集団面接の対策とは!入退室マナーや質問例を解説
2024年2月22日更新
はじめに
「集団面接では何に気をつければいいのかな?」
「面接での態度やマナーが不安…」
就職活動当日の集団面接を経験する方の多くが、このような不安を抱えています。
多くの受験者が悩む集団面接のポイントを、長年の人事経験を持つ専門家がわかりやすく解説していきます。
グループ面接での基本マナーから合格に導くコツまで、実践的な内容をお伝えします。
面接会場での入退室の作法や、よく出題される質問への対応方法など、具体的な準備のヒントが満載です。
この記事で学んだ知識を活用することで、自信を持って集団面接に挑戦できる準備が整うでしょう。
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集団面接とは
そもそも、集団面接は何のために行うのか理解しておくことで、有利に進められます。
まずは、次のような基本的なことを知りたい方も多いでしょう。
- 集団面接の基本情報と流れ
- 受けるタイミング
- 面接官と就活生の人数
- 集団面接と個人面接、グループディスカッション(GD)との違い
- 集団面接の流れ
受けるタイミング
集団面接は、就職活動の序盤から終盤の時期に実施される選考方法です。
一次選考を突破した応募者をさらに絞り込むために、企業が採用する重要な評価手段となっています。
応募者が多く集まる大手企業や人気企業では、応募者を効果的に評価できることから、この選考方式を取り入れているのが特徴です。
大規模な応募者を慎重に選考する企業にとって、複数の候補者を同時に評価できる集団面接は効率的な選考方法となります。
面接官と就活生の人数
一般的な集団面接では、面接官1,2名に対して就活生2〜6名が同席する形式が採用されます。
限られた時間で自分の強みを効果的に伝えることが、合否を左右するポイントになります。
面接官は複数の応募者を同時に評価するため、一人当たりの発言時間は個別面接よりも短くなります。
応募者の人数が多くなるほど、時間がさらに限られてくるため、端的で印象的なアピールを心がける必要があります。
自己表現の場を最大限に活かすために、事前に話す内容を整理しておくことが大切です。
集団面接と個人面接、グループディスカッション(GD)との違い
集団面接とグループディスカッションは、複数の応募者が同時に参加する選考形式です。
選考手法による評価ポイントの違いは、面接の形式によって明確に分かれています。
集団面接では、面接官からの質問に対して応募者が順番に回答し、個人の対応力や態度が重視されます。
グループディスカッションでは、参加者全員で課題について意見を出し合い、協力性やリーダーシップが評価されます。
個人面接は、一対一の対話で応募者の経験や考え方をより深く掘り下げる場となっているのが特徴です。
さらに以下の記事では、個人面接とGDに関する対策について解説しています。
志望する企業の選考プロセスを把握して、対策していきましょう。
面接前に絶対にやるべきこととは?面接時のマナーやよく聞かれる質問について紹介
グループディスカッションの対策を紹介!評価ポイントや種類別対策をチェック
集団面接の流れ
集団面接は、応募者全員が指定の面接会場へ案内されるところから始まります。
面接の基本的な進行手順としては、着席後に面接官による自己紹介が一般的です。
その後、応募者が順番に自己紹介と志望動機を説明する時間が設けられます。
面接官は、一般的な質問から企業固有の内容まで、全応募者に対して同じ質問を投げかけます。
応募者はそれぞれ順番に質問への回答を求められ、個々の考えを述べていきます。
面接の終盤には、応募者から面接官への逆質問を行い、最後に挨拶をして面接は終了です。
集団面接対策については、次の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
人事が集団面接を実施する3つの理由
人事担当者が集団面接を実施する理由は次の3つです。
- 大きな母集団を絞り込みたい
- 学生の能力を相対的に比較したい
- 優秀な学生に目星を付けたい
それぞれ、順番に解説します。
大きな母集団を絞り込みたい
集団面接は、企業が採用選考を効率的に進めるための重要な手法です。
多数の応募者を効率的に評価できるよう、多くの企業がこの選考方式を採用しています。
特に人気企業や大手企業では、数百から数千にも及ぶエントリーシートが届くため、個別面接では時間とコストの負担が大きくなるのです。
複数の応募者を同時に評価することで、限られた時間内で多くの候補者を比較検討できます。
企業側にとって、採用基準に満たない応募者を早期に見極められることもあり、選考の効率化につながります。
学生の能力を相対的に比較したい
集団面接の重要な意義は、応募者の相対的な評価を可能にする点にあります。
複数の候補者を同時に観察することで、個々の特徴が把握できる評価手法としての強みがあります。
同様の質問に対して応募者それぞれの回答を比較することで、個人の能力や弱みの違いが明確になるのです。
面接官は応募者の発言内容や態度を相互に比較しながら、より客観的な評価基準で判断できます。
各応募者の長所や短所が浮き上がることで、採用者は適切な人材を見極めているわけです。
優秀な学生に目星を付けたい
集団面接では、優秀な人材を早い段階で見極めるために行っている点にも注目です。
面接官は優秀な応募者の特徴を早期に把握でき、採用の判断材料が得られやすくなります。
面接の場での発言内容や行動は、他の応募者との関わり方から、個人の総合能力を観察可能です。
リーダーシップやコミュニケーション力、論理的思考など、仕事に必要とされる能力が自然に表れます。
優れた能力を持つ応募者は、集団の中で目立つために、採用したい人材を早期に特定できるというメリットもあるのです。
【知らないと恥をかく】集団面接のマナー
集団面接では個別面接とは少し異なるマナーがあり、次の3つには特に注意が必要です。
- 入室時のマナー
- 退室時のマナー
- 他の学生の質疑応答時のマナー
それぞれ、順番に解説します。
入室時のマナー
集団面接での入室には、順番によって異なる3つの動作パターンがあります。
最初の受験者は、ドアを2回軽くノックして「失礼いたします」と伝えて入室します。
入室後、面接官に軽く一礼をした後は、座れるような指示があるまで椅子の前で静かに立ったままで待ちましょう。
2番目以降の受験者は、ノックを省略して「失礼いたします」と声をかけ、すでに入室した受験者の隣の席へ向かいます。
最後の受験者は、ドアを静かに済ませた後に「失礼いたします」と一礼して入室するのがポイントです。
面接官から「お座りください」との指示があった時は、「失礼いたします」と応答してから丁寧に着席します。
着席時の姿勢は、背筋を真っすぐに伸ばし、背もたれにもたれない形を維持することで、誠実な印象を与えるでしょう。
集団面接における着座マナーについては、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
退室時のマナー
面接終了の合図を受けたら、感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました」と述べて、丁寧に一礼します。
席を立つ際には、荷物を持って静かに立ち上げ、ドアに向かう前に面接官に向かって直して深くお辞儀をします。
「失礼いたします」と伝えてから、ドアをゆっくりと開けて退室します。
最初に退室する受験者は、後に続く受験者のためにドアを支えて待っておくことで、思いやりの心を示せます。
最後に退室する受験者は、同じように礼儀正しく退室した後、音を立てないようにドアを閉めて退出しましょう。
他の学生の質疑応答時のマナー
他の学生が答えている時間には、静かにしっかりと耳を傾けることが大切です。
発言している学生の方向を見つめ、アイコンタクトを取りながら、話に関心を持っていることを態度で表現しましょう。
他の学生の発言から学びを得て、自分の意見を整理しておけば、順番が戻ってきたときにスムーズに答えられます。
ときには「その○○さんの発言について、あなたの考えをお聞かせください」といった質問を受けることもあります。
そして、発言中の学生の話を遮ったり、大げさな表情で反応を見せたりする行為は、協調性の視点からも避けるようにしましょう。
面接入室時のマナーについては、次の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
【人事視点】集団面接の状況別攻略法
集団面接は、「発言を聞いているとき」「自分が回答しているとき」などの状況別で、それぞれベストな振る舞いがあります。
ここでは、人事担当者の目線で、それぞれの攻略方法を解説します。
他の学生の発言を聞いている時の3つの攻略法
ここからは、他の学生の発言を聞いている時の3つの攻略法について解説していきます。
- 発言を聞き漏らさないように集中する
- 相手の意見に対して肯定的な態度を示す
- 自分の意見と結びつけて整理する
発言を聞き漏らさないように集中する
集団面接では、他の応募者の発言内容を確実に把握することが求められます。
応募者の話に全神経を集中させる姿勢は、面接の成功へとつながります。
話し手の表情や口元に視線を向けることで、発言内容を正確に理解しやすくなるでしょう。
一旦自分の発言内容を考えることは後回しにして、応募者の話に耳を傾けることも大切です。
重要な発言は心の中で繰り返ししたり、要点を整理したりすることで、しっかりと記憶に残せます。
発言者の本質的な考えを理解できれば、自分の意見や質問をより効果的に組み立てられるでしょう。
相手の意見に対して肯定的な態度を示す
集団面接では、応募者の意見に対して好意的な反応を示すことが大切です。
相手の話に対して前向きな態度は、コミュニケーション能力の高さを表現できます。
他の応募者が話している間は、適度なうなずきや表情で共感を示すことで、話しやすい雰囲気を作り出せます。
このような周囲への気配りは、面接官にチームワーク力や他者を尊重する姿勢となり、合格への近道となります。
面接の成功には、応募者同士が支え合う関係性を築くことが重要な要素となるのです。
自分の意見と結びつけて整理する
集団面接において、他の応募者の意見を踏まえた発言は高い評価につながります。
応募者の発言内容を理解した上での意見は、優れた傾聴力とコミュニケーション能力の証となります。
他の応募者の意見を参考にして発言する際は、以下のステップを意識することを推奨します。
- 応募者の発言から重要なポイントを整理する
- 自分の考えと一致する部分や異なる部分を整理する
- 意見を話しやすい順序で並べて、話の展開を組み立てる
応募者の具体的な意見を取り入れながら自分の考えをまとめることで、印象に残る発言となります。
面接の場では、このような思考によって、協調性と論理的思考力の高さを示せるでしょう。
自分が回答している時の3つ攻略法
ここからは、自分が回答している時の3つの攻略法について解説していきます。
- 簡潔かつ具体的に話す
- 自信を持って話す
- 面接官とアイコンタクトを取る
簡潔かつ具体的に話す
集団面接の場では、限られた時間内で自分の考えを伝える必要があります。
要点を絞った分かりやすい回答は、面接官からの好印象につながるでしょう。
面接では各応募者に割り当てられる時間が短いため、長く話すことは他の応募者の時間を奪うことになってしまいます。
質問の意図を冷静に、的確な言葉で核心を突いた回答をすることで、面接官への伝わりやすさが向上します。
実際の体験や具体例を伝える際は、平易な言葉を選んで話すことで、面接官の警戒が解けるでしょう。
自信を持って話す
面接の成功には、自分に自信を持って臨む姿勢が欠かせない要素です。
面接官は多くの応募者を短時間で評価していくため、最初の印象が採用判断を大きく左右します。
応募者の声の大きさや話し方は、自信の存在を示す重要なサインとしてとらえられます。
適切な音量ではっきりと話すことによって、前向きな姿勢を面接官に印象付けることができます。
また、正しい姿勢を正し、リラックスした態度で面接に臨むことで、堂々とした雰囲気も演出できるでしょう。
面接官とアイコンタクトを取る
集団面接では、視線の使い方が面接官とよい関係を築く重要な要素となります。
発言をする際は、視線を逸らしたりせず、面接官の表情を意識しながら話を進めることが求められます。
面接官の反応を観察することで、話の早さや内容を調整できるため、より効果的なコミュニケーションが可能になるでしょう。
面接の成功には、相手の表情から理解を読みながら、丁寧な返答を心がけることが大切です。
集団面接の頻出質問と回答例
集団面接でよく聞かれる質問は次の5つです。
- 自己紹介
- 自己PR
- 志望動機
- ガクチカ
- 逆質問
それぞれ、基本的な回答例を解説します。
集団面接でよくある失敗例
集団面接でよくある失敗例を3つ紹介します。
- 自己紹介の準備不足
- 他の候補者の話を聞いていない
- 自己中心的な発言
気になることがあれば、事前に対策を行い、万全な状態で集団面接に臨みましょう。
自己紹介の準備不足
集団面接の場で好印象を与えるには、事前に自己紹介の内容を練り上げておくことが大切です。
限られた時間で自分の魅力を伝える力は、準備したかで大きく変わってきます。
自己紹介の下準備が不十分な状態で面接に臨むと、話が途切れたり、時間を超過する可能性もあります。
面接官からの評価を下げないためにも、伝えたいポイントを明確に、時間を計りながら練習を繰り返すことがおすすめです。
面接の成功へつながる魅力的な自己紹介は、入念な事前対策から生まれると考えておきましょう。
他の候補者の話を聞いていない
集団面接では他の応募者の発言内容をしっかりと理解することが重要な要素です。
面接の中で相手の話を聞き逃してしまう行為は、印象を大きく下げることにつながります。
他の応募者の話に耳を傾けずにいると、すでに意見を繰り返したり、話の展開にそぐわない内容を発言してしまう危険性があります。
このような態度は、面接官からのコミュニケーション力や周囲への配慮が不足していると評価される原因となるでしょう。
面接の成功には、他の応募者の意見を参考にしつつ、建設的な発言を念頭に置いておきましょう。
自己中心的な発言
集団面接の場で独りよがりな態度をとることは、採用の可能性を大幅に下げることになります。
自分のことだけを話題にする態度は、周囲との関係性を築く力が不足していると面接官に映ってしまうでしょう。
企業では一人で仕事を進めることは少なく、チームの視点として周囲と協力しながら業務を遂行する場面が多くあります。
面接の場では個人の長所や実績を伝える際にも、グループ活動での経験や他者との協働によって得られた成果を一気に話すことで、バランスの取れた人物像を印象付けられるでしょう。
WEB集団面接で気を付けること
WEB集団面接で気をつけることは、以下の通りです。
WEB集団面接で気をつけることは、以下の通りです。
注意点 | 内容 |
通信環境の確認 | WEB集団面接にあたり、光回線など安定したインターネット接続がなければ準備しましょう。 また、接続が途切れないよう、Wi-Fiではなく有線接続を利用することを推奨します。 |
適切な背景と音量 | 背景はシンプルで整理された場所を選び、余計なものが映り込まないようにします。 マイクの音量や品質も事前に確認し、明瞭に声が届くように調整しておけば本番でも不安は少ないでしょう。 |
カメラの位置とアイコンタクト | カメラの位置は目線の高さに設定し、自然なアイコンタクトが取れるようにしましょう。 話すときはカメラを見ることで、面接官とのアイコンタクトを模擬します。 自分自身の顔や表情を録画しておき、把握しておくこともおすすめです。 |
服装と身だしなみ | 通常の面接と同様に、ビジネスカジュアル以上の服装を選びます。 髪型や顔の表情にも注意を払い、清潔感を保ちましょう。 |
ノイズの排除と静かな環境 | 面接中は雑音を避けるため、静かな部屋でドアを閉めて行います。 家族やペットの動きに注意し、邪魔が入らないようにあらかじめ対策しておきましょう。 |
さいごに
集団面接における質問のポイントや面接室でのマナーについて詳しく説明してきました。
面接の場では、複数の応募者が同時に評価対象となるため、人との関わり方や意思疎通の能力が評価のカギとなります。
応募者一人ひとりの発言内容に耳を傾け、その意見を自分の考えと覚悟して話すことによって、面接官へ他人への配慮や理解力の高さを示せるでしょう。
面接の成功には、要点を絞った回答や冷静な姿勢、目線の使い方など、面接の基本的なルールを意識することが大切です。
面接対策をしっかりと実施し、チームワークの意識を持って挑めば、合格への可能性が近づいていくでしょう。
以下の記事では、集団面接でも役立つ自己PRのポイントや協調性について解説しています。
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