【企業分析】帝国ホテルの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
株式会社帝国ホテルは東京都千代田区に本社を置くホテル業界・ホスピタリティ業界に属する企業です。
東京・大阪など主要都市で宿泊、料飲、婚礼・宴会、MICEなどの高付加価値サービスを提供し、レストラン運営や不動産賃貸なども手がけることで安定した事業基盤を築いています。
今回はそんな帝国ホテルの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などを「帝国ホテル 企業分析」の視点で分かりやすく解説します。
この記事では帝国ホテルへの就職に興味がある就活生を対象に、実務的なポイントを中心にまとめています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 帝国ホテルの仕事内容が気になる
- 帝国ホテルの就職難易度を知りたい
- 帝国ホテルの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、ホテル・ホスピタリティ以外の業界については、別記事で概観しているので併せてご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、帝国ホテルの就職難易度は「やや高め」と考えられます。
特に総合職は採用人数が限られており、応募者数も多いため競争率が高いのが実情です。
ただし、採用大学は特定の偏差値帯に偏らず、国公立から私立、さらには観光・外国語・芸術系など幅広い分野からの実績があり、選考対策を十分に行えば内定を獲得できるチャンスは十分にあります。
帝国ホテルの選考対策で特徴的なのは、ホスピタリティ業界ならではの「所作や言葉遣いの評価」と「英会話面接」です。
特に所作や非言語的な印象が重視されるため、面接準備では立ち居振る舞いや笑顔、声のトーンなども含めて練習する必要があります。
また職種としては大きく分けて「総合コース」と「専門コース」があり、総合コースは企画・営業・管理など幅広い業務に関わるのに対し、専門コースは宿泊・料飲・調理など現場業務に特化します。
どちらのコースを志望するかによって、求められる人物像や準備すべき対策が異なります。
次の章からは、帝国ホテルの事業内容や社員データ、就職偏差値、募集要項、採用大学などを詳細に解説していきます。
帝国ホテルに興味がある就活生にとって実務的に役立つ内容をまとめましたので、ぜひ最後まで読んでください。
帝国ホテルについて
出典元：帝国ホテル
会社概要
株式会社帝国ホテルは、日本を代表するラグジュアリーホテル運営会社で、東京都千代田区に本社を構えています。
1890年に「日本の迎賓館」として誕生して以来、国内外の要人を迎える格式高いホテルとして発展してきました。
現在は「帝国ホテル 東京」を中心に、「帝国ホテル 大阪」、「上高地帝国ホテル」といった直営施設を運営しており、2026年には「帝国ホテル 京都」の開業も予定されています。
帝国ホテルの事業は大きくホテル事業と不動産賃貸事業に分かれます。
ホテル事業では宿泊、レストラン・バー、宴会・婚礼、外販などを展開し、高品質なホスピタリティを提供しています。
特に宴会・婚礼分野は長年の信頼と実績を誇り、国際会議や式典の会場としても選ばれ続けています。
一方、不動産賃貸事業はオフィスや商業施設の賃貸を通じて安定的な収益を確保し、ホテル事業の景気変動リスクを補う役割を担っています。
帝国ホテルのビジネスモデルは、伝統と革新の両立にあります。
長い歴史に裏打ちされた「おもてなし」の精神を守りつつ、時代の変化に対応した施設改修や新規開業、外販商品の拡充などを進めています。
また、教育研修や海外留学支援などを通じて人材育成に注力しており、グローバル化するホスピタリティ業界に対応できる人材基盤を強化しています。
さらに、帝国ホテルはMICE（Meeting・ Incentive・ Convention・Exhibition）需要の拡大や富裕層観光市場の成長を背景に、国内外での競争力を高めることを目指しています。
近年では国際的なホテルチェーンとの競合が激化していますが、日本発の迎賓館ブランドとして独自のポジションを確立している点が強みです。
各事業別の売上規模
帝国ホテルの2023年度の総売上高は533.35億円で、主に「ホテル事業」と「不動産賃貸事業」の二つの事業から構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- ホテル事業
- 不動産賃貸事業
ホテル事業
ホテル事業は全体の売上の大部分を占め、511.25億円の売上を計上しています。
宿泊、レストラン・バー、宴会・婚礼、外販などの各部門で構成されており、特に宴会・婚礼部門は高単価で安定した収益源となっています。
宿泊やレストランもリピーターや富裕層向けプランにより、売上の安定化に寄与しています。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業の売上高は22.19億円で、オフィスや商業施設の賃貸収入が中心です。
ホテル事業の景気変動リスクを緩和する役割を持ち、全体売上の約4％を占めています。
各事業セグメントの解説
帝国ホテルの主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| ホテル事業 | 宿泊、レストラン・バー、宴会・婚礼、外販などの各部門を運営。国内外の富裕層やビジネス客向けの高付加価値プランを提供し、リピーター顧客の確保に注力。 |
| 不動産賃貸事業 | 保有するオフィスや商業施設の賃貸収入を中心に事業を展開。ホテル事業の景気変動リスクを緩和する安定的な収益源として位置付けられる。長期契約の賃貸契約により、全体の売上安定化に寄与している。 |
帝国ホテルの事業セグメントは、ホテル運営の高付加価値提供と不動産賃貸による安定収益を両立する構造になっており、老舗ホテルとしてのブランド力を維持しながら、収益の安定性を確保する戦略が反映されています。
また、ホテル事業においては、宿泊やレストランの運営だけでなく、宴会や外販など複数の収益源を組み合わせることで、経営リスクの分散と市場適応力の向上が図られています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
帝国ホテルで働いている社員は？
平均勤続年数は？
帝国ホテルの社員の平均勤続年数は、14. 8年と業界内でも比較的長いとされています。
これは、老舗ホテルとしてのブランド力と、社員一人ひとりの成長を支援する企業文化が影響していると考えられます。
平均年収は？
帝国ホテルの平均年収は約588.7万円で、業界平均と同等かやや高めとされています。
また、福利厚生や昇給制度が整っており、安定した収入が期待できます。
平均残業時間は？
ホテル業界全体において、繁忙期やイベント時には残業が発生することがありますが、帝国ホテルでは労働環境の改善に努めており、残業時間の削減に取り組んでいます。
具体的な平均残業時間は公開されていませんが、ワークライフバランスを重視した働き方が推奨されています。
平均ボーナス額は？
帝国ホテルのボーナス額は、業績や個人の評価に基づいて支給されます。
具体的な金額は公開されていませんが、業界標準に準じた支給が行われていると考えられます。
どんな文化なの？
帝国ホテルの企業文化は、「おもてなしの心」を大切にする伝統的な価値観と、現代的な柔軟性を兼ね備えています。
社員は、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供することを重視しており、チームワークやコミュニケーションが活発です。
また、研修制度やキャリアアップの機会が充実しており、社員の成長を支援する環境が整っています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しいホテル業界の中での帝国ホテルの立ち位置をご紹介します。
売上高やブランド力を参照し他社と比較してみても、帝国ホテルは日本を代表する高級ホテルの一角を占めていることが分かります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 歴史とブランド力
- 多様な事業展開
- グローバル対応力
歴史とブランド力
帝国ホテルは1890年に開業し、日本の迎賓館的な役割を担ってきました。
長い歴史の中で築き上げた信頼と格式は、国内外の要人やセレブリティから選ばれ続ける大きな要因となっています。
就職においても「日本を代表するホテルで働きたい」という志望動機を持つ学生が多く、競争率が高いのが特徴です。
多様な事業展開
単なる宿泊施設にとどまらず、宴会・婚礼事業、レストラン・バー運営、ケータリング事業など幅広い分野に強みを持っています。
特に高級レストランやスイーツブランドの展開は、一般顧客にも広く認知されており、安定した収益基盤を形成しています。
グローバル対応力
東京・大阪だけでなく、海外にも進出しており（ハワイの提携ホテルなど）、国際的な競争にも適応しています。
外国人観光客の増加に伴い、語学力や国際マナーへの対応力を持つ人材が求められている点も、採用難易度を高める要因です。
以上の要素により帝国ホテルはホテル業界の中でも「ブランド力・就職人気度ともにトップクラス」と評価されています。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2022年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 帝国ホテル | 約494億円 | 約588.7万円 | 60 | 伝統と挑戦を重んじる社風 |
| ホテルオークラ | 約787億円 | 約560万円 | 58 | 家族的で安定志向の社風 |
| ニューオータニ | 約690億円 | 約530万円 | 57 | 自由闊達で挑戦を奨励する社風 |
| プリンスホテル | 約1320億円 | 約520万円 | 56 | 若手に責任を任せる社風 |
帝国ホテルの新卒募集要項について
以下に帝国ホテルの新卒募集要項についてまとめました。
23年卒から月1万円のベースアップが行われただけではなく、福利厚生も整っている環境は嬉しい点です。
研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、年次毎や役職毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実しているといえます。
転勤については、新卒に関していえば通勤可能県内と記載があるため可能性は低いといえるでしょう。
ただ年次が上がるにつれて転勤の可能性はあるので、気になる方は面接や説明会などの際に確認をしましょう。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 企画・マーケティング系、オペレーション系、営業系、管理系、宿泊部門、料飲部門、営業・宴会部門、調理部門 |
| 給与（2023年4月入社 初任給実績） |
|
| 賞与 | 年2回（6月、12月） |
| 研修制度 | 総合コース研修／総合コースで入社後、１年半の研修期間があります。 （上高地帝国ホテル、調理部などのオペレーション部門を中心にさまざまな複数部門を経験します。） 通常研修／新入社員研修、入社後フォロー研修、階層別研修、海外研修、社外セミナー受講など 語学研修／能力別英語研修、フランス語研修など 自己啓発支援／通信教育、資格取得奨励、海外留学奨励制度など |
| 福利厚生 | 各種社会保険、育児・介護休業、財形住宅貯蓄制度、財形年金貯蓄制度、従業員持ち株会、マッサージルーム、従業員食堂、低金利貸付制度、全国契約レジャー施設、各種クラブ活動、確定拠出年金（社員のみ）など |
求める人材
帝国ホテルでは、求める人材像として「おもてなしの心を持ち、国際的な舞台で活躍できる人材」を掲げています。
伝統と格式を大切にしながらも、常に新しい価値を創造していく姿勢が重視されています。
- ホスピタリティ精神
- 挑戦心
- チームワーク
- 主体性
- 国際感覚
ホスピタリティ精神
帝国ホテルは130年以上の歴史を誇る日本の代表的なホテルであり、「おもてなし」の心がすべての基盤となっています。
お客様の立場に立ち、期待を超えるサービスを提供する姿勢が求められます。
挑戦心
伝統を守りつつも、新しいサービスや国際的な取り組みに挑戦し続ける姿勢が大切です。
現状に満足せず、常に改善を意識して行動できる人材が評価されます。
チームワーク
ホテルの業務は一人では成り立ちません。
フロント、レストラン、宴会、宿泊など多様な部門のスタッフと協力し合い、チーム全体で最高のサービスを提供する力が求められます。
主体性
自ら考え、行動に移せる主体性が重要です。
お客様への対応はマニュアルだけでは成り立たないため、その場に応じた最善の判断を下し、責任を持って行動できることが期待されます。
国際感覚
帝国ホテルは国内外の要人や観光客に利用されるため、語学力や異文化理解が不可欠です。多様なバックグラウンドを持つお客様に対応できる柔軟な感覚が求められます。
以上の5つは、帝国ホテルの採用メッセージ「世界に誇れるおもてなしを、ともに創る」につながっていきます。
エントリーシートや面接では、こうした資質を持ち合わせているかどうかを確認されるため、自己PRや志望動機に盛り込むことを意識すると良いでしょう。
新卒採用のフロー
帝国ホテルの選考は、下記の通りの流れとなっています。
面接では志望動機や自己PRといった基本的な質問に加え、「ホスピタリティ精神」や「国際感覚」が備わっているかを確認する質問が多いのが特徴です。
選考対策としては、「なぜ帝国ホテルで働きたいのか」「どのようにお客様へ貢献したいのか」を明確にしておくことが重要になります。
①会社説明会・各種セミナー
まずは帝国ホテルの歴史や事業内容を理解するための説明会やセミナーに参加します。
採用担当者や現場で働く社員から直接話を聞く機会があり、ホテルの雰囲気や社風への理解を深めましょう。
②筆記試験
次のステップは筆記試験です。一般常識や適性検査に加えて、ホテル業界らしく「ホスピタリティへの理解度」や「状況判断」が問われる形式が含まれる場合があります。
基礎的な学力に加え、接客業務に必要な柔軟な思考力やバランス感覚が評価されます。
選考では、SPIや英語の独自筆記試験が実施されており、帝国ホテル独自の形式で出題されることが確認されています。
以下のページもぜひ参考にしてください！
③面接
帝国ホテルでは、複数回にわたり面接を実施。
志望動機や自己PRといった基本的な質問に加えて、学生時代の経験やホスピタリティを感じさせるエピソードを聞かれるので、回答をまとめておきましょう。
面接を通じて、「帝国ホテルの一員としてふさわしい人材か」「長期的に成長していけるか」が見極められます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 学生時代に力を入れたことは？
ホテル業界の中でなぜ帝国ホテルなのか - チームで困難を乗り越えた経験は？
- 理想とするサービスの形は？
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
④英会話面接（総合コースのみ）
総合職志望者には、英語による面接が課されます。
外国人ゲストとのコミュニケーション力を確認するためのもので、流暢さよりも「相手に伝えようとする姿勢」や「臨機応変な対応力」を重視。
海外経験や留学経験がある場合はもちろん、英語学習への取り組み姿勢もアピールポイントになります。
また、日本語での面接途中に英語での面接に切り替わるため、柔軟な対応力がカギになります。
⑤内々定通知
最終選考を通過すると、内々定の通知が届きます。
採用大学
帝国ホテルの採用大学の実績を以下に掲載します。有名大学から地方中堅校まで幅広く採用されており、いわゆる「学歴フィルター」は基本的に存在しません。
| ＜大学院＞ 東京外国語大学、東京理科大学、東北大学、横浜国立大学 ＜大学＞ 青山学院大学、学習院大学、慶應義塾大学、九州大学、上智大学、国際教養大学、国際基督教大学、神戸大学、同志社大学、中央大学、津田塾大学、東京外国語大学、東北大学、名古屋大学、北海道大学、明治大学、立教大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、成城大学 |
上記には偏差値が高い大学も多数含まれていますが、帝国ホテルは全国各地の大学から幅広く採用を行っており、学歴だけで不採用になるケースは考えにくいといえます。
よって、学歴よりもエントリーシートや面接での自己アピール（志望動機、ホスピタリティ性、将来ビジョンなど）が重視されます。
しっかりと対策を行い、内定獲得を目指しましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、帝国ホテルの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準的といえるでしょう。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- ホスピタリティや接客力が重視される
- 採用大学に幅広さがある
- 待遇は業界標準だが成長機会が豊富
よって、帝国ホテルでは、接客経験やチームでの役割、おもてなしへの意欲などが頻出の質問テーマとなります。
これらの基本的な質問にしっかりと対策して、自分の経験や考えを整理しておけば、選考を突破するのは難しくありません。
ホテル業界でのキャリア形成や成長意欲を明確に伝え、準備を整えて内定を獲得してください！
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
帝国ホテルは、ホテル業界およびホスピタリティ業界に属する企業で、宿泊サービスやレストラン運営、宴会・イベント運営などを主事業としており、顧客一人ひとりに合わせた「おもてなし」や「感動接客」を追求しています。
帝国ホテルはホテル業界の中でも高いレベルのサービスを提供する企業です。
そのため、企業研究や業界理解をしっかり行っているかどうかで、就活での結果に差が出やすいといえます。
しかし、学歴だけで選考が決まる企業ではないため、全員に等しくチャンスがあります。
接客経験やホスピタリティに関する自分の強みを整理し、対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして、帝国ホテルでの就職に向けて励んでくださいね。
