
【短所がマイペース】面接・ES作成での注意点とポイントを解説
2022年11月17日更新
はじめに
「企業は、なぜ短所を聞くの?」
「短所をマイペースと答えてもいいの?」
このような悩みを抱えていませんか?
自分の短所がマイペースであると自覚していても、エントリーシートや面接で正直に伝えて良いのか不安になりますよね。
しかし、短所をマイペースと回答すること自体は問題ではなく、エントリーシートや面接で十分通用する回答です。
ただ、伝え方を間違ってしまうと、採用が遠ざかってしまう恐れがあります。
そこで今回は
「短所をマイペースと回答して良い理由」
「短所をマイペースと回答するときの注意点とポイント」
以上の2点について、具体例を交えながら解説します。
すぐに記事の内容を実行し、短所をマイペースと回答する場合の万全な面接・エントリーシート対策を行いましょう。
1.マイペースの意味と周りの人に与える印象
マイペースとは、my(自分)とpace(歩調・速度・テンポ)を合わせた和製英語です。
自分に合った進度・方向、すなわち仕事などを進める上で、周囲にとらわれないその人なりの進度を指します。
このように言葉の意味において、マイペースは短所を指す言葉ではありません。
マイペースが周りの人に与える印象
マイペースが周りの人に与える印象は、どのようなものがあるのでしょうか?
相手や状況によって、良い面として捉えられることもあれば、悪い面として捉えられることもあるでしょう。
マイペースな人の長所・短所を、以下に抜粋します。
マイペースな人の長所 | 楽観的 決断力がある おっとりしていて癒し系 物事を客観的に捉える 前向き 常に冷静でいる 他人とあまり比較しない 思い立ったらすぐに行動する |
マイペースな人の短所 | 自己中心的 自分勝手 協調性がない 自分のペースで進めることを重視する 時間を守れない 連絡が遅い 周囲の意見を取り入れない 集団行動ができない 忙しい人を手伝わない 納得するまで考えてしまうので、決断に時間がかかる 他人にあまり興味を持たない 立場が上の人と接する場合でも態度が変わらない |
マイペースな人は、上記のように性格や行動に特徴があります。
あなたに該当するマイペースの特徴が、上記のすべてを満たしているわけではないはずです。
「自分のペースで生きている・周囲の意見や環境に左右されない」
このようなマイペースの特徴は、周りの人や環境・状況によって長所は短所にもなり、短所は長所にもなり得ます。
日本人でマイペースな人は、少数派?
日本社会は近年、多様化を受け入れようとしています。
時代の変化に伴い、学習指導要領改定後の教育を受けた世代は、自分のペースを重視している人が多く見受けられるようです。
一方で、日本では未だ同調圧力は強く、個性を完全に受け入れられる社会ではありません。
なぜなら、国民の気質として、日本人は協調性・同調性を重んじる文化があるからです。
就活を行うあなたたちが入社して、共に仕事を行う上の世代は、「個」を重視するよりも皆同じである環境に慣れてしまっています。
そのような環境において、自分のペースを優先するマイペースな人は、日本で目立った存在となってしまうかもしれません。
そのため、日本人でマイペースな人は、少数派として捉えられる可能性があります。
2.就活の面接で頻出の質問内容
その中でも、就活の面接で頻出の質問内容は、以下のとおりです。
- 自己紹介
- 自己PR
- 志望動機
- 学生時代に頑張ったこと
- 長所・強みと短所・弱み
- 入社後、どのようなことがしたいか
- 最も苦労した出来事
- 尊敬する人
- 転勤の可否
- 弊社が第一志望か否か・他社の選考状況
- 最後に質問はあるか
短所は、その中でも上位10問に入る質問内容です。
とはいえ、自分の短所を正直に伝えることは、なかなか気が重いですよね。
しかし、短所のない人間などいないのですから、短所を遠慮して遠回しに言う必要はありません。
短所を短所で終わらせない工夫をしている点を強調し、説明することが重要です。
3.就職活動で企業が学生に短所を聞く理由
企業が短所を聞く理由は、次の3つです。
- あなたの人間性を知れるから
- 誠実さを把握できるから
- 客観的な自己分析力を確認できるから
それぞれ詳しく解説します。
あなたの人間性を知れるから
企業が長所を聞くと、学生の多くは誇張して表現してしまうことが多く、企業は本当に知りたい内容を聞けない可能性があります。
しかし、短所を聞くことで、企業は求める人材かどうかを判断できます。
なぜなら、業界・業種・業務内容によって、向き不向きな性格があるからです。
例えば、チームで業務を行うにもかかわらず、コミュニケーションが苦手または勝手な行動をするようでは業務に支障が出てしまいます。
企業は短所を聞いて、あなたのあら探しをしたいわけではありません。
自身の短所を説明するあなたの話し方や内容から、企業はあなたの人間性を知りたいと思っているのです。
誠実さを把握できるから
誠実さは、仕事をする上で必要不可欠な要素です。
短所は誰でも話したくないものですが、短所を説明するには、当然ながら自分の短所を把握していなければなりません。
自分の短所と向き合える人は、誠実で謙虚な人です。
短所があることが問題ではなく、短所を素直に伝えることで企業はあなたの誠実さを見極めています。
客観的な自己分析力を確認できるから
自分の短所と向き合い、把握できる人には、客観的な自己分析力が備わっています。
企業は「課題を解決しようとする向上心・自分が他人からどう見られているかを正確に把握できているか」を確認しています。
自分を客観視できる人は、高い問題解決能力があり、周囲と協調して円滑に業務を遂行できるはずです。
自己分析力があることで、企業は、あなたが入社後に成長する人材であるかを判断できるでしょう。
短所を自覚するためには、自分を客観視できていなければなりません。
その短所を改善するために何らかの努力をしている行動を回答することで、企業に良い印象を与えられるでしょう。
4.短所をマイペースと回答することは問題ない
「面接で短所を聞かれたときに、マイペースと回答しても良いの?」と不安に思う就活生もいるのではないでしょうか。
短所をマイペースと回答することで、「仕事が遅い・和を乱す・怠惰」と思われないかと不安になるかもしれません。
しかし、短所は、裏を返せば長所にもなります。
マイペースという短所も、同様です。
短所をマイペースと回答する場合、エントリーシートや面接でうまく伝えるには言い換え例を活用し、伝え方を工夫しましょう。
マイペースという短所は、「集中力がある・自分で計画を立てられる」という長所に置き換えられます。
また、短所をマイペースとすることで置き換えイメージが湧きづらかったら、「おおらか・自然体」といった別の表現にするのも一つの方法です。
5.短所をマイペースと回答する場合のエントリーシートや面接での注意点
短所をマイペースと回答する就活生に対して、企業は以下の点を懸念しています。
- 指示したことを最後までやり遂げない
- マネージメント(維持管理)しづらい
- スピード感がないため、仕事に支障が出る
- 社会人としての適性が疑われる
- 周りの社員と馴染めない
上記を踏まえ、エントリーシートや面接では、応募先の仕事をする上で致命的な欠点となる内容の回答は避ける必要があります。
具体的な内容を、以下に示します。
仕事に支障が出る内容を伝える
自分のペースを重視するあまり、時間を守れなくては社会で通用しません。
例えば、「私はマイペースな性格であるため、時間にルーズです」と回答すること。
先方との約束や提出期限などを厳守することは、社会人として最低限のマナーです。
明らかに業務に支障が出そうなエピソードは避けましょう。
「短所は、ありません」と回答する
「私には、短所はありません」と回答することは、自信過剰・自分を客観視できていないと捉えられてしまいます。
コミュニケーション能力が低く、不誠実な回答であると判断されかねません。
不誠実な人は、入社後トラブルを起こす恐れがあると判断され、採用は遠ざかってしまうでしょう。
短所を克服しようとする行動を伝えない
企業は、あなたが短所に対して、どう行動を起こしたかに注目しています。
マイペースのマイナス部分を自覚しながら、克服しようとする行動がないのはよくありません。
短所と向き合い、克服しようと努力している行動を伝えることがアピールに繋がるはずです。
「飽きっぽい・自己中心的・時間を守れない・業務に支障が出るほどの協調性欠如」
こういった点をマイペースの特徴に挙げることは、企業の印象を下げてしまう要因となります。
企業が懸念する内容を払拭するような回答をすることにより、良い結果がもたらされるはずです。
6.短所をマイペースと回答する場合のエントリーシートや面接でのポイント
具体的にどのような回答を行えば、企業を納得させることができるのでしょうか。
ここからは、短所をマイペースと回答する場合のエントリーシートや面接でのポイントを解説します。
エントリーシートでは、記載できる文字数が限られています。
しかし、面接はエントリーシート記載内容に具体的なエピソードを交え、プラスαのアピールを行える絶好の機会です。
エントリーシートに記載する場合であっても、面接で話す場合であっても、話の組み立て方は変わりません。
- 質問に対して簡潔な回答を行う
- 理由を述べる
- 具体的な過去のエピソードを伝える
- 改善策を伝える
具体例を挙げて解説しますので、参考にしてみてください。
①質問に対して簡潔な回答を行う
企業に短所を聞かれたら、まずは質問に対する回答となる結論を述べましょう。
具体例
「私の短所は、マイペースな点です」
ここで長々と述べる必要はありません。端的に一言で言い切りましょう。
②理由を述べる
次に、なぜ短所がマイペースであるか、理由を述べてください。
具体例
- 「なぜなら、周りに影響されずに自分のペースで物事を進めてしまうからです」
- 「マイペースであるために、人よりも慎重に仕事を進めてしまう傾向があります」
- 「物事に熱中すると、周りが見えなくなってしまいます」
③具体的な過去のエピソードを伝える
加えて、具体的な過去のエピソードを伝えましょう。
具体的なエピソードを伝えることで、話の説得力が増します。
具体例
- 「自分のペースを優先し、内容作成に没頭するあまり、提出期限を守れないことがありました」
- 「アルバイトでもミスをしたくないという思いが強く、その結果、必要以上に仕事に時間がかかり、お客様や仲間に迷惑をかけてしまうことがありました」
- 「サークル活動で、多くの作業を行わなければならない中で、私は1つの作業に熱中してしまいました」
これまで経験してきた部活・サークル活動・アルバイト・インターンシップなど、具体例に決まりはありません。
あなたが話を組み立てやすいと思う内容に絡め、最低限2つのエピソードは準備しておきましょう。
④改善策を伝える
最後に、短所を改善する努力をしていることを伝えましょう。
経験から得られた結果を話し、努力した過程での気づきや今後への活かし方を説明する必要があります。
これにより、問題解決能力があり、成長できる人材であることを示すことができるでしょう。
具体例
- 「しかし、この経験から、優先順位を決め、早めに計画を立てることで、現在は期限を守れないことはなくなりました」
- 「丁寧に仕事をすることは大切にしながらも、仲間を信頼し、お客様を最優先に考える仕事を心がけるようになりました」
- 「結果的にサークル仲間に負担をかけてしまった点を反省し、作業チェックリストを作成しました。何をいつまでに実施すべきか明確化し、周りの状況を見ると同時に、作業の効率化を図りました」
このように最初に要点となる回答を述べ、その理由・具体例を交え、最終的に克服策・改善策を伝えると、内容が伝わりやすくなります。
あなたのマイペースがどのような内容にもよりますが、組み立てやすい内容を過去のエピソードに当てはめ、納得感ある回答を行うことが重要です。
7.おわりに:模擬面接で回答の質を高めよう
あなたが自分の短所をマイペースだと自覚しているだけで、十分素晴らしいことです。
短所を自覚できていることは、誠実さ・謙虚さの表れでもあります。
マイペースに限らず、人が持つ性質は、長所にも短所にもなり得るでしょう。
あなたが経験してきたエピソードを交え、マイペースを短所で終わらせない内容を組み立ててください。
とはいえ、例文をもとに回答例を暗記すれば、面接をクリアできるわけではありません。
ある程度の回答は作れても、内容や話し方から、説得力がなければ面接で良い評価は得られないからです。
大学のキャリアセンターや就職課に相談したり、無料の就活エージェントを活用したりして面接の練習を実施しましょう。
今回解説した注意点とポイントを参考に、短所に対する回答の質を高めることが、あなたの就活成功に繋がるはずです。