【企業分析】ファナックの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/04/12更新
はじめに
ファナック株式会社は、山梨県の富士山のふもとにある「ファナックの森」のなかに本社を置く産業用ロボットメーカーです。
電子機器業界に属する企業で、サーボモーターやレーザーによるFA、産業用ロボット、ロボマシンの開発製造をおもな事業としています。
今回は、そんなファナックの企業研究をするための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
以下のようなファナックへの就職に興味がある就活生を対象に企業分析をしていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- ファナックの仕事内容が気になる
- ファナックの就職難易度が知りたい
- ファナックの選考対策として何をすればいいのかわからない
電子機器以外の業界については、以下の記事で概観しています。
ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先に本記事の結論からお伝えすると、ファナックの就職難易度はやや高めです。
ファナックの平均年収は「1283万円」と、電子機器業界では最も高い給与水準だからです。
といっても、採用大学の実績を見る限りでは、いわゆる「学歴フィルター」がありません。
2023年までに、高難度の大学から標準的なレベルの大学、または高専出身者を採用している実績があります。
本記事を参考に選考対策をすれば、すべての就活生に内定のチャンスがあるといえるでしょう。
募集している職種は「技術系総合職」「事務系総合職」の二つです。
「技術系総合職」は工場機械の研究開発や生産技術、セールス、国内外の出張サービスなどを担当します。
「事務系総合職」は会社の人事や法務、経理などを担当します。
次からは、各事業の詳しい内容や就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ファナック株式会社について
出典元：ファナック株式会社 会社案内
会社概要
ファナック株式会社は、1972年に設立された産業用ロボットメーカーです。
山梨県の富士山のふもとにある「ファナックの森」に本社を置く、電子機器業界に属する企業です。
基本技術であるNCとサーボ、レーザによって構成されるFA事業、その技術を応用したロボット事業・ロボマシン事業をメインに展開しています。
ファナックは国内外でも有数の産業用ロボットメーカーです。
スイスに本社がある「ABB」や日本が誇る「安川電機」、ドイツに本社がある「KUKA」とならんで「世界4大ロボットメーカー」といわれています。
ファナックは1955年にNCの開発を始めてから一貫して、製造現場の自動化のみを追求してきました。
工場自動化分野における必要不可欠な存在として、すべての企業関係者から信頼される会社をファナックは目指しているからです。
理想の企業像を実現するために、ファナックは基本理念として「厳密・透明」を掲げています。
「厳密」には企業がどれだけ長く存続できるか、健全でいられるかは企業が厳密な態度によって決まってきます。
「透明」には、組織の衰退・腐敗は会社が抱える「不透明さ」によって生じる、という意味が込められています。
厳密と透明をかけ合わせたことで、ファナックは企業として大成長を遂げました。
現在のファナックは、世界100か国に270か所以上のサービス拠点を持つほどの巨大企業となったのです。
巨大企業となった今も国内外の製造業の発展に貢献するべく、活動を続けています。
「サービスファースト」の精神のもと、日本や海外における製造現場の自動化・効率化・省人化を推進しています。
ファナックでは製造業、および自社のさらなる躍進を目指して、新入社員を50～100名ほど募集しています。
募集している職種は2つで、技術系総合職と事務系総合職です。
「技術系総合職」は工場機械の研究開発や生産技術、セールス、国内外の出張サービスなどを担当し、「事務系総合職」は会社の人事や法務、経理などを担当します。
参照ページ
ファナック株式会社 経営の基本方針
各事業別の売上規模
ファナック株式会社の 2023年第三四半期の総売上高は5965億2500万円（前年同期比6.2％減）。経常利益は1351億4600万円（前年同期比24％減）でした。
上記の売上は、FA事業とロボット事業、ロボマシン事業、サービス含む他事業によって構成されています。
各事業分野での売上高は以下の通りです。
- FA事業：売上高は1340億4400万円で、前年同期比30.2％減でした。CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要が、世界各国で減少。そのあおりを受けて売り上げが減少しました。
- ロボット事業：売上高は2900億8000万円。前年同期比12.9％増でした。前期からの受注が残っていた影響、また自動車関連向け・一般産業向けロボットが好調・回復傾向で売り上げが増加しました。
- ロボマシン事業：売上高は761億7900万円。前年同期比26.9％減でした。小型切削加工機や電動射出成形機、ワイヤ放電加工機の需要が各業界で落ち込み、売り上げダウンに影響しました。
参照ページ
各事業セグメントの解説
ファナック株式会社のおもな事業セグメントは以下の通りです。
| 事業名 | 活動内容 |
| FA事業 | ハードウェアやソフトウェア、サーボの研究・開発、セールス |
| ロボット事業 | ロボット機構やロボット用のソフト、アプリケーションの研究開発、セールス |
| ロボマシン事業 | ロボドリルやロボショット、ロボカットなどの研究開発、セールス |
| その他事業 | 国内外におけるマシンの導入・メンテナンスサービス、ロボットやサーボモーター、電子機器の製造 |
ファナックは先述の通り、工場自動化分野に特化した事業を展開していました。
自社製品の開発から製造・販売まで、一貫して自社でカバーしています。
さらに詳しい事業内容は、以下のページから参照してみてください。
参照ページ
ファナックで働いている社員は？
平均勤続年数は？
ファナックの平均勤続年数は、およそ14.2年でした。
電子機器業界全体の平均勤続年数は14.6年なので、平均的な企業といえます。
平均年収は？
2023年のファナックの平均年収は、1283万円でした。
電子機器メーカーの平均年収は506万円なので、業界全体で見ても桁違いに高水準です。
全国平均年収は461万円であることから、ファナックはおよそ3倍ほどの年収を得られる好待遇の企業と言えるでしょう。
平均残業時間は？
ファナックの平均残業時間は、一ヶ月あたりおよそ30.8時間です。
日本の企業全体の月平均残業時間は21時間ほどであることから、やや激務であることがわかります。
なお、電子機器業界の月平均残業は25.6時間で、業界全体から見ても仕事量が一段と多いといえるでしょう。
平均ボーナス額は？
ファナックの平均ボーナス支給額はおよそ201万円でした。
電気機器業界の平均ボーナス額は107万円なので、業界平均より2倍ほどの賞与をもらえる優良企業です。
ただし、業績や個人のパフォーマンスによって賞与額は増減するので、あくまで目安として認識しておきましょう。
どんな文化なの？
ファナックは、企業理念として「厳密・透明」を掲げています。
人材こそがファナックにおける最大の経営資源であり、成長するための源泉だと考えています。
優秀な人材とは仕事に対して「厳密」に取り組み、わからないことを「不透明」なままにしない人のことです。
ファナックは、「マジメに仕事に取り組める職場がいい」「今まで存在しないものを創りあげたい」という人に向いているでしょう。
参照ページ
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
電子機器業界におけるファナックの立ち位置を紹介します。
国内外で競争が激化している電子機器業界ですが、競合他社と売上高を比べてみると、トップクラスの企業だとわかります。
理由として次の要因が考えられます。
- 高度な技術力と革新性：ファナックは、ロボットや工作機械などの製造において高度な技術力があります。革新的な技術開発にも積極的であり、常に最先端の製品を提供し続けています。
- 幅広い製品ラインナップ：ファナックはロボットや数値制御機器、工作機械など、幅広い製品ラインナップを展開しています。さまざまな産業や用途に対応できる製品を提供しています。
- 高品質な製品とサポート体制：ファナックの製品は高品質で信頼性が高く、世界中で多くの企業に利用されています。製品の導入からアフターサポートまで、顧客のニーズに応えるための体制も整っています。
- グローバル展開：ファナックは世界100ヶ国にサービス拠点を持ち、グローバルなビジネス展開を行っています。世界中の顧客に製品やサービス提供を可能にしています。
- 教育・人材育成への取り組み：ファナックは教育や人材育成にも力を入れています。ロボット教育プログラムや技術者育成プログラムなど、さまざまな取り組みによって、製造業の人材育成に貢献しています。
以上の理由により、ファナックは業界トップクラスの立ち位置を得ています。
競合他社の情報もまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
| 会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| ファナック | 8520億円 | 1283万円 | 62 | 厳密で風通しのいい社風 |
| ABB | 2700億円 | 900万円 | 60 | 社内コミュニケーションが活発な社風 |
| 安川電機 | 4243億円 | 863万円 | 59 | 自由度が高い社風 |
| KUKA | 7237億円 | 800万円 | 55 | 社員の意思を尊重する社風 |
ファナックの新卒募集要項について
ファナックの新卒募集要項について解説します。
ファナックは給与がおよそ21万円～と、新卒の平均と同じくらいの給与水準です。
厚生労働省の調査によると、大卒の平均初任給は22万5400円です。
研修制度では、自立思考型の社員育成を目的としています。
新卒向けの入社時教育はもちろん、社会人としての立ち振る舞いを学べるマナー研修や情報セキュリティ研修など、人材を成長させる仕組みが整っています。
勤務地は本社がある山梨県をはじめとした、全国各地のサービス拠点です。
しかし、部署や役職によっては、海外の事業所へ転勤や赴任をする可能性があります。
転勤の有無が気になる人は、面接や会社説明会で事前に確認してみてください。
| 職種 | 技術系総合職（50～100名ほど） 事務系総合職（10名ほど） |
| 勤務地 | 北海道、宮城、茨城、栃木、群馬、東京、新潟、石川、山梨、愛知、大阪、岡山、広島、熊本、鹿児島 |
| 初年度月収（2023年実績） | 修士了⇒282,000円 学部卒⇒270,000円 高専卒⇒214,350円 ※時間外手当、家族手当、通勤費補助ほかあり |
| 賞与 | 年2回（6・12月） ※業績やパフォーマンスによって変動 |
| 研修制度 | 若手社員研修、マナー研修、新任幹部社員研修、ハラスメント防止研修、情報セキュリティ教育、外国語研修、部門別研修など |
| 福利厚生 | 寮・社宅、総合グラウンド（トレーニングジム、体育館、野球場、サッカー場、テニスコート、屋内温水プール、フライトシミュレータ、バーベキュー場、他）、MRIなどの最新医療機器を備えた健康推進センタ、保養所（富士、戸田）、ローマ風呂（天然温泉）、狼屋（社員向け居酒屋）、保育園、各種社会保険制度完備、企業年金基金、健康保険組合、財形貯蓄、持株会、福祉基金など |
求める人材
ファナック株式会社が公表している「求める人材」について解説します。
1.技術への情熱と熱意がある人材
ファナックは先進的な自動化技術を提供しているため、技術への情熱や熱意を持っていることが重要です。
技術に対する好奇心や探究心を持ち、常に新しい技術や知識を学び、成長し続ける意欲が求められます。
「難しい問題を解決するのが好き」「頭を使って考えるのが好き」という人は、ファナックに向いているでしょう。
2.協調性がある人材
ファナックでは多様な価値観を認め合い、社員同士で協働できる人材を求めています。
ファナックではチームワークが重視されており、異なる部門や国のメンバーと協力してプロジェクトを進めることが多いからです。
コミュニケーション能力や協調性が重要とされ、チームでの目標達成や共同作業に貢献できる能力が求められます。
「個性が尊重される職場がいい」「いろんな社員がいる職場のほうが面白い」という人は、ファナックに向いているでしょう。
3.チャレンジ精神にあふれる人材
ファナックは、世界初に挑戦する気概がある人材を求めています。
競争の激しい市場で事業を展開しており、新しい技術や製品の開発に取り組む中でさまざまな困難や挑戦に直面するからです。
挑戦を恐れずに前向きに取り組む姿勢が求められます。
「いつも同じことをやるのは好きじゃない」「新しいことに何でもチャレンジしたい」という向上心あふれる人は、ファナックに向いているでしょう。
以上の3つは、ファナックの企業理念である「厳密・透明」につながっています。
エントリーシートや面接では、「情熱」「協調性」「チャレンジ精神」がある人材かどうかが重視されるので、ぜひ意識して選考に臨んでください。
新卒採用の選考フロー
ファナックの新卒採用の選考フローについて解説します。
公式ホームページでのエントリー後に、会社説明会があります。
説明会は直接対面またはWEBで参加できるので、都合をつけて参加しておきましょう。
次のステップとして、ファナックの社員、また技術者としてふさわしいかをチェックする適性検査があります。
さらに次の段階では、適性検査とエントリーシートの内容をもとに書類選考があります。
対策が不十分だと書類選考の段階で落選してしまうので、内容を突き詰めておきましょう。
書類選考を通過すると、面接の案内が届きます。
面接では「志望動機」「ガクチカ」「なぜファナックなのか」といった基本的な質問が中心です。
事前に面接対策をしておき、本番で返答に詰まったり、的外れな回答をしたりしないようにしましょう。
①新卒エントリー
マイナビより、新卒エントリーをしましょう。
必要事項を入力し、マイページ登録をすれば完了です。
②会社説明会
ファナックでは、会社説明会を開催しています。
会社説明会では、電子機器業界やファナックの事業内容について深く知ることができます。
③エントリーシート
ファナックのエントリーシートの代表的な質問内容は下記の通りです。
- ガクチカ
- 長所・短所
- 入社してやりたいこと
- ファナックを選んだ理由
提出したエントリーシートをもとに選考が実施されます。
記載する内容をしっかりと突き詰め、まずは書類選考の通過を目指しましょう。
書類選考の通過率がアップするエントリーシートの書き方については、以下の記事を参考にしてください。
参照ページ
④適性検査
ファナックの社員や技術者としての適性や必要な学力レベル、知識などを見極めるためのテストです。
適性検査はあくまでも、あなたの考え方や仕事の向き・不向きを確かめるためのテストです。
良い印象を与えようと取り繕うと、思考に一貫性がないことが見抜かれてしまうでしょう。
あなたが思った通りの考えで記入することが大事です。
適性検査については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【徹底解説】就活のSPI試験対策マニュアル～おすすめの参考書も紹介～
⑤複数回面接
適性検査・エントリーシートの合格者を対象に、採用担当者、役員の方と2回にわたって面接があります。
質問内容は、基本的にエントリーシートに書かれている内容の深掘りです。
「なぜ」「どうして」と同じ質問に対して、深く追及されるでしょう。
ファナックは主体性やチャレンジ精神のある人材を求めているので、就活生の考えの深さや一貫性を見ているのです。
しっかりと選考対策をして面接に臨んでください。
採用担当者に好印象を与える面接のコツは、以下の記事を参考にしてください。
⑥内定
最終面接を通過すれば内定が出ます。
採用大学
ファナックの過去の採用大学の実績は以下の通りです。
| ＜大学・大学院＞ 東京大学、北海道大学、室蘭工業大学、北見工業大学、弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、茨城大学、筑波大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学 ＜短大・高専・専門学校＞ 函館工業高等専門学校、苫小牧工業高等専門学校、釧路工業高等専門学校、旭川工業高等専門学校、八戸工業高等専門学校、一関工業高等専門学校、仙台高等専門学校、秋田工業高等専門学校、茨城工業高等専門学校、小山工業高等専門学校、群馬工業高等専門学校 ほか |
採用学校を見る限り、ファナックにはいわゆる「学歴フィルター」はないと考えられるでしょう。
確かに東京大学といった難関大学出身者も採用していますが、標準的なレベルの大学、高専からも採用しているからです。
選考対策をしっかりすれば、すべての就活生に内容のチャンスがあると言えます。
本記事を参考に、ファナックの選考対策をして内定を目指しましょう。
就職偏差値・難易度
ファナックの就職偏差値・難易度はやや高いといえるでしょう。
特殊な選考フローや学歴フィルターはないものの、福利厚生や給与が桁違いに高水準だからです。
まずは、採用担当者の目に留まるエントリーシートをつくることから始めましょう。
基本的な質問である「ガクチカ」「志望動機」に的確に答えることができれば、採用の確率はグッと高まります。
本記事を参考に選考対策をして、ぜひとも内定を勝ち取りましょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
ファナックは、1962年に設立された山梨県に本拠を置く産業用ロボットメーカーです。
サーボやレーザーによるFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を主力事業にしています。
国内外で急速にシェアを拡大しているファナックは、就職難易度もやや高いです。
まずは採用担当者の目に留まるエントリーシート作成から始めましょう。
本記事を参考に選考対策をして、ぜひファナックの内定を目指してみてください。
