【企業研究】JPXの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】JPXの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年8月18日更新

はじめに

JPXと聞くとピンと来ない方は、「日本取引所」と聞くと耳に覚えがあるのではないでしょうか?

JPXは東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所等を運営する取引所グループです。

 

グローバルな取引所間の競争に勝ち抜くため、東京証券所グループと、大阪証券取引所が2013年に経営統合し、現在の形となりました。

 

今回はそんなJPXを徹底的に解説します。

 

今回のJPXの紹介のように、就活を行う際には【企業研究】はとても重要です。

自分にとって最適な企業を選ぶために、本記事の企業研究を参考にしていきましょう。

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JPXを取り巻く金融業界とは?

JPXを取り巻く金融業界は、お金にまつわる様々な事業を展開する企業が該当します。

金融業界で最も有名なのは銀行で、預金業務や貸付業務、為替業務を行います。

 

しかしこの他にも金融業界に属する企業は多く、個人や企業に対して株式や債権といった金融商品の販売を行う証券会社、保険商品の販売を行う保険会社、さらにはこれらに該当しない企業を「その他金融」として業界を整理しています。

 

「その他金融」には、クレジットや信販、リースなどの事業を展開する企業のほか、日本の金融市場の中核を担うJPXも「その他金融」に該当します。

 

なお、金融業界については、以下の記事で概観しているのでぜひご覧ください。

【業界研究ガイド】業界一覧



事業内容

では、JPXではどのような事業を展開しているのでしょうか。

 

JPXでは、株券などの有価証券の売買や、デリバティブ商品の取引を行うための市場施設の提供、さらには相場の公表といった、公正な売買のために必要な業務を行っています。

 

これらの業務を各証券所や自主規制法人が行っているため、今回は各証券所や自主規制法人ごとに業務内容を紹介します。

東京証券取引所

通称「東証」と呼ばれるこの取引所では、金融商品取引法に基づく金融商品取引所の免許を受け、金融商品市場が運営されています。

 

運営にあたり、有価証券の売買を行うための市場施設の提供や、公正を確保するための相場の公表などを行っています。

 

なお、東証の開設する市場の中核として位置付けられているのが、プライム市場、スタンダード市場およびグロース市場です。

 

これらの市場に上場する会社の2020年6月時点の時価総額合計は、世界の取引所の中で第3位となっており、アジアでは最大規模を誇る市場となっています。

 

なお、東証では「arrowhead」が稼働しており、注文応答時間や情報配信スピードの高速性、取引情報のメモリ上での保護の両立といった観点で、世界最高水準の売買システムとなっています。

 

「東証一部上場」というワードは聞いたことがあるかもしれません。この東京証券取引所にまつわる企業の一ステータスとして、企業選びの指標になっていますので、以下の記事もご参考に活用ください。

上場企業と非上場企業の違い|就活生なら抑えておきたいメリットデメリット

 

大阪取引所

大阪取引所では、東証同様に金融商品取引法に基づく金融商品取引所の免許を受け、金融商品市場を運営しています。

 

業務内容としては、市場デリバティブ取引を行うための市場施設の提供や、公正を確保するための相場の公表、およびその他の取引所金融商品市場の開設に関わる業務を行っています。

 

なお、大阪取引所で開設するデリバティブ市場では、総合取引所として株価指数取引をはじめとした金融分野と、貴金属取引などのコモディティ分野における取引をワンストップで行うことができます。

東京商品取引所

東京商品取引所では、商品先物取引法に基づく商品取引所の許可を受け、商品市場を運営しています。

 

業務内容としては、商品にかかる先物取引及び実物取引、商品指数に係る先物取引を行うために必要な市場を開設・運営する業務があります。

 

東京商品取引所が開設するデリバティブ市場では、原油先物や電力先物等のエネルギー・デリバティブの取引を行うことができ、中でもドバイ原油価格は、アジア向け中東産原油価格の実質的なベンチマークとなっています。

JPX総研

JPX総研は、取引所ではない子会社として新たに設立されました。

これまでの取引所では実現が難しかったM&Aや高度人材活用などに通ずる柔軟性・機動性に長けた事業展開を目指し、テクノロジーやデータを活用しながら、事業の多角化や高度化を目指します。

日本取引所自主規制法人

日本取引所自主規制法人は、金融商品取引法に基づく法人です。

役割としては「取引所の品質管理センター」であり、資本市場の公正と信頼を守るべく、日々運営されています。また、組織体制も中立性・実効性を意識すると同時に、高い専門性を持つことが大切にされています。

日本証券クリアリング機構

株式会社日本証券クリアリング機構は、日本初となる有価証券債務引受業の免許を取得し、取引所取引に関わる清算業務を担っています。

 

これにより、各取引所が個別に行っていた証券取引の清算が一元的に行われるようになり、市場におけるポスト・トレード処理の効率性・利便性が飛躍的に向上しています。



新卒選考フロー

では、JPXの新卒選考フローはどのようになっているのでしょうか。

新卒選考ポジション

JPXでは、下記のようなポジションで新卒採用を行っています。

 

コース名業務内容勤務条件
GSコース・JPXの事業強化に資する業務

ー将来的には経営に従事する人材を目指す

経営企画、マーケット運営に係る制度企画、商品開発、取引システムの開発を始めとするデジタル・ネットワーク業務など、高い専門性を要する業務が中心

転勤を伴う異動有
SSコース・JPXの安定的な業務運営を支える業務

ー将来的には一般事務や専門的事務の実務の中心を担う人材を目指す

事務サポート業務を中心に、活躍の場は、秘書、財務、総務などの管理部門、広報などのPR部門、上場や取引といったマーケット運営を担う部門など、本人の能力や意欲に応じてキャリアを選択可能

本人の同意なく、転勤を伴う異動無
デジタル・ソリューション(DS)コース・取引システムの開発を始めとするデジタル・ネットワーク分野における人材育成を行うコース(新設)

ー将来的には事業の多角化やサービスの高度化等を推進し、GSコースと同様にJPXの経営に従事する人材を目指す

データやテクノロジーを活用するデジタル分野、およびネットワーク分野における人材育成を強化が目的

転勤を伴う異動有

 

<初任給>

・GSコース

【大学卒】229,500円

【修士卒】244,500円

 

・SSコース

【大学卒】225,900円

 

・デジタル・ソリューション(DS)コース

【大学卒】229,500円

【修士卒】244,500円

 

GSコースおよびデジタル・ソリューション(DS)コースは、日本国内のみならず、ニューヨーク・ロンドン・シンガポール・北京・香港などの海外の拠点への転勤が命じられる場合があります。

 

なお、コースの併願はできないため注意が必要です。

選考フロー

選考フローは以下です。

 

<全コース共通>

エントリー

エントリーシート提出

適性検査

Webテスト

面接

内々定

 

なお、応募時には成績証明書が必須なほか、健康診断書が必要になります。

エントリー時の提出書類に健康診断書が必要なケースは非常に珍しいため、応募の際は余裕を持って準備するようにしましょう。

エントリーシートの質問内容

JPXのエントリーシートでは、下記のような質問がなされています。

 

  • これまで力を入れて取り組んだ事項を簡潔に箇条書きで最大3つ記入してください。
  • 学生時代に力を入れたことについて記入してください。
  • なぜ当社を志望しているのか、またどのようにして仕事をしていきたいと考えているのかを記入してください。

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社風

JPXは、他業界と比較すると新卒の採用人数が多い金融業界の中では、まさに「少数精鋭」という言葉がぴったりの会社です。

 

限られた人数であるため、社員一人ひとりが担う責任が非常に大きく、それは新卒社員であっても変わりません。「若いうちから自分のやりたいことをできる」環境が揃っており、年次に関係なく発言しやすい空気があります。

 

また、業務内容を踏まえると堅い印象になりがちですが、年次を重ねた社員が若手社員の意見にしっかり耳を傾ける環境が整っています。

したがって、発言した内容の筋が良ければ、年次に関係なく十分に採用される可能性があると言えるでしょう。



求める人材

  1. 新規領域を開拓し、牽引していく力・タフさを有する人材
  2. 多様なステークホルダーの結束点となる意識を有する人材
  3. 現状に満足せず、より高い次元を目指す意識を有する人材

(引用:JPX採用サイト

 

JPXは現在、2030年を見据えたビジョンとして、「幅広い社会課題に、資金調達・資金循環機能をはじめとしたソリューションを提供するグローバルな総合金融・情報プラットフォームへと進化し、持続可能な社会と経済発展の実現に貢献する」ことを掲げています。

 

このビジョンを実現するためには、これまでの枠組みに捉われず、「変革」を起こすことができる人材が必要だと考えられています。

 

大きな転換期にあるからこそ、「とにかく挑戦したい!」というマインドの方には非常に適した企業だと言えるでしょう。

 

より高い次元へ挑戦していく人材であることを主張するため、またステークホルダー間との調整力といったものをアピールするにはコツが必要です。以下のような記事で注意点を学びましょう。

自己PRでチャレンジ精神をアピールするのはアリ?注意点も解説

就活生必見!グループワーク成功の秘訣と乗り切り方のコツとは?!

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

では、JPXの就職偏差値や、就職難易度を詳しく見ていきましょう。

 

参照:就職偏差値→【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

 

会社名売上高平均年収就職偏差値・就職難易度社風
JPX1,339億円(2023年度3月期)10,566,018円・少数精鋭主義。少ない人数だからこそ、一人あたりの責任感ある業務量が多い

・若手の意見を受け入れる人と環境が整っている

 

JPXは事業内容の特性上、競合が存在しません。

他の業界や業種を見ても、非常に稀有な存在であることが分かるでしょう。

採用大学

では、JPXはこれまでどのような大学出身の学生を採用してきているのでしょうか。

過去の採用校一覧を見ていきましょう。

 

<大学院>

大阪大学大学院、九州大学大学院、京都大学大学院、慶應義塾大学大学院、東京工業大学大学院、東京大学大学院、東京農工大学大学院、東京理科大学大学院、明治大学大学院、横浜市立大学大学院、早稲田大学大学院

 

<大学>

青山学院大学、麻布大学、大阪市立大学、大阪大学、大阪府立大学、お茶の水女子大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、九州大学、京都大学、慶應義塾大学、神戸大学、国際教養大学、首都大学東京、上智大学、成蹊大学、聖心女子大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、津田塾大学、電気通信大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、同志社大学、長野大学、名古屋大学、一橋大学、広島大学、法政大学、北海道大学、明治大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学

 

採用人数は以下です。

 

年度男性女性合計
2019年度14名12名26名
2020年度14名11名25名
2021年度14名11名25名

 

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ホットニュース

2024年度末までに「デジタル社債流通市場開設」を目指す

JPXは、2024年度末までにデジタル社債の流通市場を開設すると発表しました。

 

ブロックチェーン(分散型台帳)を通じて発行したセキュリティー・トークン(ST、デジタル証券)を活用し、ESG(環境・社会・企業統治)債のSTを機動的に売買できる市場を目指します。

 

通常の社債ではなくデジタルとすることで、STの取引執行や監視などが従来と比較すると低コストかつ迅速にできる可能性が高まるほか、小口化した証券化商品が組成しやすくなるといったメリットがあります。

 

これまで機関投資家に限られていた金融商品の投資機会が個人投資家にも広がることで、さらなる利便性の追求や、環境への徹底した配慮を目指します。



まとめ

今回は、JPXに関する企業研究を行ってきました。

 

JPXは、日本国内に競合がいないという、他の企業と比較するとやや特殊な環境に置かれた企業です。だからこそ、企業の優位性を活かして様々な経験を積むことができるでしょう。

 

しかしJPXは、日本国内企業の世界的な評価を高めるべく、世界の取引所と日々対峙しながら様々な業務にあたっています。

 

まさに日本経済を支える非常に重要な仕事ながら、JPXを支える社員は柔軟性が高い人が多く、年次に関係なくフラットに意見交換できる風土があります。

 

日本経済を支えたいという志高い方はもちろん、世界で活躍したい方も、ぜひJPXを検討してみてはいかがでしょうか。

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