【企業研究】株式会社武田薬品工業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024年1月25日更新
はじめに
株式会社武田薬品工業(以下武田薬品工業)は、1781年に創業された東京都中央区にグローバル本社、大阪市中央区に本社を置く製薬(医薬品)業界に属している大手企業です。
主な事業内容は、 医薬品等の研究開発・製造・販売・輸出入です。
武田薬品工業グループは、連結子会社180社、関連会社17社で構成されています。主要な子会社は、米国、欧州・カナダ、ロシア/CIS、アジア、中南米にあります。
今回は、そんな武田薬品工業の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では武田薬品工業への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 武田薬品工業の仕事内容が気になる
- 武田薬品工業の就職難易度を知りたい
- 武田薬品工業の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、製薬業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
上京を志す地方学生ならジョーカツ!
あなたのキャリアを加速させるチャンス!
無料で利用できる快適な個室シェアハウス、
東京までの交通費サポート付き
首都圏の注目企業への就活ならジョーカツ
首都圏の学生ならスタキャリ!
理想のキャリアを実現へと導く第一歩!
あなたにピッタリのキャリアアドバイザーを選び、
自分にマッチする優良企業をご紹介
首都圏企業のES添削から面接対策まで、就活ならスタキャリ
この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、武田薬品工業は国内製薬業界の売上高No.1企業であり、海外にも多く拠点を持つグローバル企業です。
就職難易度は、難易度はとても高いと言えます。社会貢献度が高い事業内容、知名度が高いことや多様性のあるグローバル企業という点、また年収も高いため就職先として人気があります。
採用大学は難関・人気大学が多いため、学歴フィルターは存在していると考えられます。
新卒で募集される職種は、全学部・全学科で募集している総合職、大学院理系または学科専攻限定の研究職やリサーチ職などで募集がされています。
選考対策として、なぜ武田薬品工業なのかという志望動機と、ガクチカと徹底した自己分析をし、自身の強みをどのように武田薬品工業で活かせるか、事前準備を進めたうえでエントリーしましょう。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
武田薬品工業について
画像引用:武田薬品
会社概要
武田薬品工業は、1781年に創業された東京都中央区にグローバル本社、大阪市中央区に本社を置く製薬業界に属している大手企業です。
代表取締役社長はクリストフ ウェバー、従業員49,095人(連結)・売上高4兆274億円にのぼるグローバル企業です。
主な事業内容は、医薬品の研究、開発、製造および販売であり、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー(がん)、およびニューロサイエンス(神経性心疾患)の主要ビジネスエリアにフォーカスしています。
企業理念にある存在意義は、「タケダは、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献するために存在します。」です。
医療で救えない人がいなくなるまで、できることは全部やるという、創業以来受け継ぐ精神をもとに、製薬会社の枠に収まらない世界に尽くすアクションを進めています。
参照ページ
各事業別の売上規模構成比
武田薬品工業の2022年度の売り上げ収益は、4兆274億円(前年同期比:12.8%増)で、営業利益は、4,905億円(前年同期比:6.4%増)と増収増益企業となりました。
武田薬品工業グループは、医薬品事業の単一のセグメントですが、ここでは国内と海外国別をセグメントとして解説します。
売上高は、為替相場が円安に推移したこと、各疾患領域の業績が好調に移行したことにより増収が、前年度の減収影響を上回ったことによります。
営業利益は、円安の為替影響により、売上原価・販売費及び一般管理費・研究開発費等でのコスト上昇の影響をうけましたが、増収に伴い増益でした。
グラフの通り、現在の売上は、米国の売り上げが経営成績上大きなウエイトを占めています。
国内においては、円安の為替影響を受け減益になりましたが、海外での円安為替影響により全体で増収増益となっています。
国内・海外と国別の売上高は、以下の通りです。
- 国内: 売上高は5,120億円で、前年同期比22.3 %減となりました。
- 海外全体: 売上高は3兆5,154億円で、前年同期比20.8%増となりました。
- 海外(米国): 売上高は2兆1,038億円で、前年同期比22.7%増となりました。
- 海外(欧州及びカナダ): 売上高は8,427億円で、前年同期比14.0%増となりました。
- 海外(アジア): 売上高は2,250億円で、前年同期比14.2%増となりました。
- 海外(中南米): 売上高は1,604億円で、前年同期比24.8%増となりました。
- 海外(ロシア/CIS): 売上高は884億円で、前年同期比42.4%増となりました。
- 海外(その他): 売上高は952億円で、前年同期比38.2%増となりました。
※「その他」の地域は中東、オセアニア及びアフリカを含みます。
参照ページ
各事業セグメントの解説
武田薬品工業グループは、医薬品事業の単一のセグメントです。
ここでは武田薬品工業グループが、現在フォーカスしているビジネスエリアの消化器系・炎症性疾患、希少遺伝子疾患および血液疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー(がん)、およびニューロサイエンス(神経性心疾患)の5領域をセグメントとして、それぞれの注力しているポイントを解説します。
セグメント | 注力しているポイント |
消化器系・炎症性疾患 | 消化管疾患、肝疾患及びその他の免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変えうるような治療法を届けることに注力 |
希少遺伝子疾患および血液疾患 | 高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に注力 |
血漿分画製剤 (免疫疾患) | 血漿の収集から製造、研究開発及び商用化までのビジネスを運営。希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指す |
オンコロジー(がん) | 患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することによるがんの治癒に注力 |
ニューロサイエンス (神経性心疾患) | 希少神経疾患、特にナルコレプシーや睡眠・覚醒障害、希少てんかんおよび中枢性身体症状の治療薬の開発に注力 |
参照ページ 有価証券報告書2023
武田薬品工業で働いている社員は?
平均勤続年数は?
武田薬品工業の平均勤続年数は、有価証券報告書によると14.0年です。
製薬業界の業界平均勤続年数は、11年で勤続年数が長い業界であり、武田薬品工業の平均勤続年数はやや長いでしょう。
平均年収は?
武田薬品工業の平均年収は有価証券報告書によると1,097万円で、製薬業界内順位は10位に入ります。
業界平均が633万円であり、業界の中でも年収は高いでしょう。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、 全国平均よりもかなり高い水準です。
平均残業時間は?
武田薬品工業従業員の平均残業時間は、19.4時間です。
業界平均が18.4時間のため、業界内では平均的といえるでしょう。
平均ボーナス額は?
武田薬品工業の平均ボーナス額は、178万円です。これは、年収に含まれます。同業種の業界平均が122万円のため、高いボーナス額です。
どんな文化なの?
武田薬品工業グループは、グローバルな職場環境であるため多様性、公平性、包括性の必要性に対する理解を深めることを重視しています。
そこで、従業員が自ら仲間の声を集めて会社に提案する従業員主導型のボトムアップ活動があります。
これは、社内のカルチャーを従業員によって育てていくことを目的としています。
武田薬品工業グループは80の国と地域にある従業員ネットワークとも連携し、グローバルに参加ができます。
参照ページ
【2023年版】製薬会社年収ランキング 1位は1345万円のそーせいG…新薬大手は2年連続で中外トップ | AnswersNews (ten-navi.com)
武田薬品工業の年収は1105万円|年齢帯別・役職別年収やボーナスなどを徹底調査【最新版】 | 年収チェッカー (nenshu-checker.com)
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
製薬業界の中での武田薬品工業の立ち位置をご紹介します。
競合3社と比較したグラフで武田薬品工業は、売上高は圧倒的で国内シェアNo.1です。
参考までに競合3社の平均年収と就職難易度もご紹介します。
平均年収は、この4社の中では中外製薬が高いです。
圧倒的な売上高を誇る武田薬品工業は就活生にも人気で、就職難易度は66と非常に高い数値です。
会社名 | 売上高 (2022年度) | 平均年収 | 就職難易度 |
武田薬品工業 | 4兆274億円 | 1,097.2万円 | 66 |
中外製薬 | 1兆2,599億円 | 1,214.3万円 | – |
アステラス製薬 | 1兆5,186億円 | 1,061.8万円 | 64 |
大塚ホールディングス | 1兆7,380億円 | 1,040.9万円 | – |
参照ページ
【2023年版】国内製薬会社ランキング 武田、円安追い風に売上4兆円突破…2位大塚HD、3位アステラス | AnswersNews (ten-navi.com)
【2023年版】製薬会社年収ランキング 1位は1345万円のそーせいG…新薬大手は2年連続で中外トップ | AnswersNews (ten-navi.com)
武田薬品工業の新卒募集要項について
武田薬品工業の新卒募集要項についてまとめました。
現在、武田薬品工業グループの新卒募集では、全学部・全学科で募集している総合職、理系または学科専攻限定の研究職やリサーチ職などで募集がされています。
研究職・リサーチ職の募集は、大学院での専門分野の研究経験を必要としています。
そのため、4年制大学卒向けの募集は総合職のみになります。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 【全学部全学科】 ・総合職 【理系または学科専攻限定】 ・研究職 ・リサーチ職 ※大学院での専門分野の研究経験が必要 |
勤務地 | 神奈川(湘南)、東京グローバル本社および大阪本社 他 |
給与 | ・大学卒 月給27万7,000円 ・修士 月給30万1,000円 ・博士 月給33万5,000円 |
賞与 | 年2回(7月、12月) |
勤務形態/ 休暇 | 土曜、日曜、祝日、メーデー、年末年始など(年間123日程度) 年次有給休暇、特別有給休暇、傷病休暇、産前産後休暇、ファミリーサポート休暇、育児休暇、介護休暇、子の看護休暇、短期介護休暇、ボランティア休暇 |
参照ページ
求める人材
武田薬品工業の新卒総合職に求められる人物像は、次のような人物としています。
- グローバル人材として活躍することに高い意欲を持つ人
- チャレンジ精神がある人
- 知的好奇心が強く、創造的で、やり遂げるまで諦めない粘り強さのある人
- タケダイズムに共感し、患者さんのためにタケダの将来に向かって成長できる人
総合職では、入社後にMR(医薬情報担当者)としてキャリアを積み、患者さんや医療従事者と最も近くで働くことになるでしょう。
その際にこの4つの要素は、業務を遂行していく上で不可欠と考えられます。
また、「タケダイズム」とは、企業理念のなかにある、武田薬品工業の価値観のことです。
詳細は次の「企業理念」の項目で紹介します。
参照ページ
募集職種・選考プロセス|募集要項|新卒採用|武田薬品国内サイト
企業理念
武田薬品工業の企業理念は、どういう存在なのか、何をどう成し遂げていくか、なぜそれが大切なのかを問いかけるものです。
受け継がれてきた従業員の価値観を「タケダイズム」とし、行動指針を示しています。
タケダイズムとは、まず誠実であること。
それは公正・正直・不屈の精神で支えられた、武田薬品工業が大切にし、道しるべとしている価値観です。
この価値観をもとに、以下の4つの行動を日々の行動指針とし、どのような存在かを示しています。
- 患者さんに寄り添い
- 人々と信頼関係を気づき
- 社会的評価を向上させ
- 事業を発展させる
この価値観は、求める人材像のなかでも言及されているため、武田薬品工業ではとても重要な指針になるので、押さえておきましょう。
企業理念の詳細は、以下の参照ページにあります。
このメッセージに託した武田薬品工業の企業方針・想いを意識し、選考に臨んでください。
新卒採用のフロー
武田薬品工業の新卒採用選考フローは、をご紹介いたします。
総合職の新卒採用選考は、ガクチカなど自己PRという基本的な質問の深堀をはじめ、志望動機や応募職種への理解の質問がされます。
特に、ガクチカのエピソードは具体的な内容が求められ、そこでどんな困難があり乗り越えたかを深掘りするのが特徴です。
選考対策として、自己分析により自分の強みを明確にすることや、なぜ武田薬品工業を志望するかという理由、また、ガクチカから得た成果をまとめておきましょう。
①新卒エントリー・書類審査
武田薬品工業新卒採用サイトまたはマイナビから必要事項を入力し登録を行います。
登録後、マイページよりエントリーシートを提出して書類選考されます。
ガクチカや志望動機、自己PRなど基本的な内容のほか、英語使用の経験についての質問があるのが特徴です。
研究職・リサーチ職の場合、面接動画を求められます。
②適性検査
適性検査(SPI)は、言語と非言語。難易度は高くなく基本的なものです。
③グループディスカッション
4‐6人で20分でテーマについて話し合い、代表者が社員に2分で発表、を2回という形式です。
テーマは今までとこれからのMRについて、成功する人の条件、といった内容です。
④面接(個別)
面接では、ガクチカの深堀、業界と武田薬品工業でMR職を志望する理由などの質問があります。
また、ガクチカは成果よりも経緯や困難の対処法を深掘りされるでしょう。
⑤最終面接
学生2対1の面接では、エントリーシート以外のエピソードが深堀りされ、内容の一貫性と志望度の高さを見る質問が増えてきます。
なぜ他社ではなく武田薬品工業なのかという部分を、思う存分アピールしましょう。
⑥内内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
適性検査では、以下のページもぜひ参考にしてください!
【徹底解説】就活のSPI試験対策マニュアル~おすすめの参考書も紹介~
参照ページ
採用大学
武田薬品工業の採用大学の実績校をご紹介します。
難関国公立大学院から難易度の高い大学が多いなか、専門性の高い大学・短期大学からの採用実績があります。
学歴フィルターは多少存在すると考えられますが、専門知識や実績を活かせれば、内定を獲得できる可能性は十分にあるでしょう。
<大学院> 東京大学、東京薬科大学、同志社大学、大阪大学、関西学院大学、関西大学、学習院大学、九州大学、京都大学、慶應義塾大学、神戸大学、上智大学、長崎大学、名古屋大学、一橋大学、弘前大学、広島大学、福井大学、福岡大学、法政大学、星薬科大学、北海道大学 他 <大学> 神戸大学、東京大学、岡山大学、東京理科大学、大阪大学、東北大学、九州大学、大阪府立大学、明治大学、関西学院大学、神戸薬科大学 第一薬科大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、上智大学、長崎大学、名古屋大学、奈良大学、新潟大学、一橋大学 他 |
参照ページ
武田薬品、アステラス、中外、主要製薬会社「採用大学」ランキング2020!【全10位・完全版】 | 親と子の「就活最前線」 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、武田薬品工業の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は高いです。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 年収が高く知名度のあるグローバル企業のため人気
- 製薬業界国内売上高トップの企業のため人気
- 学歴フィルターはあり、4年制大学の求人と採用人数が少ない
そのため、他者と差別化されるよう、企業文化への理解、自分のキャリアの方向性と一致しているかなどの企業研究・自己分析、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など、万全の対策が必要です。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング
まとめ
武田薬品工業は、国内製薬業界の売上高No.1企業であり、海外にも多く拠点を持つグローバル企業です。
就職難易度は、難易度はとても高いと言えます。社会貢献度が高い事業内容、知名度が高いことや多様性のあるグローバル企業という点、また年収も高いため就職先として人気があります。
採用大学は難関・人気大学が多いため、学歴フィルターは存在していると考えられます。
新卒で募集される職種は、全学部・全学科で募集している総合職、大学院理系または学科専攻限定の研究職やリサーチ職などで募集がされています。
選考対策として、なぜ武田薬品工業なのかという志望動機と、ガクチカをいくつかエピソードを用意することと自己分析を深掘りすること、そして、自身の強みをどのように武田薬品工業で活かすことができるか、事前準備を進めたうえでエントリーしましょう。
武田薬品工業を志望する際は、企業研究と自己分析を行い、対策をしっかり行って選考に望んでください。
この記事が、武田薬品工業の内定に一歩近づくための参考になることを願っています。