【企業研究】極洋の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】極洋の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年9月10日更新

はじめに

極洋(株式会社極洋)は、水産業を展開する日系企業です。1937年に創業した老舗企業であり、日本の水産業界でトップクラスの売上・規模を誇る大手です。業務・市販用の水産加工品を幅広く提供しているため、極洋の商品を1度は利用したことがある人も多いでしょう。

今回は、そんな身近な大企業・極洋について企業研究を行います。事業概要や社風、業界での立ち位置など基本的な内容の他、選考フロー・就職難易度・採用大学など、選考対策に役立つ情報も解説します。

水産業界

極洋が属する水産業界は、水産物の漁獲や養殖、加工などを行う業界です。日本の第一次産業を支える業界でもあり、日本の食卓を支える業界でもあります。360度を海に囲まれた日本にとって、非常に身近な業界だと言えます。

 

水産業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!

【業界研究ガイド】業界一覧

事業内容

極洋の主な事業は次の通りです。水産物の調達・加工・流通業務を、複数の事業部門で区別しながら展開しています。

 

水産事業

水産事業は極洋の主力事業です。漁撈会社として創業して以来、70年以上の実績・経験から培ってきたノウハウやネットワークを駆使し、国内だけでなく世界中から上質な水産物を調達しています。また、水産物はニーズに合わせた形に加工を行っています。販売先は飲食店・鮮魚店・スーパーなどさまざまです。なお、今後成長の見込まれる海外マーケットにおいて事業強化を行うため、海外拠点を利用した販売にも力を入れています。

 

生鮮事業

寿司種や刺身などの生食商材を販売する事業です。回転寿司等飲食店・スーパーなどで提供される品に使用するもので、販売実績は国内トップクラスです。現在は、海外の回転寿司店などへの販路を意識した事業拡大にも力が入れられています。

また、鰹鮪商材の販売もこの事業の柱です。漁獲や養殖、買付、加工、販売を全てトータルで行っており、刺身・乾物・缶詰などさまざまな商品に加工して、質の良い魚を消費者の食卓に届けています。

 

食品事業

水産物を冷凍食品に加工し販売する事業です。焼魚・煮魚に関しては販売実績国内トップクラス、その他にもフライ・練り物など充実のラインナップを製造しています。業務用については給食業者・医療機関・福祉機関など、市販用についてはスーパー・コンビニ・ドラッグストアなどに向け販売しています。

 

物流サービス

極洋の商品の流通を支える事業です。グループ会社の倉庫事業を中心に、商品の管理と物流を徹底的に管理しています。冷蔵温度を細やかに管理することで、商品を上質なまま維持した上で、スムーズに流通させています。

 

参考:株式会社 極洋 事業展開

新卒選考フロー

それでは、極洋の新卒選考フローを紹介します(募集年度や職種によって変わる可能性はあります)。

 

書類選考

まずはエントリーシートを提出し、書類選考を受けます。極洋のリクルート用ページからマイページの登録を行い、マイページ上でエントリーします。エントリーシートでは、極洋でやりたい仕事の内容や学生時代に最も力を入れたこと、これまで夢中になった経験などについて尋ねられるようです。

 

適性検査

書類選考の次は適性検査を受検します。形式はeF-1Gだと言われています。

 

面接

面接は1次・2次・最終の3回行われます。なお、面接の後には簡単なWEBテストの受検があります(WEBテストの形式はSPIや玉手箱などの形式ではないようです)。全て合格すれば内々定です。

 

極洋の面接で問われる内容は非常に多岐に渡り、エントリーシートで尋ねられる内容の深堀りの他、なぜ今在学している大学(学部)を選んだのか、自分の能力で仕事に活かせる部分なども聞かれています。また、極洋で希望する職種のやりがいや極洋の弱みなど、企業や職種に関する質問も多いようなので、十分な企業研究や自己分析は必須です。

参考:株式会社 極洋 採用情報 RECRUIT よくある質問

社風

ここからは極洋の社風の主な特徴を紹介します。業務の内容や割り振り、職場環境など、総合的に考えれば若手から勤続の長い社員まで、働きやすい企業と考えられそうです。

 

自分で考えながら働けて成長につながりやすい

水産業はその昔、縦割りが厳しい体育会系の仕事として知られていました。今でもそのイメージを持っている人も多いようです。しかし、極洋にはあまり体育会系の雰囲気はなく、元気で活発な空気感はあるものの、過剰な熱さを強制されることはありません。業務には自分の裁量でやらせてもらえる部分もあり、また社員に意欲があればチャレンジもよしとしてくれます。若手世代でも責任ある仕事を任せてもらえるため、やりがいがあるという感想も見られました。なお、社員がスキルアップを目指せる仕組みが充実しており、スキルアップに力を入れやすいなどの声も聞かれます。

 

生活の変化と両立しながら長く勤続する人も多数

家庭を持っているが人が働きやすい職場だという声も聞かれます。その1つの要因は休暇を取りやすいことです。例えば子どもの体調不良や行事など、家庭の事情で仕事を休まなければならない場合もあり得ます。そのようなときに休暇が取りやすい職場なら気が楽でしょう。また、産休や育休などから復職する女性も多いようで、生活の変化とバランスを取りながら、長く勤続しやすい企業と言えそうです。

求める人材

極洋は採用情報のページで自社の求める人材を「チャレンジする気持ちを大切にし、目的意識と責任感を持って自発的に仕事に取り組める人を求めています。」と具体的に掲げています。事業内容からもわかる通り、極洋はこれまで自社が培ってきたものを大事に守りつつ、社会の情勢や市場の動きに柔軟に対応し、新しい事業にも積極的に打って出る姿勢がある会社です。そのため、社員自身にも挑戦を恐れないこと、自らの業務に関心を持ち、積極性を持って行動を起こしていける素養が求められるのでしょう。

 

また、入社時点で必ず備えていなければならないわけではありませんが、語学力を磨いていくことも推奨されています。極洋は海外のマーケットなど、世界中をフィールドに事業を点かいしています。そのため、海外とやり取りをする場面も多々あり得ます。極洋は社員の教育やスキルアップを支える体制が整っており、語学スキルについても、研修や通信教育・語学学校の利用補助など、サポートの仕組みがあります。このような制度を活用しながら、自分を高めている人材も歓迎されるでしょう。

 

参考:株式会社 極洋 採用情報 RECRUIT よくある質問

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

会社名売上高平均年収就職偏差値・難易度社風
極洋2,721億円700万円57
マルハニチロ1兆205億円700万円57~58挑戦できる機会が多い
ニッスイ7,681億円600~800万円61保守的ながら新しい空気感も
紀文食品1,056億円500万円51保守的・穏やかな社員が多い

 

財務情報の比較(売上)

今回比較対象として挙げたのは、国内水産業界のトップ10に数えられる企業です。中でもトップを走り続けているのがマルハニチロ、次いでニッスイとなっています。企業の規模などにより、売上高には大幅な違いが見られますが、業界全体で言えば、水産業界の業績は軒並み好調の傾向にあります。2023年は売上高が前年よりアップしている企業が多く、こちらに挙げている4社も例外ではありません。現在も続く円安などの影響の他、海外市場の盛況なども後押しになっているようです。

 

社風の比較

水産業界は体育会系できついという昔ながらのイメージを持っている人もいますが、業界としては風通しのよい企業も多々見られ、新しく社内環境を整備しようと試みている企業もあるようです。保守的な部分が強いか、挑戦にも積極的かは企業によって違いが大きい部分です。新たな事業を展開したり、社会情勢への対応力が高かったりするトップ企業では、世代に関わらず社員に挑戦の機会を与えているケースが目立ちます。

昔から続く産業に携わる業界なので、保守的な部分もありますが、常に新しい事業を模索している企業も。自分の性格も分析しつつ、どのようなバランスの社風が自分に適しているか考えたいところです。

 

就職偏差値

就職偏差値は水産業界の大手企業内でもかなり差がある状況です。ニッスイはここ数年採用人数が50人未満、マルハニチロは50人を超えていますが、過去より少ない人数のようです。極洋も近年の採用人数は30人前後となっています。就職偏差値自体は特別高いというわけではありませんが、採用人数が少ないため、結果的には狭き門と化してる状況です。ただし、学歴や地域を問わず採用している大手も多いので、業界トップクラスの企業でも、選考対策への注力次第で採用獲得を狙うチャンスはあると言えます。

 

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

採用大学

極洋での採用実績がある大学の一例は次の通りです。

青山学院大学、岩手大学、宇都宮大学、大分大学、大阪大学、小樽商科大学、お茶の水女子大学、鹿児島大学、神奈川大学、関西学院大学、学習院大学、九州大学、京都工芸繊維大学大学院、京都大学、共立女子大学、慶應義塾大学、甲南大学、神戸大学、国際教養大学、駒澤大学、静岡大学、昭和女子大学、上智大学、女子栄養大学、水産大学校、成蹊大学、聖心女子大学、専修大学、千葉大学、中央大学、東海大学、東京海洋大学、東京外国語大学、東京経済大学、東京都立大学、東京農業大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、東洋大学、鳥取大学、同志社大学、獨協大学、長崎大学、名古屋女子大学、奈良女子大学、新潟大学、日本女子大学、日本大学、広島大学、法政大学、北海道大学、宮城大学、宮崎大学、武蔵大学、明治大学、山形大学、山梨大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、龍谷大学、早稲田大学 など(五十音順)

 

実績を見ると、かなり幅広い偏差値、幅広い地域の大学から採用していることがわかります。国内最難関レベルの大学名も見られますが、地方の中堅大学なども非常に多い状況です。また、水産・農業・経済・外国語など、極洋の業務と関連度の高い分野の大学からも採用しています。これらの状況から、極洋には学歴フィルターは存在しないと言えるでしょう。

業績好調&社内制度の整備で平均年収もアップ

極洋は2022年度決算で38年ぶりの過去最高業績を記録しており、業界の中でも特に好調な企業です。島国日本において水産業はなくてはならない重要な産業のひとつであり、業界の将来性は高いと考えられますが、その中でも極洋は今後さらに業界を牽引していく存在になると期待できそうです。

 

また、2023年4月1日から、新たな人事制度を導入したことも話題を呼んでいます。この人事制度によって、初任給が従来の約3割、平均年収が約2割引き上げになります。近年社会的な賃上げ推奨などが行われていますが、それを踏まえても極洋の給与引き上げはかなり大きな改革です。この背景には、従業員が活き活きと働き続けられる職場となるような環境づくりを進め、企業の成長や生産性アップにつなげる目的があります。なお、新制度では、定年も60歳から65歳に引き上げられました。

 

自社の人材を大切にし、ライフスタイルとキャリアを両立させながら働ける職場環境を意識している優良な企業姿勢が伺えます。長く勤続できる企業に就職したい人は要チェックです。

 

参考:新たな人事制度の導入に関するお知らせ ~平均年収 約2割、初任給 約3割の引き上げ~(株式会社 極洋)水産大手の極洋、社員の平均年収が2割もアップした舞台裏(会社四季報ONLINE)

 

まとめ

水産業界の大手企業である極洋は、業績が好調な注目の会社です。今後も業界のリーディングカンパニーとしてさらに存在感を増していくと予想されます。また、社内制度の改革によって、従業員が働きやすい環境整備に注力していることもあり、これから一層就活生からの人気が高まっていくはずです。学歴フィルターはないと考えられるので、全国各地の就活生に内定獲得のチャンスはあります。ぜひ企業研究を深め、もし採用を目指すと決めたら早めに選考対策に動きましょう。

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監修者情報

須藤由加里

キャリアアドバイザー リーダー

株式会社やまとに新卒入社。
全国での採用担当&新卒中途の研修担当の3職種を経験。 その後挑戦心が原動力となり2020年に株式会社ナイモノにジョイン。 現在キャリアアドバイザー リーダーとして就活生のサポートを行う。