
【例文見本付き】自己推薦とは何か?書き方のコツも併せて解説
2023年5月15日更新
はじめに
応募書類の内容を見て、「自己推薦書って何?」と戸惑っていませんか?
企業によっては、履歴書やエントリーシートのほかに、自己推薦書の提出を求める場合があります。
自己推薦書について理解していないと、あわてて用意して失態を招く事態にもなりかねません。
本記事では適切な情報を盛り込みつつ、自己PRの効果を最大限に引き出すための自己推薦書の基本的な構成や書き方のコツについて例文を交えながら解説していきます。
10分ぐらいで企業に響く自己推薦書をものの見事に書けるようになりますので、最後まで一気にお読みください。
自己推薦とは何か?
「自己推薦」とは、自分を紹介するというよりも、企業の目線に立って、強みや周りと比べて優れている点を客観的に伝えることです。
イメージとしては、「他の応募者に比べると○○な点で秀でているので、採用したほうが良いですよ」と推薦するようなものです。
「それでは、履歴書やESとどう違うんですか?」
下表がその違いをまとめた表です。
区 分 | 履歴書・ES | 自己推薦書 |
目的と対象 | 自身の学歴、資格、スキルなどの基本情報を提供し、企業に自分自身をアピールすることが目的。 | より深い自己分析や自己評価を行い、自身の強みや成果を具体的にアピールすることが目的。 |
形式と長さ | 一般的に短く、箇条書き形式で情報をまとめる。 詳細な説明や具体例は限られる。 | より自由な形式で書かれることが多く、一般的には長めの文章やパラグラフ形式で記述する。 具体的な事例やエピソードを交えて自己アピールを行う。 |
視点と アプローチ | 客観的な情報を提供することに重点が置かれる。 自己の経験や能力を客観的に示し、求められる条件に合致していることを示すことが重要。 | 自己分析や自己評価に基づいて自身の強みや成果を相対的にアピールすることに重点が置かれる。 自身の独自性や価値を示し、他の候補者との差別化を図ることが重要。 |
以上のように、自己推薦書は履歴書やESとは異なる役割とアプローチを持っています。
自己推薦書を書く際には、あなたの強みや成果について自己主張することが重要です。
自己推薦文を書く前の準備事項
料理で「仕込み」が大切なのと同じように、自己推薦文を書く前の準備にも入念に時間と労力を割く必要があります。
その準備方法について、以下のとおり5ステップで解説していきます。
ステップ1:自己分析
あなたの強みやスキル、経験などを棚卸ししないと、いきなり自己推薦文は書けませんよね。
なので、自己推薦文を書く前に、必ず自己分析を行いましょう。
自分史やモチベーショングラフ、マインドマップなどの自己分析ツールを利用すると、効率的に自己分析できますよ。
具体的なやり方はジョーカツキャンパスの過去記事「【超効率】自己分析シートを複合的に使いこなす「ある」方法とは」で詳しく説明しています。
このステップにより、あなたの特徴や価値を把握することで、自己推薦文の方向性を定めることができます。
ステップ2:リサーチ
このステップが実は1番大切なのかもしれません。
企業側が望んでいない強みを延々とアピールされても、相手は引くだけです。
なので、相手に響くアピールポイントを探ることが肝要です。
そのために、応募先の企業や組織について必ず事前調査を行いましょう。
企業のビジョンや価値観、求められる人物像などを把握することで、自己推薦文を企業に合わせてカスタマイズすることができます。
また、応募するポジションや業界のトレンドやニーズにも注目しておきましょう。
ステップ3:接点探し
その会社の価値観や社風、求める人物像が把握できたら、そこから逆算してあなたの強みとの接点を探していきます。
相手のニーズに沿った強みでなくては、アピールとしては弱いものになりますね。
このステップをスキップすると、通るものも通らなくなってしまいますので、慎重に作業を進めていくことをおすすめします。
ステップ4:実績やエピソードの整理
次に、自己推薦文に盛り込む具体的な実績やエピソードを整理しましょう。
過去のプロジェクトや成果、貢献した経験などを振り返り、数値や具体的な事例としてまとめていきます。
このステップにより、自己アピールが具体的で説得力を持つものになりますね。
ステップ5:作成
ステップ4まででアピールの材料が揃うはずです。
あとは後述する自己推薦文の構成に沿って、パズルのようにあてはめていけば自己推薦文は完成します。
自己推薦文の書き方のコツ
ここからは、自己推薦文を効果的に書くためのコツを紹介します。
全部で5つありますので、網羅して理解していきましょう。
①具体的な事例を挙げる
自己推薦文では、抽象的な表現よりも具体的な事例や実績を挙げることが重要です。
あなたの成果や貢献を数値や具体的なエピソードとして示すことで、読み手に信憑性のある強い印象を与えられます。
➁自己評価を客観的に行う
自己推薦文では、自分自身を客観的に評価することが求められます。
自分の強みやスキルを客観的に分析し、自己PRの材料として適切に活用しましょう。
過度な自己評価や誇張は避け、客観的な視点から自分を見つめ直すことがカギです。
➂読み手に合わせたアプローチを取る
先述の通り、自己推薦文は応募先の企業やポジションに合わせてカスタマイズすることがポイントです。
応募先の価値観やニーズに対して、自分の強みや経験を結びつけて説明しましょう。
企業のニーズや求められる人物像に沿ったアプローチを取ることで、自己推薦文の効果をより高めることができます。
➃強調すべきポイントに焦点を絞る
自己推薦文では、あなたの強みや特徴を明確にアピールすることが肝要です。
自分が他の応募者とどのように異なるのか、なぜ自分が適任であるのかを読み手に伝えるために、強調すべきポイントに焦点を絞りましょう。
アレもコレもとアピールを盛りすぎると、返って自己推薦文が散漫になり効果が薄れますので注意が必要です。
➄ポジティブで自信に満ちた表現を使う
自己推薦文では、ポジティブな表現と自信に満ちた文体を使うことがコツです。
自分の能力や成果を適切にアピールし、読み手に自信と魅力を伝えるような文体を心掛けましょう。
以上、これらのコツを参考にしながら、自己推薦文を書いてみてください。
そうすれば、あなたの魅力や経験を最大限に引き出すことができ、効果的な自己アピールが具現化しますよ。
自己推薦文の構成
自己推薦文は、「①結論→➁具体例→➂ベネフィット」の3段論法で下記のように構成していきます。
①結論「私の強みは御社の〇〇で活かせると自負しています」 ↓ ➁具体例「具体的には△△でこの強みが発揮されました」 ↓ ➂ベネフィット「なので、貴社の××で貢献できます」 |
イメージとしては、この3段論法で事足ります。
このステップを少しかみ砕いて説明します。
①強みなどの結論
自己推薦文の冒頭では、自分の強みや特徴を簡潔にまとめましょう。
あまりにも長い結論になると、どこが結論なのか曖昧になり、フォーカスがズレるので、端的にショートメッセージで伝え切ることがコツです。
結論は読み手に対して自分の価値を明確に伝える重要なポイントとなります。
できれば誰も使わないような表現で「次を読みたい」と思わせるような興味性のあるメッセージでアピールしたいですね。
➁具体例
強みや特徴をサポートする具体的な事例やエピソードを挙げましょう。
結論を下支えする具体的な実績や経験を示すことで、自己アピールがより具体的で信憑性を増すものになります。
➂ベネフィット
ベネフィットは「採用理由」や「活躍理由」とも言い換えられますが、具体例を通じて、あなたを採用することにより、企業側がどのように利益や価値を享受できるのかを説明していきます。
自分の強みが応募先にもたらす利益や貢献度を明示することで、「ぜひ会って、話してみたい」という興味が芽生えます。
このような順序で自己推薦文を構成することで、自分の強みを明確に提示し、具体的な実績やその結果から生まれるベネフィットを示すことができます。
結果として、ストンと相手の腑に落ちて、説得力のある自己推薦文になるでしょう。
ただし、自己推薦文は個人のスタイルや応募先によっても適切なアレンジが必要なので、その点を考慮してアプローチしてください。
自己推薦文の具体例
それでは構成の3ステップに沿って、自己推薦文を作成していきましょう。
以下が見本の推薦文です。
私には組織力を使ってパフォーマンスを発揮できる強みがあります。【結論】 たとえば、この強みは大学祭の地域住民の動員で功を奏しました。 「地域に開かれた大学」を標榜する当校としては、大学のメイン行事である大学祭に地域住民を誘導することが積年の課題となっていました。 私は学祭実行委員会の渉外部長として、部員と意見を出し合い、検討を重ねた結果、戸別訪問により招待状を直接手渡すローラー作戦と地域住民参加型のゲームを実施するなど、地域住民が参加しやすい導線を引くことを企画し、部員と手分けして実行に移しました。 また、自治会長宅へ出向き、直々に住民への周知徹底を依頼しました。 結果として、前年度対比150%の地域住民の動員を達成し、自治会長からも「久々に学祭に来たけど、若者と触れ合うのは楽しいね。お疲れさん」という労いのお言葉をいただきました。 学祭のエンディングの花火大会では、部員たちと肩を組んで、喜びと充実感に溢れながら花火を見た思い出は一生忘れられません。【エピソード】 私は、リーダーとして1人ひとりに合わせた対応を行ってきた経験から、それぞれのお客さまに合ったサービスを提案する貴社の営業職に貢献できると考えております。 また、地域のお客さまとの信頼関係を構築しながら、サービスを拡大してきた貴社の姿に大変感銘を受けました。 私も、貴社の一員として、地域に根ざしたサービスを提供できるよう努力いたします。 【ベネフィット】 ぜひ一度お会いし、貴社での貢献の機会をいただければ幸いです。 |
上記の見本は、具体的なエピソードやスキルの具体例を挙げることで、自己アピールの具体化に成功しています。
また、責任感やビジョンへの共感といった企業の要素にも触れている点で、相手の好感度を一気に引き上げる文章に仕上がっていますね。
自己推薦文のNG例
それでは、自己推薦文のNG例も併せて見ていきましょう。
私は優れた人物です。 能力も高く、結果を出す自信があります。周囲の人々よりも優れたスキルを持っており、常に最善を尽くします。 チームでもリーダーシップを発揮し、他のメンバーを引っ張ってきました。 私なら絶対に成功しますし、貴社にとって価値を提供できる自信があります。 ぜひ私を採用してください。 |
この文章の何が悪いのでしょうか?
考えてみてください。
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まず、 「優れた人物」や「能力も高い」といった自己評価は、客観的な根拠がないため信頼性に欠けますね。
具体的なエピソードや実績を挙げずに抽象的な言葉で自己アピールしているため、説得力が乏しいわけです。
また、「周囲の人々よりも優れたスキルを持つ」「他のメンバーを引っ張ってきた」といった表現は、他者を見下すような自己中心的な印象を与えます。
加えて、「私なら絶対に成功する」「貴社にとって価値を提供できる自信がある」といった主張は、傲慢さを印象付け、過大な期待を抱かせるため避けるべきですね。
自己推薦文では、客観的なデータや具体的な事例、チームでの貢献などを通じて自己の魅力や能力を裏付けることが重要です。
また、謙虚さや他者への敬意を示す表現を心掛けることも忘れないでくださいね。
おわりに
自己推薦文は、自分自身の強みや経験を的確にアピールする貴重なツールです。
しかし、ただ自己PRするだけではなく、具体的な事例やエピソードを交え、自己の魅力を客観的に示すことが何よりも大切です。
また、謙虚さや他者への敬意も忘れずに表現しましょう。
本文でも説明したとおり、自己推薦文を作成する際には、企業の求める人物像や応募職種に合わせてカスタマイズすることが超重要です。
自己分析をしっかりと行い、自己の強みや成果を的確に把握したうえで、企業側のニーズにミートさせていきましょう。
最後に、自己推薦文は1つのステップに過ぎません。
面接や試験など他の選考フェーズでも自己アピールが求められます。
自己成長を続け、自己アピールのスキルを高めることで、就活の成功につなげていきましょう。
そのために、本記事がお役に立てば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。