【企業研究】クラレの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年8月15日更新

はじめに

化学業界の中でもクラレは、人気の高い企業です。難易度はどれくらいなのでしょうか?企業研究には何が必要なのでしょうか?この記事では、クラレに興味がある就活生に向けて、業界の概要、事業内容、新卒採用選考フロー、社風、求める人材、競合他社比較、採用大学、ホットニュースを解説していきます。この記事を読めば、クラレの情報が網羅でき、企業研究を効率的に進められるでしょう。



クラレが属する化学業界について

クラレは、化学業界に属しています。原材料を仕入れ、それを加工して販売するというのが主な事業の流れです。加工について化学業界では、合成・分解・重合反応といった化学変化、また、分離・精製操作を行っています。

化学系の企業については、こちらの記事で詳しく解説しています。「【本記事1本丸わかり】化学系の就職事情と就職先の選び方&5つの必須対策

また、化学以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!「【業界研究ガイド】業界一覧

クラレの事業内容

クラレの主要事業として、樹脂・化学品、繊維、その他の3つに分けて解説していきます。(引用:会社概要)事業内容を把握することで、企業の全体像が見えてくるでしょう。

樹脂・化学品

クラレでは、ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、EVOH樹脂・フィルム、メタクリル樹脂、イソプレンケミカル、エラストマー、ポリアミド樹脂、メディカル関連製品の製造、販売を行っています。

クラレの強みは、何と言っても樹脂事業です。それは売り上げにおける約4割を、樹脂事業が占める程です。グローバルに展開していて、複数の分野でシェアが1位となっています。たとえば、液晶ディスプレイなどに使用する光学用ポバールフィルムでは世界シェアの8割を有しています。また、ガソリンタンクや食品密封包装などに使用するエバールでは世界シェアの6割を占めています。

ニッチ産業とも言えるこれらの事業で成功していることが、クラレの特徴です。ブルーオーシャンで活躍する企業とも言えます。

繊維

繊維分野では、ビニロン、人工皮革、不織布、面ファスナー、ポリエステル繊維の製造、販売を行っています。それはファッション衣料をはじめ、スポーツウエア、インナーウエア、ユニフォームまで多岐に渡る分野で活躍しています。国内のみならず、海外でも活躍が期待されている分野です。

その他

クラレでは、活性炭、水処理用高機能膜・システムの製造、販売も手掛けています。活性炭は、水浄化用として、生活やビジネスに欠かせない分野となっています。また、医療用にも需要が高い分野です。これらのことからクラレは、大手企業を買収するなどして、グローバル展開を目指しています。そのため、クラレの強みを十分に生かした事業と言えるでしょう。



クラレの新卒選考フロー

クラレの新卒採用では、技術系4職種、事務系2職種を募集しています。技術系と事務系で選考フローが異なるため、それぞれについて解説していきます。選考フローを把握しておき、どのような対策が必要になるか確認しましょう。

技術系職種

技術系職種では、研究開発/商品・用途開発、生産技術開発/設備技術開発、知的財産、技術営業を募集しています。募集選考は、化学系、高分子系、化学工学系、機械工学系、電気・電子工学系、応用物理系、薬学系、バイオ系、建築・土木系などが挙げられます。選考フローについて見ていきましょう。

まずは公式サイトで基本情報の入力を行います。その後、自由応募か推薦応募を選択する形式です。つづいて、エントリーシートの提出、研究概要の入力、適性検査受験を済ませましょう。書類選考があり、複数回のグループディスカッションや面接を経て、内々定が下されます。

適性検査では、言語、非言語、性格検査が採用されています。内容は、SPIに似た形式が出題された年があります。

ESや面接では、自己PR、ガクチカ、志望動機など、基本的なことをベースに、深堀の質問をされるようです。特に、就職活動の軸がいかに定まっているかを評価される傾向にあります。また、化学業界には多数の企業が存在するため、なぜ化学業界なのか、なぜクラレなのか、自分の言葉で示す必要性もあります。

なお、自由応募から推薦応募へ選考途中で変更することが可能です。

事務系職種

事務系職種では、営業とスタッフの2つの職種を募集しています。募集選考は、全学部・全学科となっています。選考フローについて見ていきましょう。

まずは公式サイトで基本情報の入力を行います。その後、会社説明会に参加する形式です。つづいて、エントリーシートの提出、適性検査受験を済ませましょう。書類選考があり、複数回のグループディスカッションや面接を経て、内々定が下されます。

事務系職種の適性検査、ES、面接の内容は、先に述べた技術系職種と同じ傾向にあります。

 

クラレの社風

クラレは、保守的な企業風土があるという声が多数あります。たとえば、新しいことに挑戦できる機会が少ないことが挙げられます。また、本社主導のトップダウン形式であるという声もありました。

社員の人柄は、優しくて堅実なタイプが多いと言われています。部署によりますが、風通しは良い傾向にあるようです。社員には良い人が多いとされているため、就活では積極的にコミュニケーションを取ることをお勧めします。憧れの先輩社員を見つけたら、そのことを志望動機に組み入れるのも良いでしょう。



クラレの求める人材

求める人材を把握することで、自己PRや志望動機の精度が高まります。必ず確認するようにしましょう。

公式サイトでは、「本気で世の中を変えたい人へ。」というテーマのもと、求める人物像が明記されています。(引用:求める人材

「社会のために自分たちだけができることを追求」できる人材が求められています。クラレのビジネスは、人々の生活や他のビジネスに密接に関係しているため、社会全体のために動ける人が評価されるでしょう。

具体的な行動については、「個人を尊重し、創造性を高める」「他人とのつながりを大切にできる人が大成する」など、他者との関わりの中で、能力を発揮することが必要です。チームで何かに取り組んだ経験をアピールするのが良いでしょう。

また、「若いうちから大きな仕事を任せて育てる社風」とし、チャレンジ精神がある人を望んでいるようです。明確な目標を掲げて挑戦したことで、壁に当たって乗り越えた経験や成し遂げた成果を説明できると良いでしょう。

「自分が本当に納得できる会社選びをしてほしい」とし、企業とのマッチングも重視していることが伺えます。企業研究を入念に行い、クラレが求めている人材像を理解しましょう。自己PRや志望動機は使いまわしをせず、クラレの社風に合わせたものに変えるようにしてください。エピソードは他の就活生とバッティングしないよう、独自のユニークな経験を武器にするのをお勧めします。



クラレの就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

化学業界には多数の企業があります。ここではクラレの立ち位置を確認するために、大手である三菱ケミカルHD、住友化学、信越化学工業、三井化学に絞って紹介していきます。競合他社も研究することで、志望動機を明確にできるでしょう。

 

会社名株式会社クラレ
売上高7563億7600万円
平均年収727万394円
就職偏差値・難易度57
社風保守的、風通しが良い。

(引用:会社概要連結財務ハイライト有価証券報告書

 

会社名三菱ケミカルグループ株式会社
売上高4兆6345億円
平均年収1045万4450円
就職偏差値・難易度72
社風挑戦できる、風通しが良い、大企業なのでルールが複雑。

(引用:会社概要有価初見報告書【2023年】化学メーカーの売上・年収ランキング一覧!就職偏差値も解説

 

会社名住友化学株式会社
売上高2兆8952億8300万円
平均年収910万8009円
就職偏差値・難易度61
社風慎重で保守的。トップダウン方式。

(引用:会社概要財務・業績サマリー(ファクトシート)有価証券報告書

 

会社名信越化学工業株式会社
売上高280億8800万円
平均年収876万7000円
就職偏差値・難易度63
社風少数精鋭で、若手のうちから大きな仕事を任せてもらえる。

(引用:会社概要財務ハイライト有価証券報告書

 

会社名三井化学株式会社
売上高1兆8795億4700万円
平均年収892万1405円
就職偏差値・難易度58
社風保守的で真面目。挑戦する風土がある。

(引用:会社概要業績推移有価初見報告書

 

就職偏差値については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。「【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

これらのデータから見てとれるように、クラレは自らの強みである樹脂分野に特化しています。三菱ケミカルなどの大手企業は、1兆を超える売り上げがあるからです。これらの企業では、ダイナミックな仕事やより多岐に渡るビジネスへの参加が可能です。比較してクラレは、少数精鋭で武器であるニッチ産業に特化したビジネス展開を行っています。このような特徴を捉え、志望動機に落とし込む行動が必要です。



クラレの採用大学

2022年度調査の「シキホー!Mine」から、採用大学の情報を紹介します。(引用:シキホー!Mine

 

早稲田大学、明治大学、大阪大学、大阪公立大学、小樽商科大学、関西学院大学、慶応大学、神戸大学、中央大学、一橋大学、横浜国立大学、立命館大学、大阪大学大学院、九州大学大学院、神戸大学大学院、東京工業大学大学院、名古屋大学大学院、広島大学大学院、京都大学大学院、慶応大学大学院、東北大学大学院、北海道大学大学院、横浜国立大学大学院、大阪公立大学大学院、岡山大学大学院、関西院大学大学院、九州工業大学大学院、京都工芸繊維大学大学院、静岡大学大学院、芝浦工業大学大学院、東京医科歯科大学大学院、東京農工大学大学院、同志社大学大学院、徳島大学大学院、新潟大学大学院、北陸先端科学技術大学院大学、明治大学大学院、山形大学大学院

 

また、採用人数については以下の通りです。

 

年度男性女性
2022年度33人17人
2021年度33人17人
2020年度44人16人

 

以上のようにクラレでは、毎年少人数の採用となっています。人気企業であるため、応募者が多く、競争率は高いと言えるでしょう。

つぎに、学歴フィルターについてです。採用大学にあるように、ある一定のレベル以上の大学が選ばれているのが分かります。そのため、学歴フィルターが多少なりともあるのではないでしょうか。しかしながら、幅広い大学から採用しているのが見て取れるように、面接やグループディスカッションでいかに自分をアピールできるかが焦点になってくるでしょう。

 

クラレのホットニュース

クラレの企業研究を行うにあたって、最新の動向を追うのは重要です。なぜなら、将来を占うことができるからです。ここでは、注目すべきニュースを2つ挙げて説明していきます。

1つ目は、賃上げについてのこちらの記事です。「日立やパナHD、高水準の賃上げ要求相次ぐ 23春季交渉

クラレにおいては、管理職を除く国内約4000人を対象に、8%程度の賃上げに踏み切りました。物価高に加えて、優秀な人材の確保やつなぎとめに必死であることが伺えます。しかしながら、賃上げは社員にとっては嬉しいニュースです。社員に利益を還元できる会社は、人材を大切にしていると考えても良いでしょう。

2つ目は、事業のグローバル展開に関わるこちらの記事です。「クラレ、英国で活性炭クロス生産2倍へ 医療や産業用途

クラレが取り組む活性炭分野は、水や大気の浄化に使われることで需要が拡大しています。特に活性炭クロスは、医療分野での需要が高く、注目の事業分野です。クラレは活性炭の世界大手であるカルゴン・カーボンを2018年に買収していて、この分野への投資と世界展開への覚悟が伺えます。

 

クラレは強みがはっきりしていて魅力的な企業!企業研究を怠らないようにしよう

クラレは、自らの強みであるブルーオーシャンでの事業展開、ニッチ産業の展開にコミットしている魅力的な会社です。この記事では、クラレの属する業界の概要、事業内容、新卒採用選考フロー、社風、求める人材、競合他社比較、採用大学、ホットニュースについて、詳しく解説してきました。人気の企業であるため、入念な企業研究が必要です。ぜひこの記事を参考に、企業研究を深めていってください。

 

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