【塾講師ガクチカ】人事に刺さるガクチカの作り方【例文あり】

【塾講師ガクチカ】人事に刺さるガクチカの作り方【例文あり】

2022年11月15日更新

はじめに

 

「塾講師の経験をガクチカで使用するのはアリ?」

 

「ガクチカで塾講師をテーマにする場合、何をアピールできるの?」

 

「塾講師エピソードで刺さるガクチカの作り方も知りたい!!」

 

など、塾講師でガクチカをアピールしたい人にとっては、喉から手が出るほど欲しい情報ですよね。

 

結論から言うと、ガクチカで塾講師をアピールするのはアリです。

 

ただし、何をどのような順番でどう見せるかによって、同じ塾講師のガクチカでも印象は雲泥の差となります。

 

本記事では、人事がガクチカを通じて何を見ているのかといった視点から導線を引き、どんな人にも刺さるガクチカのテンプレートを使いながら、塾講師の例文を作成していきます。

 

このノウハウさえ知っておけば、塾講師経験に限らず、すべてのガクチカテーマに応用できますので、10分ぐらいでサクッと有益な情報を仕入れておきましょう。

1.塾講師経験をガクチカで使うのはアリ?

ガクチカのテーマと言えば、部活・サークル、アルバイト、ゼミ・学業、ボランティアが定番ですね。

 

「ガクチカ=学生時代に力を入れて取り組んだこと」なので、ぶっちゃけテーマは何でも良くて、もちろん塾講師のテーマでも大丈夫です。

 

ただ、見せ方によって加点される場合とマイナスに評価が傾く場合の両方がありますので、「何をどのように見せるのか」といった切り口とその角度には細心の注意が必要です。

 

では、人事はガクチカを通じて何を知りたがっているのか、元人事の経験からホンネを次の章で吐露しますね。

2.就活生が気になる!ガクチカで人事が知りたいこと

ガクチカだけでなく、すべての質問を通じて人事が知りたいことの1つは、

 

「この学生は入社後に活躍するかどうか」

 

です。

 

会社としても、莫大な採用経費や人件費を突っ込んで採用活動を行っていますので、将来的に費用対効果が出ないと困るわけです。

 

なので、入社後に会社の売上や利益に貢献してくれそうな学生を是が非でも採用したいわけですね。

 

それでは、入社後に活躍しそうかどうかを判定するために何を知る必要があるのか?

 

それは、その学生の物の考え方や捉え方、行動特性、マインドなどです。

 

そのために、人事はガクチカを通じて、

 

  • どういったことにどのような考えで取り組み、
  • それがどういう成果をもたらし、
  • そこでどんな学びやスキル、考え方を獲得し、
  • それが企業でどう使えるのか

 

といった視点で確認しています。

 

なので、基本的にこれらの内容が網羅されたガクチカであれば、人事は十分に満足します。

 

それでは、評価の分水嶺となる「何をどのような順番でアピールすればいいのか」、その見せ方を次の章で公開します。

3.ストーリーフォーミュラ式ガクチカ・テンプレートを使った人事に刺さるガクチカ

人事に刺さるガクチカのテンプレは下記のとおりです。

 

【ストーリーフォーミュラ式ガクチカ・テンプレート】

①結論

➁ストーリーフォーミュラ

➂ベネフィット

 

1つずつ解説しないと理解に苦しむと思いますので、以下で説明しますね。

 

①結論

 

まずはお馴染みの結論からスタートです。

 

「結論ファースト」ですね。

 

ビジネスはスピードが速いです。

 

特に男性脳は「過程」よりも「結論」を先に知りたい脳だと言われます。

 

最初の段階で牛のヨダレのようにダラダラと遠回りしながら、最後の最後に結論を持ってこられると、その間イライラして話が耳に入らなくなります。

 

なので、何よりも先に結論を示して、相手の脳を安心させてください。

 

➁ストーリーフォーミュラ

 

次にストーリーフォーミュラを挟んでいきます。

 

ストリーフォーミュラとは何かというと、スターウォーズなどのヒット映画で使われているストーリーの構成です。

 

この順番通りに物語を展開すれば、相手が自然と食い入ってしまう構成です。

 

それは以下のような順番で展開していきます。

 

【ストーリーフォーミュラ】

①似たようなスタート地点

➁失敗の連続

➂ある人との出会い or 新たな発見

➃成功の連続

➄再現性

 

1つずつ解説を加えますね。

 

①似たようなスタート地点

 

まず、人間は自分とかけ離れた境遇の人の話を聞きたいとは思いません。

 

たとえば、「アラブの石油王の子として生まれ…」とか、「資産家の大富豪の家に生まれ…」とか言われても、自分とは無関係とか、あまりにも自分と立場がかけ離れているので共通点がなく、最初の段階で読み手の意識が遠のくわけです。

 

ではなくて、

 

  • 「あの先生の教え方が悪い」と生徒に揶揄され…
  • 「あの先生を変えてください」と親御さんからクレームが入り…
  • 先生の早期離職率が激しく…

 

といったように「自分も似たような経験をした覚えがあるぞ」といった現実的で共通的な話題を聞きたいわけです。

 

なので、エピソードの冒頭は「似たようなスタート地点」から入ります。

 

➁失敗の連続

 

次に、誰も最初から成功した人の話なんて聞きたくないですよね。

 

ではなくて、

 

  • 何度も教え方を変えたが上手く生徒の成績が伸びない
  • 親御さんに事情を丁寧に説明したが、怒りが収まらない
  • 先生との面談の場を設けたが離職が止まらない

 

といった底辺の状態を見たい欲求が人間にはあります。

 

もがき苦しんだ後の振り幅で人は感動しますので、この引きの部分が実は大切なポイントになります。

 

なかには、いいところだけを見せたいので、ネガティブな側面をカットしがちですよね。

 

でも、失敗を告白することで、誠実さが伝わります。

 

ぜひ、失敗の部分もアピールだと思って公表してくださいね。

 

➂ある人との出会い or 新たな発見

 

このパートで一気に物語が展開する分岐点になります。

 

たとえば、スターウォーズであればヨーダの放った一言でスカイウォーカーが立ち直ったり、ある師匠からワザを伝授してもらって主人公が成長したりする場面です。

 

あるいは、名探偵コナンのように何かのきっかけで事件の糸口を発見し、それにより事件が一気に解決するといった内容です。

 

失敗のままで終わると当然、ストーリーにはならないので、このような取っ掛かりのパートが絶対に必要なわけです。

 

たとえば、塾講師であれば、

 

  • 塾長がアドバイスしてくれた「〇〇」という言葉で教え方を改良しようと思った
  • 「××」を試してみてはどうかとヒラメキ、教え方に新たな教育技法を導入した

 

などがその例にあたります。

 

➃成功の連続

 

このステップは、師匠から教わった武術で今まではやられっ放しだった悪者を次々になぎ倒したり、膠着していた事件の真相が判明し、一気に解決するパートです。

 

失敗の連続を”陰”のパートとすれば、ある人との出会いや新たな発見で光明を見い出せ、このパートから”陽”が射す段階に入ります。

 

「失敗の連続」のパートの闇が深ければ深いほど、逆に「成功の連続」のパートは明るく見えます。

 

塾講師の経験であれば、

 

  • やる気まったくゼロだった生徒が目の色を変えて勉強しはじめた
  • 「やっぱり、〇〇先生でお願いします」と親御さんに懇願された
  • 塾講師の離職がなくなった

 

などです。

 

➄再現性

 

通常の場合、「成功の連続」で終わってもいいのですが、さらに加点を狙うのであれば、「再現性」のアピールにもチャレンジしたほうがいいですね。

 

「ガクチカ=自慢話」ではないので、その功績や手柄だけでなく、その後どうなったかも人事は関心があります。

 

それは後継者育成だったり、再発防止や改善の徹底といった入社後のマネジメント・ポテンシャルを推し量れるからです。

 

塾講師のガクチカでいえば、

 

  • 成功したやり方を後輩の講師に伝授したら、担当生徒の得点が25ポイントアップした
  • 成功した教育技法をマニュアル化して、新人の先生に配布したら以降の離職率が減った

などです。

 

このように加点要素につながる再現性を伝えられるエピソードがあれば、ぜひアピールしてくださいね。

 

⑥ベネフィット

 

最後は必ずベネフィットで締めくくってください。

 

ベネフィットとは「このスキルや知見を使って、御社の〇〇で活躍できますよ」という「あなたを雇う理由やメリット」にあたります。

 

ここが抜けると、「〜しました」という結果だけを報告するようなボンヤリしたガクチカ・アピールで終了してしまいます。

 

ではなくて、塾講師のエピソードを通じて、

 

  • 再発防止意識や改善意欲を駆使し、御社の業務の改善に貢献します
  • 相手のニーズを的確に把握する洞察力を使って、チームメンバーのやる気を向上させます

 

など、ベネフィットでフィニッシュするようにしましょう。

 

4.塾講師ガクチカで使えるネタ一覧

「刺さるガクチカのテンプレートは理解できました。次に、塾講師ガクチカでは何をネタにアピールしたらいいのかわかりません(汗)」

 

まずは業務の種類に分けて、エピソードのネタを探す方法を紹介します。

 

塾の業務は主に「生徒指導」と「塾運営」に区分できます。

 

下表のとおりエピソード例とアピールできる要素を業務別に整理しましたので、あなたが従事している役割に応じて、ネタを探してみてください。

 

業務区分エピソード例アピールできる要素例
生徒指導・自宅学習の管理

・モチベーション管理

・学習計画の策定

・生徒への指導

・真摯な姿勢

・責任感

・説明力

・計画力

・分析力 など

塾運営・教室イベントの開催

・新人講師の指導

・他の講師との情報共有

・入塾生募集

・巻き込み力

・改善意欲

・マネジメント力

・コミュニケーション能力

・PDCAを回す力

・課題解決力 など

 

次は、あなたのアピールしたい「能力」を特定したうえで、エピソードを連動させていくアプローチ法です。

 

まず、能力を「対課題」「対自分」「対人」の3つの切り口で分けて、アピールできる能力を突き止めていきます。

 

区分アピールできる能力例
対課題力業務処理スピード、計画力、改善力、問題発見能力、課題解決力など
対自分力責任感、ストレス耐性、モチベーションキープ力、粘着力など
対人力コミュニケーション能力、巻き込み力、説得力、理解力など

 

アピールする能力が確定すれば、それを想起させるエピソードを探して、テンプレに当てはめれば、ガクチカができあがります。

 

このようにいずれかのアプローチで詰めていけば、塾講師のネタで困ることはなくなりますよね。

 

5.塾講師ガクチカの例文

「塾講師の経験で何をアピールするかは、だいたい決まりました。イメージを持つために、実際に例文を見せてくれると助かります」

 

わかりました。

 

先ほどのストーリーフォーミュラ式ガクチカ・テンプレートを使って例文をこしらえていきますね。

 

先ほどのストーリーフォーミュラを「結論」と「ベネフィット」でサンドイッチすると、下記のような構成になります。

 

①結論

➁似たようなスタート地点

➂失敗の連続

➃ある人との出会い or 新たな発見

➄成功の連続

⑥再現性

➆ベネフィット

 

この構成を使って、実際に「生徒指導」と「塾運営」の2パターンでガクチカを作ってみましょう。

 

【生徒指導のガクチカ例文】

学生時代に力を入れたことは、塾講師のアルバイトです。【結論】

最初は時給が割高といった軽い理由で塾講師のアルバイトを始めましたが、大学の研究が忙しく、指導の準備が思うように進みませんでした。【似たようなスタート地点】

案の定、準備不足が尾を引いて、生徒の成績は下がる一方でした。【失敗の連続】

このように二刀流で苦戦していたところ、周りの同僚の講師も同じような悩みを持っていることを聞きつけ、何とか課題を解決できないかという思いに至りました。【新たな発見】

そこで、塾長にも相談し、講師同士が共有できる講義マニュアルの策定に踏み出すことにしました。

具体的には土日の空き時間に協力を快諾してくれた講師陣を集め、各担当別に専門教科を割り振り、教科の授業ポイントをまとめる作業を3か月間行いました。

完成した講義マニュアルをすべての講師に配布した結果、私自身も短時間に授業の準備ができ恩恵を受けたどころか、各講師から感謝と喜びの声を投げかけられました。【成功の連続】

結果として、生徒の授業アンケートを見ても、「非常にわかりやすくなった」が評価の90%を占めるなど上々の実績を得られました。【再現性】

御社では塾講師の経験で培った課題の「発見力と解決力」で、今日よりも明日、明日よりも未来に向けて日々改善する姿勢で業務に臨みたいと考えています。【ベネフィット】

 

【塾運営のガクチカ例文】

私が学生時代に力を入れたことは、アルバイト先の塾の運営です。【結論】

1年間、塾の講師を務めた私に白羽の矢が当たり、塾の運営を任されました。

当初は塾運営のイロハも分からず戸惑いましたが、絶対に良い経験になると自分に言い聞かせて踏ん張りました。【似たようなスタート地点】

私の講師経験からの問題意識として、生徒に寄り添った指導ができていないと常々考えていました。【失敗の連続】

そこで全講師と面談を行った結果、曜日ごとに教科と講師が入れ替わるため、生徒の情報を講師間で共有できていないことがクローズアップされました。【新たな発見】

当初は講師が情報共有できるシステムを構築する案を思い浮かべましたが、予算の関係上、多大な投資をすることは不可能でした。

したがって、無料で情報共有できるグループLINEをコミュニケーションツールとして代用し、まずは講師間の情報共有を優先させました。

すると、今まで1人の講師の心の中で抱えていた生徒の伸び悩みを講師間で共感できるようになり、色々な案を相互に出し合うなど、次第に衆知を集められるプラットフォームに変化していきました。

この情報共有で生み出された提案を授業に取り入れたところ、伸び悩んでいた生徒の5人中4人が上位クラスに昇級することができました。【成功の連続】

このプラットフォームにより、新人講師もすぐに溶け込めるようになったメリットに加えて、生徒の実情を知り得たり、ベテラン講師からのアドバイスももらえるため、講師としてのスピーディーな一本立ちに一役買う結果となりました。【再現性】

御社ではこの経験から培った行動の速さと実行力で、あらゆる問題にも臆することなく突き進み、業容の拡大に努めたいと考えています。【ベネフィット】

 

6.おわりに:塾講師の経験を刺さるガクチカに

以上、塾講師のガクチカの作り方を解説してきました。

 

なかには、

 

「コミュニケーション能力が身に付いた」

 

「笑顔で対応することを心掛けた」

 

「雑談を交えながら楽しい授業を行った」

 

など、抽象的で採用選考のウリにはならないガクチカをアピールしてくる学生を散見します。

 

ガクチカで最も肝心なことは、

 

「相手の求める人物像にいかに近寄せることができるか」

 

です。

 

このピントがずれると、的外れで興味の薄い、相手にとってニーズのないガクチカを量産する羽目に陥ります。

 

アピールしたい能力やマインドが適切であれば、あとは今回公開したストーリーフォーミュラ式ガクチカ・テンプレートに当てはめるだけで刺さるガクチカが完成しますので、早速作ってみましょう。

 

本記事があなたの就活のお役に立てば、幸いです。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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監修者情報

須藤由加里

キャリアアドバイザー リーダー

株式会社やまとに新卒入社。
全国での採用担当&新卒中途の研修担当の3職種を経験。 その後挑戦心が原動力となり2020年に株式会社ナイモノにジョイン。 現在キャリアアドバイザー リーダーとして就活生のサポートを行う。