【例文あり】面接の「得意なことは何ですか?」の対処法を解説

【例文あり】面接の「得意なことは何ですか?」の対処法を解説

2024/9/11更新

はじめに

就職活動では、みなさんの特性や個性などを把握するために、さまざまな角度で質問が行われます。

その中でも「得意なことは何ですか?」という質問は、頻繁に面接で確認される質問の一つです。

もちろん得意なことについてパッとイメージが浮かぶ人もいるかもしれません。

しかし自己分析が十分でないと、尋ねられた瞬間に一言で言い表せない場合、もしくは自分に得意な事なんてないんじゃないかと思う人もいるかもしれません。

「得意なことは何か?」という質問は多くの企業が知りたい事項の一つですので、ぜひあなたらしい回答をしっかりと準備しておきましょう。

本記事では、以下のような人たちを対象としています。

対象の読者
  • 現在自己分析を進めている最中で、面接での答え方を研究している
  • 「得意なこと」について的確な伝え方について知りたい
  • 自分に「得意なこと」が明確になっておらず、具体例を参考にしたい

就職活動や面接に向けた備えとして、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。

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会社が面接で「得意なこと」を聞く3つの理由

会社が面接で「得意なこと」を聞く3つの理由

なぜ会社は「得意なこと」を聞くのでしょうか。

自分の好きなことや興味のあることをスムーズに話せる人は案外多いのではないでしょうか。

しかし、面接はあくまでも就職活動の場であり、友だちとの雑談とは違います。

文字通り「得意なこと」を並びたてて説明するのではなく、どのような意図をもって相手が聞いているかを把握することで、伝えるべき内容が変わってきます。

ここでは代表的な3つの理由をご紹介します。

①どれだけ自分自身に客観性を持っているか知りたい

「得意なこと」には必ず第三者の目線が必要です。

すなわち、自分自身で「得意なこと」を主張するということは、自分自身が客観性を持っているという証明にもなります。

そのため、会社はあえて面接などの場で、学生自身の言葉で「得意なこと」を語ってもらうようにするのです。

納得感を持って相手に「得意なこと」を伝えようとする場合、必然的に客観的な目線で得た要素を加えて話す必要が生じます。

他の質問でも客観性を問うことは可能ですが、その中でも「得意なこと」は客観性を確認する上で非常に分かりやすい質問なのです。

②どのような人間性なのかを知りたい

「得意なこと」というフィルターを通して、人間性を把握することもできるため、会社は積極的に質問します。

客観性が必要な「得意なこと」は、周囲からの自分の見られ方を言語化することと同義です。

周囲の人が自分に対してどのような態度や言葉を受け取り、それをどう認識しているか。

どのような受け取り方をしているか、論理的に分析できているかといった点を知ることができるでしょう。

「あなたはどのような人間ですか?」という質問では確認できない人間性が、「あなたの得意なことは何ですか?」という質問では確認することができるのです。

③どのような能力があるかを知りたい

質問に対する直接的な回答として、学生自身がどのような能力を持っているのかということを知りたいという思いもあります。

「あなたには何ができますか?」という質問だとあまりにも直接的過ぎますし、やや威圧感もありますので、もうすこし就活生に寄り添った形での質問といえます。

得意なことを通じて、実際の会社とのマッチングを検討する中、どういった活躍ができそうか、成長が見込めそうか、あるいは会社を良い方向にする力があるかどうか。

こういったことを知るための視点の一つとして「得意なこと」を確認しているのです。

面接で聞かれる「得意なこと」が何かを把握する

面接で聞かれる「得意なこと」が何かを把握する

「得意なことは何か?」というシンプルな質問に対して、すぐに思いつくような自信のある事柄がある人と、パッとは出てこなくて思い悩む人とがいます。

どちらのケースであっても、前の章で述べたことを満たしているかどうかを振り返って確認をしてみましょう。

面接におけるアピール方法などの他のアドバイスやテクニックについてはさらに以下の記事を参考にしてみてください。

「得意なこと」がすぐ思いつく場合の注意点

深く学んできた事、長い間取り組んできたこと、他の人にはできないようなことがあることなど、自信をもって答えられることがあれば積極的に生かしてください。

それだけでも立派なアピールポイントなのですが、それをアピールに使う際に注意したい点がいくつかあります。

他人を下げて相対的に自分を評価していないか

面接での厳重注意点ですが、自分の得意なことに対して、他人を下げて相対的に自分を高める論法をすることは避けましょう。

具体的には以下のようなパターンです

他を下げることで相対的に自分を高める悪い例
  • 誰もやらないから、自分が積極的に行動した
  • 誰かがやったうまくいかないことを、自分でやることでうまくいった
  • 自分は普通だと考えているが周囲のレベルが低いからである

実際にそうだったとしても、言い方で伝わり方は大きく変わります。

競争意識や適切な自己評価は重要ですが、面接の場では他人や周囲の人を下げるのではなく、敬意や感謝をもってエピソードに取り上げるようにしましょう。

「好き」と「得意なこと」をわけて考えられているか

「好き」と「得意なこと」とでは微妙にニュアンスが違います。

前の章でも述べた通り、「得意なこと」とは自分自身の世界だけではなく、それにより周囲の人に対して良い影響を与えたかどうかが問われています。

「文字を書くことが好きです」は、文字を書くという行動そのものであり、内容の良し悪しについてまでは判断されません。

「文字を書くことが得意です」となると、実際にあなたの「文字を書く」という行動に対して誰かに良い影響を与えてなければいけません。

例えば授業ノートを見せてあげると見やすいノートだと評価されたというエピソードがある、だから自分は文字を書くことが得意だと考えた、という論理構成です。

もちろん、「好き」であることも重要ですが、「得意なこと」として面接で伝えるからには、こうした論理で確からしいあなたの得意さをしっかり伝えましょう。

「得意なこと」が会社の業務と一致しなくてもよい

一応得意なことはあるけれど、就職とは全く関係ないことだから、そんなことをアピールしてもいいのだろうか、と考える方がいます。

就職活動に一致しない?得意なことの例
  • 事務系の会社なのに体を動かすことが得意
  • IT業界を志望しているけど、絵を描くことが得意
  • 研究職だけどイベントの企画やサプライズ演出が得意

むしろこういった得意なエピソードは、積極的にアピールしましょう。

会社はあなたが会社の業務上で得意なことを確認したいわけではありません。

むしろ、あなたが学生時代に養った得意なことは、企業や業界に関わらず堂々とアピールしてください。

得意なことにユニークさがあればあるほど、会社はあなたの個性や能力を把握しやすいです。

ただし、質問の意図が明確に「会社に貢献できるような、得意なこと」である場合はその限りではありません。

この場合は企業分析と自己分析の関連性を問われているものです。

どのような質問でも「質問者が何を聞きたいのか」には常に注意しましょう。

【例文あり】「得意なこと」を伝える際のポイント

では、実際に得意なことを伝える場合にはどのような点に注意するべきなのでしょうか。

具体的な方法を2つほど紹介します。

①主観ではなく客観であることを伝える

最も大切なポイントは、主観ではなく客観性を持った「得意」であることを伝えることです。

「〇〇さんに言われました」などの断定的な話では意味がなく、あくまでもエピソードトークの中に第三者の意見を織り交ぜるように話すことがおすすめです。

例えば、以下の様に伝えるのが良いでしょう。

私が得意なことは、作業を効率化することです。

これはアルバイトの経験を通して、私自身が感じているだけでなく、周囲のメンバーにもよく言われてきました。

私のアルバイト先は、オペレーション上の無駄が多く、そのために接客時間が削られてしまっていました。

そこで私は、現在の問題点を洗い出し、効率化できる部分は効率化できるようにしていきました。…

「誰かに言われた」「周囲によく言われる」「バイト先の上司が評価してくれた」など、第三者の意見であればある程度信憑性を持って聞くことができます。

一方、自分自身が他人と比較した上で「得意だと思っている」ことは、客観ではなく主観に過ぎません。

この違いを十分に理解して、話している相手に客観性があることを理解してもらえるようにしましょう。

②実際に得た結果や数字を伝える

ただ「得意なこと」を伝えるよりも、得意なことを通じて得た結果があれば、それを合わせて伝えることがおすすめです。

結果はもっともわかりやすい客観的な評価だと言い換えることができるでしょう。

例えば部活動をしていた場合、「〇〇大会優勝」などは分かりやすく結果として伝えることができるでしょう。

結果とは、言い換えれば「数字で表現する」とも言えます。

「学園祭で目標〇円に対して、さらに〇円の売り上げを達成した」ということも、ひとつの結果です。

この結果に付随して、「戦略を立てることが得意」「周囲の人を巻き込むことが得意」などの「得意なこと」を主張できるはずです。

テキストに落とし込んだ例を見ていきましょう。

私が得意なことは、目標達成のための戦略を立て、着実に実行していくことです。

私は学園祭の出店で、◯円の売上達成が必要でした。

しかし、ただ売るだけでは到底到達できる目標ではなかったため、確実にこなすべき施策と、可能であれば実行する施策に分け、それぞれの施策に優先度を付けて実行していきました。

その結果、◯円という売上を達成できました。…

受賞系にとらわれず、積極的に自分の成果を洗い出してみましょう。

こうした結果や数字は、面接においては伝える手段であり、話したい結論ではありません。

極論を言えば、下位の成績でも、実際に数字には効果が出ていなくても良いのです。

それを踏まえてあなたがどう考え論理を立てて、アピールをしていきましょう。

ただし「得意なこと」としながら失敗の成果が土台にいるのでは、単純には論理が結びつかないので話の組み立て方には工夫が必要です。

得意なことが見つからない場合の対処法

得意なことが見つからない場合の対処法

では、得意なことが見つからない場合にはどのように対処するべきでしょうか。

結論から言うと、得意なことがないという人はいないのです。

ただし「得意」という文面から、何か利益のあるもの、必ず成果が出せなければいけないものというプレッシャーを感じているのではないでしょうか。

得意なことが自分にとって些細なことであっても良いのです。

一芸を即戦力として採用したいという募集要項でなければ、会社は、あなたが提示した得意なことのエピソードから、あなたの人柄や個性を見出したいのです。

面接での「得意なこと」の質問は、極論を言えば「あなたの人柄を説明してください」にすぎません。

そう考えて、もう少し気楽に、自己分析を深めていきましょう。

以下に、より具体的ないくつかの方法について説明します。

①長時間行っていて苦ではないことを考える

「特に得意なことが思いつかない…」という場合には、自分自身が長時間行っていても苦ではないことを考えてみるのがおすすめです。

例えば「読書」が出てくる人は、長時間集中することが得意なのかもしれません。もしくは、自分が知らない新しい世界への興味を持ち、何らかのアクションを起こすことが得意なのかもしれません。

「運動」が得意な人は、体を鍛えることが好きだとも言えるでしょう。

一見すると娯楽のようなことでも、努力で自分自身を変化させていくことが得意と言い換えても良いかもしれません。

このように、一見関係ないように感じることも、言い変え次第では十分に「得意なこと」になる可能性があります。

自分自身の可能性を絞りすぎずに、まずはできる限り洗い出してみましょう。

②これまで夢中で取り組んできたことを洗い出す

自分目線・他者目線に関係なく、これまで夢中になって取り組んできたことを洗い出すのもおすすめです。

「2長時間行っていて苦ではないことを考える」と近い内容ではあるものの、夢中で取り組んでいることは自分だけではなく、他者の意見を活用することが可能です。

また、自分自身は無意識でも他者から「夢中」に見えている場合には、自分では無意識のうちに「得意」になっていることがあるかもしれません。

言葉を「夢中」で考えてみることで、これまで全く気付いていなかった新たな可能性に気付くことができるかもしれません。

「得意なこと」が見つからない場合には、「夢中になれたこと」という角度で考えてみるのがおすすめです。

③長く取り組み続けていることを取り上げる

自分のこれまでを振り返り、年単位で続けていることがあればそれは立派な得意なことといえるでしょう。

人は思っているほど同じことを長く続けることができないものです。

習慣として続けていること、日々心がけていることはないでしょうか。

例えば、細かく家計簿をつけている、掃除を毎週行っている、欠かさず見ているサイトやフォローしている情報がある、といった些細なきっかけから得意を見出してみましょう。

こういった行動は、本人としては無意識で続けているケースもあり、案外気付かないこともあります。

あるいは、健康状態はどうでしょうか?

大病をせずここ数年過ごせているのなら、それも立派なポイントです。

あなたの日々の生活に、体調を崩さないように心がけているポイントがあるのではないでしょうか?

心身ともに健康であることは、社会人としては貴重な財産です。

よほど立派な「得意なこと」でないかぎり、採否に直結するものではありません。

むしろ、雑談に近いぐらいの軽さで「得意なこと」を考えてみても良いでしょう。

④家族や友人に聞く

最も手軽なのは、自分自身を良く知る家族や友人に聞いてみることです。

この時、自分への理解度が高いと思う人に聞いてみることがおすすめです。

友人に聞く場合は、昔から知っている友人、大学生活で出会った友人、アルバイト先・インターン先の友人など、所属や関係値が異なる友人に網羅的に聞いてみるとよいでしょう。

出会った時期や関わってきた時間に関係なく、得意だと言われることは自分にとって無意識的にできてしまっている「得意なこと」である可能性が高いと言えます。

意識せずともできている「得意なこと」ほど、他者と比較して強いものはありません。

周囲の力を借りて見つけることが可能なのであれば、ぜひ見つけてみてはいかがでしょうか。

こちらも面接でよく尋ねられる「周りからどう思われているか」という質問については、以下の記事をぜひ参考にしてみてください。

さいごに

本記事ではそもそもなぜ人事は「得意なこと」を質問するのか、その上で、どのようにすると得意なことを洗い出しやすいのかということを紹介してきました。

「自分が得意なことってそもそも何だろう?」

「仕事で活かせそうなことじゃないといけないかな?」

「得意だと自信を持って言えることが無い…」

といった疑問を解消することはできたでしょうか?

「得意なこと」は、誰もが持っているものです。

もし「ない」と感じているならば、それは「ない」のではなく「気付いていない」だけです。

就活中は、いきなり「得意なこと」を聞かれて困ることがあるかもしれませんが、自分自身がこれまで気付いていなかった「得意なこと」を見つけるチャンスです。

ぜひ就活をきっかけにして、自分の言葉で言語化してみてはいかがでしょうか。

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