【企業研究】日本製鉄の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年6月月30日更新
はじめに
日本製鉄は、日本の鉄鋼業界における最大手企業です。自動車や電気機器など、様々な日本製品を支える存在であり、大きなやりがいを感じながら働く社員が揃っています。そんな日本製鉄を就職先の候補として意識している人に向け、本記事では日本製鉄の企業研究を行います。企業の基本データや業務内容、社風など会社に関する部分や、選考対策まで詳しく解説するので、ぜひ参考にどうぞ。
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鉄鋼業界
鉄鋼業界は、鉄を加工して製造した製品を各業界に供給する業務を担う業界です。主に製造を行う鉄鋼メーカーと、製品の卸売を行う企業が属しています。鉄鋼メーカ-はさらに高炉メーカー・電炉メーカー・特殊鋼メーカーに分かれ、それぞれ原料や製造方法などが異なります。鉄鋼業界の鉄製品は、自動車製造や家電製造など、日本製の工業品に欠かせないものであり、日本の製造業全体を支える業界だと言っても過言ではないでしょう。
鉄鋼業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
日本製鉄の基本データ
会社名 | 日本製鉄株式会社 |
設立年 | 2012年(新日本製鐵と住友金属工業の合併による) |
従業員数 | 106,068名(2023年3月31日現在) |
売上 | 7兆9,755億円 |
福利厚生 | ●社宅 約5,500戸(うち本社地区 約700戸) ●独身寮 約9,500戸(うち本社地区 約600戸) ●保育所 室蘭くじらのうた保育園(北海道室蘭市)、かしまみなとのかぜ保育園(茨城県鹿嶋市)、かずさみどりのもり保育園(千葉県君津市)、東海さくらのみち保育園(愛知県東海市)、広畑あおぞら保育園(兵庫県姫路市)、鞘ヶ谷ほたるの里保育園(福岡県北九州市)、大分どんぐりのもり保育園(大分県大分市) ●持家融資制度 融資限度額 5,000万円―東京地区、勤続10年以上または30歳以上の場合 ●子女の教育支援制度 融資限度額 500万円 ●家族の介護支援制度 融資限度額 500万円 ●リフレッシュ休暇制度 勤続15年 10万円 5日 勤続30年 50万円 10日 勤続40年 8万円 5日 ●ワークライフ・サポート制度 ・子育て支援会社補助制度(育児・託児施設月極利用料金の一部会社補助)、従業員3万円/年補助制度(会社が定めた育児、介護、医療・健康増進、宿泊、スポーツ・レジャー等のメニューに対して年内最大3万円を補助) ・提携福利厚生業者からの割引・サービス利用 ・育児・介護等特定メニューのサービス利用 引用元:日本製鉄ファクトブック 福利厚生 |
企業理念 | 基本理念 日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。 経営理念 1.信用・信頼を大切にするグループであり続けます。 2.社会に役立つ製品・サービスを提供し、お客様とともに発展します。 3.常に世界最高の技術とものづくりの力を追求します。 4.変化を先取りし、自らの変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。 5.人を育て活かし、活力溢れるグループを築きます。 |
参考:日本製鉄 会社概要
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事業内容
日本製鉄の主な事業は製鉄事業で、鉄鋼製品の製造及び販売とそれに付帯する業務を行います。鉄鋼製品の種類は幅広く、自動車・インフラ・エネルギー・家電OAなどさまざまな分野で利用されています。
なお、日本製鉄グループ内で、エンジニアリング事業(日鉄エンジニアリング)、ケミカル・マテリアル事業(日鉄ケミカル&マテリアル)、システムソリューション事業(日鉄ソリューションズ)と複数の事業を展開しています。
募集職種(新卒年収)
日本製鉄で募集している職種は次の2種類です。
事務系
企画、営業(国内・海外)、総務、人事、財務・経理、原料購買、工程管理などの業務に従事します。
技術系
操業技術、設備技術、品質管理、研究開発、開発設計、技術営業などの業務に従事します。
なお、各職種について、募集学科の別は記載されていません。募集学科は文系は不問、理系は機械、材料、電気、電子、情報、化学、物理、経営工学、土木、建築、水道、衛生、数理、環境、生物と指定されています。
勤務地は本社(東京)、製鉄所(全国13箇所)、技術開発本部(全国3箇所)、支社・支店(全国7箇所)、海外事業所(国外17箇所)のいずれかです。給与月額は、高専卒が195,000円、学部卒が218,000円、修士了が243,000円と規定されています。
参考:日本製鉄 募集要項
新卒選考フロー
日本製鉄の基本的な新卒選考フローは次の通りです。
1.プレエントリーを申込む
まずはWEBからプレエントリーを申込みます。日本製鉄公式サイトか、各就活情報サイトからアクセスし、エントリーを完了させます。プレエントリーにはマイページの登録が必要です。
2.日本製鉄主催のイベントに参加する
企業研究や仕事への理解を深めるため、日本製鉄主催の各種イベントに参加します。イベント参加はマイページからエントリーが可能です。全国各地のセミナーにも出展予定があり、地方大学の学生も気軽に参加できます。イベントで現場の社員から実際の業務の様子などを学び、日本製鉄についてよく知った上で、応募を検討します。
3.自由応募または学校推薦で必要書類を提出する
応募することを決めたら、文系・理系どちらの学生も応募できる「自由応募」か、理系かつ学校から取得できる学生が対象の「学校推薦」、いずれかの応募方法を選び、必要書類を提出します。
自由応募の場合はエントリーシートの提出が必要です。なお、自由応募はWEB適性検査も受検します。学校推薦の場合は、学校から推薦状を取得し提出します。
4.面接を受ける
応募のステップが完了したら面接の実施です。面接は1~2次面接、リクルーター面談・人事面談・最終面接などがあり、選考フローや職種などによって回数が異なります。なお、最終面接は本社・支店・製鉄所のいずれかで行われます。
参考:日本製鉄 募集要項
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インターン
日本製鉄では、例年インターンシップを開催しています。開催時期は8~9月頃です。文系学生向け・理系学生向けに分かれており、内容も全く異なります。文系学生向けのプログラムは2日間開催で、グループワークや社員との座談会が中心です。実習はWEBで行われます。理系学生向けのプログラムは、日本製鉄の実際の各拠点において、見学・立ち会い実験・データ解析・プレゼン提案などを行います。実習期間は2週に渡り10日間で、直接各拠点に足を運び体験する点も特徴的です。どちらのコースもマイページからエントリーし、書類選考などを経て参加者が決定します。
社風
風通しの良さは部署によってバラつきがあるようですが、社員の成長意欲を大事にする社風があります。若手でもさまざまな種類の業務、責任ある仕事を任されることも多く、自分の経験値をどんどん上げたい人にとっては良い環境と言えるでしょう。
また、仕事や業界に熱意を持った人が多いことも日本製鉄の特徴です。多様性を感じられる職場で個別意識がある一方、企業理念や企業の方針で1つになれる空気感があります。風通しの良し悪しは部署によりけりです。トップダウンで行われる業務が多いため、保守的で固い印象を持つ人もいるようです。
求める人材
日本製鉄は、総合力世界No.1の鉄鋼メーカーとして、今後これまで以上にグローバルな視点を持ち、企業として成長するだけでなく、鉄づくりを通した社会貢献をさらにグローバルなスケールで展開していこうと考えているようです。
そのようなビジョンを実現させるためには個々の力とチームワークが不可欠であり、企業とともに自分も成長し、日本製鉄の将来を担える気概ある人材を求めています。
チームワークについては、採用時グループワークという形式で加味されることが多いです。以下の記事も参考にご覧ください。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
日本製鉄 | 7兆9,755億円 | 600万円 | 66 | 堅実で熱意にあふれる |
JFEスチール | 5兆2,687億円 | 500~1,000万円 | 69 | 保守的 |
神戸製鋼 | 2兆4,725億円 | 500~600万円 | 61 | 風通しが良い |
財務情報の比較(売上)
売上を比較すると、国内の業界最大手である日本製鉄が群を抜いています。しかし、こちらで紹介している3社はいずれも2023年3月期末の売上高が、過去最高を記録しています。全国的な物価高が影響していると考えられていますが、業界全体で勢いがあると言えるでしょう。
社風の比較
社風については、企業ごとにかなり違いがありますが、少し保守的な雰囲気を持つ職場が多いようです。ただし、社員のチャレンジ精神を頭ごなしにシャットアウトするような理不尽さはなく、意欲や理論を示せば一定の機会を与えてくれる空気もあります。なお、現場での作業が多い業界の性質上、現場の規律に非常に厳しく、体育会系的な雰囲気があることも特徴の1つです。
就職偏差値
就職偏差値はどの企業も高めの水準です。ただし、採用大学の実績などを見ると、学歴フィルターは特にない模様。出身大学ではなく、学生自身の実力や学んできたことを重んじて採用を行う文化が、業界全体にあるようです。
採用大学
日本製鉄の採用実績がある大学の例は次の通りです。
東京大学、東京理科大学、東京農工大学、筑波大学、慶應義塾大学、芝浦工業大学、早稲田大学、北海道大学、秋田大学、東北大学、静岡大学、名古屋大学、金沢大学、大阪大学、京都大学、天理大学、岡山大学、高知工科大学、九州大学、熊本大学など
これらの大学を見ると、国内有数の難関大学採用者も含まれているものの、全国各地幅広い偏差値の大学から学生を採用しています。したがって、日本製鉄では学歴フィルターはないと考えられます。大学よりは、学科や学生自身の能力を重視する傾向にあるようです。
参考:リクナビ
ホットニュース
日本製鉄は、連結子会社3社を2023年秋に統合予定とニュースリリースしています。日本製鉄自体も新日本製鐵と住友金属工業が2012年に合併、新日鐵住金となり、2019年に商号変更して現在に至る企業です。合併や経営統合などを積極的に行いながら、市場の変化に柔軟に対応し、競争力を高めていけるような体制づくりが得意な企業と言えるでしょう。
参考:産業新聞 日本製鉄、3社を統合 松菱金属・日鉄精鋼・日鉄鋼線 販売数量月4万トン、全国カバー 「日鉄プロセッシング」に
まとめ
日本製鉄は、日本の鉄鋼業界を牽引していく大きな役割を担った大手企業です。社内には、日本の産業を大きく支えるこの業界で働くことに、強い熱意と誇りを持った社員が多くいます。採用されれば、自分も国の重要な産業に携わっていると確かなやりがいを得ながら働けるでしょう。ぜひ今回紹介した内容を踏まえながら、さらに日本製鉄の企業研究を深め、具体的な選考対策を考えてみてください。
日本製鉄と肩を並べるJFEスチール関連企業の研究記事、また鉄鋼商社へも目を向けてみてもいいかもしれません。ご興味がある方は以下の記事もご確認ください。
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