【業界研究】建設業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?

【業界研究】建設業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?

2023年11月11日更新

はじめに

就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。

 

そこで、ここでは建設業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。建設業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。

建設会社とは?

建設会社は、建築や土木工事などの大規模な建設プロジェクトを請け負う企業です。建築物やインフラの建設、道路や橋梁の整備、公共施設の建設など、多岐にわたる建築関連の業務を専門とし、社会基盤の構築に貢献しています。

大手ゼネコン規模の建設会社は、高層ビル、大型商業施設、公共施設、工場、道路、橋梁などの建設やリニューアル工事など、国や自治体との大規模プロジェクトに参加することがあります。これらのプロジェクトでは、高度な技術と専門知識が求められ、プロジェクトマネージャーや専門家が協力して成功に導きます。

一方、中小規模の建設会社は、住宅建設を主力とし、地元社会に密着した事業展開を行うことが多いです。彼らは一般の住宅から高級住宅、アパートメント、住宅団地など、様々な住宅プロジェクトを手がけ、地域の住環境を向上させる役割を果たしています。

建設業界では、技術力、品質管理、安全性、環境への配慮などが重要視され、厳格な基準に基づいて業務が行われます。また、建設プロジェクトには多くのステークホルダーが関与し、計画から施工、竣工までのプロセスをスムーズに進めるためにプロジェクトマネジメントが欠かせません。建設会社は、社会基盤の整備や住環境の向上に貢献する重要な役割を果たしており、その活動は私たちの生活に深く関わっています。

つづいて、市場規模や業界動向について見ていきましょう。2021年度において、建設業界は2020年度の建設需要急減に続く反動増の影響を受けました。また、令和4年度の税制改正に伴い、政府が住宅取得を促進するための支援策を一部延長したことも住宅市場の回復に寄与しました。この影響を受け、住宅市場は活況を呈しました。

さらに、オフィスビル、工場、物流倉庫などの需要も増加し、建設業界全体において前年度比110.1%という二桁の成長率を記録しました。このような背景により、建設業界は動きが活性化し、市場全体が拡大しました。建設業界は経済において重要な位置を占め、さまざまな需要に応える役割を果たしており、その成長は社会全体に影響を及ぼしています。

建設会社の種類

一口に建設会社といっても複数の種類があります。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。

 

種類①ゼネコン

ゼネコンは、鹿島建設、大林組、大成建設などが該当します。特徴は下記のとおりです。

「設計」「施工」「研究」の3つを自社で行っている

業務が多岐に渡る

業界最大手であり、安定した経営基盤を有している

また、就職活動においては下記のようなものがポイントになります。

業界のトップランナーとして活躍したい人

幅広い商品・サービスを扱い、多くの顧客に接したい人

種類②サブコン

サブコンはゼネコンの下請け会社で、きんでん、関電工、九電工などが該当します。特徴は下記のとおりです。

専門分野に特化している

営業・設計・施工管理・研究を行う

また、就職活動においては下記のようなものがポイントになります。

スペシャリストになりたい人

個人で稼ぎたい人

 

種類③プラント

プラントは川崎重工業、日立造船、日揮ホールディングスなどが該当します。特徴は下記のとおりです。

スケールの大きい仕事ができる

多くの業種が交錯する刺激的な環境でキャリアを築ける

海外で活躍できるチャンスがある

また、就職活動においては下記のようなものがポイントになります。

大きい仕事がしたい人

様々な土地で活躍したい人

種類④ハウスメーカー

ハウスメーカーは、大和ハウス工業、積水ハウス、住友林業などが挙げられます。特徴は下記のとおりです。

全国規模で展開している

材料や工事の品質が安定している

また、就職活動においては下記のようなものがポイントになります。

全国規模で活躍したい人

家づくりに携わりたい人

建設会社の主な業務内容

建設会社の主な職種と業務内容は下記のとおりです。

業務内容①施工管理

施工管理部門の役割は、建設プロジェクトにおけるスケジュール設定と監督です。品質、安全、予算などの側面から全体の進行を管理し、計画通りに進捗するよう確認します。

業務内容②設計

設計部門はクライアントの要望を受け、建築物の設計プランを策定します。要望を具現化するだけでなく、利便性やデザインの向上、予算の最適化などを考慮して設計図を作成し、クライアントの満足度を向上させます。

業務内容③営業

営業部門は、クライアントに対し企業の専門知識や実績を提案し、工事の受注を促進します。クライアントとの架け橋となり、プロジェクトの立ち上げを支援します。

業務内容④技術

技術部門は、建設プロジェクトで必要な新技術の研究・開発と導入を担当します。建設プロジェクトは多岐にわたるため、困難な施工条件や特殊な技術が必要な場面があります。新技術の導入により、対応範囲を拡大し、業務の効率を向上させます。

業務内容⑤事務管理

事務管理部門は、人事、総務、法務、経理など幅広い業務を担当します。業務内容には電話応対、来客対応、事務用品管理、伝票や請求書作成、清掃、建設プロジェクトに関連する書類管理などが含まれます。

業務内容⑥情報システム

情報システム部門は、システムの運用と管理、さらにはIT機器の管理を行います。AI技術やOA機器を活用し、効率的な作業環境を実現する役割も果たします。

業務内容⑦安全管理

安全管理部門は、現場での事故を予防するための措置を講じます。建設業界は事故のリスクが高いため、安全規則の策定と遵守管理を行い、事故を未然に防ぎます。

建設会社のメリット・デメリット

建設会社のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。メリット・デメリットがどのくらい大きいのかを考えていきましょう。

メリット①需要が無くなりにくい

今日では、ITサービスの進化などにより、従来のビジネス需要が変容している現代です。何が将来にわたって確実かということは一概には言えませんが、住宅や建設業に関わる需要は容易には変わりません。

さらに、日本においては、公共プロジェクトによって整備された生活インフラの保守やメンテナンスなど、継続的な需要が存在します。ITの進歩は建設業界のプロセスを変えることはあるかもしれませんが、建設業自体の需要は引き続き存在するでしょう。

メリット②業界内の転職は比較的簡単

建設業界におけるキャリアと資格は、業界内での転職において非常に有用です。長らく人手不足が続いていたこともあり、キャリアと資格を持つことで、建設業界内での求人や仕事の機会が非常に豊富であるといえます。建設業界は常に新たなプロジェクトが発生し、スキルと資格を持つ人材はその需要に対応できるため、人手が流動的であると言えます。資格や経験を持つことは、転職やキャリアの発展において大きなアドバンテージとなるでしょう。

メリット③人に自慢できる仕事が出来る

建設業界の仕事は、長期にわたって存在し続ける建物などを創り上げる貴重な仕事です。たとえば、東京オリンピックの開会式と閉会式が行われる “オリンピックスタジアム(旧国立競技場)” は、世界中の人々の記憶に残るであろう施設の一つです。このようなプロジェクトに参加することは、モチベーションを高める要因となるでしょう。

さらに、建設業で働く人々にとって、プロジェクトの規模に関係なく何か新しいものを創り上げることは誇りとなり、完成した建物を見ることは喜びをもたらします。建設業界は社会に貢献し、継続的な成果を生み出す重要な分野であり、その中で働くことは充実感をもたらします。

デメリット①景気に影響を受けやすい

建設業の発注者は、主に官公庁と民間企業に大別されます。建設プロジェクトは一つの案件あたりの金額が高額であるため、経済不況の際にはプロジェクトの発注が滞る傾向があります。これは大手ゼネコン業者であっても、景気の影響を完全に回避することが難しい状況と言えます。

ただし、建設業の中でも、例えば住宅メーカーのように、単価が高層ビルやマンションと比較して低い建設プロジェクトを請け負う企業は、景気の不況の影響を比較的受けにくい傾向があります。

デメリット②繁忙期が多い

過去と比較して、建設業界における労働環境は改善傾向にあります。特に、社会保険の加入率などは他の産業と遜色ない水準に達しています。

ただし、建設業は依然として期末に向けて現場が忙しくなる傾向が続いています。さらに、建設現場は天候に左右されることもあるため、その点についても注意が必要です。また、建設プロジェクトの受注金額から利益を差し引いた金額が建設予算となりますが、受注金額が適正でない場合、現場に負担がかかることがあります。

一方で、プロジェクトの納期遵守は常に求められるため、工程が計画より遅れた場合には残業が増える、週に1日しか休みがないなどの状況が発生することもあるでしょう。

建設会社に向いている人・求められるスキル

建設会社には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方が建設会社に向いています。

危機管理能力

計算能力

計画作成能力

コミュニケーション能力

分析力

体力

建設会社への就活に活かせる資格

建設会社において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。

建築士

電気工事士

とび技能士

基礎施工士

再開発プランナー

時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめします。

建設会社の大手企業5選

建設会社の大手企業には下記のような企業があります。もちろん、これら以外にも多数の企業があるため、ぜひお調べください。

会社名売上高平均年収企業理念社風
大和ハウス工業4兆9081億9900万円928万2701円心を、つなごう
一.品質、技術、情報力の向上に努め、環境に配慮した安全で確かな商品、安らぎとくつろぎの空間を提供します。【企業の視点】
一.誠意をもってお客様と向き合い、感動と喜びを分かち合います。 【お客様の視点】
一.社会規範に基づく公明正大な行動により、社会的評価を高め、企業価値の向上に努めます。 【株主の視点】
一.感謝の気持ちを忘れず、公正であることに努め、取引先と共に成長・発展を図ります。【取引先の視点】
一.仕事を通じて自らの成長と幸せを追求します。【社員の視点】
一.「共創共生」を基本姿勢に、心豊かに生きる暮らしと社会の実現を目指します。【社会の視点】
・失敗を恐れずどこまでもチャレンジできる
・体育会系
・自分で考えて動く必要がある
積水ハウス2兆9288億3500万円834万2460円人間愛、真実・信頼、最高の品質と技術、人間性豊かな住まいと環境の創造・研修などの機会が多く、学ぶ場がある
・年功序列で保守的
・人間愛を大切にしているので優しい人が多い
鹿島建設2兆3915億7900万円1163万5152円全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する・誇りを持って仕事をしている人が多い
・面倒見が良い社員が多い
・真面目で実直、勤勉
大林組1兆9838億8800万円1031万5515円「地球に優しい」リーディングカンパニー
1 優れた技術による誠実なものづくりを通じて、空間に新たな価値を創造します。
2 地球環境に配慮し、良き企業市民として社会の課題解決に取り組みます。
3 事業に関わるすべての人々を大切にします。
これらによって、大林組は、持続可能な社会の実現に貢献します。
・真面目で保守的
・個人の頑張りで挑戦することが可能
・比較的穏やかな人が多い
大成建設1兆6427億1200万円992万9480円人がいきいきとする環境を創造する
わたしたちは、自然との調和の中で、安全・安心で魅力ある空間と豊かな価値を生み出し、次世代のための夢と希望に溢れた地球社会づくりに取り組んでいきます。
・挑戦する機会がある
・風通しが良い
・自由闊達

 

下記の会社については詳しい解説記事があるため、こちらもぜひご確認ください。

 

【企業研究】大和ハウスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】積水ハウスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】鹿島建設の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】大林組の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】大成建設の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

 

建設会社への就活を成功させるためには

まずは、就活に関する基本的なことは建設会社でも他の業界でもおこなうことが重要です。ESのブラッシュアップ、面接対策は必ず徹底的におこないましょう。そのうえで、建設会社への就活を成功させるためには下記のような書籍がおすすめです。

 

図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第4版] 

 

また、建設会社に属する企業のインターンシップに積極的に参加することもおすすめいたします。実際の業務内容を知っておくことで面接やESで説得力を持たせることができます。

この業界向けに志望動機を書く際の注意点やよくある志望動機などをまとめてあるとより理想的です。

 

志望動機を作る上で大切なポイントが2つあります。それぞれの特徴と建設業界でよくある志望動機を見ていきましょう。

 

なぜ建設業界なのか

採用担当者に印象を残す志望動機を作成する際には、なぜ建設業界を志望したのかを明確にアピールすることが重要です。業界の多様性の中から、なぜ建設業界を選んだのかをはっきりと表現しましょう。

志望の理由を具体的に説明することは非常に重要です。その理由を明碽に伝えることは、志望動機を構築する上で基本中の基本です。なぜ建設業界を選んだのか、その理由を伝えるには、建設業界の特徴を活かしたアピールが必要です。

たとえば、建設業界を通じて社会に貢献し、より豊かな生活環境を実現したいとか、建設プロジェクトを通じて地域社会の安全と発展に貢献したいといった、多くの理由が考えられます。建設業界独自の特性を結びつけながら、なぜこの業界に志願したのかを伝えることができます。

 

なぜその企業なのか

建設業界を志望する理由を伝えたら、次にその中でなぜ特定の企業を選んだのかを明確に述べましょう。建設業界には多くの企業が存在し、その中からなぜ特定の企業を選んだのかを説明することが重要です。

建設業界に興味があるだけでは、他のどの企業でも同じように思われてしまい、印象を残しにくくなります。志望の企業を選んだ理由を伝えることで、その企業に特別な関心や理由があることを示す必要があります。そのため、志望企業に関する詳細な情報を収集し、その企業ならではの特長や強みに焦点を当ててアピールしましょう。

企業研究を深化させ、志望企業を選んだ理由を説明することによって、自身の選択に根拠を持たせ、採用担当者に印象を与えることができます。

 

建設業界によくある志望動機

よくある志望動機は以下の通りです。

・建設業界を通じて社会に貢献し、より豊かな生活環境を実現したい

・建設プロジェクトを通じて地域社会の安全と発展に貢献したい

まとめ

今回は建設業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるのはもちろんのこと、数ある建設会社の中でどの企業を志望するのかを明確にしましょう。また、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていくのも大切です。この記事を参考に、ぜひさらなる業界研究や企業研究を進めて行ってください。

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