【2020年1月版】就活と景気の関係について解説します
「就活と景気」は切っても切れない関係にあります。
しかし、日々変動する景気はどのようなメカニズムで就活に影響を与えているのかを答えられる人は少ないのではないでしょうか?
そこで本記事では、就活と景気の関係について解説します。
具体的には、就活と景気の関係性のメカニズムについて解説したあと、現在の就活市場と景気の関係、そしてオリンピックと就活の関係にまで説明します。
就活と景気の関係性のメカニズムや、近年における就活市場と景気の関係について知りたい人は必見の記事です。
1.就活と景気は連動しています
多くの方がなんとなく感じている通り、就活と景気は連動しています。
とはいえ、景気は就活にどう影響しているのか説明しろと言われると難しいのでないでしょうか?
そこで本章では、景気の変動がどのような影響を就活に与えているのかについて解説します。
結論、景気に引っ張られるように就活に影響しています。
言い換えると、株価が下がることで内定率が変動しています。
ここで抑えておきたいポイントは、株価が急に下がったことで内定率も同時に下がらないことです。
つまり、株価が下がってから内定率が下がるまでにはある程度の時間を要します。
実例をみていきましょう。
近年で株価が最低になったのは2008年(2009年卒)のリーマンショック直後です。
では、内定率が最低だった年はいつでしょうか?
答えは2013年(2014年)です。
2008年だと思った方も多いかもしれませんね。
一方、2013年のアベノミクスによる株価の高騰による内定率の影響も、ある程度時間を経てから現れてきました。
このように株価と内定率、つまり景気と就活は連動しています。
しかし、景気に影響があった直後に就活に影響するわけではなく、時差があることを理解しておく必要があります。
したがって、「今年就活なのに急に景気悪くなったから心配…」と安直に考えてしまうのは無駄な心配になりかねません。
2.景気が悪くなると就活が難化する理由
本章では景気は悪くなると就活が難化する理由、すなわち株価が下がることで内定率が下がる理由について解説します。
結論、景気が悪くなると就活が難化する理由は、企業の収益が減少することでコストカットを余儀なくされ、新卒採用の枠もコスト削減の対象になるからです。
基本的に景気が悪くなると、株式を売却する人が増加して株価が下がります。
株価が値下がりした状態で売却しているということは、株価を購入する前よりも現金が減っていますよね。
人や企業は現金が減ると消費を抑えようとして、企業の売上は下がります。
しかし、企業は売上が減少する中でも利益を出したいのでコストカットをしますよね。
その結果、リストラをして社員数を減らしたり、投資を抑えたりします。
とはいえ、日本の法律ではリストラは難しいというのが現状です。
その結果、既存の社員を減らすのではなく、新しく入ってくる社員数を減らそうという動きが出てきます。
すなわち、新卒採用を減らします。
このように景気の悪化によって内定率が下がっている状況では、企業にお金がなく、コストカットの手法を模索した結果、新卒採用の枠を削減するという手段を企業が選択していることがわかります。
3.現在は好景気で就活は売り手市場なのか?
本章では、現在は好景気で就活も売り手市場なのか?という問いについて検討していきます。
結論、景気については回復傾向にあり、売り手市場の是非に関しても、ほとんどの業界で売り手市場の傾向が見られます。
特に売り手市場の影響を大きく受けているのは、景気に左右されやすい中小企業と流通系の企業です。
すなわち、多くの人が就職を希望するような人気企業や大手企業では求人倍率の変動は比較的小さく、売り手市場だからといって人気企業や大手企業への入社が容易ではありません。
また、「金融・保険」業界では、売り手市場にも関わらず就職氷河期よりも求人倍率が高いです。
金融・保険業界で求人倍率が高い理由は、企業数に対応して求人数が減少するのに対し、就職人気が依然として高まってきているからです。
このように売り手市場であるのは、基本的に中小企業を受ける人の話で人気企業や大手企業を受ける人に大きな影響があると考えにくいでしょう。
むしろ、金融・保険業界では求人倍率が就職氷河期の時よりも高いことが明らかとなりました。
すなわち、中小企業を中心に受ける人以外は、売り手市場であろうがそうでなかろうが、あまり関係ないです。
なので、大手企業や人気企業に就職したい人は、景気がどうだとか売り手市場がどうとかについて把握しておくのは大切ですが、あまりそれに固執して考え過ぎないようにしましょう。
4.オリンピックの景気変動による就活への影響とは
本章ではオリンピックの景気変動による就活への影響について解説していきます。
先ほど、人気企業や大手企業に就職したい人にとって景気や求人倍率の変動はあまり関係ないと述べましたが、ぶっちゃけ気になりますよね。
特にオリンピックの影響。
オリンピック後に就職氷河期が再来するのでしょうか?
結論、誰にもわかりません。
たくさんの専門家や偉い人たちが命をかけて予測していますが、人によって違ったりしますし、歴史をみても正確に予測することは限りなく不可能に近いでしょう。
そもそも正確に予想できるのであれば不景気に対しての対策も容易に出来たはずです。
そのため、ここではあくまで一般論を述べることにします。
まず前提として、現在の経済状況はオリンピック景気などといわれており、人手不足になるほど雇用の動きは活発です。
そして、一般的には「オリンピック後のは景気が悪化する」なんていわれます。
実際、過去の開催国のオリンピック前後のGDPの推移をみてみると、オリンピック後には下がっています。
つまり、オリンピック後に景気が悪化することで、新卒採用の枠が削られるのではないかと不安視される訳です。
景気が悪くなることによる就活への影響は既に述べましたよね。
確かにオリンピックが就活に影響する可能性は非常に高いですが、オリンピック後の景気の予測が難しいです。
そのため、オリンピックによる就活の影響は「景気変動による」としか答えることができません。
まとめ
本記事では、就活と景気の関係について解説しました。
本文中でも述べた通り、いくら就活が景気の影響を受けるといっても、自分の希望する業界や企業規模によっては、あまり変化がないことも珍しくありません。
また、景気に関しては自分でコントロールすることもできません。
その上、就活ルールの廃止やオリンピックなどの就活に影響を与えると予測される出来事も重なってきます。
このように不安定な社会情勢であっても、就活生ができることが限られていますよね。
確かに就活市場や経済状況に目を向けることは大切です。
しかし、まずは自分自身の価値を上げることや、自分のことを知ることの方が重要ではないでしょうか?
経済状況や就活市場を過度に気にする前に、自己研磨や就活の対策をしっかり行うことで、景気の変動にもビクともしないような人材になれるような努力をする方向に目を向けていきましょう。
そのような行動ができれば、結果は後からついてくるはずです。
本記事が就活と景気の関係性のメカニズムや、近年における就活市場と景気の関係について知りたい人の参考になれば幸いです。