【企業分析】クレハの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/5/27更新
はじめに
株式会社クレハは東京都中央区に本社を置く化学業界に属する企業になります。
高機能材料、医薬品、農薬、工業薬品、食品包装材、家庭用品など幅広い分野で事業を展開しています。
特に「NEWクレラップ」などの家庭用品が有名です。
福島県いわき市に主力工場を有し、国内外に多数の生産拠点やグループ会社を持っています。
今回はそんなクレハの企業研究を行うための基礎知識や特徴、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では株式会社クレハへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- クレハの事業内容や製品が気になる
- クレハの企業理念や社風を知りたい
- クレハの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、化学以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論をお伝えすると、クレハの就職難易度は高めだと考えられます。
採用倍率は14.3倍と高く、化学メーカーとしては難易度の高い部類に入ります。
ただし、採用大学は幅広い偏差値帯の学校から採用実績があるので、しっかりと選考対策を行えば内定獲得の可能性は十分にあると言えるでしょう。
選考では、化学の知識や興味を示すことが重要だと考えられます。
化学メーカーとして、化学に対する基礎知識や興味を持っているかが問われるためです。
また、環境対策を重視する企業なので、環境問題への関心の高さを示すことも有効でしょう。
さらに、高機能材料から医薬品、農薬、家庭用品まで多岐にわたる事業を手掛けているので、様々な分野に興味を持っていることをアピールするのも良いと考えられます。
次の章から、クレハの事業内容や企業理念、選考対策などについて詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
株式会社クレハについて
出典元：株式会社クレハ
会社概要
株式会社クレハは、高機能材料、医薬品、農薬、工業薬品、食品包装材、家庭用品など幅広い分野で事業を展開している化学メーカーです。
「ナケレバ、ツクレバ。」をモットーに、独自技術による製品開発に注力しています。
世界で唯一クレハしか大量生産できない生分解性プラスチックや、リチウムイオン二次電池用部材（世界トップシェア）など、高機能製品の研究開発・製造・販売を行っています。
クレハグループは、「人と自然を大切にする」ことを第一に掲げた企業理念のもと、環境に配慮した事業活動を推進しています。
また、「独自技術でスペシャリティを追求し、未来を拓く社会貢献企業」というビジョンを掲げ、環境・エネルギー、ライフ、情報通信の重点事業分野での商品・技術開発による業績拡大と、社会課題解決への貢献、環境負荷低減に取り組んでいます。
各事業別の売上規模
株式会社クレハの2023年3月期の売上収益は1,912億7,700万円で、営業利益は223億5,000万円でした。
この売上は機能製品事業、化学製品事業、樹脂製品事業などの各事業セグメントからの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での売上収益と営業利益は以下の通りです。
- 機能製品事業: 売上収益は826億9,300万円で、前期比24.0％増。営業利益は101億4,700万円で、1.9％増となりました。
- 化学製品事業: 売上収益は451億6,200万円で、6.5％増。営業利益は54億1,400万円で、1.5％増となりました。
- 樹脂製品事業: 売上収益は541億1,600万円で、14.5％増。営業利益は54億6,600万円で、27.5％増となりました。
- その他関連事業: 売上収益は93億600万円で、22.5％増。営業利益は13億2,300万円で、37.5％増となりました。
特に機能製品事業は、PPS樹脂やPVDF樹脂などの高機能材料が好調で、売上・利益ともに大きく伸長しました。
一方、化学製品事業は医薬品や農薬が堅調だったものの、原燃料価格高騰の影響を受けました。
樹脂製品事業は家庭用品「NEWクレラップ」が売上を牽引し、増収増益となっています。
各事業セグメントの解説
株式会社クレハの主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 機能製品事業 | PPS樹脂、PVDF樹脂、PGA樹脂、炭素繊維などの高機能材料の製造・販売。自動車部品や電池材料など幅広い用途で使用されています。 |
| 化学製品事業 | 医薬品（慢性腎不全用剤など）、農薬（殺菌剤など）、工業薬品の製造・販売。人々の健康や農業の発展、産業の成長を支えています。 |
| 樹脂製品事業 | 家庭用ラップ「NEWクレラップ」や業務用食品包装材料の製造・販売。釣り糸「シーガー」なども手掛けています。 |
| 建設関連事業 | 土木・建築工事の施工、プラント設備工事など。クレハ建設株式会社が担っています。 |
| その他事業 | 環境事業（産業廃棄物処理など）、物流事業、商社事業など。グループ各社が連携して事業を展開しています |
クレハは化学メーカーとして、高機能材料や医薬品・農薬など幅広い分野で事業を展開しています。
機能製品事業では、PPS樹脂やPVDF樹脂など独自開発した高機能材料が強みです。
自動車部品や電池材料など先端産業分野に貢献しています。
化学製品事業では、炭素材料の製造技術を活かした医薬品や、自社開発の農薬を手掛けているのです。
樹脂製品事業の「NEWクレラップ」は家庭用ラップのトップブランドとして高いシェアを誇ります。
また、建設関連事業やその他関連事業を通じて、クレハグループ全体で社会に貢献する事業を展開しているのが特徴です。
環境事業や物流事業など、化学メーカーの枠を超えた事業領域の広さが、クレハの多角的な事業戦略を示しています。
クレハで働いている社員は？
平均勤続年数は？
クレハで働いている社員の平均勤続年数は20. 3年です。
化学業界の平均勤続年数が15. 4年であることから、一度クレハに就職した人が比較的長い期間働いている、定着率の高い職場だと言えます。
平均年収は？
2022年度のクレハの平均年収は、711万6000円でした。
全国平均の年収が約441万円（2021年）であることを考えると、全国平均よりもかなり高い水準となっています。
また、同じ「化学」業界の上場企業平均年収は646万円なので、業界内でも比較的高い平均年収となっています。
平均残業時間は？
クレハの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり11.8時間でした。
その他製造業の平均残業時間が14.2時間であることから、比較的残業時間が短いことが分かります。
平均ボーナス額は？
クレハの平均ボーナス額は114万円でした。年2回（6月と12月）支給されます。
役職が上がるほどボーナス額も増えていきます。
どんな文化なの？
クレハは「人と自然を大切にする」ことを第一に掲げた企業理念のもと、環境に配慮した事業活動を推進しています。
「独自技術でスペシャリティを追求し、未来を拓く社会貢献企業」というビジョンを掲げ、環境・エネルギー、ライフ、情報通信の重点事業分野での商品・技術開発による業績拡大と、社会課題解決への貢献、環境負荷低減に取り組んでいます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
化学業界の中でのクレハの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみると、クレハは化学業界の中では下位クラスの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- ニッチ市場での高シェア
クレハは、PPS樹脂やPVDF樹脂など独自開発した高機能材料において、グローバルな市場で高いシェアを獲得しています。
これらの製品は、自動車部品や電池材料など先端産業分野で広く使用されています。 - 医薬品・農薬事業の展開
クレハは、炭素材料の製造技術を活かした医薬品や、自社開発の農薬を手掛けています。
これらの事業は、化学メーカーの中でも特徴的な分野であり、安定した収益源となっています。 - 家庭用品「NEWクレラップ」の高いブランド力
「NEWクレラップ」は、家庭用ラップのトップブランドとして高いシェアを誇ります。
この製品は、クレハの主力製品の一つであり、安定した売上に貢献しています。
一方で、総合化学メーカーと比較すると、事業規模や売上高では劣るのが現状です。
しかし、クレハは得意分野に経営資源を集中し、高付加価値製品の開発と販売に注力することで、着実に業績を伸ばしてきました。
以上の要素により、クレハは化学業界の中では下位に位置しながらも、ニッチ市場で存在感を発揮し、安定した収益を上げている企業だと言えます。
| 会社名 | 売上高(2023年3月期) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| クレハ | 1,912億7,700万円 | 711万円 | 66 | 人と自然を大切にする社風 |
| 三菱ケミカル | 3兆9,762億円 | 834万円 | 68 | 多様性を尊重する社風 |
| 住友化学 | 3兆1,169億円 | 912万円 | 66 | グローバルに活躍できる社風 |
| 東ソー | 8,936億円 | 759万円 | 64 | 自由闊達でチャレンジ精神を重んじる社風 |
クレハの新卒募集要項について
以下にクレハの新卒募集要項についてまとめました。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 製造職 |
| 給与（2023年4月入社 初任給実績） | 学部卒：202,000円、高専卒：202,000円（専攻科）、高専卒：193,000円（本科） ※基本給のみ |
| 昇給・賞与 | 昇給年1回・賞与年2回 |
| 研修制度 | 新入社員教育、OJT、役割別研修、海外・国内留学制度、応募型研修、論文審査制度、語学教育、各種学会・講習会派遣など |
| 福利厚生 | 各種保険完備（雇用・労災・健康・厚生年金）、財形貯蓄制度、従業員持株会制度、各種休暇制度、社宅制度、家賃補助制度、 |
求める人材
株式会社クレハでは求める人材として下記のものを公表しています。
挑戦心
未知の分野に果敢に挑戦し、新しい価値を創造する意欲を持つ人材を求めています。クレハの自社開発へのこだわりを支えるのは、社員一人ひとりの挑戦心です。
主体性
与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら考え、行動し、結果に責任を持つ主体性を重視しています。
変化の激しい時代に対応するには、社員の主体的な取り組みが欠かせません。
多様性の尊重
多様な価値観や発想を認め合い、お互いに敬意を払いながら協力していく姿勢が求められます。
ダイバーシティ経営の推進には、多様性を尊重する社員の存在が不可欠です。
学習意欲
常に新しいことを学び、自己成長に努める意欲を持つ人材を歓迎します。
研究開発型企業であるクレハでは、社員の継続的な学習が競争力の源泉となります。
コミュニケーション力
社内外の人々と円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を構築できる対人スキルを評価します。
プロジェクトベースの仕事が多いクレハでは、コミュニケーション力が欠かせない能力となります。
以上の5つは、クレハの企業理念や求める人材像につながっています。
エントリーシートや面接では、これらの資質を兼ね備えた人材であることをアピールすることが重要だと言えるでしょう。
新卒採用のフロー
クレハの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、化学への興味や環境問題への関心などが問われるのが特徴です。
選考対策として、化学の知識や興味を示すこと、環境への意識の高さをアピールすること、幅広い事業領域への興味を持つことが重要だと考えられます。
① エントリー
クレハ公式サイトの新卒エントリーページよりエントリーシートを提出します。
エントリーシートでは志望動機や自己PR、研究内容などの一般的な質問について回答します。
以下に参考になる記事を紹介します。
自分史の書き方は下記に記載した参照ページを確認してください。
② 会社説明会
クレハの事業内容や企業理念、求める人材像などを理解するための会社説明会です。
説明会では、社員との交流の機会もあるため、仕事内容や社風について直接話を聞くこともできるでしょう。
会社説明会への参加は、クレハへの理解を深め、志望意欲を高めるために重要なステップだと言えます。
なお、オンラインでの開催が中心となっているため、自宅などから気軽に参加できるのも特徴です。
③ 適性検査・一次面接
適性検査（SPI）と一次面接が行われます。
一次面接では、志望動機や自己PRに加え、化学への興味や環境問題への関心などが問われます。
過去の一次面接で聞かれた質問の例です。
- 志望動機を教えてください
- 研究内容について説明してください
- 化学メーカーの中からなぜクレハを選んだのか
- 環境問題に対してどのような考えを持っているか
- 入社後にどのような分野で活躍したいか
一次面接では、化学の知識や研究経験を活かしてクレハでどのように活躍したいかをアピールすることが重要です。
また、クレハの環境への取り組みに共感し、その分野で貢献したい熱意を示すことも評価につながるでしょう。
以下のページもぜひ参考にしてください！
④ 二次面接・最終面接
二次面接では、より専門的な内容や将来のキャリアプランなどが問われます。
最終面接は役員クラスが面接官を務め、人物像や適性を総合的に判断します。
過去の二次・最終面接で聞かれた質問の例です。
- 配属希望先とその理由
- 研究内容に関するディスカッション
- 志望度について
- 入社後のキャリアプランについて
- クレハの企業理念に対する考え
二次・最終面接では、専門性の高い質問に的確に答えられるよう、研究内容を整理しておくことが大切です。
また、クレハの事業や企業理念への理解を深め、入社後のキャリアプランを具体的にイメージできるよう準備しましょう。
役員面接では人物面も重視されるため、自分の強みや将来のビジョンを自信を持って伝えることが求められます。
過去の面接では専門的な議論が展開されることも多いため、研究内容に関する知識を再確認しておくことをおすすめします。
また、クレハの技術力や環境への取り組みをしっかりと理解し、それらに対する自身の考えを述べられるよう準備することも重要だと言えるでしょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤ 内定
面接を突破し、内定が出ます。
採用大学
クレハの採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、所謂学歴フィルターはないと考えます。
| ＜大学院＞ 東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学 など ＜大学＞ 北海道大学、東北大学、筑波大学、千葉大学、東京大学、東京工業大学、一橋大学、横浜国立大学、新潟大学、金沢大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、岡山大学、広島大学、山口大学、九州大学 東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、上智大学、東京農工大学 など |
上記には偏差値が高い大学も多数ありますが、一方で地方国立大学や私立大学の採用実績も豊富です。
クレハは多様なバックグラウンドを持つ学生の採用を積極的に行っており、学歴のみで不採用になることは考えにくいでしょう。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、クレハの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は高めだと言えるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用倍率が14.3倍と高い
- 採用大学に難関大学が多数含まれている
- 化学業界の中でも平均年収が比較的高い
クレハの選考では、化学の知識や興味、環境問題への関心の高さ、幅広い事業領域へのチャレンジ意欲などがポイントになると考えられます。
しっかりとエントリーシートや面接対策に取り組み、自身の強みを存分にアピールすることが内定獲得のカギとなるでしょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
クレハは、化学業界に属する企業で、高機能材料や医薬品、農薬、工業薬品、食品包装材、家庭用品などの研究開発・製造・販売を主事業としており、独自技術による製品開発に注力しています。
クレハは化学業界の中では中堅に位置するものの、ニッチ市場で高いシェアを獲得しており、安定した収益を上げている企業です。
採用倍率は14.3倍と高く、難易度の高い部類に入りますが、採用大学は幅広い偏差値帯の学校から採用実績があるので、しっかりと選考対策を行えば内定獲得の可能性は十分にあると言えるでしょう。
選考では、化学の知識や興味、環境問題への関心の高さ、幅広い事業領域へのチャレンジ意欲などがポイントになると考えられます。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。
