【企業研究】レンゴーの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年9月25日更新
はじめに
レンゴーは、大阪に本社を置く製紙業界3位の企業です。就職難易度や実際の選考フローはどのようなものでしょうか?ここでは、レンゴーについて、業界の概要、事業内容、新卒採用選考フロー、社風、求める人材、競合他社比較、採用大学、ホットニュースを紹介しています。採用選考フローでは、過去の適性検査・ES・面接の内容もまとめています。この記事を読むことで、レンゴーの全体像が掴め、どのような対策を行えばよいかのビジョンが見えてくるでしょう。
紙・パルプ業界
レンゴーは大阪に本社を置き、王子ホールディングス、日本製紙につづく国内第3位の製紙企業です。その業界は、紙・パルプ業界です。紙・パルプ業界の企業は主に、原料である木材や古紙を入手しそれを加工して各メーカーや家庭向けに販売しています。
当該業界については、こちらの記事で詳しく紹介しています。「【業界研究】紙・繊維・パルプ業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説」
また、紙・パルプ以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!「【業界研究ガイド】業界一覧」
事業内容
レンゴーは、パッケージに関わるあらゆる製品を製造、販売しています。ここでは、製造している製品別に、事業を紹介していきます。
板紙・ダンボール事業
レンゴーの強みである段ボール部門は、国内シェア1位となっています。また、業界シェアで実に25パーセントを占めると言われており、中核の事業であると言えるでしょう。一般的な段ボールの他に、様々な商品展開をしています。たとえば、流通現場の作業効率化を図る製品、耐水・鮮度保持・防錆などの機能付き段ボール、カラフルな印刷の美粧段ボールなどが挙げられます。
段ボールに関わる多くの製品も製造しています。たとえば、ライナ・中しんなどの原紙、白板紙、紙管原紙、チップボール、加工紙、ファイバーボードRB、RBシートなどが挙げられます。ファイバーボードRB、RBシートは、選挙関連製品でもあります。
紙器製品事業
この事業では、あらゆる製品のパッケージ作りを担っています。レンゴーでは、製造・加工・印刷までの一貫生産体制を敷いています。これにより、販売促進につながる魅力的な企画デザインを実現が可能です。製品は主に、紙器、紙器(美粧段ボール)、マルチパックに分けられます。
紙器製品には、サック箱、中間箱、ノベルティパッケージなどがあります。白板紙の単紙にオフセット印刷やグラビア印刷を行うことで製品にします。用途は、加工食品、菓子、日用品など様々です。
紙器(美粧段ボール)製品には、ギフトパッケージ、ピザの宅配ケース、デジカメ・ゲーム機などの販売ケース、通販ケースなどがあります。多彩な印刷技術と段ボールの強度を併せ持つ製品で、E・F・Gフルートなどの薄物段ボールからAフルートなど厚物まで製作が可能です。
マルチパック製品は、マルチパック缶やビンなどを数本単位で包装するパッケージです。また、ペットボトルのまとめ売り用マルチパックも製造しています。マルチパックは、商品のまとめ売りに適しているだけでなく、ハンドリング性やディスプレイ効果にも優れている製品です。
包装品事業
包装品事業は、ラベルやパッケージを取り扱っています。軽包装と重包装の主に2種類に分けられます。
1つ目は、軽包装です。セロファンを使って、お菓子のフィルム包装や別途ボトルのラベルなどを製造します。セロファンの特徴である易引裂性、無公害性、防塵性、印刷性を最大限に活かす製造を行っています。
2つ目は、重包装です。ポリエチレンを使って、農業で使われる農薬や土のパッケージ、クラフト紙袋、工業原料の梱包などを製造します。独自の技術と品質管理を徹底し、様々な機能性を持った製品の製造を可能にしています。なおレンゴーは、ポリエチレン重袋で業界シェア1位です。
包装システム・包装機材事業
包装品それ自体だけでなく、それを製造するシステムや機材も作っています。包装システムは、包装される製品の形、重さ、特徴に合わせたものを販売しています。これにより、包装ラインの合理化が可能です。
また、レンゴーはインクジェットプリンターなどの機材も生産しています。これは、業務用のバーコードやカートリッジ型を製品に印刷することを可能にします。
機能材事業
機能材とは、原料となる材料に加工を加えることができる機材です。レンゴーは、自社の独特な加工技術を用いて機能材を製造しています。たとえば、セロファンやサフロン(紙や不織布セロファンの性質を加えたもの)やビスコパール(多孔性のセルロース粒子)などが挙げられます。
新卒選考フロー
レンゴーは、営業、管理、研究、技術開発、生産管理、包装技術、その他の職種を募集しています(引用:募集要項)。選考フローは、WEBプレエントリー、エントリーシート、説明会、適性検査、面接(個別)、内々定の順となっています。以下に、テスト、ES、面接の内容について解説していくので、ぜひ参考にしてください。
テストは、筆記試験で、厚生労働省が主催するテストであるGATBです。これは検査を受けた人がどういった職業に適正があるかを能力として測るもので、時間内に基本的なことを丁寧にできるかが試されます。内容は通常の適性検査対策をしていれば誰でも解ける簡単な問題で、どちらかと言えば丁寧さが重要です。たとえば、国語は語句問題や文字をひたすら書くなどの課題、算数は単純な計算、図形探し、円の中への点打ちなどの課題です。
ESは、自己PRや志望動機などの基本的な質問が多くなっています。たとえば、「ご自身について300字以内で紹介してください」「課外活動(部活動・サークル活動・ボランティア・アルバイトなど)(100文字以下)」「力を入れた学業(ゼミナール・研究課題・卒業論文・得意科目など)200文字以下」志望動機(300文字以下)などの質問が挙げられます。
面接はESに沿って、基本的な内容が尋ねられることが多いようです。たとえば、「生時代に力を入れたこと」「なぜ弊社なのか」「なぜ興味を持ったのか」「アルバイト」「なぜそこのアルバイトを選んだのか」「アルバイトで学んだことはあるのか」「あなたの弱み」などが挙げられます。また、仕事内容に関する質問がされることもあります。たとえば、「営業の仕事はしんどいが覚悟はあるのか」「全国転勤や工場勤務は可能か」などの質問が挙げられます。
社風
レンゴーは、とにかく人を大切にする社風であると言われています。そのため、福利厚生が良い傾向にあります。人に優しいため、時に優し過ぎてお互いに遠慮することもあるようです。体制は、トップダウン方式で、古き良き日系企業の雰囲気があります。また、製造現場は体育会系の雰囲気であるようです。
求める人材
レンゴーは、成長意欲の高い「れんじん」を求めています。(引用:募集要項)特に、向上心、挑戦心、協調性、コミュニケーションの4つの資質を重視しています。
向上心とは、「失敗や困難な状況でもポジティブにとらえ自己成長につなげられる」「何事にも興味と関心をもち、主体的に学習し、行動することができる」人材のことです。
挑戦心では、「目標達成に向けて努力を惜しまずにひたむきに取り組める」「どんなことにも果敢にチャレンジできる」能力を見ています。
協調性では、「チームの一員として自分の責任を果たすことができる」「周囲の人を気遣うことができる」人材を求めています。
コミュニケーションとは、「意欲的に人間関係を築くことができる」「他者の考えや価値観を理解し、その多様性を受け入れられる」人材のことです。
企業の求める人物像をきちんと把握し、自己PRや志望動機に落とし込み、効果的に自分をアピールしましょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
レンゴーは、業界1位の王子HDと2位の日本製紙には及びませんが、3位の企業として確固たる地位を築いています。ここでは、レンゴーの業界内の立ち位置を確かめるために、競合他社を3つ紹介して比較していきます。なお、就職ランキングについては、こちらの記事も参考にしてください。「【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング」
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
レンゴー | 8460億8000万円 | 728万29円 | 60 | 優しい人が多い |
王子HD | 1兆7066億4100万円 | 826万9641円 | 61 | 保守的で真面目な人が多い |
日本製紙 | 1兆1526億4500万円 | 659万9485円 | 60 | 穏やかな人が多い |
大王製紙 | 6462億1300万円 | 630万7552円 | 56 | 若手から意見が言いやすい |
(引用:レンゴー決算短信、王子HD決算短信、日本製紙決算短信、大王製紙決算短信、レンゴー有価証券報告書、王子ホールディングス有価証券報告書、日本製紙有価証券報告書、大王製紙有価証券報告書、【最新版】印刷業界の就職偏差値ランキング | 大手3社,学歴,難易度も)
採用大学
採用ホームページによると、2017年4月~2022年4月入社実績で調べた採用大学は、以下の通りになります。(引用:募集要項)
愛知大学、青山学院大学、宇都宮大学、愛媛大学、大阪大学、大阪経済大学、大阪芸術大学、大阪工業大学、大阪市立大学、大阪府立大学、小樽商科大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、北見工業大学、九州大学、京都大学、京都工芸繊維大学、京都産業大学、京都府立大学、近畿大学、熊本大学、慶應義塾大学、工学院大学、高知大学、甲南大学、神戸大学、佐賀大学、滋賀大学、静岡大学、芝浦工業大学、島根大学、上智大学、成蹊大学、高崎経済大学、多摩美術大学、千葉大学、千葉工業大学、中央大学、筑波大学、津田塾大学、電気通信大学、東海大学、東京大学、東京工業大学、東京電機大学、東京都立大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、富山大学、同志社大学、長岡技術科学大学、名古屋大学、名古屋工業大学、名古屋市立大学、奈良女子大学、南山大学、日本大学、一橋大学、兵庫県立大学、弘前大学、福岡大学、法政大学、北海道大学、武蔵野美術大学、室蘭工業大学、明治大学、山形大学、山梨大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、龍谷大学、和歌山大学、早稲田大学
この情報から見て取れるように、全国の多種多様な大学から人材を採用しています。高学歴と呼ばれる大学からの採用は多いようですが、それでもチャンスがないとは限りません。
なお、採用者数は50人前後になっていて、リクナビのプレエントリー候補リスト登録人数は4000名ほどとなっています。そのため、ある程度、入社難易度が高い企業であると言えます。
ホットニュース
レンゴーの最新情報を入手して、動向を見逃さないようにしましょう。情報は、面接などでよく聞かれる、自身の将来像やキャリアプランなどの質問に役立てることができます。また、最新の話題を知っているかどうかを面接の会話の中から判断される場合もあります。ここでは、注目すべきニュースについていくつかをピックアップして紹介していきます。
1つ目は、「日本製紙が100億円で段ボール新工場を建設する狙い」というニュースです。オーストラリアのビクトリア州で約100億円を投じ、新しい段ボール工場を建設するというものです。これにより、段ボール源氏から製品までの一貫体制を敷くことが可能となります。製紙企業各社は、国内の需要減少などの傾向から、積極的な事業の海外進出を狙っています。海外進出の動向は、捉えておいて損がないでしょう。
2つ目は、「製紙業界が3年ぶり値上げラッシュ、従来とは違う背景事情」という記事です。製紙各社は製品の値上げをこぞっておこなっています。その理由は、原料高や物流費の上昇、円安といった従来の理由だけではありません。少子高齢化やIT化による構造的な需要の減少も大きな理由です。社会では、書類などのデジタル化、ペーパーレス化が進んでいて、これにどのように対応するかが製紙企業の焦点となってきます。たとえば、環境に優しい原料を使用した新製品を開発したり、新技術を開発したりといったことが取り組みとして挙げられます。
以上のように、最新のニュースを追うことで、業界全体の動向や将来性を確かめることが可能です。なぜこの業界を目指すのか、なぜ当該企業を志望するのかを明確化することが大切な志望動機の作成作業において、重要な知識となってきます。
まとめ
ここまでレンゴーについて、業界の概要、事業内容、新卒採用選考フロー、社風、求める人材、競合他社比較、採用大学、ホットニュースを紹介してきました。レンゴーは人気の高い企業ですが、学歴フィルターが存在していない可能性が高いです。そのため、堅実に対策を行えば、チャンスは巡ってくるでしょう。ぜひこの記事を参考に、自己PRと企業研究を進めていってください。