【企業分析】王子ホールディングスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/4/21更新
はじめに
王子ホールディングスは東京都中央区に本社を置く王子グループの持株会社です。
製紙業界で国内首位であり、ティッシュペーパー等の生活産業資材を筆頭に、資源環境ビジネスや印刷情報メディア等も幅広く展開しています。
今回は、王子ホールディングスの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では、王子ホールディングスへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- 王子ホールディングスの仕事内容が気になる
- 王子ホールディングスの就職難易度を知りたい
- 王子ホールディングスの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、製紙業以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、王子ホールディングスの就職難易度は、かなり高いと考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、高難易度といえるでしょう。
また、採用大学を見ても高偏差値帯の大学が多く、学歴フィルターの存在が否定できない状況です。
選考対策としては、適性検査への対策とともに、転勤・転籍や海外勤務の可能性に対する回答も準備しておく必要があります。
王子ホールディングスは多数のグループ企業を抱えているため、転勤・転籍の可能性は非常に高くなっています。
さらに、海外での売上高が全体の3割以上を占めるなど、海外市場での展開を重視していることから、海外勤務の可否に関する質問もあったようです。
しかし、それだけに平均年収は業界トップであり、しっかりした対策を行えば、学歴フィルターを突破することも可能と考えています。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
王子ホールディングスについて
出典元:Lombroso, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
会社概要
王子ホールディングスは、王子製紙(印刷情報メディア)、王子ネピア(生活消費財)、王子木材緑化(資源環境ビジネス)等を中核企業とする持株会社です。
王子グループは、海外での売上高がグループ全体の30%を超えるグローバル企業です。
経営理念として、「革新的価値の創造」「未来と世界への貢献」「環境・社会との共生」を掲げています。
存在意義(パーパス)としては、森林の管理や森林資源の活用による地球温暖化問題への取り組みを挙げています。
さらに長期ビジョンとして、「環境問題への取り組み」「収益向上への取り組み」「製品開発への取り組み」を掲げ、「連結売上高2.5兆円以上」「環境行動目標2030の達成」を2030年度目標に設定しました。
ちなみに、環境行動目標2030とは、2050年度のネット・ゼロ・カーボンを達成するためのマイルストーンとして、2020年に制定されたものです。
環境問題への取り組みに熱心で、未来のコア事業として、「環境配慮型素材・製品」「医療領域への進出」「トータル・ソリューション」の事業化を目指しています。
参照ページ
各事業別の売上規模
王子ホールディングスの2023年度の第3四半期の総売上高は1兆2,924億円で、純利益は438億600万円でした。
この売上は生活産業資材事業、資源環境ビジネス事業、印刷情報メディア事業、機能材事業およびその他の事業からの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- 生活産業資材事業: 売上高は6,124億円で、前年同期比3.0%増。営業利益は155億円で、3,714.2%増となりました。
- 資源環境ビジネス事業: 売上高は2,712億円で、16.3%減。営業利益は171億円で、64.2%減となりました。
- 印刷情報メディア事業: 売上高は2,265億円で、9.1%増。営業利益は121億円で、168億円の増収となりました。
- 機能材事業: 売上高は1,739億円で、3.8%増。営業利益は70億円で、41.7%減となりました。
- その他事業:売上高は2,376億円で、2.0%減。営業利益は47億円で、30.1%減となりました。
参照ページ
各事業セグメントの解説
王子ホールディングスの主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
生活産業資材 | 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、 家庭紙事業、紙おむつ事業 |
資源環境ビジネス | パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業 |
印刷情報メディア | 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業 |
機能材 | 特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業 |
その他事業 | 商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、液体紙容器事業 他 |
王子ホールディングスと言えば製紙業のイメージが強いですが、近年は事業の多角化に取り組んでいます。
特に資源環境ビジネス事業は、バイオマス発電や森林管理を担うセグメントとして、その比重が大きくなってきています。
また、いずれのセグメントにおいても、海外事業での売上が大きく貢献しています。
以下参照ページを紹介するので是非確認してみてください。
参照ページ
2023年度第2四半期決算説明会資料 | 王子ホールディングス株式会社
株主のみなさまへ(中間期のご報告)2024年3月期(第100期)|IRライブラリ|投資家情報(IR)|王子ホールディングス
王子ホールディングスで働いている社員は?
平均勤続年数は?
王子ホールディングスの平均勤続年数は19.4年です。
製紙業界の平均勤続年数は16.7年であることから、同業界の中でも一層定着率の高い職場といえるでしょう。
平均年収は?
2023年度の王子ホールディングスの平均年収は、826万円でした。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、 全国平均よりもかなり高い水準となっています。
また、同じ製紙業界の上場企業の平均年収は569万円でした。
平均残業時間は?
王子ホールディングスの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり12.4時間でした。
製紙業界で働く従業員の平均残業時間は16.8時間のため、業界内では平均よりも少ない残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
王子ホールディングスの平均ボーナス額は138万円程度と推測されています。
製紙業界の平均が92万円とされていることと比較すると、40万円以上高いことになります。
王子ホールディングスは、6月と12月の年2回ボーナスが支給されます。
どんな文化なの?
王子ホールディングスは、「社員一人ひとりが活躍し、能力を最大限に発揮」すること、「多様な価値観・発想からクリエイティブな成果を通したイノベーションを実現」することを「目指す姿」として掲げています。
王子ホールディングスでは、従来の職能資格制度(年功序列制度)が廃止され、役割期待と成果を重視する「役割等級制度」が導入されています。
これにより、若い社員でも能力に応じて正当に評価されるシステムが整備されています。
また、ワークライフマネジメント向上にも取り組んでおり、健康経営優良法人の認定を複数回受けています。
こうしたことから、ワークライフバランスを重視しつつ、能力に応じた相応の評価を受けたい優秀な人材にとっては、働きやすい社風と言えるでしょう。
参照ページ
王子グループ統合報告書2023|IRライブラリ|投資家情報(IR)|王子ホールディングス
有価証券報告書2023年度第3四半期|IRライブラリ|投資家情報(IR)|王子ホールディングス
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
製紙業界の中での王子ホールディングスの立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較すると、王子ホールディングスは業界トップの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 多角的な事業戦略:王子ホールディングスは、本業の生活産業資材事業や印刷情報メディア事業に偏ることなく、資源環境ビジネス事業なども手がけ、その比重は年々増しています。そうした事業の多角化戦略は、売上高の増加に貢献しています。
- 海外市場の重視:王子ホールディングスは、M&A等も通じ、海外市場での展開を重視しています。メディアのデジタル化等によって縮小傾向にある製紙業界の中にあって、王子ホールディングスがトップの業績を維持している要因の一つは、そうした海外市場での好業績にあります。
- サステナビリティの重視:王子ホールディングスは、環境保護を含むサステナビリティを重視する経営方針を前面に出しています。こうした経営方針が、製紙業でありながらサステナビリティを重視する企業というイメージを強化し、資源環境ビジネス事業の好業績にもつながっています。
以上の要素により、王子ホールディングスは製紙業界トップの売上高を生み出していると考えられます。
参考までに競合5社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2022年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
王子ホールディングス | 1兆7,066億円 | 826万円 | 65 | 能力主義を導入し、保守的社風に変化 |
日本製紙 | 1兆1,526億円 | 659万円 | 61 | 歴史が長いためか保守的 |
レンゴー | 8,460億円 | 728万円 | 61 | 従業員の仲が良く、革新的 |
大王製紙 | 6,462億円 | 630万円 | 60 | かつては保守的だったが、近年は能力主義強化 |
北越コーポレーション | 3,012億円 | 578万円 | 56 | 保守的 |
王子ホールディングスの新卒募集要項について
以下に王子ホールディングスの新卒募集要項についてまとめました。
給与・賞与の金額は、製紙業界トップです。
ただ、福利厚生については改善の余地があるとの指摘もあります。
他方で研修制度はかなり充実しており、各自の希望をふまえた階層別研修やキャリアデザイン研修、グローバル人材研修のほか、資格取得奨励制度もあります。
グループ企業がとても多いため、転勤・転籍の可能性が非常に高く、勤務地区限定採用は行っていない旨が公式サイトにも掲載されています。
もっとも、ある程度の希望は聞いてくれるようなので、気になる方は確認してみましょう。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 事務職 営業、人事・企画・管理、生産管理、海外事業等 |
給与(2023年4月入社 初任給実績) | 大学院修士了:245,700円 学部卒:228,800円 備考:時間外手当、住宅手当、家族手当、通勤交通費手当等別途支給 |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
研修制度 | 新入社員研修、新任管理職研修、グローバル人材育成研修、資格取得支援制度他 |
福利厚生 | 各種社会保険、財形貯蓄、株式保有会、住宅融資、独身寮・社宅完備他 |
求める人材
王子ホールディングスでは、王子グループ全体で求める人材として、下記の5つの理念を公表しています。
- 高い倫理観
- 経営理念・経営戦略の理解と実践
- 変革意識と挑戦
- 自己研鑽と組織の成長への貢献
- 世界を意識した行動
以上の5つのうち、「自己研鑽と組織の成長への貢献」は研修制度の充実に具体化しています。
また、「世界を意識した行動」は、王子ホールディングスの売上高の3割以上が海外市場のものであることとも関係しているでしょう。
エントリーシートや面接中に、これらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
王子ホールディングスの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接は3次に分かれ、1次面接では興味がある職種、2次面接では勤務地や職種が希望通りにならなかった場合の対応、最終面接では製紙業界を志望している動機が聞かれるようです。
製紙業界が縮小傾向にあるとともに、王子ホールディングスは転勤・転籍の可能性が非常に高いため、選考対策として製紙業界の志望動機や転勤・転籍への対応は明確にしておきましょう。
また、海外市場を意識したキャリア形成も重視しているので、その点の意思も明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
マイナビか王子ホールディングス公式サイトの新卒エントリーボタンより、必要事項を入力し登録を行います。
エントリーシートでは志望動機や大学等での研究内容、アルバイト先やボランティア活動の有無等が聞かれるようです。
また、王子ホールディングスでは成績証明書の提出が必要です。
以下の記事も参考にしてください。
②適性検査
エントリーシートの段階を通過すると、適性検査があります。
王子ホールディングスの適性検査では
- 言語
- 計数
- 英語
- パーソナリティ
の各項目について能力をチェックされるようです。
難しい内容ではないとの声も多いですが、王子ホールディングスの就職偏差値はかなり高いため、十分な準備をして臨んでください。
以下に参考になる記事を紹介します。
【徹底解説】就活のSPI試験対策マニュアル~おすすめの参考書も紹介~
③面接(複数回)
王子ホールディングスでは、1次面接は学生1人に面接官1人、2次面接と最終面接は学生1人に面接官3人で行われるようです。
面接では、志望動機のほか、前述した勤務地の希望や海外勤務の可能性への対応について詳しく聞かれるようですので、その点の対策は明確にしておきましょう。
1次・2次面接はオンライン、最終面接は本社で行われます。
開始時点の雰囲気は和やかとのことですが、前述した通りシビアな質問も多いようですので、しっかり対策を行って臨みましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
④内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
王子ホールディングスの採用大学の実績を以下に掲載しますが、所謂学歴フィルターが若干存在すると考えます。
北海道大学、東京大学、神戸大学、早稲田大学、関西学院大学、法政大学、金沢美術工芸大学、静岡文芸大学、慶応大学、上智大学、明治大学、関西大学、東京工業大学、名古屋大学、室蘭工業大学、九州工業大学、 東京医科歯科大学、新潟大学、群馬大学、豊橋技科大学、奈良先端科科学技術大学院大学、京都大学、大阪公立大学、兵庫県立大学、山口大学、九州大学、中央大学、東京理科大学、東北学院大学、秋田県立大学、甲南大学 |
上記を見ると、少なくとも中堅以上の大学であることがわかり、学歴が原因で不採用となる可能性は否定できません。
これは、転勤・転籍や海外勤務の可能性が高いこととも密接に関連しているでしょう。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、王子ホールディングスの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度はかなり高いといえるでしょう。その理由として以下の4点が挙げられます。
- 成績証明書の提出が必要
- 適性検査を課している
- 複数回の面接で転勤・転籍、および海外勤務の可能性への対応を聞かれる
- 学歴フィルターが若干ながら存在する
よって、大学時代の成績が直結し、能力の高さや勤務の柔軟性もシビアに評価されます。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
王子ホールディングスは、製紙業界トップの企業で、中心となる生活産業資材事業や出版情報メディア事業のほか、近年は資源環境ビジネス事業にも傾注しています。
王子ホールディングスは製紙業界トップの企業として、求める人材のレベルも高いため、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
海外市場での展開も重視しているためか、学歴フィルターの存在も否定できないため、対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。