
【面接対策】「大学で学んだことはなんですか?」回答ポイントを解説
2022年11月29日更新
はじめに
就活中の面接では、人事から「大学ではどのようなことを学んでいましたか?」と聞かれることがよくあります。
大学時代の学びは、大学生でいる以上言語化し、誰かに伝えることは多くありません。
そのため、この質問に驚いてしまうケースや回答に困るケースが少なくありません。
「どんな風に答えるのが正解?」
「そもそもどうしてそんなこと聞くの?」
「私、何を学んだのか言語化できない…」
など、この質問に対しては様々な悩みが生じます。
そこで今回は、なぜ人事が「大学で学んだことを聞くのか」の理由をはじめ、どのように答えるのが正解なのか、詳しくご紹介します。
実際にこの質問をされたことがある人はもちろん、ない人も、ぜひ今後の参考に最後まで読んでみてくださいね。
もくじ
1.就職面接で人事が大学で学んだことを聞く理由
はじめに、人事はなぜ「大学で学んだこと」を確認するのか考えてみましょう。
①人間性を確認するため
②能力を把握するため
③業務に活かせるかを確認するため
その理由として3つ、ご紹介します。
①人間性を確認するため
大学生活において「学び」は、本来最も優先されるべきものです。
そのため、優先度が高い学びとどのように向き合ってきたかを確認することで、人間性を確認しようとしています。
人間性と一言で言っても、2つの要素を確認しようとしています。
1つ目は、人柄です。性格と言い換えることもできます。
大学の授業や活動の捉え方や参加率などを通じて、真面目さや不真面目さ、積極性などを把握することができます。
2つ目は、自社とのマッチング具合です。
この要素は他の質問でも測っていますが、学びとの向き合い方も社風とのマッチングを測るひとつの指標になるでしょう。
②能力を把握するため
「学び」に関する質問を通じて、企業で働く上で必要な能力を確認している側面もあります。
一見すると、学びと能力は結びつきにくいかもしれません。
しかし、学業に真摯に取り組んでいれば、論理的思考力やコミュニケーション力が必然的に身に付いているはずです。
また、直接的に能力に結びつかないような質問に感じるからこそ、就活生の本音を垣間見ることができます。
学びの概要だけではなく、得た能力を交えて話す必要が伺えます。
③業務に活かせるかを確認するため
「学び」は、モノによっては業務に直接活かすことができます。
例えば、理系の「学び」の場合には分かりやすくイメージできるでしょう。
就職先や配属部署によるものの、研究室の研究がそのまま活かせるケースが多々あります。
また、文系の場合にも経営論やビジネス論など、実務に活用できる情報は決して少なくありません。
企業に応じて、役立ちそうな学びを選んで伝えるのがおすすめです。
2.「大学で学んだこと」を面接で答えるポイント
では、「大学で学んだこと」を面接で答える際には、どのような点に注意するべきなのでしょうか。
①学んだことを端的に伝える
②なぜその学びに興味を持ったのかを伝える
③学びを活かす方法について伝える
伝え方のポイントとして、こちらの3つをご紹介します。
①学んだことを端的に伝える
まず、学んだことを端的に伝えましょう。
もちろんどのように、なぜといった理由や興味を持ったきっかけを伝えることは大切ですが、はじめに結論となる学びを端的に伝えることが大切です。
イメージとしては、以下のような話の流れになります。
まずは結論を伝える:「私は~~について学びました」
↓
実際にしたことと、得た結果を伝える:「私は~~ということをして、~~という結果を得ました」
↓
具体例を示す:「私は、具体的には~~~をしました」
↓
社会人としての学びの活かし方を伝える:「私はこの学びを、~~~で活かしていきたいと考えています」
最後の学びの活かし方に関しては、必ず企業に入って活かせるという保証はありません。
しかし、自分自身の目線で考え、その理由を伝えることが大切なのです。
端的に伝えるのに必須のPREP論法についてはこちらで詳しく解説しています!
②なぜその学びに興味を持ったのかを伝える
ただ学んだことを伝えるのではなく、なぜその学びに興味を持ったのかを積極的に伝えることが大切です。
学びの起点となるのは、過去の経験やその人の人柄が現れていることが多いため、人事に自分自身の人柄を伝える手段として有効です。
また、きっかけとなる事象を通して、どのような場面でモチベーションを感じる人なのかを伝えることも可能です。
自分自身が何があれば興味を持つことができるのかなどが、伝わるエピソードトークを選んでみてはいかがでしょうか。
③学びを活かす方法について伝える
ただ学んだだけではなく、社会人としてどのように学びを活かそうと考えているのかもぜひ伝えましょう。
「自分の学びは専門性が高く、社会人としては活かすことができない…」と考える人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。
学んだことが直接的に活かせる場合には、そのまま伝えるのが良いです。しかし、直接的に活かせない場合には、学びを通じて得たことを伝えるのがおすすめです。
対人関係で学んだことや、学びを推し進めるとプロジェクト推進に近しい要素があることから、スケジュール管理なども伝えることができるかもしれません。
「学び」という言葉に縛られず、柔軟な発想で回答することが大切です。
3.「大学で学んだこと」のトーク例
具体例と共に、「大学で学んだこと」に関するトーク例をご紹介します。
例①:文系の場合
まずは、文系学生のトークから考えてみましょう。
文系学生は専門がはっきりしている場合、専門領域について話すことがおすすめです。
網羅的に学びを深めた場合には、学びから得た能力などに注目して話すことがおすすめです。
(例)外国語学部の場合
私はこれまでフランスについて学んでおり、日常会話レベルのフランス語の習得と、フランスを中心としたヨーロッパに関する文化を学んできました。
元々映画が好きで、映画を通じてフランス文化に触れることが多く、言語だけではなく歴史などを理解した上で映画を楽しみたいと思ったことが学びのきっかけです。
学び始めたタイミングでは、自分の興味・関心を深めることはできるものの、社会人としてどのように活用することができるのか、イメージが湧かない状態でした。
しかし、ベルギーやスイス、イギリスでも言語が通じるほか、ヨーロッパに関する理解と知識を深めることで、積極的に国際交流を行うことができるようになりました。
今後社会人になった際には、フランス語を武器として活躍できる人材になる一方で、国籍や国ごとの文化を問わず、フラットな目線で業務にまい進できるように心掛けていきたいと思っています。
例②:理系の場合
理系の場合、大半は研究室に所属していることから、自分独自の専門性が高いテーマを持っていることが多いです。そのため、学びを聞かれた際には自身の研究テーマについて説明できるのが良いでしょう。
説明しにくい領域や、専門分野が企業の就職には役立たないと思うケースがあるかもしれませんが、企業と共通項が無くてもかまいません。
(例)情報系の学部の場合
私はこれまで、エンジニアリングや機械学習について学んできました。
しかし、大学生活の中では限られたものしか自分でつくることしかできなかったため、インターンを通じてアプリ開発を行いました。
大学の授業は、基本的な技術を網羅的に学べるため、あらゆる領域の人とコミュニケーションを取ることができるようになります。広く地租知識があることで、異なる言語で開発を行う際にも認識をすり合わせやすいことは大きなメリットです。
一方、専門性を磨くことが難しかったため、インターンができる環境を探し、実際にユーザーが利用するアプリ開発を行っていました。
開発者としての目線とユーザー目線は視点が異なるため、双方の目線で必要な内容を整理することの大切さを学びました。また、トレンドや技術が日々進歩していくため、常に勉強を怠らないことが重要だということも学びました。
社会人になった後も積極的に学び続けながら、貴社に貢献できるように精進したいと思います。
例③:学びから得たことを伝える場合
学びを直接的に伝えるのではなく、学びから得たものを伝える方法もおすすめです。
特に学びが網羅的な場合には、専門性を全面に出すのではなく、得たものを全面に出すことの方が納得感があります。
また、この場合授業の内容に限らず、部活動やサークル活動、イベント活動など、様々な活動に展開できる点が魅力です。
(例)学校祭実行員会として活動した学び
私は、学校祭実行委員の活動を通して、それぞれが主体性を持って行動する大切さを学びました。
私自身が入学するきっかけとなった学校祭に関わりたいと思い、実行委員として活動することにしました。私はモチベーション高く活動に取り組んでいましたが、友人に誘われてきた人や、就活用に参加している人など、モチベーションにはばらつきがありました。
モチベーションが低い人は主体性が無いことから、モチベーションが高い人にも影響を及ぼし始めていました。
そこで私は、それぞれが主体性を持って活動できるようにするために、まずは個々人が得意なことをヒアリングすることから始めました。その上で、この活動にそれぞれの力がなぜ必要なのかを一人ひとりに納得してもらうことで、指示を待つことなく積極的に活動できる人が増えました。
このように、主体性によって周囲のやる気を引き出すことはもちろん、結果を出す上で自分の姿勢をまずは主体的にすることの大切さを学びました。
4.「大学で学んだこと」が分からない場合
では、万が一「大学で学んだこと」が分からない場合にはどのようにするのが良いでしょうか。
①これまでの学業について整理する
②専門性が高い学びを抽出する
③印象深かった授業を中心にトークを展開する
3つの方法をご紹介します。
①これまでの学びについて整理する
まず行うべきは、これまでの学びを整理することです。
授業などで得た学びについてはシラバスを、それ以外の学びについては、大学に入ってから取り組んだことを洗い出してみるのがおすすめです。
できる限り細かな内容も洗い出すことで、自分が忘れていた「学び」に気付けるかもしれません。
②専門性が高い学びを抽出する
学びの中で、最も専門性を持てたことから考えてみるのもおすすめです。
研究などを深くしていなかったとしても、自分にとって活き活きと語ることができる学びであれば、そのことを題材にするのもおすすめです。
学びの深さは大事ですが、自分自身が伝えたいと思うことでなければ意味がありません。
自分の気持ちに正直に、学びを抽出するのもおすすめです。
③印象深かった授業を中心にトークを展開する
これまでの授業の中で、最も印象深い授業はないでしょうか?
そのことや、授業内での生徒や先生とのエピソードを学びとして話すのもひとつの方法です。
プロジェクト型の授業やゼミなど、周囲との関わりが求められる授業では学びが得やすいほか、言語や一般教養の授業などでも面白さを感じることがあるのではないでしょうか。
必ずしも自分の専門領域と一貫していなくてもかまいません。理由が明確にあるのであれば、自分が真っ先に思い出すことができる内容を選ぶのが手です。
5.おわりに:端的に学びを伝えて好印象を獲得しよう!
今回は、なぜ人事が「大学で学んだことを聞くのか」の理由をはじめ、どのように答えるのが正解なのか、詳しくご紹介してきました。
「どんな風に答えるのが正解?」
「そもそもどうしてそんなこと聞くの?」
「私、何を学んだのか言語化できない…」
などの疑問を解消することはできたでしょうか。
「学び」と聞くと、つい授業で習った内容や研究分野を思い浮かべてしまいます。また、専門性が高くないと学びに値しないのでは?と感じる人もいるでしょう。
専門性が高いに越したことはありませんが、最も大切なことは自分自身が何を学んだのかを把握し、言語化できることです。
端的に自分の学びを伝えることで、面接時に好印象を残せるようにしましょう。