の根拠を補います |
ESでは「社員の人柄に惹かれました」で終えず、どの業務や判断に共感したかを書いてください。学内イベントで参加者の希望を聞いて企画を変えた経験なら、顧客理解や関係者との調整との接点を説明できます。文章を作る際は、仕事への関心、経験に基づく理由、応募職種で取り組みたい内容をつなぐ構成です。
訪問メモから志望動機へ書き換える際は、文章の組み立て方も参考にできます。

監修者からのアドバイス
三好 達也(キャリアアドバイザー)
上記の訪問メモでは、社員の発言と、自分がその仕事に惹かれた理由を分けて記入してください。志望動機が社員の話の要約になってしまう方は、メモとESの下書きをキャリアアドバイザーとの面談に持参すると、自身の経験との接点や説明が足りない箇所を相談できます。
OB訪問で迷いやすい場面への対処法
訪問先が見つからない、質問が浮かばないときは、詰まっている作業に合わせて相談先を選ぶと進められます。例えば、社員との接点がないなら大学の窓口に卒業生の紹介制度を尋ね、聞きたい業務を絞れないならキャリアアドバイザーと企業研究のメモを見直してください。面談の数を増やす前に、応募先を選ぶうえで何が分からないかを言葉にするのが出発点です。やり取りに不安がある場合は、無理に個人間で解決する必要はありません。
知り合いの不在と質問が浮かばない場合
同じ大学の卒業生が見つからない場合は、企業が開く社員交流の機会などへ探す範囲を広げてください。自分の出身校との共通点がなくても、知りたい業務を経験した社員なら質問の目的を満たせます。訪問できるまで企業研究を止める必要はありません。公式の職種紹介を読み、担当業務のうち想像できない部分に印を付けると、面談で聞きたい問いの下書きになります。
質問が浮かばないときは、抽象的な就活の軸から離れ、興味のある仕事の場面を選ぶ方法です。商品を企画する仕事なら、アイデアの集め方や採用する案の決め方を尋ねられます。まだ職種を選べていない方は、キャリアアドバイザーへの相談で、経験と関心の接点を言葉にしてください。
相談前に支援内容を知っておくと、企業研究とESのどちらを相談するか決めやすくなります。
面談相手や場所に不安がある場合
初対面の相手から業務と関係のない誘いを受けたり、予定と違う場所へ変更されたりして不安を感じた場合は、面談方法を見直してください。大学や企業の窓口を通じて依頼した面談なら、紹介元に経緯を伝えて相談できます。企業研究のための訪問で、答えたくない個人的な質問に答える必要はありません。日時や場所を決める際も、企業内の面談スペースやオンラインなど、安心して参加できる方法を選ぶ判断です。
連絡の履歴を残しておくと、変更された内容や困った出来事を相談先へ具体的に説明できます。相手の話す雰囲気だけで判断せず、当初の相談目的に沿った面談になっているかを基準にしてください。
まとめ
OB訪問は、社員の経験を聞き、応募先の仕事と自分の関心をつなげる機会です。相手を探す前に知りたい業務を決めると、依頼メールの目的が明確になり、面談で聞く質問も具体化できます。例えば、チームで取り組んだ経験を自己PRにするなら、役割分担や意見調整の場面を尋ねると、学生時代の行動が仕事でどう活かせるか検討できます。
学生のES・面接回答を読む際は、表現を借りるより、経験から何を伝えているかに注目してください。質問例を応募する職種へ合わせれば、仕事のイメージを確かめる対話につながります。活動の役割や判断した理由まで振り返ると、面談で相談したい内容も明確です。
訪問後は、お礼を送ってから、社員の発言と自分の解釈を分けて記録し、そこに自身の経験を結びつけて志望理由と入社後の目標を文章にすると、訪問で得た情報を選考準備へ活かせます。

この記事の監修者三好 勝利(キャリアアドバイザー)
新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。







