景気と就活の関係性を解説!採用状況の変化に臨機応変に対応

景気と就活の関係性を解説!採用状況の変化に臨機応変に対応

2024/10/23更新

はじめに

「就活と景気」は切っても切れない関係にあります。

しかし、日々変動する景気はどのようなメカニズムで就活に影響を与えているのかを答えられる人は少ないのではないでしょうか?

そこで本記事では、就活と景気の関係について解説します。

この記事でわかること
  • 就活と景気の関係性
  • 不景気だと就活は難しいのか?
  • 現在の就活状況

具体的には、就活と景気の関係性のメカニズムについて解説したあと、現在の就活市場と景気の関係、にまで説明します。

就活と景気の関係性のメカニズムや、近年における就活市場と景気の関係について知りたい人は必見の記事です。

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就活と景気は連動している

多くの方がなんとなく感じている通り、就活と景気は連動しています。

とはいえ、景気は就活にどう影響しているのか説明しろと言われると難しいのではないでしょうか?

そこで本章では、景気の変動がどのような影響を就活に与えているのかについて解説します。 

結論、景気に引っ張られるように就活に影響しています。言い換えると、株価が下がることで内定率が変動しています。

ここで抑えておきたいポイントは、株価が急に下がったことで内定率も同時に下がらないことです。

つまり、株価が下がってから内定率が下がるまでにはある程度の時間を要します。 

実例をみていきましょう。

近年で株価が最低になったのは2008年(2009年卒)のリーマンショック直後です。

では、内定率が最低だった年はいつでしょうか?

答えは2013年(2014年)です。

2008年だと思った方も多いかもしれませんね。

一方、2013年のアベノミクスによる株価の高騰による内定率の影響も、ある程度時間を経てから現れてきました。

このように株価と内定率、つまり景気と就活は連動しています。

しかし、景気に影響があった直後に就活に影響するわけではなく、時差があることを理解しておく必要があります。

したがって、「今年就活なのに急に景気悪くなったから心配…」と安直に考えてしまうのは無駄な心配になりかねません。

不景気だと就活が難化する4つの理由

先ほども就活と景気は連動していると説明してきましたが、より具体的にどんな影響を充てるのか解説していきます。

景気が悪くなると就活が難化する4つの理由をそれぞれ解説してきますので、参考にしてください。

4つの理由
  • 企業の採用抑制
  • 求人数の減少
  • 競争率の上昇
  • 内定辞退者の増加

企業の採用抑制

景気悪化時に企業が採用を抑制するのは、将来の経営戦略を見据えた判断です。

不況期には、多くの企業が売上や利益の減少を経験し、コスト削減を迫られます。

人件費は企業にとって大きな固定費であるため、新規採用を控えることで支出を抑える傾向があります。

たとえば、リーマンショック時には大手企業の約7割が採用計画を縮小しました。

この採用抑制は、企業が景気回復を見込むまで続くことが多く、就活生にとっては内定獲得の機会が大幅に減少することを意味します。

つまり、景気悪化は企業の採用意欲を直接的に低下させ、就活生の選択肢を狭めるのです。

求人数の減少

景気悪化に伴う求人数の減少は、就活生の就職機会を直接的に制限します。企業が新規採用を控えることで、市場全体の求人数が大幅に減少します。

実際、過去の不況期には、求人倍率が1倍を下回る事態も発生しました。求人数の減少は、特に新卒市場において顕著です。新卒採用は企業にとって将来への投資であるため、景気の先行きが不透明な状況では慎重になります。

たとえば、IT業界でさえ、不況時には新卒採用を半減させるケースがありました。

求人数の減少は、就活生が希望する業界や職種に応募できる機会を制限し、就活の難度を高める重要な要因となるのです。

競争率の上昇

景気悪化時の競争率上昇は、限られた求人に多くの就活生が殺到することで起こります。

求人数が減少する一方で、就活生の数は変わらないか、むしろ増加する傾向にあります。

これは、大学進学率の上昇や、景気の悪化を見越して早めに就活を始める学生が増えることが原因です。

実際、過去の不況期には、一つの求人に対して数百人の応募があったケースもあります。

競争率の上昇は、書類選考の通過率低下や面接でのより厳しい評価につながります。

就活生は、より多くの企業に応募せざるを得なくなり、心理的なプレッシャーも増大します。

結果として、就活の難度が大幅に上がり、内定獲得がより困難になるのです。

内定辞退者の増加

景気悪化時に内定辞退者が増加するのは、就活生の慎重な態度と企業側の採用戦略の変化が原因です。

不況下では、就活生は一つの内定に満足せず、より良い条件や安定した企業を求めて活動を続ける傾向があります。

過去の不況期には、内定を得た学生の約3割が活動を継続したというデータもあります。

一方、企業側も優秀な人材を確保するため、内定者の辞退を見越してより多くの内定を出すことがあります。

これにより、一部の学生に内定が集中し、結果として内定辞退者が増加します。

内定辞退者の増加は、企業の採用計画を不安定にし、最終的に採用枠を縮小させる可能性があります。

つまり、内定辞退の増加は、就活市場全体の不確実性を高め、就活をより難しくする要因となるのです。

必ずしも不況・不景気が不利になるとは限らない

先ほどは、不景気だと就活が難化する理由を説明してきましたが、必ずしも不況や不景気だからといって、

就活が不利になるわけではありません。

ここでは、その理由について解説していきます。

その大きな要因の一つに労働力人口は減少傾向にあるためです。

そのため、将来的に長く買い手市場が続くわけではないと推測できます。

一方で、不況や不景気といった景気後退局面に入ると、新卒採用を中断する企業もあることも解説してきましたが、採用の抑制は必ずしも正解ではありません。

その分、採用に使う労力を減らすことになるため、優秀な人材を確保することも難しくなるのです。

ただ、これらのことは現状で予測となっているので、どちらにせよ常に情報を確保しておくことが重要になってきます。

現在は好景気で就活は売り手市場なのか?

就活市場の動向は、経済状況や産業構造の変化に大きく影響されます。「売り手市場」という言葉をよく耳にしますが、実際の就活市場はどうなっているのでしょうか。

このセクションでは、売り手市場の定義から始まり、2024年の市場動向、2025年の予測、そして業界別の傾向まで、現在の就活市場の実態を詳しく解説していきます。

売り手市場の定義

就活における売り手市場とは、求職者が優位に立つ労働市場の状態を指します。

この状況下では、企業が人材確保に苦心し、求職者が複数の選択肢から条件の良い企業を選べます。

売り手市場の特徴として、求人倍率の上昇、初任給の増加、福利厚生の充実などが挙げられます。

例えば、2019年度の大卒求人倍率は1.83倍と、売り手市場の目安である1.5倍を大きく上回りました。

しかし、売り手市場であっても、すべての就活生が簡単に希望の企業に就職できるわけではありません。

業界や職種によって状況は大きく異なり、また企業の採用基準も厳しくなる傾向があります。

つまり、売り手市場は就活生にとってチャンスであると同時に、より戦略的なアプローチが必要となる市場状況なのです。

2024年の市場動向

2024年の就活市場は、「選択的売り手市場」と表現できます。

全体的には求人数が求職者数を上回る傾向が続いていますが、業界や職種によって大きな差があります。

IT・デジタル分野や医療・介護分野では人材不足が顕著で、高い求人倍率を維持しています。

一方、従来型の製造業や小売業では、デジタル化やオートメーション化の影響で、求人数が抑制されている傾向にあります。

また、コロナ禍の影響から回復基調にある観光・飲食業界では、徐々に求人数が増加しています。

就活生の動向としては、安定志向が強まり、大手企業志向が高まっている一方で、ベンチャー企業やSDGsに取り組む企業への関心も高まっています。

この市場動向は、就活生にとって選択肢が多様化している反面、自己分析と業界研究の重要性がより高まっていることを示唆しています。

2025年の予測

2025年の就活市場は、「変化と競争の年」となる可能性が高いです。

日本経済の緩やかな成長が予測される一方で、グローバルな経済変動や技術革新の影響を受け、業界ごとの差がより顕著になると予想されます。

AI・IoT・ロボティクスなどの先端技術分野では、引き続き人材需要が高まり、売り手市場の状況が続くでしょう。

一方、従来型の産業では、デジタル化による業務効率化が進み、求人数が減少する可能性があります。

また、環境問題への取り組みやサステナビリティ関連の職種で新たな需要が生まれると予測されます。

就活生にとっては、特定のスキルや知識を持つ「専門性」と、変化に適応できる「柔軟性」の両方が求められる年になるでしょう。

つまり、2025年は全体的には売り手市場の傾向が続くものの、より専門的で競争の激しい市場になると予想されるのです。

大卒求人倍率
2022年1.5倍
2023年1.58倍
2024年1.71倍
2025年1.75倍

また、上記の表を見てみると2022年卒以降、大卒求人倍率は3年連続で上昇していることが分かります。

2020〜2021年頃は新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う経済活動縮小の影響もあり一度落ち込みましたが、経済活動が再開してからは大きく伸びている状況です。

また、以下の記事では就活ルール廃止後の対策方法について解説しています。

今後の就活に向けて、チェックしておくことをおすすめします。

業界別の傾向

業界別の就活市場傾向は、経済状況や社会ニーズの変化によって大きく異なります。

IT業界は引き続き売り手市場が続き、特にAI・ビッグデータ・クラウドなどの専門知識を持つ人材の需要が高まっています。

たとえば、ITエンジニアの求人倍率は8倍以上という報告もあります。

医療・介護業界も慢性的な人手不足が続いており、売り手市場の状況です。

一方、製造業は企業によって差が大きく、自動車産業のEV化やIoT導入に伴い、電気・電子系エンジニアの需要が高まっています。

金融業界は、フィンテックの台頭により、ITスキルを持つ人材の需要が増加しています。

小売・サービス業は、ECの拡大やDXの推進により、デジタルマーケティングやデータ分析のスキルを持つ人材を求めています。

このように、業界別の傾向は多様化しており、就活生は自身のスキルや興味と、各業界の動向をよく見極める必要があります。

IT業界についてもっと知りたい方はこちらを参考にしてください。

採用の変化を押さえて成功するための2つのポイント

2020年以降、コロナ渦の影響もあって、採用状況は変化してきました。

これらの変化を押さえることで、今後の就活にも活かすことができます。

就活を成功させるための2つのポイントを紹介していきます。

2つのポイント
  • 「オンライン化」を有効活用する
  • 面接の種類を把握しておく

「オンライン化」を有効活用する

一つ目のポイントは、選考の「オンライン化」を有効活用することです。

例えば、オンライン説明会やオンライン面接は、地方学生にとっても大きなメリットになります。

どうしても、費用が掛かりやすい地方学生には、大きな節約になるでしょう。

時間の節約にもなるため、その時間を別の選考対策に充てることも可能です。

オンライン説明会の場合は、多くのメリットがあるので、気になる企業を見つけたら、積極的に参加することをおすすめします。

ぜひ、その中に埋もれている優良企業を見つけてみましょう。

また、不況や不景気だと一般的には採用を自粛する企業は多いですが、そんな状況でも積極的に採用を行っている企業もあります。

景気が良くない時こそ大手企業ではなく、中小企業にも着目することで、様々な施策を講じているのが分かります。

企業規模や知名度ではなく、しっかりと企業を見て、良い企業に出会うチャンスを逃さないようにしましょう。

 

面接の種類を把握しておく

可能な限り、オンライン化を進めることで、大きな影響を受けたものの一つに面接があります。

オンライン面接のメインは、「ライブ面接」ですが、最近は大手企業を中心に、指定された内容を元に録画した動画を提出する「録画面接」を実施していることも。

この面接の特徴としては、より深掘りした内容を聞かれることです。

そして、重要になってくる能力がプレゼン能力でしょう。

一般的な面接では、臨機応変に対応する力も見られますが、録画面接では時間をかけられる分、より完成度の高いものを提出する必要が出てきます。

この方法には、採用側も動画をチェックするだけで判断できるので、時間の節約に役立ちます。

しかし、録画面接の場合は、送信した録画での一発勝負です。

このように、企業が導入する面接スタイルによって、それぞれ必要になってくる力が異なるので、特徴を理解してしっかりと面接準備をしておくとよいでしょう。

以下の記事では、WEB面接におすすめの場所を紹介しています。

これからWEB面接対策にも力を入れて活きたい方は、ぜひチェックしてみてください。

さいごに

ここまで就活と景気の関係について解説しました。

いくら就活が景気の影響を受けるといっても、自分の希望する業界や企業規模によって状況は変化していきます。

確かに就活市場や経済状況に目を向けることは大切です。

しかし、まずは自分自身の価値を上げることや、自分自身を知ることの方が重要ではないでしょうか?

自己研磨や就活の対策をしっかり行うことで、景気の変動にもビクともしないような人材になれるような努力をする方向に目を向けていきましょう。

本記事が就活と景気の関係性のメカニズムや、近年における就活市場と景気の関係について知りたい人の参考になれば幸いです。

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