
三井グループの企業序列とは?三井グループの代表的な企業と特徴を徹底解説!まとめ
2023年9月18日更新
はじめに
「三井グループとは何?」
「三井グループの序列が知りたい」
「三井グループの特徴とは?」
このようなことでお悩みではないですか?
この記事では、三井グループの企業序列についてご紹介します。
最後まで読むと、三井グループの代表的な企業と特徴、三大財閥の1つである三井グループに就職するメリット・デメリットなどがわかります。
三井グループとは?
三井グループとは、戦前の三井財閥の流れを汲む日本の企業グループです。「二木会(にもくかい)」とも呼ばれており、日本橋の三井本館を本拠地としています。
二木会とは、三井グループの会長・社長を集めた懇談昼食会のことです。
二木会という名前は、会が開かれる木曜日と、三井グループのロゴである丸に井桁三から由来しています。
二木会は、他の旧財閥と比べても歴史が古く規模が大きいのが特徴で、三井グループの主要各社や傍系の大企業などが加盟しており、政財界に影響力を持っています。
戦前の三井財閥の源流は、江戸時代からの歴史を持つ三井越後屋呉服店(現在の三越)です。三井グループは、日本最大の財閥として財界に君臨した歴史がありますが、戦後の財閥解体でその結束が弱まってしまい、グループの連帯維持を目的として1961年に二木会が発足しました。
三井グループには、金融、不動産、商社、化学、鉄鋼、エネルギーなど様々な分野の企業が属しています。事業は、江戸時代から続く富商の流れから、重工業よりも金融業に強いです。
「人の三井」と言われ、個人の実力を重視しているので、入社後の社員教育より人材発掘のための採用に力を注いでいます。三井グループとしての結束力は、三菱グループと住友グループと比べて弱いといえるでしょう。
三大財閥について
三大財閥とは、「三菱」「三井」「住友」の企業グループのことです。
明治時代から戦後にかけて経済復興の原動力となった財閥グループで、その中でも規模が大きいTOP3をいいます。
三大財閥を簡単に比較してみました。
三菱グループ (三菱財閥) | 三井グループ (三井財閥) | 住友グループ (住友財閥) | |
創業 | 1870年 | 1673年 | 1590年 |
創業者 | 岩崎家 | 三井家 | 住友家 |
規模 | 約410兆円 | 約300兆円 | 約200兆円 |
社長会 | 三菱金曜会 | 二木会 | 白水会 |
呼び名 | 組織の三菱 | 人の三井 | 結束の住友 |
特徴 | 組織の統一力 | 人材育成・人脈形成 | 社会貢献 |
現在、「三菱」「三井」「住友」各グループには多くの企業が属していて、会社間のヒエラルキー(序列)が存在します。
三井グループの企業序列
三井グループ(三井財閥)の企業序列をご紹介します。
三井グループには、会社間にヒエラルキー(序列)があると言われています。
序列は、上から「三井御三家」「月曜幹事企業」「三井広報委員会加盟企業」の順です。
三井御三家
三井御三家とは、三井財閥の中核をなす3つの企業のことです。
かつて、「三井銀行」「三井物産」「三井鉱山」が三井御三家と呼ばれていましたが、戦後の財閥解体や企業再編により、現在は「三井物産」「三井不動産」「三井住友フィナンシャルグループ」が三井御三家とされています。
三井物産
三井物産は、日本最大の財閥であった三井財閥の中核企業「三井御三家」の1つで、現在は三井グループを代表する大手総合商社です。
三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、丸紅と共に並ぶ、五大商社の1つでもあります。
三井物産の事業は、金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業など、幅広い分野で展開をしています。
三井不動産
三井不動産は、三井財閥の中核企業「三井御三家」の1つで、三井グループの大手総合不動産デベロッパーです。
不動産デベロッパーとは、多岐にわたる不動産業の中でも、街の再開発事業や大規模住宅地の造成、リゾート開発、マンション開発などの不動産開発を専門に手掛ける業種です。
三井住友フィナンシャルグループ
三井住友フィナンシャルグループは、メガバンクの三井住友銀行やSMBC日興証券などを傘下に置く金融持株会社です。
三井グループと住友グループの系列の両方に属します。
三井住友フィナンシャルグループは、2002年に旧さくら銀行と旧住友銀行が合併して誕生した三井住友銀行を中核として設立。その後、金融ビッグバンや金融危機などの環境変化に応じて事業領域や地域を拡大してきました。
銀行、証券、信託、カード、リースなどの幅広い金融サービスを提供しています。
月曜幹事企業
月曜幹事企業とは、三井グループの中で特に重要な役割を担う企業のことです。
月曜幹事企業は、毎週月曜日に三井グループの役員会議「月曜会」を開催して、グループの方針や戦略を決めたり、各社との情報交換や協力を行います。
現在の月曜幹事企業は、三井御三家と、主要5企業「三井金属」「東レ」「三井E&S(三井造船)」「三井化学」「三井住友トラストホールディングス」の8社です。
ここでは、主要5企業を紹介します。
三井金属
三井金属の正式名は、三井金属鉱業株式会社。三井グループの中核企業の1つで、大手非鉄金属メーカーです。
三井金属の主な事業は、金属製錬、電子材料製造、自動車部品製造などです。
戦後の財閥解体で一時解体されましたが、1950年に再建されました。その後、技術革新や事業の多角化の取り組みを行い、現在はエレクトロニクス製品を支える機能材料事業や自動車部品の開発・生産などを行っています。
東レ
東レは、三井グループの中核企業の1つで、合成繊維や合成樹脂、化学製品や情報関連素材を取り扱う大手化学企業です。
1926年に三井物産の出資により東洋レーヨンとして創業をし、1970年に現在の社名に変更されました。
東レの事業は、繊維事業、機能化成品事業、炭素繊維複合材料事業、環境・エンジニアリング事業、ライフサイエンス事業の5つになります。
合成樹脂やフィルムなどの高性能素材、炭素繊維、浄水器などの先端材料など、高い付加価値のある製品を開発・提供しています。
三井E&S(旧三井造船)
三井E&Sは、旧三井造船にあたり、機械、船舶エンジン、エンジニアリングなどを手掛ける重工業メーカー。三井E&Sグループの中核企業です。
環境・エネルギー、海上物流・輸送、社会・産業インフラの3領域で、様々な製品やサービスを提供しています。
三井化学
三井化学とは、三井グループの大手総合化学メーカーです。
大手総合化学メーカーの国内売上高5位を誇ります。
三井化学の事業は、機能材料事業、先端化学品事業、基礎化学品事業の3つです。自動車、電子・情報、健康・医療、包装、農業、建築・建材、環境エネルギーなど幅広い分野で高性能素材や製品を提供しています。
三井住友トラストホールディングス
三井住友トラストホールディングスとは、三井グループと住友グループの両方に属する、三井住友信託銀行を傘下に置く銀行持株会社です。
2011年に中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行が経営統合して発足しました。
三井住友トラストホールディングスは、銀行、証券、信託、カード、リースなどの幅広い金融サービスを提供しています。
三井広報委員会加盟企業
三井広報委員会は、三井グループ各社の広報活動を行っています。
現在の三井広報委員会加盟企業は、以下の月曜幹事企業8社と、三井広報委員会加盟主要企業16社の、計24社になります。
三井御三家 (月曜幹事企業) | 三井物産 三井不動産 三井住友フィナンシャルグループ |
月曜幹事企業 | 三井金属 東レ 三井E&S(三井造船) 三井化学 三井住友トラストホールディングス |
三井広報委員会加盟企業 | 三井住友銀行 三井倉庫ホールディングス 王子ホールディングス デンカ 商船三井 三機工業 日本製鋼所 三井住友建設 新日本空調 サッポロビール 東洋エンジニアリング エームサービス 大樹生命 三井住友ファイナンス&リース 三井住友海上 JA三井リース |
三井グループの代表的な企業
三井グループの業界別での代表的な企業になります。
業界 | 会社名 |
金融・保険 | 三井住友海上火災保険 三井住友トラスト・ホールディングス 三井住友ファイナンス&リース |
建設・不動産 | 三井住友建設 三機工業 |
運輸・物流 | 商船三井 三井倉庫ホールディングス |
化学・機械 | 三井化学 デンカ 三井金属 三井E&S 日本製鋼所 |
三井グループの特徴
三井グループは、日本最大の財閥であった三井財閥の企業グループです。三井グループの特徴としては、以下のような4点があります。
・個人の実力を重視し、企業全体の成長に繋げている
・金融業に力を入れている
・お客様の立場でニーズを汲み取ることを大切にしている
・共通点が多い住友グループと企業統合をしている
三大財閥に就職するメリットとデメリット
三大財閥である「三菱」「三井」「住友」の企業グループに就職するメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
①安定性がある
三大財閥に就職するメリットの1つめは、「安定性がある」ことです。
三大財閥は歴史が長く、経営基盤がしっかりと出来あがっているからです。不況にも強いので安心して働けます。
財閥グループ内での取引もあるので、仕事がなくなるということはないでしょう。安定性があるというのは将来に対する安心度も高まります。
②ブランド力がある
三大財閥に就職するメリット2つめは、「ブランド力」があることです。
三大財閥のグループ内の企業は、社会的にも認知度が高く、就職先としても評価がとても高いです。また、グループ内の人脈やネットワークも広く、キャリアアップにも有利になります。
財閥グループ内の企業は社会からの信頼度も高いので、銀行からの融資が受けやすいです。ローンなどもスムーズに組めるでしょう。
③福利厚生が充実している
三大財閥に就職するメリット3つめは、「福利厚生が充実している」ことです。
福利厚生とは、月々の給料とは別に会社が従業員に対して用意している報酬全般のことを指します。
社会保険や労働保険、通勤手当、資格手当といった金銭の支給のほか、特別休暇の支給、食事・社宅の貸与などの現物の支給、会社特有の制度やサービスが利用できるなどがあります。
福利厚生には、健康保険や厚生年金などの法律で定められているもの(法定内福利)と、退職金や育児休暇などの企業が独自に定めているもの(法定外福利)があり、その目的は従業員やその家族に対して経済的な支援を行い、働きやすい環境をつくることです。
企業にとっても社員の満足度の向上や生産性の向上などのメリットがあります。
デメリット
①自由度が低い
三大財閥に就職するデメリットの1つめは、「自由度が低い」ことです。
三大財閥のグループ内の企業は、学歴や序列による差別や圧力が強い傾向があります。それにより人事評価や昇進も変わります。またヒエラルキーによる上位企業からの干渉や指示を受ける場合もあるので、自由度は低いといえるでしょう。
②成長性の低さ
三大財閥に就職するデメリットの2つめは、「成長性の低さ」です。
三大財閥のグループ内の企業は、伝統や慣習を重んじるため、変化に対応しにくく、イノベーションが起こりにくい、リスクを避けるといった傾向があります。
メリットで取り上げた「安定性」と「ブランド力」が裏目に出ているといえます。
③ヒエラルキーに苦しむ
三大財閥に就職するデメリットの3つめは、「ヒエラルキーに苦しむ」ことです。
三大財閥は、三菱・三井・住友の順で序列が決まっているので、それに従わなければなりません。このヒエラルキーは、取引先や出向先などで影響が出ます。また、財閥からの天下りも多く、役員や管理職のポストを奪われる場合もあります。
三井グループの企業序列とは?三井グループの代表的な企業と特徴を徹底解説!まとめ
三井グループの企業序列について、三井グループの代表的な企業と特徴、三大財閥の1つである三井グループに就職するメリット・デメリットを徹底解説しました。
「人の三井」と言われる三井グループの最大の特徴は、個人の能力を発揮することで企業の成長に繋げている点です。
三井グループの企業の共通するテーマは、「社会課題の解決」「価値の創造」「持続可能な社会の実現」「挑戦と創造」などがあげられます。
このことから、自らも挑戦と創造の精神を持って、仕事に取り組める人材が求められているのがわかります。