【企業分析】図書館流通センターの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業分析】図書館流通センターの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2024/8/14更新

はじめに

はじめに、図書館流通センターは、図書館業界で幅広いサービスを提供し、リーディングカンパニーとしての地位を築いています。

図書館の運営受託や書籍・視聴覚資料の供給、図書館システムの開発・提供など、多岐にわたる事業を展開し、図書館業務の効率化と利用者サービスの向上に貢献してきました。

 

この記事では、図書館流通センターの企業研究をするための基礎知識や社風、選考対策について詳しく紹介します。

図書館流通センターへの就職に興味がある就活生に向けて、就職難易度や求める人材像、具体的な選考対策を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

対象
  • 図書館流通センターの就職難易度が知りたい
  • 図書館流通センターの仕事内容や働く人の情報が気になる
  • 図書館流通センターの求める人材や選考対策を教えてほしい

また、その他の業界については以下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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この記事の結論

この記事の結論を先にお伝えすると、図書館流通センターの就職難易度は高いと考えられます

図書館業界でリーディングカンパニーとしての地位を確立しており、多くの学生が応募するため競争が激しいためです。

図書館流通センターの仕事内容は多岐にわたり、図書館の運営受託、書籍・視聴覚資料の選定・供給、図書館システムの開発・提供、図書館スタッフの研修などがあります。

特に、「TRC MARC」という書誌情報データベースを活用することで、図書館業務の効率化と利用者サービスの向上に大きく貢献しています。

選考対策は一般的ですが、求める人材である多岐にわたる業務に柔軟に対応できる広い視野を持つ人物であることをアピールする必要があります。

次の章では、各内容やその他の就活に役立つ情報を詳しく紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

図書館流通センターについて

株式会社図書館流通センター(TRC)とは

出典元:株式会社図書館流通センター(TRC)|| アクセス(会社情報)

会社概要

図書館流通センターは、日本の図書館業界におけるリーディングカンパニーとして、1973年に設立されました。

2010年には、丸善と図書館流通センターが経営統合し、丸善CHIグループホールディングス株式会社が誕生しました。

図書館流通センターの主な事業には、図書館の運営受託、書籍や視聴覚資料の選定・供給、図書館システムの開発・提供、そして図書館スタッフの研修があります。

2024年7月現在で、受託する図書館の数は公共図書館597館、学校図書館については31自治体897校に及びます。

図書館流通センターの強みは、先進的なIT技術と優れたデータベースを駆使した業務の効率化とサービスの向上です。

特に自社で作成と提供をしている「TRC MARC」という書誌情報データベースのデータベースは、図書館の資料管理を効率化し、利用者に対して迅速かつ正確な情報提供を実現しました。

現在では全国の図書館で一貫したサービスを提供する基盤となっており、全国一律のシステムを通じて利用者は新刊書を全国どこの図書館でも手にできます。

TRCのユニークな部分は、単なる図書館の運営サポートにとどまらず、地域社会全体の情報アクセス向上を目指している点です。

図書館が地域の情報ハブとして機能するための支援をして、地域住民が情報にアクセスしやすい環境を整備しています。

また、地域住民の自立と地域の活性化を支援する使命を掲げ、図書館を通じて市民が自立することで地域全体の活性化を図っています。

 

各事業別の売上規模

丸善CHIグループホールディングスの事業別の売上規模

図書館流通センターの連結会社である丸善CHIグループホールディングスの2024年1月期の売上高は1,629億2,700万円でした。

丸善CHIグループホールディングスの事業は下記の5つのセグメントになります。

丸善CHIグループホールディングスの事業
  • 文教市場販売事業
  • 店舗・ネット販売事業
  • 図書館サポート事業
  • 出版事業
  • その他事業

図書館流通センターは、文教市場販売事業、店舗・ネット販売事業を担い、単体の売上高は542億円です。

事業分野での売上高は次の通りです

セグメント2024年1月期2023年1月期増減率
文教市場販売事業464.7億円479.7億円-3.1%
店舗・ネット販売事業662.4億円663.1億円-0.1%
図書館サポート事業356.6億円336.8億円5.9%
出版事業38.6億円41.2億円-6.1%
その他事業106.7億円107億円-0.3%

 

各事業セグメントの解説

丸善CHIグループホールディングスの事業セグメントは以下の通りです。

事業部門活動内容
文教市場販売事業教育機関向けに教材や学術書、研究書などを提供する事業です。
この事業は、大学や専門学校、高校などの教育機関と強い関係を築いており、学生や教職員が必要とする書籍や資料の供給をしています。
店舗・ネット販売事業一般消費者向けに書籍や雑誌、文具などを販売する事業です。
全国に展開する丸善ブランドの書店を通じて、多様な商品を提供しています。
近年では、オンラインショップの運営にも力を入れており、インターネットを通じて顧客に便利な購入手段を提供しています。
図書館サポート事業公共図書館や学校図書館、大学図書館向けに様々なサポートサービスを提供する事業です。
TRC(図書館流通センター)がこの事業の中心を担い、図書館の運営受託、書籍や視聴覚資料の選定・供給、図書館システムの開発・提供、図書館スタッフの研修など、多岐にわたるサービスを展開しています。
出版事業書籍や雑誌の出版する事業です。学術書や専門書、一般書籍など多岐にわたるジャンルで出版活動をしており、知識の普及と文化の発展に寄与しています。また、デジタル出版にも対応し、電子書籍の提供を通じて、読者に多様な読書体験を提供しています。
その他事業不動産賃貸やイベント企画・運営など、上記の主要事業以外の活動が含まれます。
このセグメントは、多角的な事業展開を通じてグループ全体の収益を補完し、安定的な経営基盤の構築に寄与しています。

図書館流通センターで働いている社員は?

平均勤続年数は?

図書館流通センターの平均勤続年数は14年です。

厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、平均勤続年数は12. 4年でした。

勤続年数は平均的といえます。

平均年収は?

丸善CHIグループホールディングスの平均年収を有価証券報告書で確認すると、約645万円でした。

全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均よりも高い水準といえます。

平均残業時間は?

図書館流通センターの平均残業時間は7時間でした。

厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査令和5年分結果確報」によると、平均残業時間は10.0時間になるため、平均より少ない残業時間といえます。

平均ボーナス額は?

図書館流通センターは年1回支給されます。

しかし、具体的な金額は公表されていませんでした。

参考までに国税庁の民間給与実態統計調査によると、平均給与に占める賞与額の割合は約16%といわれています。

丸善CHIグループホールディングスの平均年収から推測すると、約103万円になります。

どんな文化なの?

図書館流通センターは、図書館サービスを通して地域社会に貢献することを企業理念としています。

この理念に基づき、高品質なサービス提供、イノベーション、協力とチームワークを重視した企業文化を持っています。

社員は図書館運営、コンサルティング、システム開発、研修・教育など多様なキャリアパスを追求できます。

広い視野を持ち、高い志で社会貢献を目指す人材が活躍できる環境を整え、生涯学習の場としての図書館の重要性を支えることを使命とし、自己成長を遂げながら地域社会に貢献する人材を歓迎します。

 

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

丸善CHIホールディングス株式会社の業界での立ち位置

丸善CHIホールディングス株式会社の競合他社は事業領域によって異なりますが、書籍販売、図書館サポート、出版事業で競合といえるでしょう。

会社名売上高平均年収就職偏差値・難易度社風
丸善CHIホールディングス1,629億円645万円51教育とサービスに誇りを持つ
日販4,021億円781万円52効率と信頼性を重視
トーハン3,988億円567万円50顧客志向で柔軟に対応

 

図書館流通センターは、日本の図書館業界でリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。

公共図書館や学校図書館、大学図書館に対して、多様な図書館サービスを提供し、その運営効率化と利用者サービスの向上に大きく貢献してきました。

図書館流通センターは「TRC MARC」という書誌情報データベースを活用し、図書館の資料管理を効率化しています。

また、図書館運営受託の実績も豊富で、多くの自治体から高い評価を受けています。

地域社会に根ざした図書館サービスを提供することで、知識の普及と社会貢献を目指すリーディングプロバイダーです。

図書館流通センターの新卒募集要項について

図書館流通センターの新卒募集要項についてまとめました。

職種は、総合職と司書職の2つです。

図書館運営業務を担う司書職の応募条件として、司書資格の取得および取得見込が必要です。

各項目詳細
職種・【正社員】総合職
営業・書誌データ作成・システム開発運営・企画・物流管理などを担当
・【正社員】司書職
図書館運営業務
給与・【正社員】総合職
大学/大学院、卒業見込みの方
※過去入社月実績を表記しています(2022年4月支給)
年俸:3,773,760円
備考:月給314,480 円×12ヵ月。所定時間外勤務:別途支給

・【正社員】司書職
大学/大学院、卒業見込みの方
年俸:3,019,080円
備考:月給251,590 円×12ヵ月。所定時間外勤務:別途支給
賞与年1回
研修制度入社時研修(ガイダンス)、新人研修、ステップアップ研修A・B、レベルアップ研修、テーマ別研修、館長候補研修
福利厚生 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労働災害補償保険(労災))
その他福利厚生:割制度(書籍購入割引)、財形ほか、保養所ほか(健康保険組合)、産前産後休暇、育児介護休業ほか各種休職制度、別途提携外部福利厚生制度導入、健康保険組合:出版健康保険組合

求める人材

図書館流通センターが求める人材

図書館流通センターが求める人材は、「本が好き」「図書館が好き」といった基本的な情熱を持つだけではなく、多岐にわたる業務に柔軟に対応できる広い視野を持つ人物です。

図書館流通センターは、図書館に関する幅広いサービスを提供する「図書館総合支援企業」として、書誌データ「TRC MARC」の作成・提供、図書館運営の提案、コンサルティング、システム運用・開発、物流管理、総務・経理業務など、多様な分野での業務をしています。

そのため、総合職を目指す人には、これらの業務に関与し、各部署と連携しながら図書館の発展に貢献する能力が求められます。

 

新卒採用のフロー

図書館流通センターの新卒採用の選考フローを紹介します。

①新卒エントリー

リクナビよりエントリーします。

②エントリーシート提出

「総合職」「司書職」いずれの応募か明記して、エントリーシートを提出します。

エントリーシートで過去に問われた質問は次の通りです。

質問事項
  • 志望動機
  • ガクチカ
  • 自己PR

定番の質問が多いようです。

以下のページも参考に対策を考えておきましょう。

 

③適性・筆記試験選考

エントリーシートが通過すると適性検査と筆記試験があります。

具体的な内容は検索しても出てきませんでした。
一般的な対策を紹介します。

適性試験の対策として、言語分野、非言語分野、性格分野それぞれに効果的な方法を取り入れることが重要です。

項目対策
言語分野新聞記事やビジネス書の要約:毎日新聞記事やビジネス書を読んで、要約を作成しましょう。要約は内容を的確に把握する力を養います。

SPIの問題集:SPI(総合職適性検査)の問題集を使って、読解問題に取り組むことで、試験形式に慣れましょう。

ビジネス用語や専門用語の単語帳:ビジネス用語や図書館業務に関連する専門用語を単語帳で覚え、語彙力を向上させましょう。

非言語分野図形問題や計算問題:数的推理の問題集に取り組み、さまざまな図形問題や計算問題を解いて、解法パターンを学びます。

論理パズルや推理ゲーム:論理パズルや推理ゲームを使って、論理的思考を鍛えましょう。これにより、問題解決能力が向上します。
性格分野自分の強みや弱みを理解:自己分析をして、自分の強みや弱みを把握します。これにより、自分の性格傾向を理解できます。

性格検査の模擬テスト:性格検査の模擬テストを受けて、自分の性格傾向を確認しましょう。模擬テストを通じて、試験本番での自分の回答パターンを把握します。

 

SPI対策については以下の記事でも詳しく解説しています。

ぜひ参考にして下さい。

 

④面接(個別)※複数回実施

図書館流通センターでは、面接試験は2回実施されるようです。

あくまで過去の事例ですが、1次面接は学生1人と面接官1人、最終面接は学生1人と面接官1〜2人で実施されていました。

過去に聞かれた質問は次の通りです。

質問事項
  • 志望動機
  • 自己紹介
  • ガクチカ
  • なぜ司書を目指そうと思ったのか
  • あなたの好きな本を教えてください
  • どんな図書館スタッフになりたいですか

基本的な質問が中心ですが、本や司書についての質問も聞かれるようです。

ただし、図書館流通センターの求める人材である、「本が好き」「図書館が好き」だけでなく広い視野を持つ人物を意識することが大切です。

図書館流通センターの選考に参加する就活生は、本や図書館が好きな人しかいないでしょう。

他の就活生と差別化できる能力をアピールすることが面接を突破するために必要になります。

面接では自分の経験やスキルを具体的なエピソードを交えて話すことが重要です。例えば、過去に図書館でボランティア活動をした経験や、学校でのプロジェクトでリーダーシップを発揮したエピソードなどを通じて、自分がTRCでどのように貢献できるかを具体的に伝えましょう。

面接対策については以下のページでも詳しく紹介しているので、参考にしてください。

 

⑤内定

最終面接を突破すれば内々定になります。

採用大学

図書館流通センターの採用大学は次の通りです。

愛知県立大学、青山学院大学、愛媛大学、大阪大学、大阪大学大学院、大妻女子大学、お茶の水女子大学、神奈川大学、関西大学、学習院女子大学、九州大学、京都大学、京都大学大学院、共立女子大学、慶應義塾大学、国際教養大学、国際基督教大学、静岡大学

 

上記は一部ですが、学歴フィルターはなく全国の大学から幅広く採用されています。

図書館流通センターでは、配属先が全国の支社および受託図書館になります。

また、図書館流通センターの過去の採用実績も紹介します。

毎年5名前後の採用があるようです。

年度男性女性
2023年度14
2022年度22
2021年度11
2020年度32

 

採用大学のランクや学歴フィルターについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

就職偏差値・難易度

それでは、ここまでの内容を踏まえて、図書館流通センターの就職偏差値・難易度を見てみましょう。

結論としては、偏差値・難易度は高いといえるでしょう。

理由として以下の3点です。

  1. 全国採用をしているが採用人数が少ない
  2. 学歴フィルターがない
  3. 選考フローは一般的

 

日本の図書館業界におけるリーディングカンパニーですが、毎年5名前後の採用しかありません。

図書館で働くことを目標にする就活生は多く、図書館流通センターは学歴フィルターはなく全国採用をしているため、応募者数が非常に多くなります。

参考に、7月20日のリクナビ2025のプレエントリー数は1,462名でした。

2025年度は最大15名の採用予定人数ですが、応募倍率は97倍となり非常に競争が激しいことが分かります。

ただ、選考フローは一般的になるため、エントリーシート、適性検査、面接の対策をしっかりと行うことで内定を得るチャンスは増えるでしょう。

就職偏差値・難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。

まとめ

図書館流通センターは、1973年に設立され、日本の図書館業界でリーディングカンパニーとして幅広いサービスを提供しています。

主な事業には、図書館の運営受託、書籍や視聴覚資料の選定・供給、図書館システムの開発・提供、そして図書館スタッフの研修があります。

特に、書誌情報データベース「TRC MARC」の活用により、図書館業務の効率化と利用者サービスの向上に大きく貢献しています。

図書館流通センターの採用難易度は高いといえます。

その理由は、採用人数が少なく、全国から多くの応募者が集まるためです。

また、選考フローは一般的であるものの、図書館流通センターが求める人材像に合致することが求められます。

「本が好き」「図書館が好き」という基本的な情熱を持つだけでなく、広い視野と高い志を持ち、図書館業務に深い理解を持つ人物を求めています。

応募者は、図書館業務に対する深い理解と広い視野を持ち、自己の強みを明確にアピールすることが重要です。

しっかりとした準備を通じて、図書館流通センターでのキャリアを目指しましょう。

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