【例文付き】内定承諾後の辞退はできる?円満に辞退する対処法
2024年8月15日更新
この記事の監修者
奥田恵(キャリアアドバイザー)
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
はじめに
「一度内定を承諾したが、辞退したい。」これは、毎年一定数の学生さんが抱える思いです。
内定承諾後であっても辞退することは可能ですが、怒られるのでは…と気が重いですよね。
この記事では内定承諾後の辞退が円満に済むポイントを紹介するので、参考にして怖がらずに辞退しましょう!
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1.内定承諾後でも辞退はできる
初めにも述べたように、内定承諾後でも辞退することは可能です。
内定承諾の際には「内定承諾書」という書類の提出を行うので,心配になる方もいらっしゃると思います。そこでまずは内定承諾書について確認していきましょう。
内定を辞退するタイミングによって「内定辞退」と「内定承諾後辞退」の2つがあります。企業は最終合格した学生に対して内定を伝え、内定承諾書を送付します。
内定承諾書を提出せずに内定を辞退するのが「内定辞退」です。
一方で、内定承諾書を返送したにもかかわらず、その後に内定を辞退することを「内定承諾後辞退」といいます。
内定承諾書とは、内定を得た学生が企業に対して「内定を承諾し、入社することを誓約 する書類」です。
内定承諾書には、多くの場合
- 入社の承諾
- 正当な理由なく入社を拒否しないこと
- 内定取り消しとなる場合の理由
が書かれています。
つまり、企業側は内定承諾書という署名と捺印を伴う文書を通して、学生の入社の意思を確認しているのです。
内定承諾書について、より詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。
内定承諾書では「内定を承諾し、入社することを誓約」するので,学生に対しても法的拘束力が生じます。
しかし、内定承諾書を提出した後の辞退は,違法ではありません。
なぜならば、憲法では職業選択の自由が保証されているからです。また、民法第六百二十七条(民法の雇用契約)において以下のような記載があります。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときには、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れ日から二週間を経過することによって終了する」
つまり、労働契約は解約の申し出から二週間で解約できるので、入社日の二週間より以前であれば内定を辞退して他の企業で就職することが可能ということになります。
これらの根拠から、内定承諾書には法的拘束力がありますが、内定承諾後に辞退することは違法ではありません。
また,内定承諾後の辞退は可能な他、辞退を伝えた際に「賠償金を請求する」と言われたとしても払わなくてもいいのです。
ビジネスで関わる場合がある
ひとつは辞退した会社と今後もかかわりがある可能性があることです。同じ業界・業種に就職する場合など、辞退した会社の人事と関わりのある人が取引先や車内にいる可能性があります。マナーの守れていない事態の仕方をしてしまうと今後の仕事にも悪影響が生じやすくなってしまうでしょう。
研修費用の返還
さらにもうひとつは、研修費用の返還を求められる可能性があることです。賠償金については支払う必要がないことを述べましたが、内定者が入社する予定で用意されていた備品や、有料の内定者研修を会社負担で予定していた場合などには実費を請求される可能性もゼロではありません。
内定承諾後の辞退にはリスクを伴う可能性があることも念頭に置いておきましょう。
1-5-1 企業が採用に多くのコストをかけている
内定承諾後に辞退することは違法ではないとはいえ、企業に迷惑をかけるということは 自覚しましょう。
なぜならば、企業には「〇人の新入社員を入社させる」という採用のノルマがあり、学生からの内定承諾はそのノルマの達成度の一つの基準となります。
内定承諾をした時点で、配属の部署を検討したり内定者イベントの手配をしたりと、時間と労力をかけて入社に向けた準備を始めます。
内定承諾後に辞退すると、企業の人員計画にズレが生じ、採用活動を再開しなければならない場合も出てくるので、更なる迷惑をかけることになる可能性もあります。
1-5-2 本当に辞退していいのか検討する
内定承諾後の辞退には様々な理由がありますが、一定数「内定承諾したが不安になった」という学生さんもいらっしゃいます。
なぜならば、時間の経過とともに熱が冷めてしまった、それにより自分の判断にも自信がなくなってきた、ということが起こるためです。
内定承諾後の辞退を検討するうえで考えておくべき事項として以下のことが挙げられます。それは、「後悔しないか」「絶対に外せない条件は何か」 です。
入社前の印象と入社後の印象が一致するとは限りませんが、多角的な視点で情報収集をしておくことが大切でしょう。
また、自分自身の企業選びの軸が何なのかを再度考え直す必要があります。就活をしていると手一杯になったり妥協が生まれたりして絶対に外せない条件を見失ってしまうこともあるでしょう。就活の軸を見直したうえで本当に辞退していいのかを考えるようにしましょう。
内定承諾の考え方については以下の記事で詳しく解説しています。
悩む!内定承諾をするべきかどうかはどう判断するの? | ジョーカツキャンパス (jo-katsu.com)
また、就活の「軸」についても以下の記事が参考やヒントになればと思います。
内定を辞退をした場合、基本的に再度その企業の選考を受けることはできません。
一度は内定承諾したということは、働きたいと思う点があったということだと思います。
後から後悔しないためにも、内定の辞退は慎重に判断して決断しましょう。
2.内定承諾後の辞退はいつまでできるのか
1-3 でも述べたように、入社日の二週間前より以前までは辞退することは可能です。
しかし、企業側にも採用ノルマがあったり、受け入れの準備を始めていたりします。
企業が少しでも早く他の学生の採用に進めるように、辞退を決めたのであればできるだけ早く連絡しましょう。
3.内定承諾後に辞退する際の流れとポイント
社会人としてのビジネスマナーでは、直接伝えるのがベストですが,内定辞退は学生にとって心理的な負担が大きいので、電話で伝えるのがベターと言えます。
また,メールや手紙だけで済ませないことには、一方的な印象を与えないためという理由もあります。
電話で辞退の連絡をした後、文面で残すという意味で、メールや手紙を用います。
以上を踏まえて、内定承諾後に辞退する際のポイントは「迷惑をかけることを自覚した上で、できるだけ早く、誠実さをもって伝える」ということになります。
4.内定承諾後の、電話での内定辞退連絡(電話例文あり)
①名前
②挨拶:内定をいただいた感謝
③結論:内定を辞退すること
④理由
⑤謝罪の言葉
⑥対応してくださったことへの感謝
を伝えます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①名前:電話口の社員が変わるたびに名乗るようにします。聞き逃しや聞き違いを防ぐために、名前などの重要な情報は確実に伝えましょう。
②挨拶:内定をいただいたことに対する感謝を伝えます。
③結論:内定を辞退することを伝えます。
④理由:多くの場合聞かれると思うので、理由は正直に伝えます。誠実な対応をするためだけでなく、企業は内定辞退の理由について動向調査を意図して聞いている場合が多いためです。
⑤謝罪の言葉:改めて、お詫びの気持ちを伝えましょう。迷惑をかけることだけでなく、人事の方にとっても内定辞退はいい知らせではいので誠意を持ってお詫びします。
⑥対応してくださったことへの感謝:企業側からしても良い知らせではない上に、忙しい中で対応していただいたことへの感謝を伝えることで、企業側へ敬意を示しましょう。
電話では、質問攻めにされることもあるかもしれません。しかし、理由は正直に伝えることを原則に、あまりにもしつこい場合は「これ以上の回答は控えさせてください。」ときっぱり伝えましょう。
ここからは、電話で辞退を伝える際の例文を紹介します。上手く伝えられそうにないという方は、就活生のセリフをカンペとして使ってください。
就活生:「お世話になっております。先日内定のご連絡をいただきました○○大学○○学部の○○と申します。人事部の○○様はいらっしゃいますでしょうか。」
受付:「代わりますので少々お待ちください。」
人事:「お電話代わりました。○○です。」
就活生:「お忙しいところ失礼いたします。○○大学○○学部の○○と申します。先日は,内定をいただきありがとうございました。本日は非常に申し上げにくいのですが、内定の辞退をさせていただきたくご連絡いたしました。内定承諾書を提出した後にも関わらず大変申し訳ございません。」
人事:「そうですか、とても残念です…。差し支えなければ、内定を辞退する理由を教えていただけますか?」
就活生:「はい、他に選考を受けている企業があり、ご縁があって内定をいただくことができました。自分がやりたいことや今後のキャリアプランを考えた結果、そちらの企業に入社することを決意しました。」
人事:「そうなんですね。承知しました。残念ですが、他社へ就職しても頑張ってくださいね。」
就活生:「ありがとうございます。○○様には説明会時からお世話になり、このような結果になり申し訳ございません。また、このような結果をお伝えしたにも関わらず、お忙しい中丁寧に対応していただきありがとうございました。それでは、失礼いたします。」
5.内定承諾後の、メールでの内定辞退連絡(メール例文あり)
①件名には「内定辞退」「○○大学○○○○(氏名)」を入れる
②本文は宛名と自分の氏名から書き始める
③結論から述べ、理由を書く
④謝罪の言葉を書く
⑤企業の発展を願う一文を書く
⑥署名を入れる
ことです。また、メールのみで内定辞退の連絡をする場合は、メールでの連絡になったことへのお詫びの言葉も必須になります。
ビジネスにおいて、決まった文章の構成を守ることは最低限のマナーです。自分で文章を作ることが難しいと感じる方は、以下の例文を使ってみてください。
・電話での連絡後のメール
件名:
内定辞退のご連絡(○○大学 ○○○○(氏名))
本文:
○○株式会社 新卒採用担当 ○○様
お世話になります。
先ほど内定辞退のご連絡をさせていただいた、○○大学○○学部の○○○○(氏名)です。
お忙しい中お電話にて対応いただきありがとうございました。
内定承諾書を提出した後で誠に身勝手で恐縮ですが、内定を辞退したくご連絡いたしました。
理由は、他に選考を受けていた企業から内定をいただき,そちらの企業へ入社することを決意したためです。
○○様には説明会から選考まで、大変お世話になったにも関わらずこのような結果になり、大変申し訳ございません。
就職活動を通じて、貴社の社員の皆様から多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
○○大学○○学部
○○○○(氏名)
連絡先
・メールのみで連絡する場合
件名:
内定辞退のご連絡(○○大学 ○○○○(氏名))
本文:
○○株式会社 新卒採用担当 ○○様
お世話になります。
先日内定承諾書を提出させていただいた、○○大学○○学部の○○○○(氏名)です。
内定承諾書を提出した後で誠に身勝手で恐縮ですが、内定を辞退したくご連絡いたしました。
理由は、他に選考を受けていた企業から内定をいただき,そちらの企業へ入社することを決意したためです。
本来ならば、直接お伺いしてお伝えすべきではございますが、メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご了承いただけますと幸いです。
○○様には説明会から選考まで、大変お世話になったにも関わらずこのような結果になり、大変申し訳ございません。
就職活動を通じて、貴社の社員の皆様から多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
○○大学○○学部
○○○○(氏名)
連絡先