IT業界の職種とは?文理別に目指しやすい職種もご紹介!
2023年5月17日更新
はじめに
コロナ禍を経て、様々な企業がデジタル化に拍車を掛けていることから、IT業界の盛り上がりを感じている人は多いのではないでしょうか。
しかし、ITといっても様々な業界や職種があり、「どの職種が自分に合っているんだろう?」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、そもそもIT業界とは何かということに加え、職種紹介や、文理別に目指しやすい職種などを詳しくご紹介します。
すでにIT業界に興味があるという人はもちろん、「あまりよく分からないからこそ興味が湧いていなかった」という人も、ぜひ最後までお読みくださいね。
IT業界とは
IT業界の職種を取り上げる前に、そもそもどのような業界なのかということを詳しく理解しましょう。
一言に「IT業界」といっても、様々な業界を含んでいるため、業界を細分化した形でご紹介します。
なお、IT業界についてさらに知識を深めたい人は、以下の記事も参考にしてくださいね。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、ソフトウェアやアプリケーション開発を行っている企業が該当します。
近年、ソフトウェア界隈でのクラウド化が進んでいることから、今まさに追い風を受けている業界と言うことができます。
コストを抑えることができるパッケージ商品を販売している企業や、企業ごとに個社対応を行う企業など、サービス提供方法は様々です。
Microsoftや東芝、サイボウズなどが該当します。
ハードウェア業界
電子機器そのものを開発・製造・販売している企業は、ハードウェア業界に該当します。
テレビやパソコン、スマートフォンはもちろん、冷蔵庫や洗濯機のような家電を製造しているのも、このハードウェア業界です。
近年はIoT対応商品がトレンドになっており、今後ますます注目度が高まる業界だと言えます。
日立やNECをはじめ、PanasonicやAppleもハードウェア業界に該当します。
情報処理サービス業界(システムインテグレータ)
システムインテグレータとも呼ばれる情報処理サービス業界には、企業の依頼を元にデータ収集や加工、解析を行う企業が該当します。
近年、データ活用領域に注目が集まっていることから、ビッグデータ活用の潮流が進むとともに、情報処理サービス業界の存在感も強まっていくことでしょう。
富士通をはじめ、野村総研やオラクル、TISなどが該当します。
Web・インターネット業界
Web・インターネット業界は、主にWebサービスの展開やWebサイト構築を行う企業が該当します。
「Web・インターネット業界」という括りの中でも業務範囲は多岐にわたり、SNSやゲーム事業をはじめ、メディアサービスの提供やEコマース事業など、その種類は様々です。
今まさに売上を伸ばしている注目業界のため、有名企業も耳馴染みがある企業が多いのではないでしょうか。
Googleをはじめ、facebookや楽天、Yahoo!などの有名企業が多い業界です。
通信インフラ業界
通信インフラ業界は、主に電話やネットワークなどのインフラ構築を行う企業が該当します。
近年、業務を行う上ではWi-fiなどの無線回線が必要不可欠になっているほか、格安SIM携帯の登場により、通信事業への興味・関心も高まっています。
昔は初期構築費や信頼性の担保という観点から、限られた企業が事業運営をしている傾向がありました。
しかし、最近ではその傾向が緩和されつつあり、新規参入事業者が多く見受けられる領域です。
代表的な企業には、NTTドコモやSoftbank、KDDIなどがあり、生活と密接している企業が多いことが分かるのではないでしょうか。
IT業界の職種①:エンジニア関連
では、ここからはIT業界に関連する職種を見ていきましょう。
それぞれの職種の平均年収も合わせてご紹介します。
(参照:マイナビITエージェント IT・エンジニアの職種図鑑)
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、サーバーの設計や構築を行う「サーバーエンジニア」や「データベースエンジニア」、ネットワーク構築を担う「ネットワークエンジニア」などの総称です。
システム構築、すなわちシステムの裏側を担う職種のため、決して目立つポジションではないものの、システムの価値はインフラエンジニアの仕事によって左右されるといっても過言ではありません。
業務を通じて得意分野を見極めながら、どの領域のスペシャリストになるのかを選択できる点も大きな魅力です。
20代の平均年収はサーバーエンジニアで387万円、データベースエンジニアで373万円、ネットワークエンジニアで280万円ほどです。
得意領域についてある程度知見を深めたら、近しい領域の知見も深めていくことで、年収アップを望める職種です。
システムエンジニア
システムエンジニアは、社内外で活躍できる可能性を秘めています。
社外で活躍するシステムエンジニアは、クライアントの要求を元に最適なシステム開発を行います。また、現場によってはシステム設計やプログラミングまで行うこともあります。
社内で活躍するシステムエンジニアは、自社内のシステム運用や保守を中心に行います。
柔軟な働き方ができるだけでなく、手に職もつけられるという観点から、近年女性のシステムエンジニアが増加傾向にあります。
20代の平均年収は社外で活躍するシステムエンジニアで410万円、社内で活躍するシステムエンジニアで385万円です。
ただし、30代の平均年収では500万円を超えることから、伸びしろが大きい職種であることが分かります。
プログラマー
プログラマーは、システムやソフトウェアを開発するために「プログラミング」を行う人を指します。
一般的には、システムエンジニアがシステムやソフトウェアの設計を行い、その設計に基づいたプログラミングをプログラマーが行います。
プログラミングに用いられるプログラミング言語には、Java、JavaScript、Perl、PHP、Rubyなど様々なものがあり、用いるシステムによって異なるため、プログラマーは常に勉強する姿勢が求められます。
20代の平均年収は322万円ではあるものの、エンジニアキャリアのスタート職種とされているため、知識を付けることで収入を伸ばしていくことも可能でしょう。
システム保守・運用
システムをつくったあとは、保守や運用を行わなければなりません。
システムの保守・運用担当者は、システムがトラブルで停止することがないように、管理を担う人を指します。
システム保守はトラブル対応が主な業務であるのに対し、システム運用はトラブルを未然に防ぐことが求められます。
20代の平均年収は394万円となっており、他の職種と比べると相場はやや低めです。
定型化された業務が多いという点が影響しているようです。
IT業界の職種②:営業関連
ここまでご紹介してきた職種は、一定の知識や技術力が必要になるものでした。
ここからは、少し領域が異なる営業関連の職種をご紹介します。
セールスエンジニア
セールスエンジニアは、営業担当者とともに商談に同行し、仕様に関する具体的な説明などを担います。営業担当者では知識が不足している際に活躍するイメージです。
また、実際に開発を行う現場との納期や要件調整を行うことも重要な仕事です。
社内での関係性を維持しながら、お客様のニーズを汲み取るバランス力が求められます。
知識はもちろんのこと、営業職に関する理解も重要なポイントです。
20代前半の平均年収は361万円であるものの、経験とともに年収が上がっていくことを期待できる職種です。
(参照:セールスエンジニアの年収相場 営業・エンジニアよりお得?)
ITコンサルタント
ITコンサルタントは企業ごとにIT戦略を策定し、新システムの導入提案や、既存システムの最適化などを行うことが求められる職種です。
最も重要な任務は、クライアントとなる企業の経営課題をあぶり出し、その課題を適切な方法で解決することです。
いわゆる「営業力」のような、クライアントの要望に対して傾聴する能力が求められます。
20代の平均年収は420万円となっており、同世代の他職種と比較するとやや高い傾向があるものの、その分能力が求められる仕事であることを理解しておきましょう。
(参照:マイナビITエージェント IT・エンジニアの職種図鑑)
コンサルティング業界全体については、「【業界研究】コンサル業界について解説します。」を参考にしてください。
IT業界の職種③:マネジメント関連
このほかに、近年注目を集めているマネジメント関連の職種についてもご紹介します。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、言葉の通りプロジェクトをマネジメントする役割を担う人を指します。
どのようなシステムを開発するのか、そのためにはどのようなメンバーをアサインするのかということを見極め、指定された納期までに必要な成果物を納品できるよう、プロジェクト全体をコントロールする能力が求められます。
システムに関する知識だけではなく、プロジェクトメンバーとのコミュニケーション能力なども求められることから、多岐に渡る能力が必要であることが分かります。
そのため、平均年収は20代で542万と他職種と比較しても圧倒的に高くなっており、高年収を望む場合には検討したい職種です。
文理別のおすすめ職種
ここまで、それぞれの職種について詳しくご紹介してきました。
では、文系・理系それぞれでどのような職種を目指すのが良いでしょうか。
文理別にご紹介しましょう。
文系
文系出身者の場合、営業関連やマネジメント関連の職種を目指すことがおすすめです。
近年、多くの企業が様々な領域のデジタル化に取り組んでいることから、企業の要件を適切にヒアリングし、プロジェクトに落とし込む人材の需要が急速に高まっています。
システム関連の知識は必要になるものの、どのような職種であっても勉強は必要です。
そのため、職種として今後伸びしろが大きいセールスエンジニアやITコンサルタント、プロジェクトマネージャーを目指してみてはいかがでしょうか。
ただし、近年は全く知識がない状態で入社しても、入社後の研修でプログラマーやエンジニアを目指せるケースも多くなっています。
もし興味がある場合は、そのような研修を実施している企業を探してみてはいかがでしょうか。
理系
理系出身者の場合、ここまでご紹介してきた職種は何でも目指しやすいと言えます。
実際にどの職種を目指すか検討する際は、とにかく年収が高い職種が良いのか、そうではなく自分が楽しいと思える仕事を見つけたいのか、といった観点で選んでみるのが良いでしょう。
また、企業によっては「まずは様々な仕事を経験してみて、その上で1年後くらいを目途に正式な配属を決定します」という企業も少なくありません。
したがって、現時点で目指したい職種が分からない場合は、入社後に自由が利きやすい企業を選ぶのも良さそうです。
目指したい職種を見つけて実力を伸ばそう!
いかがでしたか?
本記事では、そもそもIT業界とは何かということに加え、職種紹介や、文理別に目指しやすい職種などを詳しくご紹介してきました。
これからまだまだ伸びる可能性があるIT業界だからこそ、どの職種で自分のキャリアを形成していくのかは非常に重要です。
また、早めに目指したい職種を見つけることができれば、それ相応の知識を獲得することもできるでしょう。
まずはIT業界や職種についての理解を深めながら、広くIT業界のことを知り、その上で自分にぴったりの職種を探してみてはいかがでしょうか。
IT業界への就職活動が決まり、志望動機を考えている人は、以下の記事も参考にしてください。
【例文あり】IT業界の志望動機はどう書く?ポイントと求める人物像について解説
最後までお読みいただき、ありがとうございました。