【企業研究】国際協力銀行の採用大学・就職難易度・選考対策を徹底解説

【企業研究】国際協力銀行の採用大学・就職難易度・選考対策を徹底解説

2023年6月27日更新

はじめに

国際協力銀行は、政府が全株式を保有する公的金融機関です。海外事業をメインに展開しているので、世界を舞台にしたスケールが大きい業務に携われるでしょう。少数精鋭の企業で人気が高いため、就活における難易度は高くなっています。この記事では国際協力銀行について、基本データ、採用情報、選考対策、社風、求める人物像などを解説していきます。ぜひこの記事を参考に、企業分析を進めていってください。

国際協力銀行の基本データ

国際協力銀行の正式名称は「株式会社国際協力銀行」で、設立年は1950年12月28日です。(引用:国際協力銀行新卒採用情報サイト「組織概要」)略称は「JBIC」で、日本政府が全株式を保有する政策金融機関となっています。

事業の目的としては、日本にとって重要な資源の確保や供給、日本産業の維持や向上、地球環境の保全、国際金融秩序の保守が挙げられます。このように、日本と国際社会の発展を願って設立、運営がなされている組織です。

従業員数は677人です。(引用:株式会社国際協力銀行「組織概要」

利益は2021年で318億8800万円です。(引用:株式会社国際協力銀行「財務諸表」

福利厚生は、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険、独身寮・社宅などです。(引用:株式会社国際協力銀行「募集要項等」)なお研修制度も充実していて、新人研修、英語研修、財務分析・国際経済・金融法務・業務実務等の分野別研修、海外留学制度、若手総合職海外駐在員事務所トレーニー派遣などが揃っています。

企業理念は、「国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展きます。」です。(引用:株式会社国際協力銀行「組織概要」

 

会社名株式会社国際協力銀行
設立年1950年12月28日(旧日本輸出銀行設立)
従業員数677人
利益318億8800万円
福利厚生健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険、独身寮・社宅など
企業理念国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展きます。

 

国際協力銀行の事業内容

国際協力銀行は政策金融機関として、国内経済発展や国民生活の安定、環境保全などに取り組んでいます。たとえば、日本の産業の国際競争力の向上、資源開発などの海外事業を展開する上での環境保全などです。

国際協力銀行には、大きく分けて5つの事業があります。(引用:株式会社国際協力銀行「業務分野」)それぞれについて、事業の概要や前例、関連支援メニューを以下に説明していきます。

 

資源分野

資源の長期安定的な供給に向けて、資源権益の取得や資源開発、資源輸入などの支援を行っています。これにより、国民への安定的な資源供給を実現し、日本経済の発展を支援しています。

資源分野の事業として具体的な例を挙げると、ロシアでの液化天然ガス開発、チリでの銅鉱山開発、モザンビークとマラウイでの鉄道・港湾事業支援などです。

国際開発銀行が行う関連支援メニューとして、投資金融、輸入金融、保証、出資などがあります。(引用:国際協力銀行「資源分野」

 

インフラ分野

質の高いインフラの海外展開によって、日本企業の国際力向上に努めています。質の高いインフラとは、高いコスト競争力や安全性、環境や社会への配慮ができる設備のことです。

インフラ分野の事業として具体的な例を挙げると、英国での洋上風力発電支援、米国での廃棄物処理・発電事業支援、英国での都市間高速鉄道支援です。

国際開発銀行が行う関連支援メニューとして、輸出金融、投資金融、保証、出資などがあります。(引用:国際協力銀行「インフラ分野」

 

産業分野

産業分野では、日本企業の海外M&Aにおける直接投資支援がメインです。また、輸出の海外販売支援なども事業の1つです。これにより、日本産業の優位性を強化し成長機会を提供し続けています。

インフラ分野の事業として具体的な例を挙げると、ミャンマーにおける総合不動産開発・運営事業、インドネシアでのポリエチレン製造プラント設備輸出、ベトナムでのふ頭整備・運営事業などです。

国際開発銀行が行う関連支援メニューとして、輸出金融、投資金融、保証、出資などがあります。(引用:国際協力銀行「産業分野」

 

中堅中小分野

中堅中小分野では、中検・中小企業向けの支援を行っています。具体的には資金調達面での支援です。また、開発途上国政府及び地場金融機関との覚書によるホスト国関係者との連携強化、海外投資環境をはじめとする中堅・中小企業向けの各種情報提供なども行っています。このように、多面的な支援が特徴的です。

中堅中小分野の事業として具体的な例を挙げると、現地進出支援体制の整備のための覚書締結が挙げられます。タイのカシコン銀行、インドネシアのバンクネガラ・インドネシア、インドのインドステイト銀行など、多くあります。

国際開発銀行が行う関連支援メニューとして、輸出金融、投資金融、保証などがあります。(引用:国際協力銀行「中堅中小分野」

 

環境分野

環境分野では、日本の環境技術輸出や海外展開の支援に従事しています。環境保全や地球環境問題への取り組みに貢献しているのです。

環境分野の事業として具体的な例を挙げると、英国での洋上風力発電、エジプトでのスエズ湾風力発電事業、ヨルダンでの太陽光発電事業などの支援があります。

国際開発銀行が行う関連支援メニューとして、輸出金融、投資金融、事業開発等金融、保証などがあります。(引用:国際協力銀行「環境分野」



国際協力銀行の募集職種と新卒年収

2024年の新卒採用では、大学・大学院を2024年9月までに卒業・修了または卒業・修了見込みの人で、就業経験がない人物を募集しています。

募集職は、総合職と業務職の2つで、業務職は転勤がありません。2022年度の採用実績では、総合職23名と業務職10名の採用でした。

初任給は大卒の総合職で205,000円、業務職で195,000円です。大学院卒では総合職230,000円となっています。(引用:株式会社国際協力銀行「募集要項」



国際協力銀行の新卒選考フロー

つづいて、国際協力銀行の新卒選考フローを紹介していきます。(引用:株式会社国際協力銀行「募集要項」

 

全体の流れ

まずは専用サイトのENTRYボタンから会員登録を行います。次に表示されるマイページにて、資料請求を行いましょう。ここで、入行案内パンフレットを手に入れることができます。つづいて、セミナーへの参加をしましょう。セミナーなどへの参加は採用選考と関係ありません。しかしながら、働くイメージがつくのでぜひ参加するように案内があります。

応募は、会員専用サイトのマイページにて行いましょう。エントリーシート、課題などへの入力と提出が必要です。締め切りがあるので注意してください。

選考は、適性検査の後に、面接を複数回行うフローとなっています。ただし、選考プロセスは変更される可能性があるので注意しましょう。

 

ENTRY、資料請求、セミナー参加、エントリーシートと課題、適性検査、面接

 

適性検査の種類やES/面接の質問

適性検査の種類は、確定ではありませんがGrow360と日本SHL社のTG-WEBの2つである可能性が高くなっています。

 

ESの質問は、確定ではありませんがシンプルなものが多い印象です。たとえば、実績や志望動機が挙げられます。文字数の指定があり、450文字程度と長めなことに注意が必要です。

 

面接の質問は、ESに記入した内容をもとになされるようです。特に一次面接では、ESの内容を深堀されることが多いでしょう。二次面接以降は、想定外の質問にも答えられる臨機応変さがある程度必要です。しかしながら、基本的には全てのフローにおいて、実績と志望動機が重視される傾向にあります。

 

以上のように、国際協力銀行の採用では「いかに基本的なことが高水準のレベルにて確実にできるか」が見られる傾向にあります。



 

国際協力銀行の社風

国際協力銀行は、メガバンクと比較して職員数が少ないと言えます。ホームページによると職員数は677人と、業務を行う上で顔が見えやすいと言えるでしょう。(引用:株式会社国際協力銀行「組織概要」

また全株式を日本政府が保有しているため、保守的な考え方の場面があるようです。

全世界を舞台とした大きな規模のプロジェクトを任されることが多く、責任が大きいですが、やりがいのある仕事であると言えるでしょう。



国際協力銀行の求める人材

国際協力銀行の求める人材とは、熱い思いを持っている人、柔軟な思考で行動できる人、理解力が高く柔軟な発想力がある人の主に3つです。以下、順番に解説していきます。新卒採用サイトに詳細が記載されているので、参考にしてみてください。(引用:株式会社国際協力銀行「採用チームからのメッセージ」

 

熱い思いがある

国際協力銀行は、日本の経済発展や国民生活の安定と繁栄を目的として運営されています。また、支援する事業は海外のものです。そのため、日本や海外のために働きたいという熱い思いが必要です。

 

柔軟な思考で行動ができる

現代は、複雑かつ変化の激しい環境にあります。それに対応する柔軟な思考力が必要です。またどんなに困難な課題であっても突き進む行動力が重要でしょう。

 

理解力が高く柔軟な発想力がある

国際協力銀行では問題をグローバルな文脈で捉えることが求められます。そして政策、ビジネスの双方を深く理解し、柔軟な発想を行う力が求められています。

国際協力銀行が求めている人物像をよく理解して、自己分析や志望動機に落とし込んでいきましょう。



国際協力銀行の就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

財務省によると、政府関連金融機関は現在5つ存在します。(引用:財務省「政府関係金融機関」

事業内容はそれぞれ異なるため、一概に比較はできません。ここでは日本政策投資銀行を例に挙げて、就職偏差値などを比較していきます。就職偏差値については、以下の記事を参考にしてください!

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

日本政策投資銀行は、公的金融機関として新規事業における融資や出資、債券保証の業務を行っています。

会社名株式会社国際協力銀行
売上高318億8800万円
平均年収812万7000円
就職偏差値69
社風少人数でダイナミックな仕事ができる。保守的な部分がある。

(引用:国際協力銀行株式会社「財務諸表」

会社名株式会社日本政策投資銀行
売上高1367億円
平均年収1006万3000円
就職偏差値68
社風多様なビジネスを行っていて色々な人がいる。堅い雰囲気がある。

(引用:株式会社日本政策投資銀行「決算発表資料」株式会社日本政策投資銀行「有価証券報告書」



国際協力銀行の採用大学

国際協力銀行に採用が出た学生の出身大学を紹介し、学歴フィルターについても触れていきます。

国際協力銀行の新卒採用サイトによると、全学部全学科から採用を行っています。採用実績校は国公私立大学、大学院他となっています。(引用:国際協力銀行「募集要項」

2020年度の四季報によると、東京大学、一橋大学、京都大学、東京女子大学、聖心女子大学、日本女子大学、大阪大学、東京外国語大学、北海道大学、九州大学、学習院大学、立教大学、早稲田大学などからの採用となっているようです。このように、高学歴の学生からの採用が多くなっています。しかしながらホームページを見る限り、いわゆる学歴フィルターのような、低学歴だからと言ってすぐに落とされることは必ずしもあるとは言えません。

 

採用実績東京大学、一橋大学、京都大学、東京女子大学、聖心女子大学、日本女子大学、大阪大学、東京外国語大学、北海道大学、九州大学、学習院大学、立教大学、早稲田大学

国際協力銀行のホットニュース

国際協力銀行は多種多様な海外事業を支援していますが、これには外国国籍の企業は含まれていません。しかしながら時代の変化により、今や海外におけるサプライチェーンの構築は必須とも言える課題となっています。そこで政府は、国際協力銀行が外国企業にも融資できるように制度を見直すことを考えているのです。これが実現すれば、業務の幅が広がりより新しいことに挑戦していけるでしょう。このような流れは、ぜひ押さえておくようにしてください。(引用:「国際協力銀行 外国企業に融資できるよう制度見直しへ 政府」

また、国際協力銀行は人材の多様化を進めています。今までは新卒採用がメインでしたが、キャリア採用も積極化させているのです。求めている人材としては、専門的なバッググラウンドを持つ人や、海外事業に見識がある人などが挙げられます。これにより、より仕事の幅が広がり革新的な動きができるのではないでしょうか。社風も変化しつつあると考えられます。(引用:「国際ビジネスの最前線で、日本産業の未来に貢献する。国際協力銀行が今、キャリア採用を強化するワケ」



国際協力銀行の採用を目指して対策しよう

国際協力銀行は、海外を舞台にしたスケールが大きい業務に携わる可能性の高い企業です。また人数が少なく、少数精鋭のためやりがいの大きい仕事でもあります。そのため就活においては非常に難易度が高く、事前の対策が必須とも言えるでしょう。ぜひこの記事を参考に、国際協力銀行について企業研究を深め、自己分析や志望動機の組み立てに使ってみてください。



上京を志す地方学生ならジョーカツ

首都圏の学生ならスタキャリ

 

  • line シェアする
  • twitter ツイートする
就活ハンドブック編集部

就活ハンドブック編集部

就活ハンドブック編集部です!  就職活動に関しての情報や地方からの上京就活生の役に立てるようなコンテンツを沢山配信していきます!