職場見学でみるべきポイント5選|事前準備や質問例、服装を解説
2024年10月6日更新
はじめに
職場見学は、ネットでは分からない現場のリアルな雰囲気や具体的な業務内容の理解を深める絶好の機会です。
その貴重な機会を無駄にしないためにも、あらかじめ職場見学で注意して見ておくべきポイントをおさえておく必要があります。
本記事では職場見学で見ておきたい3つのポイントと職場見学に参加するための準備について解説します。
以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
- 職場見学への参加が就活に有利になるかどうか知りたい
- 職場見学に参加する前にやっておくべきことや準備すべきものが分からない
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職場見学とは
まずは「そもそも職場見学とは何か」についてお伝えします。
職場見学は、書いて字の如し、「企業の職場を直接見学する」という就職活動のひとつです。
就職を検討している企業の職場を訪問して、職場の雰囲気や業務内容を確認する就職活動で、就活生はもちろん、社会人の方でも、派遣社員の方などは職場見学を行う場合があります。
派遣社員の方などは、自分と会社の雰囲気などがマッチするかを確認する場のため、内定などには関係ない場合がほとんどになります。
また、就職活動の一環としてではなく、内定後のフォローとして行われる場合もあります。
企業が職場見学を実施する理由
ここからは企業が職場見学を実施する理由を解説します。
学生に働くイメージをつかんでもらうため
企業は職場見学を行い、求職者に直接職場の雰囲気や業務内容などを確認してもらうことができます。
そのため、HPやクチコミではわからない企業の雰囲気や仕事内容に対して、理解が深まり、働くイメージが具体的に分かりやすくなります。
内定者が働くことになるオフィスや工場などの勤務地を見学し、社員による面談や説明、質疑応答などが行われます。
職場見学を案内する先輩社員と就活生は積極的にコミュニケーションをとっていくことになります。
選考時の面接以外に、社員と求職者が接点を持つ機会は少ないため、社員の雰囲気を理解するいい機会にもなります。
また、就活生には働くことへのモチベーション向上にもつながります。
企業と学生間の理解を深めるため
企業側には、職場に訪問してもらうことで、時間をかけて就活生とコミュニケーションを密に取れるのが大きなメリット。
面接の短い時間では、自分の企業のどこを気に入ってもらったのかなど、志望動機を聞き出す時間はあまりとれず、また、企業ページなどの文言をもとに志望動機が作成されるため、本音で聞き出す機会は非常に少なくなってしまいます。
職場見学では、そのようなお互いの本音や知らない側面を、コミュニケーションをとりながら把握できる機会になるのです。
お互いの理解を深めることによって企業と学生の間のミスマッチも防げるので、入社後も長く働いてもらうことができるでしょう。
職場見学を行うメリット
企業が職場見学を行う理由やメリットを述べましたが、就活生にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
企業とのミスマッチを防げる
実際に職場を訪れることで、働いている社員の様子や職場の環境を確認できます。
また社内の雰囲気もチェックできるので、自分がその企業にマッチするかどうかの判断材料になります。
ミスマッチした状態での入社は企業と学生の両者にとっても大きなデメリットとなるので、少しでも違和感があればその違和感の原因を突き止めるようにしましょう。
仕事の具体的な内容が分かる
実際に行われている業務の様子を見学することで、仕事内容や流れを具体的に把握できます。
これによって求人サイトや説明会の情報だけでは理解しにくい実際の業務のイメージが鮮明になるでしょう。
また、入社までに自分がどのようなスキルを身につけるべきかについても把握できます。
社員との交流を深められる
職場見学のときに社員と積極的にコミュニケーションを取ることで、実際に働く人々の考え方や仕事に対する姿勢を知ることができます。
企業文化や社風が自分に合っているかどうかを確認しやすくなり、入社後の不安も軽減されるでしょう。
また面接やエントリーシートなどの選考対策についても話が聞ける場合があるので、ほかの学生よりも有利に選考を進められます。
職場見学のデメリット
職場見学に参加するときに気をつけたいデメリットについて解説します。
職場見学した日によって企業の印象が左右されやすい
見学した日やタイミングによっては、偶然見た部分が企業全体の実態とは異なる場合があります。
その結果、一時的な印象に基づいて企業の判断を行ってしまうリスクがあり、過度にネガティブまたはポジティブなイメージを持ってしまうので注意が必要です。
他社との比較が難しい場合がある
一度に多くの企業を見学することが難しいため、限られた数の企業しか比較できないのも注意すべきデメリットです。
企業ごとに見学のタイミングや内容が異なるため、フェアな比較ができずどの企業が自分に合っているかの判断がしにくくなる場合があります。
時間や費用がかかる
職場見学は時間だけでなく交通費や宿泊費などがかかる場合もあるため、経済的・時間的な余裕がないと参加できません。
特に遠方の企業の場合は見学のために余分なコストがかかり、他の就職活動との両立が難しくなる可能性があります。
職場見学で気にするべき5つのポイント
実際の職場見学では何をチェックするべきでしょうか?
ここではチェックするべきポイントを確認します。
社風
まずチェックするべきポイントは、社員の方々の働き方や雰囲気、社風です。
そこで働く人たちが、どのように仕事に取り組んでいるかを確認しましょう。
パソコンに向かって集中しながら黙々と仕事をするのか、それとも、先輩や上司に細かく相談しながら進めるのか、一緒にパソコンを確認しながら打ち合わせを行って仕事を進めるのか、様々な雰囲気や環境があるはずです。
この社風は企業の採用ページやHPからは確認できない部分になります。
企業見学でしっかり確認し、自分が働く場合、この社風に馴染めるかを確認しましょう。
社内の環境
会社やオフィスは仕事をする上で、1日の大半を過ごす場所になります。
綺麗なオフィスか?フロアの印象はどうか?席が決まっているのかそれともフリーアドレスか?など、自分が快適に過ごせそうか、働きやすそうな環境かどうかは、重要な要素になります。
企業によっては福利厚生としてウォーターサーバーがあったり、リフレッシュルームがあったりと、様々な環境が整備されています。
デスク周りだけではなく、フロア全体を通して、社内の環境を確認しましょう。
社員の方の反応
社内を回って見学する際、多くの社員の方に出会うと思います。
すれ違う時などにしっかり挨拶を行いましょう。
その際に社員の方の反応を見てみましょう。明るく活気のある企業なのか、それとも社員の方がしんどそうに働いている企業なのか、仕事の姿勢とは違う角度から確認することができると思います。
面接の時に「職場見学の際、社員の方に挨拶をすると、明るく挨拶を返してくださいました。とても雰囲気のいい職場と人間関係ということが伝わって、より一層魅力を感じました。」というように、面接の時のネタとしても使えるかもしれません。
上司になる可能性のある社員の人柄
職場見学を担当する社員は、基本的にその学生が入社した後に上司になる可能性のある人物です。
そのため、職場見学を担当した社員の性格や人となりを確認しておくことも大切です。
社交的でなかったり、高圧的な態度を取ってきたりする社員がいる場合はコミュニケーションが取りにくく早期退職の原因にもなります。
「この人が上司だったら安心できる」と思える人かどうか、自分の心に素直に従って判断してみてください。
アクセスや周辺施設
職場見学は、どのような道順で会社に通うことになるのかについてのシミュレーションにもなります。
そのため、会社へのアクセスや時間なども確認しておくことが大切です。
さらに職場近辺でご飯を食べる場所があるか、簡単な買い物ができる施設があるかもチェックしておくとよいでしょう。
もし時間に余裕があれば、職場見学のあとに会社や最寄り駅の周辺を散策してみてくださいね。
職場見学の1日の流れ
それでは、職場見学当日の一連の流れについて大まかに解説します。
- ロビーや電話での受付
- 企業説明会
- オフィス見学
- 質疑応答
入り口で受付をする際は、担当者に氏名・大学名を伝えましょう。
受付が終わると次は説明会が実施されます。
ここでの内容をしっかり聞き取り、質問したい内容を考えておくことが大切です。
オフィス見学の際は職場環境や社員の人柄など、先ほどお伝えしたポイントをしっかりチェックしておきましょう。
職場見学に向けてやるべき3つの準備
そんな職場見学に参加するにあたってはどんな準備を行うべきでしょうか?
以下にポイントをまとめたので確認していきましょう。
自己分析
まず行うべきは、企業や業界の理解ではなく、自分自身の理解です。
そのため、自己分析を入念に行いましょう。
- 自分のキャリアビジョンは何か?
- 自分の得意なことは何か?
- 自分の不得意なことは何か?
- 長所や強みは何か?
- 短所は何か?
- 自分のスキルは何があるのか?
など、職場見学のみならず、就活全般で必要な自己分析ではありますが、自己分析ができているのとできていないのとでは職場見学で得られるものの質が変わってきます。
実際の業務では何をしているのか?を確認し、そこから「自分の強みは行かせそうか?」「自分の得意なこととマッチしているか?」「自分の持っているスキルで役に立ちそうな部分はあるか?」「自分の性格と社風は一致しているか?」など、自己分析ができているからこそ見えてくる部分が多くあります。
自己分析の詳しいやり方に関しては、以下の記事もぜひ参考にしてください。
業界研究
続いて業界研究。
自分の目指している業界を理解することで、その業界の基準を理解することができます。
- 業界の将来性
- 見学する企業の業界内での立ち位置
- その業界の一般的な雰囲気
などを理解することで、見学先の企業は一般的な業界の基準と比べてどうか?などを比較することができるようになります。
業界研究のやり方が知りたい方は、以下の記事に詳細があるのであわせてチェックしておきましょう。
企業研究
最後の準備として行うのは企業研究です。
見学を行う企業のことを理解しておきましょう。
企業研究としては
- 企業概要
- 企業の理念
- 企業の強み
- 企業の社風
- 採用したい人材
- 業界内での立ち位置
会社案内や企業のホームページ、就活サイト、キャリアセンターなどから得ることのできる情報が多くあります。
企業概要や企業理念は、その会社の文化や、社風にもつながるものになります。企業の持っている価値観を確認するべきものになるので、しっかりと確認しておきましょう。
採用したい人材などについては就活サイトや企業の人事ページ、採用ページに記載がある場合が多いです。
採用ページの採用したい人材と、実際に訪問しての社員の雰囲気などを比較してみましょう。
職場見学にふさわしい服装
職場見学の場合の服装は指定がある場合と指定がない場合があります。
多くの場合は以下の3パターンに分けられます。
- スーツ指定
- 私服可
- 指定なし
スーツ指定の場合はリクルートスーツでいいのですが、他の場合はどうしたら良いのでしょうか。
スーツ指定以外の場合を確認しておきましょう。
「指定なし」の場合
服装の指定がない場合は、リクルートスーツで参加するのが良いでしょう。
職場見学は就業時間に参加する場合がほとんどです。
そのため、多くの社員の方は就業時間にスーツを着用して就業していると考えられます。
その社内を社員の人に引率されながら回っていくことになるので、指定がないからと私服で参加するのはマナー違反になる可能性があります。
また、近年はリモート会議が多くなったとはいえ、企業の取引先の方が商談などで来訪している可能性も考えられます。
マナー違反になることを避けるためにも、指定なしの場合、基本はスーツ着用と考えておくことが良いでしょう。
服装が自由な場合のオフィスカジュアルの例については、以下の記事を参考にしてください。
「私服可」の場合
私服可と記載がある場合はどのような服装で訪問するべきでしょうか。
「私服可」といって、カジュアルに、デニムやTシャツ、派手な服装、サンダルなど、ラフな格好は避けましょう。
服装はオフィスで来ていても違和感のない、「オフィスカジュアル」がおすすめです。
オフィスカジュアルと言われると難しく感じるかもしれませんが、そこまで難しい服装ではありません。
男性は襟付きのシャツにスラックスといった、フォーマル寄りな服装に、テーラードジャケットなどの襟付きのジャケットを着用しましょう。
リクルートスーツのようなものでなくとも構いません。イメージとしては「スーツではないフォーマルな服装」といった印象です。
女性はカットソーにパンツかスカートを合わせ、その上にジャケットを羽織りましょう。
白やダークカラーで無地のシンプルなものを着用しましょう。
派手な柄などが入ったものはふさわしくありません。
先述した通り、私服可だからといって、どんな服装でもいいわけではありません。
清潔感のある、社会人として相応しい服装を意識しましょう。
職場見学で行うべき質問
職場見学に参加する前に、あらかじめ質問内容を考え、自分の知りたいことを聞けるように準備しておきましょう。
職場見学では、質問を行う時間が設けられていることがよくあります。
この質問時間を有効的に使うことで、自分の疑問の解消はもちろんのこと、企業へ熱意が伝わり、より一層、良い印象を伝えられる可能性があります。
また、質問は複数用意しておき、他の参加者の方と質問内容が被っても自分の質問ができるように準備しましょう。
職場見学で気をつけたいマナー
職場見学の際に気をつけたいマナーについて解説します。
時間厳守
職場見学において、時間通りに到着することは基本中の基本です。
遅刻はもちろん、ギリギリの到着も避けるべきです。
余裕を持って行動することで、相手に対して先に言って信頼感を伝えることができるだけでなく、ビジネスマナーの基本が身についていると印象づけられます。
スマホの電源はオフにする
職場見学中にスマートフォンを使用すると、企業に対して無礼な印象を与えてしまいます。
見学中は集中して話を聞いてスマホの電源をオフにすることで、企業側に対して真剣さと配慮を示せるでしょう。
緊急時を除き、ほかのことに気を取られず集中している姿勢を見せることが大切です。
しっかり挨拶する
挨拶は基本的なコミュニケーションの一つであり、企業の第一印象に大きく影響を与えます。
職場の入り口で出迎えてくれた社員や担当者には、しっかりと明るい元気な挨拶を心がけましょう。
印象の良い挨拶は学生ならではのフレッシュで元気な印象を与えられるので、元気な挨拶を心がけてください。
メモを取りながら話す
見学中に説明を受ける際には積極的にメモを取ることで、相手の話をしっかりと聞いていることを示せます。
真剣に向き合っていると感じ、印象が良くなるだけでなく、メモを参考にすることでより効率的に的確な質問がしやすくなるでしょう。
職場見学での持ち物
職場見学に行くときの持ち物は以下の通りです。
- A4サイズの用紙が入るバッグ
- 資料を入れるクリアファイル
- 履歴書と証明写真
- 身分証(学生証など)
- スマートフォンとモバイルバッテリー
- 筆記用具とメモ帳
- ブラシや鏡など身だしなみに必要なもの
その他に職場見学で必要な持ち物について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
職場見学後に送るお礼メールに関する注意点
職場見学が終わったら、必ずお礼メールを送りましょう。
その際に注意すべきポイントを3つ紹介します。
当日中に送る
会社訪問のお礼メールは、できるだけ当日中に送ることが大切です。
早いタイミングで送ることでお礼の気持ちが効果的に伝わり、相手の記憶にも鮮明に残ります。
ただし、当日中が理想とは言え、あまりにも遅くなると失礼になりかねません。
採用担当者の就業時間内(午前9時〜午後5時、遅くても午後7時まで)を基準に考え、それを超えそうな場合は翌日に連絡するよう心がけましょう。
遅くとも翌日までにお礼メールを送らないと、「マナーが分かっていない」「せっかく時間を作ったのに」といった印象を与えかねないので、注意が必要です。
得た学び・意欲の高まりも書く
お礼メールには、訪問によって学んだことや入社意欲が高まったことに関する要素を盛り込みましょう。
担当者がわざわざ時間を割いて対応してくれたお礼として、職場見学で得たことをしっかりと伝えることが重要です。
「会社訪問で学んだこと→感想→入社意欲→仕事への熱意の高まり→お礼」の流れで簡潔にまとめることで、分かりやすく伝えることができます。
気持ちを伝えるためには長文を書く必要はありませんので、ここでも端的に分かりやすく表現するように心がけてください。
企業から返信が来たら返す
職場見学のお礼メールに企業からの返信があった場合、返信してやり取りを終えます。
そのままにすることのないように注意しましょう。
ただし、「返信が来たら返す」の繰り返しは、相手からの返信が終わらなくなり、やり取りが複雑になる可能性があります。
採用担当者に過度な手間をかけさせないよう、メールのやり取りには慎重になりましょう。
職場見学後のお礼メール例文
件名:会社訪問のお礼 ○○大学〇〇(氏名)
株式会社〇〇 人事部 採用担当の〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇大学〇〇部〇〇学科 〇〇〇〇(氏名)と申します。
本日は、お忙しい中にもかかわらず、職場見学の機会をいただき、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。
貴重なお時間を割いて具体的な事業のご説明をいただき、また私の質問にも丁寧にお答えいただき、より一層、貴社に入社した時のイメージができるようになりました。
特に○○の話は印象的で、貴社への志望意欲が一層高まりました。本日は貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
───────────────
〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇学年
〇〇〇〇(氏名)
〇〇〇〇@〇〇〇.com
〒123-4567
〇〇都〇〇区〇〇 〇丁目〇ー〇
携帯電話番号 000-0000-0000
自宅電話番号 00-0000-0000
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本文では最初に感謝の気持ちをしっかり伝えることに焦点を当てましょう。
感謝の念や訪問によって得られた経験は見学した方それぞれが異なるため、担当者に適切に伝えるよう心がけましょう。
この機会を通じて築ける関係が、今後のお付き合いに繋がる可能性があります。
是非この機会を有効に活用し、お互いにとって良い関係を築いていけるようにしましょう。
さいごに
職場見学を行うことで、働く前に抱いているイメージと実際の業務とのギャップを埋めることができ、その結果、仕事への定着につながります。
それは企業にとってはもちろん、就活生にとっても今後のキャリアを形成するにおいて大事な要素になってきます。
見学会へ参加する場合は、あらかじめ企業について調べ、そこから質問を考えておくのが良いでしょう。積極的な質問は熱意を伝えるのに大きく貢献するでしょう。
見学をする際は質問だけでなく、雰囲気や環境、社員の方をしっかり確認することもポイントです。
職場見学の時間を有意義なものにして、これからの就活に役立ててください。