【企業分析】近畿日本鉄道の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/6/21更新
はじめに
近畿日本鉄道株式会社(以下、近畿日本鉄道)は、大阪府大阪市に本社を置く陸運業界に属する企業です。
創業は1910年で、6,773名の従業員数が在籍しています。
公共性の高い鉄道事業を軸とする鉄道インフラを手がけるほか、観光レジャー事業を展開している企業です。
今回は、そんな近畿日本鉄道の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
近畿日本鉄道への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 近畿日本鉄道の仕事内容が気になる
- 近畿日本鉄道の就職難易度を知りたい
- 近畿日本鉄道の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、陸運以外の業界については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、近畿日本鉄道の就職難易度は高いです。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準よりもやや高いといえるでしょう。
採用対象の学生は主に関西圏の国立大学や有名私立大学ですが、一般的な大学からも幅広く採用しています。
ただし、採用枠数が少ないにも関わらず応募数が多いことからも、競争は激しく、内定を勝ち取るためにはしっかりとした選考対策が必要だと言えるでしょう。
選考プロセスには面接3回、適性検査、筆記試験が含まれます。
特に適性検査ではクレペリン検査、色覚検査など独自の検査が実施されるほか、面接は個人のポテンシャルを重視したものです。
将来的には転勤や関連事業での勤務の可能性もあるため、その点も理解しておきましょう。
募集職種には総合職、鉄道職があります。
それぞれの職種の中で運輸部門、技術部門などが分かれており、さまざまな職種が募集されていますが、選考フローはすべての職種で統一されています。
選考が進むにつれてご希望の部門について話す機会がありますので、自身のキャリアパスを考え、明確にしておくことが重要です。
今後の選考プロセスや就活に関する情報についても詳しく紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
近畿日本鉄道株式会社について
出典元:近畿日本鉄道株式会社HPより
会社概要
近畿日本鉄道は陸運事業を展開しているほか、観光資源として最重要地域である伊勢志摩地域を中心に、レジャー事業も手がけています。
日本を代表する私鉄陸運企業として、2府3県にまたがる総営業距離500kmを超える鉄道網を駆使したサービスを展開し、観光特急などを備えた鉄道に乗る楽しみと新たな価値観をお客様に提供してる会社です。
その成果はお客様から高い評価を受け、陸運業界において公共性の高い鉄道インフラを支える重要な私鉄企業として位置づけられています。
また、国内トップクラスの売上高を誇り、鉄道インフラの設備工事からレジャー事業まで、広範な事業で新たな価値を提供しています。
各事業別の売上規模
近畿日本鉄道の2023年度の売上高は1629億円で、営業利益は87億円、当期純利益は48億円でした。
この売上は、運輸、不動産、流通、ホテル・レジャー、その他から合計した売上金額から構成されています。
各事業セグメントの解説
近畿日本鉄道の主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
運輸事業 | 近畿日本鉄道の軸である鉄道インフラ事業。電気鉄道サービスなど。 |
不動産事業 | 分譲マンション、オフィスビルの証券化など。 |
流通事業 | スーパーマーケット、飲食、エキナカ店舗などの飲食店舗など。 |
ホテル・レジャー事業 | 宿泊、旅行、映画、水族館など。近鉄ユニバーサルシティなど所有ホテル事業。 |
近畿日本鉄道は、近鉄グループの一員として、公共性の高い鉄道インフラサービスを提供してきました。
その基盤をもとに、グループ全体で関連事業にも取り組み、新しい価値を創造してお客様に提供してきた歴史があります。
現在では、運輸業やホテル・レジャー業だけでなく、不動産業や流通事業など、お客様の生活に欠かせない領域にもサービスを拡大中です。
自社の強みを活かしながら、多くの人々の生活を支える取り組みを続けています。
近畿日本鉄道で働いている社員は?
平均勤続年数は?
近畿日本鉄道の平均勤続年数は23. 4年です。
陸運業の平均勤続年数は16. 3年であることから、業界平均よりも社員の出入りが少ない職場といえるでしょう。
平均年収は?
2023年度の近畿日本鉄道の平均年収は、409万円でした。
日本全国の陸運事業における平均の年収が400万円であることを考えると、 全国平均よりも高い水準です。
平均残業時間は?
近畿日本鉄道の従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり21.7時間でした。
陸運業界で働く従業員の平均残業時間は21.0時間のため、業界内では平均よりもやや多い残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
近畿日本鉄道の従業員の平均ボーナス額は、75万円でした。
日本全国の陸運事業における平均の年収が73万円であることを考えると 、全国平均並みの水準と言えるでしょう。
どんな文化なの?
近畿日本鉄道の平均年齢は中堅層が多く、非常にバランスの取れた年齢構成が特徴です。
働き方改革を導入しており、特に育児休業取得者数は男女別で、女性10名、男性50名が2023年度に取得した実績があります。
このことから、子育て世代に対する理解が深いことがわかるでしょう。
近畿日本鉄道は鉄道インフラを中心とした鉄道サービスを提供し、関西圏の主要都市で公共インフラと鉄道網の管理を行っています。
多くの方々が利用する私鉄企業です。
将来的には転居を伴う転勤の可能性もあり、新しい環境でも成果を上げながら経験を積むことができるでしょう。
研修制度も充実しており、自己啓発を目指して必要な能力やノウハウを学ぶ機会が豊富に提供されています。
自己成長を積極的に支援する風土が根付いており、主体性を重視し、自らの成長を追求できる環境が整っています。
年齢を問わず良好な人間関係が築かれており、アットホームな社風が特徴です。
人情味があり、風通しの良い職場環境で仕事を進めやすい会社と言えるでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
日本国内の市場は好調を続ける陸運業界の中で、近畿日本鉄道の立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し、他社と比較してみても、近畿日本鉄道は業界トップクラスの企業だとわかるでしょう。
理由は以下の通りです。
- 多角的な事業戦略:
私鉄鉄道会社として日本トップクラスの売上高を誇る中、売上の基盤となるのが鉄道インフラ、ホテル・レジャー事業です。
鉄道網を駆使した観光資源を活用したイベント企画などは、お客様から高く評価されています。
また、特急列車など運行により鉄道を楽しめる取り組みにも力を入れており、総じてリピーターの獲得にも効果が出ている状況です。
もちろん、近鉄グループに属する近畿日本鉄道では、不動産事業や流通事業なども展開しており、他社とは一線を画すサービスを提供しています。
これにより、鉄道サービスにとどまらず、幅広い分野でお客様に新たな価値を提供している点が特徴です。 - グループ会社の強み:
近畿日本鉄道といえば、鉄道ネットワークを活かしたレジャー事業が特徴的です。
会社が所有するホテルビジネスではグループ会社との関連パッケージ販売も実現できるため、重要な潜在的な魅力を備えていると言えるでしょう。
相乗効果による他社にはないオリジナルのプランや企画を、お客様に提供できるフィールドが整っている点が強みです。
競争が激化する中、オーダーメイドのプラン設計ができる点は、今後もお客様のニーズに応えるサービス展開において強みとなると考えられています。
以上の要素により、近畿日本鉄道は陸運業界において国内でトップクラスの売上高を生み出していると考えられるでしょう。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
近鉄GHD | 1629億円 | 712万円 | 55 | 人情味のある社風 |
東日本旅客鉄道 | 2730億円 | 562万円 | 56 | 挑戦する機会の多い社風 |
東海旅客鉄道 | 1710億円 | 710万円 | 58 | チャン自制心旺盛な社風 |
西日本旅客鉄道 | 1635億円 | 596万円 | 56 | 人と人との繋がりを大事にする社風 |
近畿日本鉄道の新卒募集要項について
以下に近畿日本鉄道の新卒募集要項についてまとめました。
各種諸手当や福利厚生がかなり整っている点は、非常に嬉しい点です。
賞与に関しても年に3回の支給、昇給は年1回です。
研修制度は階層別教育により、新入社員から役職別まで、それぞれが受講できる体制が整っています。
専門教育や養成教育のほか、通信教育やeラーニングなど、多様な教育プログラムが提供されているのです。
福利厚生では、独身寮、社宅、スポーツセンター、健康管理センターのほか、ホテル利用券や伊勢志摩近鉄リゾート利用券、近鉄グループ商品券などが用意されています。
完全週休2日制を採用しており、プライベートも充実させることができる勤務体系です。
年齢が上がると転勤の機会も増える傾向があるため、気になる方は面接や説明会で確認することをおすすめします。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 総合職(事務系、技術系)、鉄道職(運輸・技術) |
給与(2023年4月入社 初任給実績) | (総合職) 大学院:280,500円・大学:250,500円 (鉄道職) 大学院:229,000円・大学・高専:221,000円 備考:役職手当、資格手当、運転士の常務時間に応じた手当、勤務手当、後進育成手当、家族手当など |
賞与 | 年2回(4月、7月、12月) |
研修制度 | 【全社教育】
|
福利厚生 | 【施設】男性用独身寮、女性用社宅、家族乗車券、スポーツセンターなど 【各種制度】共済金、財形貯蓄、持株会、住宅資金貸付、退職金など 【カフェテリアプラン】ホテル利用券、伊勢志摩近鉄リゾート利用券、近畿日本ツーリスト旅行券、近鉄グループ商品券、レストラン食事券から選択 |
求める人材
近畿日本鉄道では、求める人材として下記を公表しています。
グループ会社の1つであるため、他のグループ会社でも共通している可能性が高いです。
挑戦・価値創出の精神で未来を切り拓く人
新しい生活様式の浸透、少子高齢化による社会情勢の変化において発展し続ける強い鉄道会社を作り上げるために力を発揮できる人材を求めています。
誇りと使命感を胸に、鉄道事業の発展を通じて地域社会への貢献を志す人
利用される方々の暮らしを支えるサービスであることを肝に銘じるとともに、さらなる付加価値をつけ、お客様に鉄道の楽しさを伝える企画を自ら考え、最後まで諦めることなくやりきることができる人材を求めています。
社内外の人の繋がり・和を大切にする人
グループ会社に属する企業として関係各所と連携をはかり、グループの枠組みを超えた新たな取り組みによる新しいサービス展開を目指す考えを有し、グループと同じ方向へ進んでいけるかがポイントです。
仕事を通じてであるお客様や取引先様との出会いを大切にし、協力して何かに取り組み、チームと共に成長していくことができる人を求めています。
以上の3つは、近畿日本鉄道が求める人物像です。
エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかが見られるので、ぜひ意識して選考に臨みましょう。
新卒採用のフロー
近畿日本鉄道の選考は、下記の通りの選考フローです。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄や協調性をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須となるため、明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
近畿日本鉄道公式サイトの新卒エントリーボタンより、必要事項を入力し登録します。
エントリーシートでは、志望動機や自己PR、長所と短所などの一般的な質問について回答し、Web上で入力して送信したら終了です。
エントリーはマイナビを通じてできる場合もありますが、まずは公式サイトからアクセスを行い、画面の指示に従ってリンク先から応募しましょう。
その際に希望職種があったとしても、総合職が募集されています。
総合職でエントリーを行い、選考を通じて希望職種について伝える流れとなるため、あらかじめ理解しておきましょう。
②一次面接+筆記試験
一次選考として、面接と筆記試験があります。
求める人物像に適した人材かどうかは、就活生の修学レベルも含めて総合的に評価されるでしょう。
指示を待つのではなく、自ら必要なスキルやノウハウを見つけて習得する姿勢や、チームで成功を目指す考え方をしているかも重要な評価ポイントです。
③二次面接
近畿日本鉄道では一人一人の学生と関わりを深めるため、個人面接を実施しています。
面接では自己紹介や志望理由、通信業界を選んだ理由などが聞かれるので、自分の答えを見つけておきましょう。
SPI受験では基礎知識を問われる問題がメインなので、参考書などで事前にしっかりと復習しておくといいです。
ただし、近畿日本鉄道は人物重視の選考をしています。
どのようなポイントを評価されるかをしっかり把握し、PR内容に合ったエピソードも用意して対策することが大切です。
SPIに自信がなくても、各面接で自分の考えやチャレンジしたい事業、その理由などをしっかり明確にすれば、評価は高まるでしょう。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- どうして弊社を志望したのか?
- 自分の自慢できるポイントはどこか?
- 自分が楽しいと感じる時はどういう時か?
- 10年後何になりたいか?
以下の記事もご参考にしてください。
④最終面接+適性検査
近畿日本鉄道では、最終面接に加えて、業務を遂行する上で必要な身体的能力を測る適性検査が行われます。
運転士や技術関係の職種に必要な色覚検査など、安全な運行と整備に欠かせない能力が備わっているかを確認するためです。
また、最終面接では入社意欲を確認する質問もされるでしょう。
以下に口コミで報告された質問事項を紹介します。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度はどのくらいか
- 入社後にどんな業務に挑戦したいか
- 配属希望の部署はあるか
- なぜ通信業界を志望したのか
最後になるにつれて質問が深堀され、人間性や将来のビジョンを確かめるような質問が多くなされます。
ご自身が実際に現場で働いている姿を想定したり、先輩社員のインタビューをチェックしたりして、入社後のイメージを付けておきましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
面接を突破したら内定が決まります。
採用大学
近畿日本鉄道の採用大学の実績を以下に掲載します。
関西圏の難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えられるでしょう。
<大学> 近畿大学、神戸大学、摂南大学、徳島大学、豊橋技術科学大学、同志社大学、名城大学、立命館大学、甲南大学、甲南女子大学、神戸大学 <短大・高専・専門学校> 近畿大学工業高等専門学校、奈良工業高等専門学校 |
上記では偏差値が高い大学が大半ですが、近畿日本鉄道は4大卒だけでなく、高専など多様な就活生を積極的に採用しています。
よって、学歴が原因で不採用になることは考えにくいでしょう。
とはいえ難易度は高めです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得してください。
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、近畿日本鉄道の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準的です。
その理由としては以下の3点が挙げられます。
- 採用フローとして特別なステップがないから
- 採用大学を見る範囲では学歴フィルターがあまりないから
- 給与や福利厚生は陸運業界においてトップクラスだから
頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など、基本的な事項をしっかりと対策をしていれば難しすぎることはないでしょう。
しっかりと対策を行い、内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
近畿日本鉄道は、陸運業界に属する企業です。
鉄道インフラを駆使した電気鉄道サービスやホテル・レジャー事業を手がけています。
お客様のニーズに合わせたサービスの提供を目指し、鉄道関連企業において国内トップクラスの売上実績を誇っている会社です。
求める人物像を踏まえた対策をしっかり行って選考に臨みましょう。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。