就職難易度が低い業界は?業界の特徴や優良企業なども解説

就職難易度が低い業界は?業界の特徴や優良企業なども解説

2023年7月31日更新

はじめに

業界によって就職難易度は異なります。

就職難易度が低い業界には、「仕事がきついのでは?」など、ネガティブなイメージを持っている人も多いかもしれません。

しかし、業界の仕事はさまざまあり、その業界ならではの魅力も存在します。

本記事では、就職難易度が低い業界の傾向などとともに、具体的な業界の特徴や業界内の優良企業などを解説します。

就職難易度が低い業界の傾向

就職難易度が低い業界といっても、具体的にどのような特徴があるのかイメージが湧かない人もいるかもしれません。まずは、就職難易度が低い業界によく見られる傾向を紹介します。

採用倍率はおおむね25倍以下

就職難易度が低い業界の傾向としてまず挙げられるのは、採用倍率がおおむね25倍以下であることです。

25倍という数字だけ見ると、難易度が高いイメージを持つ人もいるでしょう。

しかし、有名企業や大手企業の採用倍率となるとさらに高く、100倍以上という状況も見られます。

採用倍率25倍は、何もしなくても採用を獲得できるほど甘いものではありませんが、しっかり選考対策を取っていれば、誰でも十分就職を目指せるレベルだと言えます。

知名度が低い

業界またはそこに属する企業の知名度が低いことも、就職難易度が低い業界に見られる傾向のひとつです。

知名度が低いため、なかなかその業界や企業を志望する学生が現れにくいことが理由と言えます。志望者の数が少ないので、採用のハードルも下がり、結果就職難易度が低い状態になっています。

人手が不足している

人手が不足している業界も就職難易度は低めです。業界の中には需要が高い一方、就職を希望する人の数が需要に追い付いておらず、慢性的な人手不足に陥っているところもあります。

このような業界では、取り敢えず人手を確保することが最優先であり、そのため選考にも高いハードルは設けず採用する傾向にあり、就職難易度が下がっている現状があります。

就職難易度が低い業界に応募するメリット

就職難易度が低い業界に応募する大きなメリットは、とにかく採用が獲得しやすいことです。

就活をする中で、なかなか内定が取れず、焦燥感や落ち込みを感じる学生も多く見られます。

このままでは就職が危ぶまれるという焦りが、その後の就活に悪影響を及ぼしさらに内定獲得から遠のくという、負のループに陥る人も少なくありません。

そのため、取り敢えず内定を1つ獲得できるという安心感は非常に大きいのです。就職難易度が低い業界で内定を獲得しておければ、ひとまず就職できないという展開は免れます。

就職先があることでメンタルを安定させられるので、その後難易度の高い選考に臨む際も気持ちを落ちつけてチャレンジできます。

もちろん、就職難易度が低い業界の採用を獲得し、そのまま就職するのもありです。

早い段階で内定を獲得しておけば、実際に入社するまでの間に、社会人として働く準備やスキルアップに使う時間がたっぷり取れます。

また、残りの学生生活をエンジョイする余裕も生まれるでしょう。

就職難易度が低い業界6選

それでは、就職難易度が低い業界を具体的に解説します。

各業界の特徴や、なぜ就職難易度が低いのかを見ていきましょう。また、業界内の優良企業も紹介します。

1.IT業界

IT業界はデジタル技術を提供するという事業内容から、他の業界とも非常に深い関連性があります。現在、社会のあらゆる部分にデジタル技術が使用されており、今後もその技術を支えるIT業界の重要性は高まっていくと見込まれます。しかし、このような需要の高さに人員の数が追い付いておらず、IT業界は慢性的に人手不足の傾向にあることも有名です。

人手不足の大きな理由は業務量の多さとフレキシブルな業務内容にあります。

IT業界はその需要の高さから、各企業の事業規模も幅広く、結果社員1人あたりの業務量も多くなりやすいのです。

直接開発に関わるシステムエンジニアなどの専門職は特に業務量が多いと言われています。

また、開発に関しては仕様の変更やエラー処理などイレギュラーな対応を求められるシーンも多々あり、タイトなスケジュールでこなさなければならない案件も珍しくありません。

このような現状が、なかなか就職希望者が増えない、離職者が多いという状況にもつながっています。

ただし、IT業界は間違いなく今後も社会に求められ続ける業界で将来性があります。

また、専門的なスキルが必要な職種が多いため、転職する際も職場探しに困りにくく、潰しがきくことも魅力的です。

さらに、現場の業務のスペシャリストやプロジェクト・チームをまとめるリーダーなど、働き方によってさまざまなキャリアを描けることもメリットと言えます。

社会において重要な役割を担う業界の一員として、大きなやりがいを得ながら働きたい人にマッチするでしょう。

2.運送・流通業界

運送・流通業界は国内外の物流を司る業界です。

こちらも重要な役割を担っている業界であるものの、慢性的に人手不足と言われています。

人手不足の大きな理由は、業務のハードさです。

運送・流通業界は体育会系とイメージする人も多いのではないでしょうか。

実際、例えば運送する荷物を積んだり、届けたりするなど、力仕事も含まれます。

また、宅配業務はさまざまな場所に時間通りに荷物を届ける大変さもあります。

その他、長距離トラックドライバーなど、昼夜関係なく業務を行わなければならない職種もあり、このような状況が業界全体のハードさにつながって、人手不足を招いているのです。

ただし、運送・流通業界の職種は多様で、力仕事がほとんどない事務職や流通システムの開発に携わるエンジニア職なども存在します。

また、デジタル技術の普及などにより、今後業務の効率化が実現される可能性もあります。

3.建設業界

建設業界は建物の建設全般を担う業界です。

こちらも人手不足の傾向にあり、就職難易度が低めです。

建設業界は現場作業のイメージが非常に強く、そのため体育会系的な部分があります。

実際、建設現場では重量のある資材を運ぶ・高所など危険な場所で作業するなど過酷な業務も多く、またミスがケガや命に関わることもあるため、どうしても強い統率が必要になりがちです。このような厳しい業務内容が先行し、業界の人手不足につながっていると考えられます。

しかし、建設業界も力仕事のある職種だけではありません。

例えば建物を設計する設計士や、図面を作成するCADオペレーターはデスクワークが多くなります。

自社の仕事を売り込む営業職は、現場より取引先に赴く機会の方が多いでしょう。

バックオフィスを担当する事務職も欠かせません。なお、現場作業を行う職種は建設を最も間近で体感するため、ものづくりならではの大きなやりがいも得られるでしょう。

4.小売業界

小売業界とは、商品の仕入れ・販売などを行う業界です。

就職難易度が低い理由は、業界の幅広さにあります。

小売業界は取り扱う商品の種類などによってかなり細分化されており、また属する企業の数も膨大です。

つまり、就職先の選択肢が豊富であるため、就職難易度もそれほど高くないのです。

店舗で販売を担当する場合は立ち仕事が多くなり体力が必要であること、商品の販売数や契約数などのノルマが設定される場合があることなど、大変な部分もあります。

ただし、顧客と距離が近く、商品を購入・使用したリアクションを受け取りやすいことなどから、やりがいを得やすい仕事だとも言えます。

5.教育業界

教育業界は、教育機関・塾・カルチャースクールなど教育を行う機関や、学びを求める人に対し、学習支援を行う業界です。

教育業界は就職を希望する人が少なく、難易度も低いと言われています。

その理由として挙げられるのが、業界のイメージです。教育業界は直接教育を行う機関のイメージが強く、働く際に高い専門性が必要なのではと判断され、応募を敬遠する人が少なくありません。

しかし、実際は学習の仕方や学習のツールを提供するなど、関節的に学習に関わっている企業も多く、入社時点でそれほど高い専門性を求められない会社も多々あります。また、教育分野は社会の動きとともに変化しやすいため、これからの成長率が高い業界だとも言えるでしょう。

6.介護福祉業界

介護福祉業界は、高齢者や障がい者など、支援を必要とする人に対し福祉サービスを提供する業界です。

こちらの業界も慢性的な人手不足状態にあり、就職難易度は高くありません。

介護福祉業界の人手不足の原因は、業務のハードさと賃金の低さです。

介護をする上では、対象者の身の回りの世話をするという業務内容上、人の体を支えることが多く、体力が必要です。

実際、介護に携わって足腰を傷める人も多く見られます。

また、介護施設の形態によっては夜勤があり、生活が不規則になりやすいことも大変なところです。さらに、ハードな業務内容の割に給料が業界全体で低い傾向にあります。

ただし、今後さらに高齢社会が進むと見込まれる日本において、介護福祉業界の役割が重要性を増していくだろうことは間違いありません。

人手不足に悩む施設・企業が多いため、就・転職しやすいメリットもあります。

また、例えば育児をひと段落した後の再就職などがしやすく、年代やブランク期間がそこまで不利にならないことも魅力です。

就職難易度が低い業界の優良企業

ここからは、就職難易度が低い各業界で、優良と言われる企業を見ていきましょう。

就職倍率や難易度、社風、平均年収などを紹介します。

1.IT業界

キャノン系列のIT企業である「キャノンITソリューションズ株式会社」は、就職倍率約6倍という推定があります。

社員の多様性を受け入れる社風があり、また優しい性格の人が多く、風通しも比較的良いようです。

また、平均年収はおおよそ600万円で、職種やキャリアによっては年収1,000万円を突破することも可能です。ホワイトな企業で働く社員からは高評価を得ています。

2.運送・流通業界

運送業界の老舗企業である「福山通運株式会社」は、例年数百人規模の採用を募っており、採用倍率も高くないと考えられます。

老舗ならではの安定感のある事業が特徴的です。

社風は穏やかで、昔ながらの日系企業に見られやすい保守的な部分もあります。平均年収は400万円ほどですが、職種やキャリアによって700万円以上の収入も得られるようです。

3.建設業界

大阪に本拠をおく老舗建設企業「ダイダン株式会社」は、採用倍率約7倍と推定されます。

若手のうちから仕事を任せる企業の方針があり、実際に働くからも年代に関係なく重要な仕事を与えられるという声が聞かれます。

なお、任せきりではなく、先輩や上司がしっかりフォローしてくれると手厚さもあります。

責任ある仕事に携わりながら経験を積んでいける職場と言えるでしょう。

平均年収は約600万円ですが、中には年収1,000万円を得ている社員もいます。

4.小売業界

国内有数の老舗百貨店である「株式会社高島屋」は小売業界を代表する優良企業です。

就職倍率は明確な情報がありませんが、大手企業でありながら競走倍率が特に高い企業のランキングなどには名前がないため、就職難易度はそれほど高くないと考えられます。

昔ながらの大企業であるため保守的な部分が見られます。また、従業員を大切にする風土が強いことも特徴です。平均年収はおおよそ500~600万円ですが、それ以上の年収を得ることも可能です。

5.教育業界

「株式会社さなる」は、国内外に多数の拠点を持ち、幅広く教育事業を展開する企業です。

採用倍率については明確な情報がありませんが、採用大学が幅広く、就職難易度は低いと推定されます。

実力主義的な社風があり、若手にも挑戦の機会が数多く与えられます。

明るい社員が多いため、コミュニケーションが取りやすいことも特徴です。平均年収は約400万円ですが、700万円以上の年収を得ている社員もいます。

6.介護福祉業界

「シップヘルスケアホールディングス株式会社」は、大阪に本拠を置く大企業です。

医療・介護・福祉などの分野で事業を展開しています。

採用倍率ははっきりした情報がありませんが、採用大学が幅広いなどの状況から倍率は高くないと推測されます。

業務量は職種や部署によって異なりますが、休暇を取りやすく、オンオフのメリハリがつけやすいとう声が聞かれます。

また、事業分野が幅広いことから、さまざまな業務に携われることも魅力と言えます。

なお、シップヘルスケアホールディングスは、業界内でも平均年収が高い方であり、約800~900万円です。

まとめ

就職難易度が低い=微妙な業界、ではありません。

就職難易度が低い業界を選ぶことにはさまざまなメリットがあり、そのメリットを活かすことで就活をより充実させられます。

また、就職難易度が低い業界の中にも、優良な企業や大手企業が複数存在するので、応募先の選び方によっては素晴らしい社会人生活をスタートできるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、就職難易度の低い業界にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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監修者情報

須藤由加里

キャリアアドバイザー リーダー

株式会社やまとに新卒入社。
全国での採用担当&新卒中途の研修担当の3職種を経験。 その後挑戦心が原動力となり2020年に株式会社ナイモノにジョイン。 現在キャリアアドバイザー リーダーとして就活生のサポートを行う。