コンサル業界の今後とは?業種から選考対策まで徹底解説
2024/10/24更新
はじめに
コンサルやコンサルティングファームは学生に人気の就職先の1つです。
コンサル業界は高収入かつ、やりがいのある仕事なため、コンサル業界を第一志望に考えている就活生も多いでしょう。
しかし、具体的に何をやっている業界なのかと聞かれると、答えに困る人も多いのではないでしょうか?
- コンサル業界の業種
- 求められる能力
- 選考フローと対策
この記事を読むことで、コンサル業界の大まかな概要を把握できるのはもちろん、コンサルに対する業界の就職活動を有利に進めることができるでしょう。
コンサル業界に興味のある人や、コンサル業界をまんべんなく知りたい人はぜひ最後までご覧ください。
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コンサル業界とは
コンサルティング業界とは、企業が抱えるさまざまな問題や課題を解決する仕事です。
仕事内容としては、「クライアントのコンサルティングを通してクライアントのビジネスの課題を解決するサポートを行う」のが一般的であるとされています。
その課題を解決するために、原因を追究し、戦略を立てて提案していくのがコンサルティングファームで働くコンサルタントの主な役割といえるでしょう。
大まかな仕事内容は以下の通りです。
その解決すべき課題というのは非常に多種多様で、経営に関する課題や人事に関する課題などがあります。
そのため、クライアントがどのような課題を抱えており、コンサルティングファームがどのように解決しているのか、という情報は公の場には出てきません。
なぜなら、そのような情報が多くの人に知られることは、クライアントに大きな影響を与える可能性があるからです。
そのため、学生がコンサル業界を深く理解することは非常に難しく、年収や知名度からなんとなく憧れを抱くのも当然の流れといえます。
いずれにせよ、コンサルティングサービスの目的は、『顧客組織の経営管理上の何らかの問題の解決に向けて、独立した立場で、専門的な助言・助力の提供を行う』ことです。
コンサル業界の業務は業務の形式よりも、効率的にコンサルティングサービスの目的が達成できるかどうかが重要であると言えるでしょう。
コンサル業界の業種について
コンサルティングファームといえども、企業によって特化している業界やサービスなどさまざまな業種があります。
そこで本章では、主に6の業種にコンサルティングファームを分けました。
業種ごとの違いを把握することで、就職活動における志望職種をより明確にできるでしょう。
コンサル業界を志している就活生は、業種ごとの特徴や概要を理解して、自分がどの業種に関わりたいか考えることから、就職活動を始めることをおすすめします。
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは大企業や外資系企業を顧客として、経営戦略領域のコンサルティングを行う業種です。
企業経営や事業戦略、新規事業についてのアドバイスをするなど、顧客の課題や問題を明確にし、利益や業績の拡大を実現することを目的に業務を行います。
主な業務は以下の通りです。
主な業務
- 経営方針の策定
- 事業戦略立案
- M&A戦略の提案
なお、戦略においてもITやデジタルの重要性が増してきたため、案件として総合系ファームに近づいてきているような企業も見受けられます。
そのため、戦略領域だけでなくコンサルタント自らが実行支援領域に関与したり、IT・デジタル領域の知見が必要になってきています。
業務の幅も広がりつつあると言えるでしょう。
主な企業は以下の通りです。
- ボストンコンサルティンググループ
- ベイン・アンド・カンパニー
- ドリームインキュベーター
- 経営共創基盤
総合系コンサルティングファーム
総合コンサルティングファームは、経営戦略を提供しながら、人事戦略、ITシステムの導入など多種多様なコンサルティングを一気通貫で行う業種です。
戦略系コンサルティングファームと同様に、企業経営や事業戦略、新規事業についてのアドバイスを行っています。
顧客の課題や問題を明確にし、利益や業績の拡大を実現することが目的です。
なお、戦略系コンサルティングファームよりも対象領域が幅広く、近年では業務業務領域やIT領域などの活躍が目立ちます。
主な業務は以下の通りです。
主な業務
- 人事や業務オペレーション、システム構想を提案し導入する
- 業務変革企画やシステム企画のアドバイス
- プロジェクト運営の補佐
- システム導入
総合系コンサルティングファームの多くは、複数の分野を掛け合わせてサービスを提供しているため、企業ごとに対応できる分野が異なることも少なくありません。
また、近年は総合系のコンサルティングファームが戦略系のコンサルティングファームを買収するなど戦略面を強化している傾向が強いです。
主な企業は以下の通りです。
- アクセンチュア
- デロイト
- PwCコンサルティング
IT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームは、業務の効率化や改善を図るために、IT技術の導入やシステム改善を行う職種です。
親会社がIT企業であることも多く、上流部分のコンサルを行うというよりはシステム構築など、企業の内側で実務に近いソリューションを提供することが多いです。
主な業務は以下の通りです。
主な業務
- IT戦略やERPの導入支援
- 事業戦略立案
- システム導入の実行支援
- システムインテグレーションやBPOを提供する
企業のデジタルソリューションが進んでいることもあり、活躍の場が増えていると言えるでしょう。
主な企業は以下の通りです。
- 日本IBM
- アビームコンサルティング
- フューチャーアーキテクト
シンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンク系コンサルティングファームは、各分野の専門家を集めて、施策や現状分析、新規事業などの研究を行う業種です。
シンクタンクは、もともと官公庁向けのリサーチや経済調査などを行っていました。
しかし、企業のコンサルと重複する部分も多かったため、企業のコンサルも始めたという経緯があります。
主な業務は以下の通りです。
主な業務
- 市場調査やデータの分析
- 市場データや専門分野の研究
- 大企業グループのノウハウの活用や共有
- 事業戦略立案
- IT戦略やERPの導入支援
シンクタンク系コンサルティングの顧客は日本の証券会社や銀行をメインとしているため、公的機関からの依頼を受けることも少なくありません。
しかし、現在では企業向けのコンサルティングの方が収益が大きい企業も増えつつあります。
主な企業は以下の通りです。
- 野村総合研究所
- 三菱総合研究所
- 日本総研
監査法人系コンサルティングファーム
監査法人系コンサルティングファームは、新規事業に参入したり、海外進出するための法規制の問題を解決するなど、企業の基礎部分の強化を行う業種です。
監査法人系コンサルティングファームは、アドバイザリー職とも言われ、これまで紹介してきたコンサルティングファームとは異なり、事業やITのリスクコンサルティングや内部監査などの「守りのコンサル」を提供します。
主な業務は以下の通りです。
主な業務
- リスクコンサルティング
- 内部統制
- 内部監査
- 企業内部のガバナンス体制の構築
「法律やルールに則っているか」をチェックすることが多いため、「第三者目線かつ独立した立場で、専門的な助言・助力の提供を行う」ことが重要です。
主な企業は以下の通りです。
- 有限責任監査法人トーマツ
- PwCあらた有限責任監査法人
その他のコンサルティングファーム
近年は上記で紹介したようなコンサル以外に「業種」や「業界」に特化したコンサルティングファームも増加しています。
例えば、採用に特化した人事コンサルやwebコンサルなどがこの類に当たるといっていいでしょう。
主な企業は以下の通りです。
- SAPジャパン
- マーサージャパン
コンサル業界に求められる4つの能力
本章ではコンサル業界に求められる能力について解説していきます。
コンサル業界に求められる能力として、以下の4つが挙げられます。
コンサル業界に求められる能力
- プロフェッショナルである姿勢
- コミュニケーション能力
- 論理的思考能力
- バイタリティ
上記の能力があることをアピールすることによって、コンサル業界の就職活動を優位に進めることも可能です。
それぞれの能力がなぜ必要なのかを把握し、エントリーシートや面接で活かしてみてはいかがでしょうか。
プロフェッショナルな姿勢
企業の課題に対して、専門的な助言・助力をするコンサル業においては、「プロフェッショナルな姿勢」で挑むことが必要不可欠です。
コンサルタントは業務のノルマをこなすだけではなく、クライアントの期待値を超えるような付加価値を生むことを求められます。
クライアントの期待値を超えるような付加価値を生むためには、一般的な社員では身に着けることが難しい知識や経験を有している必要があります。
それらの要素はプロフェッショナルな姿勢が土台となって身につくのです。
プロフェッショナルな姿勢を身に着けるためには、日々学習する習慣を身につけたり、物事を俯瞰的な目線で見るような意識をすることが重要です。
逆に上記の要素を持ち得ていないと、市場価値の高い知識や経験を日々更新していくのが難しくなってしまい、サービスの品質が保てないでしょう。
コミュニケーション能力
企業に課題や改善策を分かりやすく伝えるためには、「コミュニケーション能力」が必要です。
コンサルティングはさまざまな立場の人とコミュニケーションを取る必要があるため、どんな人とも良好な関係を築けるような姿勢でいることが重要になります。
加えて、コミュニケーション能力が高いと顧客から新たな顧客を紹介してもらえたり、新しい知識や経験を得られたりするなど、メリットははかり知れません。
学生の内からさまざまな人と関わってみる、自分の意見を相手の目線になって考えてみるなど、コミュニケーション能力を磨いてみることをおすすめします。
以下の記事では、コミュニケーション能力について詳しく解説しています。
これからコミュニケーション能力を鍛えていきたい方は、ぜひチェックしてみてください。
論理的思考能力
企業の業績や現状を分析し、効果的なアドバイス・施策を打ち出すためには高度の論理的思考能力も要求されます。
もちろん、ほかの職業においても重要な能力ではあるのですが、その中でも特にコンサルタントにとって重要です。
論理的思考に基づいた意見でないと、顧客を納得させることが難しいため、ロジカルシンキングが苦手な人・嫌いな人はコンサルに向いていないのかもしれません。
以下の記事では、論理的思考能力について、解説しています。
気になる方は、参考にしてみてください。
バイタリティ
コンサルティングファームの仕事はハードであり、強靭な体力や精神力といったバイタリティも求められる能力の1つです。
論理的な思考を積み重ねて行くことはもちろん、アドバイスや問題点の分析を経営者クラスの人物に共有し、納得させることは途方もない労力を要します。
また、業種によってはシステムの導入など、実務的な業務も発生するため、あらゆる局面に対応できるバイタリティが必要になってくるでしょう。
コンサル業界の選考の流れ
本章ではコンサルティングファームの選考について解説します。
選考ステップは基本的には以下のようになっています。
- エントリーシート
- 筆記試験
- グループディスカッション
- ケース面接
- インターシップ(ジョブ)
大まかな選考フローを把握しておくことで、選考対策が講じやすくなるメリットを得られます。
他業界の選考対策にも活かせるポイントを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
エントリーシート
エントリーシートは、就職活動において企業に提出する自己PRや志望動機などを記載した書類のことを指します。
外資系の戦略系ファームではESをあまり重要視しない傾向があるなど、業種によってESの重要度は異なります。
ただ、ほかの選考フローにも深くかかわってくる書類ですので、必ず丁寧に書くように心がけましょう。
シンクタンク系では志望動機をかなり掘り下げられることもあります。
筆記試験
コンサルティング業界は就活生に人気な業界のため、筆記試験が足切りに使われる可能性も非常に高いです。
特に戦略系のファームでは8割以上の就活生を落とすことも少なくないため、筆記試験の対策は必須といえます。
試験の内容は各企業で異なるので、採用ホームページや過去の傾向を確認しておきましょう。
グループディスカッション
企業によって、グループディスカッションがある場合とない場合があります。
議題としては実際のビジネスを元にしたものが多いです。
個人面接と異なり、グループディスカッションではほかの人の意見を尊重し、グループの意見をまとめたりする必要があります。
講座やどこかの企業のグループディスカッションを実際受けるなどして対策しておきましょう。
ケース面接
ケース面接は、コンサルティング業界などで用いられる選考方法で、就活生が特定のビジネス課題に対して分析し、解決策を提案する能力を評価するものです。
面接官は問題を提示し、就活生は論理的思考、問題解決能力、コミュニケーションスキルを駆使して回答します。
問題の例は以下の通りです。
- コンビニ弁当の年間の市場規模を推定してください
- カフェの売上を〇〇万円上げるためには
- 地球上にある鉛筆の数を推定してください
基本的にはフェルミ推定を利用して答えていくことになるので、きちんと対策していきましょう。
インターシップ(ジョブ)
企業によってはインターシップ(ジョブ)が課される場合もあります。
4〜5人程度のグループで何らかのお題に取り組んでいきます。
特徴としては数日間をかけて行うことが多いです。
思考体力やチームプレイなどといった側面もよくみられており、複数の観点から評価が下されます。
特殊な選考に慣れる意味においても、本命企業の前にほかの企業の選考で練習しておくと良いでしょう。
コンサル業界の選考対策
ここではコンサルティング業界の選考対策について説明します。
選考の流れが分かったところで、それぞれのフローの対策方法を見ていきましょう。
- エントリーシート対策
- WEBテスト・筆記試験対策
- グループディスカッション対策
- 面接対策
エントリーシート対策
コンサルティング業界の選考では、地頭の良さを重視するため、テストセンターやWebテストの結果を重要視する傾向が強いことから、ESは文字数が少ないという特徴があります。
そのため、最もアピールしたい内容を洗い出して、伝えたいことを絞ったうえで、文字数制限内に簡潔にまとめ、面接時に口頭でアピールできるように準備を進めておくことが大切です。
評価される志望動機の書き方
コンサルティング業界の志望動機を書く際は「なぜコンサルティング業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが重要です。
「なぜコンサルティング業界なのか」については、数ある業界の中でなぜコンサルティング業界を選んだのか、その理由を準備しておく必要があります。
例えば、「企業が抱える課題を解決することで多くの人に影響を与えられる仕事がしたい」「意識の高い仲間と切磋琢磨することでさらにスキルを磨き、より多くのお客様に貢献したい」というように、コンサルティング業界ならではの業務を交えると効果的にアピールできるでしょう。
エントリーシートの書き方については、以下の記事をチェックしてみましょう。
自身がない方にも分かりやすく解説しています。
WEBテスト・筆記試験対策
どの企業もボーダーが高く、選考の大幅な絞り込みをおこなうことが目的となるため、しっかりとしたテスト対策が必須となっています。
Webテストは、SPI・玉手箱・CAB・TG-WEBなどの参考書を一通り解き、間違えた問題を何度も繰り返し解きましょう。
模擬試験も効果的です。
限られた時間の中で多くの問題を解くようにすると、本番でも落ち着いて臨むことができるでしょう。
試験対策をする前にまずは、以下の記事もチェックしてみてください。
これから対策する方に向けて役立つ情報を紹介しています。
グループディスカッション対策
グループディスカッションでは論理性や積極性、リーダーシップなどのポイントを中心に評価されます。
また、クライアントから実際に受けた要望に沿ったテーマが出題されることもありますので、自分の個性をアピールできるように自己分析をし、考えをまとめてから臨むようにしましょう。
以下の記事では、グループディスカッションの議題の例を紹介しています。
ポイントを押さえて選考を突破しましょう。
面接対策
コンサルティング業界における面接は、フェルミ推定やケース面接で実力を見られます。
フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量をいくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算するテストのことをいいます。
ケース面談とは、フェルミ推定を踏まえた応用編です。
実際の現場で発生するような課題の解決力を図るため、具体的な問題に対する施策や解決策を考えてみましょう。
論理性やコミュニケーション力などで素質が見られるため、難易度が高く設定されていることが多いので、事前準備は徹底しておくようにしましょう。
面接に自信が持てないという方は、以下の記事を読んでみてください。
印象をアップさせるためのコツを解説しています。
コンサル業界の今後の動向
今後コンサルティング業界ですが、どのようになっていくと考えられるでしょうか。
コンサルティング業界の動向に関して2つの観点から考えてみましょう。
- 海外進出
- テクノロジーの活用
海外進出
近年、日本のコンサル業界では、グローバル化を目指し、世界各国へ拠点を広げようとする動きが強まっています。
拠点を広げる方法として、現地での法人設立の他、M&Aなどが挙げられます。
特にM&Aによる海外進出を考えると、現地の法規制やその国独自の慣習などの大きな壁が存在しています。
企業の海外進出に関する知識が乏しいため、海外進出をしたくてもなかなか踏み出せないという可能性もあるのです。
そのようなときに豊富な知見や分析力、グローバルなネットワークを活用し、企業のM&Aを支援・実行するのがコンサルティングファームとなっています。
テクノロジーの活用
企業の成長にはITの活用が不可欠となってきています。
コンサルティング業界もITについての知識は当然求められ、数多くのシステムの導入・開発を行っています。
IT系コンサルティングファームの台頭もこれが一因といえるでしょう。
例えば、IBMは高度な自社テクノロジーを持ち、それを活用したコンサルティングを行っています。
アクセンチュアはエンジニアを多く抱え、クライアントにとって最適なシステムの開発をしています。
これからの時代はより高度なデータを活用したビジネスを行うことになると考えられるため、豊富な知識を持つコンサルティング業界の需要は高いと言えるでしょう。
さいごに
ひとくちにコンサル業界といえども、いろいろなジャンルのコンサルティングファームがあり複雑です。
選考についても、ほかの業界では実施されないような特殊な選考方法を課されることもあります。
そのため、コンサル業界に入るのも、そこで成果を出すのも難しく感じるかもしれません。
とくに、戦略系のコンサルティングファームは非常に狭き門といわれています。
厳しい選考フローを突破するためにも、自分にコンサル業界が向いているのか、自分の合うコンサルのジャンルとは何かについて考えてみましょう。
本記事がコンサル業界に興味のある人やコンサル業界を満遍なく知りたい人の参考になれば幸いです。